本HPは「統合医療」に関して、その概念および実際を紹介することを目的とするものであり、個別の疾患や診療内容の相談には応じかねます。また、内容に関しても、実際に個人の判断で適応した際のあらゆる責任は負いかねます。実際の診療に関する事項は、医師にご相談の上、施行されることをお勧めします。

2025年03月06日
2025年3月・研究会のお知らせと近況報告
AWGに関しては、特に自律神経分野に若干の進展(修正)があるのと、腎機能分野では、その機能改善に新データが追加されましたので、それらを解説していきたいと思います。生理機能検査的な話題が、一応今回がラストで、今年は顕微鏡所見やエコーでの解析を導入していきたいと思っております。
また水分子の挙動に関しても見解が広がり、これまで以上に応用範囲が広がる考え方が出てきましたので、それらも解説していく予定です。ホメオパシーでもそうなのですが、どのように効いているかというイメージが持ちやすい研究結果があると、臨床にも大きく影響するみたいで、これまで以上に、AWGによるコヒーレント形成効果を臨床的に感じることが出来るようになってきました。
その次の週からは、本年度の統合医療学会の教育講座が開始です。今月の私の担当は統合医療総論について、で6月は基礎医学講座となります。それ以外にも本年は、基礎医学検定も学会主催でスタートする予定なのと、夏ごろにはいよいよ「ファシア部会」の立ち上げを予定しています。
2025年02月24日
最近の展開、マトリックス医学を中心に
ファシアからマトリックス医学への展開の理論化が進行中で、なかなかここでのご報告に至りませんでした。
現在、ファシア振動を中心に据えたAWGオリジンの解説書と、そこから導かれるマトリックス医学の射程の理論書の2冊同時進行中です。どちらかは春か夏までには出来そうです。詳細は、ここでもご紹介しますので、お待ちください。
また、メディカルホメオパシー医学会の総論論文として、ファシアとホメオパシーについての接点を論じた論文がもう少しで完成します。こちらは学会会員のみになりますので、皆様の目に触れることもないかと思いますが、探すと意外にどこかでみつかるかもしれません。
3月8日(土)に、今年最初の「マトリックス研究会」開催予定です。AWG(QPA)による治療効果や、マトリックス医学の展開にご興味ある方、クリニックまでご連絡頂けましたら、どなたでもご参加できます。
ファシアをめぐる議論から発展した「マトリックス思考」による医学への新しい視点について、今回はその基本から全体像をお話したいと思っています。
2025年01月26日
がん治療におけるファシアの重要性
そうした思考のきっかけとなった文章があったので、当時の掲載誌の文から少し改編してこちらに掲載します。来月初めがカフェで「ファシア」を扱うので、そちらに参加予定の方は予め読んでおいてください。
がん治療におけるファシアの重要性
統合医療とは何か
まずは統合医療とは何かという話から始めることにしましょう。統合医療とは、現代医療に補完代替医療を統合した医療という意味をもちます。それが主張する人の立場や考え方によって、多彩な形に分化し、今日の多様な意味合いを持つに至ります。
私はそれらの特徴を踏まえて、教条主義・折衷主義・多元主義・統合主義の四つに便宜上、分類しています。
この中でも多元主義は、医療職における多職種連携とも関係してくるので最後にまとめて述べるとして、がん治療の場面で、重要な側面を有するのが統合主義になります。そこで本稿では、具体的に当院で行っている統合主義的な取り組みの基礎となる概念の「ファシア」と、そこからがん治療への新展開の可能性をご紹介していきましょう。
ファシアとは何か
ファシアとは、これまで「筋膜」と訳されてきた用語ですが、正確には筋肉の膜にとどまらず、幅広く結合組織や腱・筋膜などを表すものとなります。つまり、皮膚や内臓、筋・骨格といった従来の解剖対象のもの以外「全て」にあたりますので、視点を変えれば「人体最大の臓器」と捉えることもできるわけです。
これがなぜ、統合主義的な用語かというと、経絡システムや瘀血・水滞といった東洋医学的な概念と、気・波動・量子といったエネルギー医学の基礎を、現代医学的に説明するのにピッタリの考えだからなのです。まさに統合医療を具現化している用語といっても過言ではありません。
ファシアからの新たながん治療戦略
これまで東洋医学的世界では「がん」は、気滞や水滞が瘀血と絡まる形で形成されてくるものと理解されてきました。いわゆる汚れた血、停滞した血が「がん」などの病理産物を発生させるという考え方です。それゆえに悪い血を抜く方法として「刺絡」という鍼法が生れてきたと言えるでしょう。
しかし「悪い血」というのは、そもそもどんなものなのでしょうか。こうした表現は常に現代西洋医学側からは疑問を呈されてきたものでもあります。またこれに関連して、首や肩の凝りのようにゴリゴリのスジのように触れる所も実際はどうなっているのか、こうした実践的な混乱を解決してくれるのが、ファシアという概念なのです。つまり、うっ滞した血管の周辺には、ファシアも多く存在し、ファシア内部には炎症性物質うぃ溜め込んだ形になっています。そこを針で浅めに刺し(刺絡)、カッピング(吸角)により陰圧をかけます。これにより血管およびファシア内の液体が、内部の炎症性物質(グロブリン等)とともに引くことが出来ます。つまり身体内部でくすぶっている慢性炎症のタネを除去することが出来るというわけです。
ファシアを介した治療は、刺絡に限りません。肩こりや腰痛の時に現れる「硬結」は、ファシアが互いにくっついてしまった状態(重積)と考えることができ、そこに生理的食塩水を注入して、重積状態をほぐすこともできます。瘀血などの東洋医学的病理産物や、身体の歪みによる固縮による内圧の亢進は、それ自体が「がん」の発生・拡大・転移の大きな原因とされています。これらの病態は、ファシアという考え方を知るだけで、具体的に刺絡やハイドロリリースといった手技により改善することができます。さらに広く、鍼灸一般や、整体、漢方の腹診へも応用可能となります。
がんそのものの性質ばかりではなく、その周辺状態へと視点を転換することでがん治療さらに大きな可能性を有することができるのです。
線維化
医学研究の分野では「線維化」と疾患の関係に大きな注目が集まっています。従来はがんや動脈硬化の源といわれる慢性炎症の、なれの果てのような扱いだったのが実はその病態に大きく関与していることが分かってきました。
この線維化もファシアと大きく関連します。線維芽細胞の形成するコラーゲンが、ファシアの基盤となり、そこから形成される瘀血や重積となって、いわゆる臓器の実質細胞と相互作用しながら線維化に進展すると考えらえています。一般的にがんの物理的特性として硬く閉じ込められた状態で、増大・転移しやすいといわれます。その意味では、ファシアを操作することで、がん周囲の固縮した状態から解放するというがん治療における補完的な役割を担うことができます。
統合医療の権威アンドルー・ワイルの強調する自発的治癒力というものも、こうした固縮状態からの開放によってそのスイッチが入るようなものなのではないでしょうか。
ファシアの異常は実際にどのようにして解るのか
それではファシアの異常は、どのようにしたら捉えることができるのでしょうか。直接的に観察する方法としては「超音波検査」が挙げられます。体表モードで皮下のファシア重積などはその概容を捉えることができます。
またそうした重積の原因となる粘りのもとは、光学顕微鏡や、さらには暗視野顕微鏡でフィブリン塊や赤血球連銭としても観察可能です。毛細血管との関係を直接観察するには毛細血管顕微鏡によりリアルな実態が観察できます。こうして観察されたものの基本はコラーゲン線維です。つまり基本構成成分であるコラーゲンの状態がすべての基本となるわけです。生体であれば、このコラーゲン周囲にびっしりと水分子が存在し、その状態は、ある種の波動治療器やホメオパシー、アーシング等によっても影響を与えることでき、それらの治療の理論的基盤となっています。
おわりに
このようにファシアという用語を用いると多くの統合医療に関する領域を統合できるように なります。そしてこの新たな視点はこれまでの治療法の壁を超える可能性を示し、新たな治癒への道のりをもたらす可能性があります。
しかしそれはたった一つの考えでがんが治るといった安直な方法ではありません。
様々な身体への視点、さらには心理・精神的視点、社会・経済的視点も欠かすことができません。
つまり現実の統合医療は、多元主義であることが現実的なのです。このため当院ではジャングルカンファレンスといった統合医療のカンファレンスを定期開催し、様々なセラピスト(リフレクソロジー・骨盤調整・キネシオロジー・靴調整・アーシング・心理カウンセリング等々)とともに意見交換・対話を続けています。世界の趨勢たる統合医療は、統合主義的な新たな視点を提供しつつも、現実的には柔軟に多元主義的な対話を継続する医療として一歩ずつ発展していくのではないでしょうか。
2025年01月16日
2月のジャングルカフェの課題図書
課題とするレソンダックのファシア本ですが、全面的に賛成というわけでもなく、個人的には意見がある部分もあるのですが、それほど大著ではなく読みやすいので、選択してみました。カフェ参加予定の方は、一度ざっとでよいので目を通しておいてください。
2025年01月13日
今週末にAWGオリジン研究会が愛知医大にて開催されます
私も第1回は参加のみでしたが、今回はAWGの生理機能をこれまでの実験・測定データから推測して、発表します。いわゆる波動系の説明のみであった本機種に対して、ほぼ初めて生理機能に言及した発表になる予定です。
以下、当日の発表資料です。ご興味ある方は、株式会社アジアス、もしくは、小池統合医療クリニックまでお問い合わせください。
第2回 AWGオリジン研究会
AWG ORIGINは一体何をしているのだろうか?
小池弘人(小池統合医療クリニック)
AWG ORIGINはこれまで、物理学者の保江邦夫の仮説的なメカニズムとして水分子のコヒーレント性を高めることが想定されている。しかしその実証的な研究は十分とは言えず、未解明の点も少なくない。
そこで本発表ではその実態を把握すべく、通常の血液生化学検査に加え、生理学的視点から脈波による自律神経検査、介入前後の暗視野顕微鏡所見などを駆使して、測定データや顕微鏡画像を供覧し、現段階における生理機能をまとめたい。その時の重要な補助線となるのが「ファシア」である。
AWG ORIGINから発せられる多彩な振動数を組み合わせる中で、ファシアはどのような挙動を示すのか。間接的ながら得られたデータから、本機の暗示するエネルギー医学の新たな地平を考察したい。
小池弘人
1995 群馬大学医学部卒業
2004 アリゾナ大学統合医療プログラム修了
2006 群馬大学医学部非常勤講師(〜2022)
2007 小池統合医療クリニック開設
医学博士(臨床検査医学)・人間科学修士(哲学)
日本統合医療学会認定医・日本内科学会総合内科専門医・日本メディカルホメオパシー学会専門医・日医認定産業医
日本統合医療学会業務執行理事・マトリックス統合医学研究会代表理事・統合医療カンファレンス協会代表理事・日本城郭検定2級
2025年01月02日
歴史的方法と科学的方法 時間的・空間的考察の補強
理科系、文科系の境界線上にあるような内容にしたいと考えているのですが、それゆえに両者の方法論について少し思うところを。理系・文系と言ってもいろいろな分野があるので一概に言えないのですが、その大きな方法論の違いとしては、やはり時間軸に沿う「歴史的方法」と、空間的(同時代的)な物事の相互作用を実験的に調べる「科学的方法」が代表的。
三木成夫の言うように人間(というか生命体)は、時間的・空間的な要素が縦横の糸のように織られた存在なので、この両極の二つはどちらも欠かせない方法論となります。
歴史的方法論の特性としては、その一回性が重要。何度も同じように実験することや、同一条件での再現はほぼ無理。しかしだからと言って、一度起きたことが絶対なのか、ということを考えることもまた重要。邪道のそしりは免れないが、そこにはやはり「もしも…」の志向性は極めて重要ではあります。
反対に科学的方法論の特性として、実験可能、理論的には再現可能という事です。厳密な問題はさることながら、とりあえずプラグマティックな方法論の対象となります。それゆえに真理などという言葉も使いたくなる衝動に駆られる領域。
科学的方法論を、強いて歴史的方法論を持ち込むとするなら、歴史シュミレーション的なもしもの状況を導入せざるを得ません。戦略論や地政学といった分野が、これにあたるのでしょう。そうでなければ、決定論的に確定した事実を、より補強する議論しか成り立たないことになっていくわけです。これは折衷的な事実の並立を防ぎ、より起こりうる可能性、蓋然性がどちらが高いのかという事を吟味することなのです。
では歴史的方法論を、横並びの空間的配置である科学的方法論の世界に持ち込むとどうなるのでしょうか。これこそが時代背景により異なる見解、科学史で議論される領域です。具体的には地動説の前の天動説における説明、という方が分かり易いでしょうか。量子力学以前と以後の物理学の在り方などもそうでしょう。これはいわゆる、フーコーにより洗練された哲学的「考古学」と言える領域です。今はない(もしくは忘れられた)、でもその当時は常識的であった「まなざし」という視点。科学的概念を立体的に見るとき、この「まなざし」の視点が不可欠になるのです。
歴史的方法と科学的方法、それらには各々「もしも」と「まなざし」といった補完的な視点がありうる。そうした視点を持つことで、各々はその弱点を補強することが出来る。歴史と科学の境界領域における絶好の観測点を確保するためには、この両者への、意識的な反省の視点を持ち続けようとすることが何より重要なのかもしれない。そんなことを感じております。
2025年01月01日
2025 新年あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げますm(__)m
新年の診療開始は、1月9日㈭となります。なお電話でのお問合せ・予約対応等は1月6日から行っております。
寒い日が続いておりますが、お身体に気を付けられながら、皆様良いお正月をお過ごしください。
2024年12月31日
量子もつれ、アリゾナのPIMでも扱われていたっけ
すべてのプログラムのスタートとして、科学哲学的な講義から始まるため、クーンのパラダイムという用語を生んだ『科学革命の構造』(少し前に新版となりましたね)とともに、読むべきものリストに掲げられていたのが、EPRパラドックスに関する解説論文でした。
私自身、物理学専門ではないので、クーンのパラドックスまでは何とかなったものの、EPRパラドックス(そもそもこれは現在パラドックスではなくなり相関と称するのが妥当)から導かれる「量子もつれ」になると、当時、初心者向けの解説書などほぼ無い状態だったので、何を言いたいのかよくわからなかったのを今でも覚えています。その後、スピリチュアリティなどの場面で、こうした用語を目にすることが増え、「非局在性」との関連で、ワイルがプログラムの初めの哲学のところでこうした話題にふれていたのを理解するようになりました。
まあ、それでも、この話題を物理学本体から離れて、いわゆる医学関係の「こちら」の話題とリンクさせることについては、大いに文句がつくというのが現状でしょうが。(物理現象は物理の枠内で止めておくべきという医学側の主張は多いですよね)しかしNHKの番組でも、綜合ナレーションを宇多田ヒカルが務めていたことからも、そちらへも当然、波及するものとして制作者は考えているのは明白でしょうね。
最近、ファシア近辺で話題にしている、コラーゲン線維周辺の水分子のコヒーレント性なんかも生物物理系の研究者に噛みつかれるのも、そうした風潮の一環なのでしょう。かつて傷の消毒ナシが外科に受け入れにくく、当初の糖質制限が内科に受け入れにくかったことと似ていて、今後の展開が予想されやすい、とも言えますね。歴史はほんとに役に立ちますね…
2024年12月30日
「義経愚将論」に思うこと
内容はまさに題名通りなのですが、これまであまり関心のなかった源平合戦について考えさせられるものでした。歴史的考察もさることながら、「結果論」がすべてなのか、ということを考えさせられました。よくテキトーなプラグマティズム批判に、結果が全てとか、うまくいけば何でも良い!みたいなのがありますが、これに対しては強く違和感を感じてきました。
プラグマティズムの議論をする際は、典型的なものとしては科学実験的な場面であり、その際に「理論」よりも「事実」を重んじる、という面が強調されると思います。「量子もつれ」の理解などにもこの思考は有用だと思います。
それに対して、通俗的(俗悪的)な理解としては「勝てば官軍」的な、つまり結果のみで評価しプロセスは問わないという、時に非倫理的なものをも肯定する態度です。こうした流れは、成功者の自伝や、新自由主義的な文脈で述べられることも多く、いわば「歴史的」な場面が多いように思います。つまり、再現性の効かない一度きりの場面です。
歴史解釈はまさにこれなのですが、それゆえに近年は「IF」を思考する必要性も、時に話題にされたりします。源平合戦は、当然結果は覆らないわけですが、本当に平家は滅亡するべくしてしたのか、そうしたことをもう一度考えても良いという事を感じさせられました。
統合医療学会(宇都宮)の個人的総括
個人的にも、発表の多かった大会でしたので、これまでのいくつかのテーマの総括ともなった学会でした。箇条書きで気づきをいくつか。
・多職種連携:シンポジウム座長として参加しましたが、多くの方が当院の多職種連携に関心を持たれていることが分かりました。またスタッフの川浪さくらさんによるリボンでの連携の発表は、第三者的視点で自分たちの組織を見直す良い機会となりました。
・統合医療総論:前年の伊勢田哲治教授をお呼びした流れから、学会学術誌へ「総論」として発表した論文の解説的講義を行いました。この手の発表を始めたころは、一般発表であったこともありほぼ「関心を持たれず」という状況でしたが、ここ数年、こうした哲学的課題の重要性を理解される方も増え、シンポジウムはかなりの盛況でした。総論理解への熱量を感じられるシンポでした。
・身体技法:甲野善紀先生と岡田慎一郎先生をお呼びしたこともあって、自らも大いに勉強になった大会でした。特に岡田先生の講演は初めてでしたので、昔さんざん稽古した「膝行」や「座業」が、股関節の固着によって、困難になっているのを自覚し、現在対策を考え中です(笑)リボンで膝行や受け身教室みたいなこともしてみようかと考えております。
・ファシア:直近の理事会で「ファシア部会」が承認され、あらためてファシアとは何かを考える良い機会になりました。AWGのランチョンセミナーとファシアから線維化現象へのシンポジウムの2テーマ取り扱っただけに、多くの学びを得ることが出来ました。ここからファシアを越えて、マトリックス概念で議論する重要性も感じました。
2024年12月12日
第28回統合医療学会が宇都宮で開催されます!
一般市民を対象とした無料公開講座も、土曜日と日曜日の2演題ありますので、関東の方で統合医療に関心のある方は是非ご参加ください。
14日(土曜)16:30〜17:30、武術研究者の甲野善紀先生「人が人として共生していくために「対応の原点」としての武術を考える」
15日(日曜)11:00〜12:00、社会学者の上野千鶴子先生「おひとりさまのの老後を支える介護保険が危ない!」
私の参加するものとしては14日、10:40〜12:10 シンポジウム1「多職種多機関連携」に座長として、12:20〜13:20 ランチョンセミナー「QPAが拓くファシアから生体マトリックスへの新たな可能性」に演者として、16:00〜17:40 シンポジウム3「学術研究の方向性」では「統合医療総論の構築」演者として登壇します。16:30〜の甲野先生の市民公開講座1においても、鶴岡大会長と共に座長の予定です。15日は15:30〜17:00 シンポジウム8「慢性炎症とファシア」にシンポジストとして参加予定です。
日本統合医療センター関連としても、シンポジウム1の発表者として川浪さくらさん、一般演題において、藤倉まことさん、三村博子さん、佐藤公典さん、山本広高さん、野口裕司さん、らが発表予定となっております。
寒い季節になりましたが、皆様、風邪などひかぬようにお気を付け下さい。宇都宮、寒そうなので、私も気を付けます!
2024年10月07日
ハラノムシ医学への道
トーマス・カウワン著『ウイルスは妄想の産物』もそのうちの一冊。こちらはウイルス一般の存在を否定しているわけではないので、やや題名が過激な印象がありますが、それ以外の視点として生物学全体に疑問を呈しているところは興味深いです。細胞説全体に対しての疑義なのですが、これは本書では触れられてはいませんが、臓器特異説、組織説、細胞説といった通常の医学史での展開に大きな影響を与えるものにも思われます。
また、ここに細胞説への疑義を読むことで、三木成夫に大きな影響を与えたビシャ―の組織論、膜論などを再検討してみる必要も感じました。従来の生物学への疑問からは、水分子の在り方の問題、これは相分離生物学的な主張とも極めて似ている点でもありますが、このあたりも特に興味深い。とりわけ水分子のコヒーレント状態に言及している点も、個人的にはマトリックス論との関連でとても惹かれました。
ビシャ―についての一般的な考察は以下。
また、これもヒカルランドになりますが、徹底してウイルス・細菌による感染症を否定的に述べ、かつ医療の歪みを指摘したD.レスター&D.パーカー『本当は何があなたを病気にするのか』もこうした系統になるでしょうか。個人的な感想としては、全てを納得できるというものではありませんが、考えさせられる記載も少なくない書籍ではありました。
これらの書籍を読む中で、確かにどの立場から記載したものなのか、ということの重要性ということは強く感じることが出来ました。
ある疾患や不調、症候群を、化学物質の毒性を軸に理解するべきか、細菌やウイルス・寄生虫など生物学的な軸で理解すべきか、容易に決定できないことも少なくないでしょう。化学物質中心に行けば、確かにナチュラルハイジーン的になるでしょう。そしてこの反対の立場、それも伝統的なところまで立ち返ったものが「ムシ」の観点ではないかと、最近、ずっと考えております。
古典医学的に、いわゆる虫因論とされるもので、霊因論と心因論との中間に位置するとされます。簡単に分かり易く述べれば「ハラノムシ」のムシです。かつて心身二元論が徹底される以前は、精神的な疾患を、この虫因論で解決していた時期があり、今日の医学を考える際にも多くの示唆を与える視点でもあります。反医学的な毒物起因論による反感染症論争の時に、こうした伝統医学的なまなざしは、当然考慮されていません。しかし古典的には確実に、今日の意図とは別に、存在した認知方法だけに、これはこれで再検討すべきではないかと最近は考えております。
詳しい構想はまた後日、ここで記載することとして、とりあえずこうした認識論まで含めた医学的考察を「ハラノムシ医学」とでも名付けておこうと思います。
こうした発想も最近のマトリックス的な思考によって出てきたものです。今後、いろいろと書いていこうと思います。
2024年10月06日
10月のカフェの課題図書は『がんの真実』になります
趣旨としては「がん細胞」は仮説にすぎず、それをもとにした現在の治療体系には問題があるという主張。またこれに代わる「がん幹細胞」説の紹介と、そこにもある問題群。そもそもの「がん」という病態に対して、現在の理解でいいのかという根本を問う内容になっています。また、がんに限らず現代の西洋医学的思考に対しても大きな疑問を投げかけており、昨今のウイルスの実態の有無やら、細胞構造の真偽などの議論とも連動しています。
賛成反対の立場を問わず、参加者の皆様で、対話の中から読み解いてみようと思います。今回は、ここでは明かせませんがスペシャルゲストの方も参加予定ですので、お楽しみに!
2024年09月16日
雑誌「セラピスト」に掲載されました!
これまでの代替医療をしていれば統合医療という初期段階を越えて、多職種連携をメインに幅広い選択肢をとりながら、中動態的な姿勢で臨む新しい「統合医療」のカタチをお伝えできれば幸いです。
そうした雰囲気が少しでも伝わり、こうした医療のカタチに関心がもたれるようになれば、と願っています。
ライターの方々もかなり私たちの想いを正確に伝えてくれている記事で、多くの方に読んで頂きたい仕上がりになっております!
これを機会に、ジャングルカンファレンスなどの取り組みに参加して頂ける方が増えてくれたら、とてもうれしいです!
2024年08月26日
第2回マトリックス統合医学研究会のご紹介
2024年9月7日(土)
14:00〜15:00(予定)「QPAを中心としたファシア・インターベンションの紹介」
15:00〜16:00(予定)「ソマチッドサイクルとファシアデブリからQPAの作用機序を考える」
16:00〜(予定)QPA体験会
お問い合わせは小池統合医療クリニック(03−3357−0105)まで
2024年08月25日
種と土理論から、ファシア状態論を考える
この辺りの考え方としては、医学史における論争も無関係ではなさそうです。つまり病理の原因をどこに求めるか、ミクロの領域における原因探索の焦点の問題です。現代医療の直接のオリジンとしては、ウィルヒョウの細胞説であることはいうまでもありません。しかし、実はその前にビシャ―による組織説などが展開されていたことは現状としてはあまり話題になりません。しかし、生気論を強く推していたビシャ―の姿勢は、三木成夫らにより注目されていた視点でもあります。(科学史において正当化する少し前の理論が新たな視点をもたらす例としてはエーテル理論などが好例だと思いますが、この問題は長くなるのでまた別機会に。ブログ内検索でも過去記事でいくつか議論しています)
いわば全体を捉えようとする「種と土理論」ですが、これをがん治療の具体例として考えると、細胞の基底膜としてのコラーゲンの存在に行き当たります。
ここで仮に、正常と異常の2種のコラーゲン線維の上に細胞が増殖するとして、正常な網目状のコラーゲン線維の上には、きれいに正常細胞が配置されることになります。一方、異常なコラーゲン線維はきれいな網目状をとらないとすると、そこには異常な細胞が配置され、組織修復においては瘢痕化するといわれます。これが恒常的に続くとすれば、異常な基盤の上に、異常な細胞群が塊として集積してもおかしくありません。
こう考えると、高濃度ビタミンC点滴などによりコラーゲン生成の異常を是正することで、がん化したとされる細胞塊がそのまま抑制されて増大化せず、さらなる新たながんの発生や転移が抑えられるとする実践的な経験と矛盾しません。
がん細胞の線維芽細胞による包囲というより、基盤としてのコラーゲンの正常化と、その異常化の阻止と考えることが出来ます。
こうした考えは、まさにコラーゲンの集積体でもあるファシアそれ自体の、がんへの直接効果といってもよいものです。正常なコラーゲン生成とそれによる組織でのファシア状態の是正。いわば環境の調整的な方法論が、がん治療そのものに転化する可能性を示すのではないでしょうか。仮にそうであれば、これはファシアの状況改善が治療効果をもたらす可能性も示します。
ファシア近辺のいわゆる「ファシア瘀血」の除去や、ファシア重積の解除などファシアに関連する介入法(インターベンション)が、がん治療に有効な可能性を示すことになります。
かつて刺絡は、自律神経と免疫の関連から「安保・福田理論」として一世を風靡しましたが、こうした自律神経調整の意味合いのみならず、ファシアへの介入として新たな解釈を与える必要があるのかもしれません。これらは、現在痛みの治療に特化して議論されているハイドロリリース法にも言えると思います。
また、ファシアには、電気的な影響により(荷電状態)プラークや残骸など「ゴミ」の付着や停滞の可能性も考えられます。私はこれを「ファシア・デブリ」と称していますが、これらはQPAなど波動治療器において出現してくるものと考えています。これらの存在もファシアの健常な在り方には影響してくるだろうと思われるので、当然がんとも無関係ではなさそうです。
種と土理論から派生する、ファシア状態論は、いろいろと調べるほどにがんへの対策としては無視できない重要なものとなりそうです。
ファシア・デブリとファシア状態論に関しての詳細な報告は、これも第2回のマトリックス統合医学研究会にて発表予定ですので、ご興味ある方はご参加ください。
QPAの刺激強度に関して 弱刺激の効用
QPA施術においては、気持ちの良い程度の刺激でよいとされ、その電気刺激の強度は、各人の快適な程度で自己コントロール可能な状態にしていたのですが、これによりかなり人による刺激の差が出ていることがわかりました。つまり快適と言っても、強めが良い人もいれば、弱めが良い人もいるし、同じ刺激でも強く感じる人、弱く感じる人、感度も様々です。
そこで特に、交感神経データが強く出る人を対象に、従来の半分以下に電気刺激強度を下げたところ、交感神経の測定値が低下しました。つまりQPAの振動数による特異的効果は抜きにして、非特異的効果をみる場合には、かなり強度の設定が重要であることが分かりました。
いわゆる波動系測定に関しては、波動であるがゆえにそこばかりが強調され、これまでこうした効果が議論されてこなかったようなのですが、今回の測定により、未知の波動器機の測定における今後の課題が浮き彫りになりました。
この結果は、交感神経抑制を目的としたものだけではなく、電気による振動刺激自体は生体の目的組織に届き、わずかな刺激であってもファシア周辺の水分子に影響を及ぼすと考えられるので、特異的効果は妨げないものとなります。
弱刺激の方が、効果的である例としてはマイクロカレントなども同様で、自覚的な電気刺激でないもののほうがかえって望ましい効果をもたらすことは珍しくありません。
ある一定の強さを境にして、効果が逆転することもまた稀ではありません。血圧上昇と利尿効果におけるカテコラミンの作用など、そうした例はいろいろあります。とくに微量・弱刺激に関しては、ホメオパシーの例を挙げるまでもなく、通常医療においても多々見られる現象であります。
ちょっとした工夫と観察ですが、波動器機QPAの実践応用の枠が少し広がったと感じています。jこうしたこまかな情報も、9月のマトリックス統合医学研究会においてまとめて発表していこうと思います。
2024年08月16日
がんの転移について ファシアから考える
粘膜下層への到達により、血管やリンパを介して転移が生じるとしても、それがより激しくなるのが固有筋層の突破です。これはバリアとしての筋層に到達したように考えていましたが、もしかしたら腫瘍と筋層が接触することで、上皮間葉転換(EMT)といった質的な変化が生じ、それによって固有筋層そのものが変化してしまう、ということもあるのではないか。こうした質的な変化は何らかのシグナルによって遠隔に作用したら、EMTを別な組織でも促進することがあるのではないか、という考えです。
この辺りは、私自身が研究の現場にいるわけでないし、がん治療の最前線にいるわけでもないのではっきりしないのですが、転移に関しての不明な点も少しでも説明可能になるのではないかと思い、メモしてみました。
こうした変化は当然、線維化も招来するでしょうし、そもそも線維芽細胞に幅広く変化を促すことも予測されます。
まあ、真実は分かりませんが、既存のストーリーとは別の展開を時に考えてみることも、発想の転換には必要ですので、メモしてみました。
いずれにせよ、線維化・コラーゲン・ファシアなどの周辺的、「土」的な要素の重要性は今後、ますます増してくるのでしょうね。
「種と土理論」からがんとファシアについて考える
内容に関しては読んで頂くとして、記述はとても分かり易い書き方になっています。が、実際に臨床の場もしくは、研究の場に縁のない方にとっては、なかなか実感が涌きにくいのではないか、とも感じます。
エッセンスとしては「がん」という実在はないということに尽きるのですが、この辺りは哲学史におけるスコラ哲学の普遍論争の様相も帯びてきます。「がん」をめぐる唯名論と実在論の対立、といったところでしょうか。私としては、一般に近代以降のメジャー「唯名論」に依拠することが多いのですが、ここでの論争などはそう簡単にはいかないし、実際そうではないだろう、というのが本書の主張でもあります。
しかし、数学や生物学などの分野では、実在論に依拠しなければ、理屈の通らないものが少なくないことも事実で、がんの問題に関しても同様です。あまり「がん」の問題に直面していない方にとっては、どうでもよい問題かもしれませんが、この分水嶺の示す意味はとてつもなく大きい。具体的には、抗がん剤による治療と、そのメカニズム解釈を受け入れるか、否かといった問題に帰着されるからです。(ちなみに唯名論と実在論の対立への解決策としては医学分野ではプラグマティックメディスンに依拠するべきだと考えます)
社会・経済におけるポストモダンの蔓延の後に、経済分野において新自由主義へと流れていく様子と、医学における発展と混乱の後のEBMの勃興から、商業的な性格を強く持つものへと変貌する姿とが重なって見えざるをえません。そうした世相ともパラレルに展開してきたものと考えると、さらに理解しやすいのではないかとも思えます。
本書における問題の提示は、こうした哲学的視点のみならず、がんの進展や転移の在り方における「種と土」理論などおおいに考えさせられました。
「種」としてのがん細胞研究であれば、その遺伝子変異や細胞内の代謝のあり方など、細胞そのものがフォーカスされるわけですが、そこに「土」も関係するというわけです。本書では幹細胞からの成長基盤である基底膜の状態が議論されていましたが、進化における細胞としての背景でもある線維芽細胞との関連で考えれば、まさに昨今の流行りでもあるがん関連線維芽細胞(CAF)についての議論にもなりうるわけです。さらに敷衍すれば、コラーゲンの状態、さらにはファシアの状態にまで話題を広げることも可能でしょう。
がん細胞関連のファシアの役割としては、コラーゲンによるがん細胞の包囲(抑え込み)などが浮かびますが、これですら「がん細胞」仮説でのモデルと指摘されても仕方ありません。つまりそうしたモデルではなく、種としてのがん細胞に対して、土としてのコラーゲン、ファシアの状態の病態への関与が重要であるとみることも出来るわけです。これは、またファシア理論を大きく発展させるカギとなる概念になるでしょう。
このほかにも「がん細胞説」と「がん幹細胞説」など、似て非なる理論展開の相違など興味深い話題が多く紹介されていますが、ここではここまで。肯定、反対、いずれにしても、ご興味ある方は一読お勧めいたします。
2024年08月12日
医学・生物学における(割と大きな)パラダイムシフト
我々は、なにかターゲットになっているものに関して詳細に研究し、科学とりわけ生物学・医学というかたちで記載してきた。しかし、これからはこうしたターゲットに照準を絞るという方法論からシフトしなければならない、という指摘である。
みたい星を見るために、少し視線をずらしてみる方が目的の星を捉えることが出来る、という例である。いわば周辺性をみる、もっといえば、その基盤・母体・背景との関連性をみる、関係性へのまなざしである。
マトリックス医学を強調する際に、最も大切している主張であり、意外にも軽く扱われやすい視点でもある。こう指摘していても、ここが本当に注目されるまでには、あと何度のパラダイムシフト(という言葉の使用)をしなければならないのであろう。
しかし遠い未来においては確実に、この「関係性」へのまなざしが最重要になる時が来る。本書でも、腸内細菌や寄生体は助手席の同乗者ではなく、ハンドルを実際に握る運転者であるという指摘がされている。
疾患への関与を考える際、自らの遺伝子配列よりも10数倍の強い関与がなされるのが、腸内細菌や寄生体の遺伝子である。我々が文字通り基礎として学んできた解剖生理学など基礎医学の大半は、そうした視点のもとでは、将来的に確実に外縁に追いやられる。
パラダイムシフトは静かに確実に進行している。マトリックス(統合)医学は、その前哨に位置するものなのである。統合医療という、いわば外縁が、中心と転倒を起こす日は、そう遠くないのかもしれない。
2024年08月11日
波動治療器のソマチッド効果を考察する(第2回マトリックス統合医学研究会の予告)
年末の統合医療学会に向けて、マトリックス統合医学研究会の展開を考察中です。波動治療器でもあるQPAの治療機転を考えているのですが、これまでの流れからソマチッドについての言及は避けられず、色々なモデルで考察してきました。以下、メモ的な記載ですが、ご興味ある方はどうぞ。
QPAなど波動治療器も含め、最近、理論だってきたのが「ファシア」についての存在の考慮です。ファシアは当然、これまでも存在は知られていたものの、あくまでも脇役ないしは不要物のような扱いでした。そのためオルタナティブな領域においても、ほぼ無視されてきたことはいうまでもありません。
これは通常の光学顕微鏡に対して、特殊な暗視野顕微鏡を用いて観察を要する「ソマチッド」が、通常の方法論で見えないから「ない」という論法にも一脈通じるように思います。しかしそれゆえに、今回のファシアを含める論法が、いわゆる代替医療側に受け入れやすいのか、というとそう簡単ではなさそうです。
通常、こうした新鮮血を用いた顕微鏡検体の採取は、簡便性の必要もあり、指尖からの採血となります。これは当然、静脈採血と異なり、毛細血管からの採血となるのですが、構造上当たり前ですが、それ以外の血管外体液の混入を避けることができません。それゆえに血糖値などでは、数値の基準が異なることは、医療従事者であれば常識と言えるでしょう。しかし、それはわずかな空間のイメージでとらえられることも多く、これまでさほど重視されてきませんでした。
しかし、ファシアの視点がこれほどまでに話題にあがる昨今、そうしたイメージで良いのでしょうか。つまり、ファシアはそれ自体、内部に体液を内包した立体構造であるだけでなく、その周囲にも水分子の存在が認められます。ミクロに考慮した場合には、そこでのコラーゲン分子周辺の結合水の様態が、半導体としての電子の流動性をも規定します。また、ファシア自体が血管内皮様の構造体を形成し、その内部をプレリンパが流れることも分かっています。
つまりはかなりの構造体が、毛細血管外に存在するわけです。そこは微細な構造を考慮すれば、容積としては毛細血管内部よりも大きくなるでしょうし(梱包材としてのマトリックスと考えれば当然ですが)、末端であればそれだけ異物の蓄積もありうると推測されます。それが何らかの電気的な振動数の変化などによって、水分子の集合態を変えれば(結合水としての在り方が変化すれば)コラーゲンの電気的な状態が変化し、電流のみならず、電荷によって付着していた多彩な物質が、遊離する可能性もあります。それゆえにQPA治療後の、多彩な顕微鏡像の説明にもなりうるわけです。
この辺りは、実際に実例を挙げてお話しないと分かりにくいと思いますので、ご興味ある方は、9月7日に第2回の研究会を開催する予定ですので、ご参加下さい。この辺りの詳しい解説はしばらくは動画にアップしない予定です(年末の統合医療学会にて発表予定です)。
この辺りの領域は、一つの方法論や理論を妄信しているパターンでは分かりにくいかもしれません。臨床像に加えて、末梢毛細血管の直接観察像や通常の光学顕微鏡等に、暗視野顕微鏡の所見をあわせて複眼的に初めて見えてくるような気がします。
これまでの複数の代替医療領域の諸説を統合して、より説明性の高いものにする。まさに統合医療における「統合主義」的思考の重要性が現れているように感じています。
2024年07月26日
小池統合医療クリニック 2024夏期休暇のお知らせ
8月11日〜16日、クリニックは休診となります。この間は電話での受付対応もしておりませんので、ご注意下さい。予約の変更等は、それ以前にお早めにお願いいたします。
いよいよ8月からマトリックス統合医学研究会が始動します。波動治療器QPAにくわえ、光学顕微鏡・暗視野顕微鏡にて血液像を観察しながら治療効果を確認していきます。あわせて、自律神経の測定(HRV/APG)も行いますので、こちらも健康増進にお役立てください。波動治療器の体験をしてみたい方、ご興味ある方は、クリニックまでお問い合わせください。
2024年07月25日
ホロンとマトリックスに関してのメモ
つまりもう一層の上の階層での論理が必要であって、同じ層内のみでは説明不可能となる。これは図としての組織細胞の制御が、地としてのファシア、つまりマトリックスの論理を用いなければ理解できないという事情によく似る。
これは私の言う5つのマトリックスに広く適用しうる考えで、特に微生物マトリックスにおいてがわかりやすい。つまりそこでの細菌や寄生虫による感染症を抑制することが、マトリックス全体としての均衡を崩し、耐性菌の誕生や、自己免疫疾患の増加といったしっぺ返しをくうことになる。
さらに身近な例でいうなら、一人の思惑によってグループ全体が容易には動かないということや、グループの総意が必ずしも個々の意図と一致しないという事にもつながる。これを関係性マトリックスと称している。
我々は背景としての存在するマトリックスの影響を受けないというわけにはいかない。医学のみならず、歴史学や人類学的考察を要する理由の一つでもある。今後もマトリックスについて思いついたものをメモしていこうと思う。
2024年07月23日
暗視野顕微鏡をみてソマチッドに思うこと、いくつか
通常医学のワードとしては、ソマチッドはまともなものとして取り上げられないモノの筆頭になるかもしれませんが、代替医療界ではスーパーヒーロー的な存在。
私もかなり懐疑的な立場だったのですが、新鮮血の観察から、数人の先生方が前向きに紹介されているものを読むにつれ、その存在を前向きに認識するに至りました。
確かに、いわゆるブラウン運動として見えているものとしては、大きなものですし、動きもそれだけで説明がつかないようなものもありそうです。そこになんらかの未知の働きがあるように思います。ただ、それだけでは生命誕生のミステリーのようなストーリーには、急に展開できるほどの実感はありません。ましてやそこから生命体への成長の諸形態となると、疑問です。
ただしこれは、それらが嘘だと言っているわけではありません。いわゆるソマチッドからの成長形態とされるものは、確かに観察されるし、大きな病態的な意義があることは間違いないでしょう。ただ、それが本当にソマチッドとされているものからスタートしたものなのか。いわゆるソマチッドの権威とされている先生方の語るストーリーに引っ張られすぎてはいないか。そうも思うのです。
つまりここで仮に、成長としての形態変化と無理に考えなくても、新鮮血の観察における病態を示す何らかの病変もしくは病理産物として、現象学的に捉えることは可能なのではないのか。そんな視点の重要性を考えています。これまであまりにも、生命誕生や形態変化を中心としたストーリーの展開にこだわり過ぎていたのではないか、と立ち止まる視点も大切ではないかということです。
病態におけるソマチッドの量的変化や運動性の変化は、今後、観察数を増やしてから再度考察するとして、諸形態はそれはそれとして「現象学的」に捉えていくという姿勢も必要なのではないかと思うのです。
私たちは、知らないうちに大きなストーリーに巻き込まれ、その中の世界観に左右されがちです。糖質制限食を議論する時、「瑞穂の国」などのキーワードで押されたことを思い出します。その前の長大なる縄文時代は何処へ行ってしまったのか、さらには世界史の新たな潮流でもある狩猟民族の影響はどこへいってしまったものか、と。
ソマチッドへの視点の変更には、ファシアへの認識が不可欠だと考えています。つまり、誰もがこの分野におけるファシア(とそれが含む体液)という視点を持っていなかった時の議論とは一線を画する知見が現在、見えているのではないだろうか。
見えていても見えていないというのは、ファシア関連の分野では珍しくないものです。フッサールの「ガリレオは隠蔽の天才である」という言葉通りです。これまでの思い込み(思考の枠組み)をどのように外すかは、これからの課題ですが、こうした転回は、臨床的には大きな収穫が得られる感覚があります。
手始めに、大きな躓きとして、末梢血と考えているものは、血管の内容物だけでなく体液も混入しているということ。つまりはファシア内部及び周辺、ないしはプレリンパともいえる液体を含んでいるということ。これは寄生虫的なものの解釈において、血管内の無菌性にこだわらずにファシアに付着したモノとしても観察しうるということ。電気的な振動によりこれらはファシアとしてあるコラーゲン線維から離れることが可能であること。こうした前提でみることで、かなり観察対象への解釈が変化するのではないでしょうか。
これらの話題はファシア概念の展開としても重要なので、またの機会にこちらでも紹介していこうと思います。詳細に知りたい方は、直接聞いてくだされば詳細に説明しますね(笑)
2024年07月22日
統合医療学会のプレ開催
今回の栃木大会は、実行委員として名前を連ねているのもありますが、シンポジウムの企画として「多職種連携」、松井先生との協同企画の「コラーゲン・ファシア・線維化」、市民公開講座での甲野善紀先生の招聘、など、色々とお伝えしたいもの目白押しです。
加えて、甲野先生よりご紹介いただいた岡田先生による「古武術介護」の実践講座や、マトリックス統合医学研究会としてのQPA関連の発表も予定されています。これから年末にかけて、忙しくなりそうです…
2024年07月21日
8月のジャングルカフェの課題図書「メディカル・ダイアローグ入門」
難しいといっても、色々な意味合いがあるので、この回では、自分の提案する方針を受け付けてもらえない場合、敵対的な場合にテーマを絞りました。
提案を受け入れないという場合にも、実に多彩なパターンがあり、当然、答えがでるような問題ではないのですが、そもそもが何らかの相手の「抵抗」を引き出しているということが少なくない、という流れになりました。
この抵抗という概念も、なかなかに厄介なので、簡単には取り扱えそうにないのですが、これらをうまく回避しながら、奥底に到達しうる方法がないわけではありません。そうした技法のひとつがエリクソン催眠になります。
催眠といっても「あなたはだんだん眠くな〜る」の古典的なものとは違い、あからさまな誘導を用いません。あからさまであれば、そこにはこちらの意図が垣間見えるので、相手の抵抗を引き出してしまうことにもなりかねません。
こうした状況への対応のカンファとなったのですが、これにとても参考になるのが以下の書籍です。
そこで、これを次回(8月)のジャングルカフェの課題図書に決定しました。2014年出版なので、少し古い書籍になりますが、この手の内容に新鮮さは関係ありませんので、これを次回カフェまでに読んで皆で語り合うことにしました。
著者の尾谷幸治さんは、エリクソン催眠の研究者かつ実践家であるばかりでなく、教育カウンセラーなど幅広い分野に催眠関連の技法を応用されている方で、わたしも10年以上前にセミナーを受講したことがあります。当時は、エリクソン催眠として知られる、にわかには信じられないような高等テクニックを、いくつも眼前で見せて頂いた記憶が鮮明に残っております。
こうしたことも思い出しながら、来月のカフェは久しぶりにこの本を読み直してみたいと思っています。100ページほどの薄い書籍で、対話形式の非常に読みやすい文体です。
気になる方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。いきなりエリクソンの原典はかなりハードルが高いので(笑)
2024年07月16日
マトリックス統合医学研究会が発足しました!
QPA(AWG)を取り扱うアジアス社の永田社長の多大なるご協力により、第1回が無事開催することができました。ファシアの基本知識の解説から、マトリックス医学におけるQPAの意義などを入門的に解説し、幅広いこの分野の広がりを理解して頂く第一歩になったのではないでしょうか。
今後は、マトリックス医学の諸方面での研究に加え、QPAをはじめとした波動器機の展示や体験など具体的な方法の紹介も行っていきます。
次回第2回の研究会も、9月開催を予定しております。今度はファシアへの具体的な介入方法としてのQPAをはじめ、刺絡、ハイドロリリース、ビタミンC大量点滴などのマトリックスへの介入のメカニズムを解説する予定です。ファシア理論についてもさらに詳しく深堀していきます。
この分野への関心のある方は、是非お越し下さい。このブログにて開催予定を告示しますので、お見逃しなく。
2024年07月09日
特異性と非特異性に関して
こうした治療機器、とりわけ波動などを謳うものは当然、現状の科学・医学で完全に説明されるものではないのですが、部分的には実感を含めて説明可能なところもあるわけです。
QPAという器機が、いわゆる波動系といったものと少し異なるのが、文字通り振動を感じるという点。これにより振動それ自体による効能が生じることになります。低周波治療器としての一面もあることからも明らかです。こうした面がとりわけファシアとの関連では重要になります。
蝕知可能なレベルでのファシア(私の言うBファシア)への介入では、このレベルでの認知が必要となります。いわば「非特異的効果」といったところです。
当然、「特異的効果」もあるわけで、これは臓器や組織の本来有する周波数による共鳴効果ともいえるもので、極めて限定的なものとなります。さきの非特異的効果と比べると、いわゆる実感が乏しいというか、ほぼ「分からない」といったものになるでしょう。
それゆえ殊更に、「波動」として強調されることも多いでしょうが、そこが評価が峻別される点でもあります。私自身QPAに関しては、非特異的な効果が強く感じられる点をとても評価しています。
波動的な説明がお好きな方にはやや物足らないかもしれませんが、この非特異的な側面こそがファシア関連からの考察を行う時に、極めて重要性を持つ点でもあることをあらためて強調しておきたいと思います。
この特異性と非特異性という観点は、一般的な鍼や漢方、ひいてはホメオパシーなどにも至るまで、考察していくと面白い視点です。週末の研究会のみならず、今後も少し解説を加えていきたいと思うテーマです。
2024年07月08日
ファシアとQPAについて マトリックス統合医学研究会のご紹介
まずは、ファシアと波動治療器QPA(AWG)の関連について。ファシアへの介入としては、総合診療領域を中心にハイドロリリースが有名ですが、これに加えて、当院ではファシア近辺で発生する瘀血への対応として「刺絡」を重要視しています。
但し、これらは、病変に対して「注入する」と「吸い出す」といういわば、INとOUTとでもいうべき方法論であるのに対して、振動の周波数によって介入対象を変える「揺らす」「振動する」をメインに据えたものがQPAと位置付けています。
これまでも量子医学的方法として解説されてきましたが、その際にも、水分子の振動が注目点ではありました。ではそれは何処の水分子なのか。当然あらゆる身体内部ではあるのですが、各臓器などの標的となるもの以外に、重要になるのがファシアである、という事です。
ファシアがいわゆる経絡と強い関連があるとすれば、ファシア周囲の水分子は当然、その情報伝達に影響することになります。そこに、鍼灸の古典で言うところの「経別」のルートを仮定すれば、身体内部の内臓などに効率よく情報が伝達することになります。内臓の場所を同定しながらであれば、直接的にも影響を与えることが出来るでしょう。
こうした極めて現実的な推測のもとに、ファシアとQPAの関係を考察していきたいと考えています。第1部では、ファシアについての基本的な知識の解説、第2部ではファシアからどのように具体的な方法論としてのQPAにつながるか、第3部ではこれらの考え方を包括する「マトリックス統合医学」を概説する予定です。実際の体験会も行いますので、この分野に関心のある方は是非お越しください。
2024年07月02日
「マトリックス統合医学研究会」のお知らせ
講演の部では、私が量子医学からファシアに至る「マトリックス医学」の概略を解説します。QPA(AWG)に関しては実際に、治療器を体験することが出来ます。ともに前提となる知識はいらないので、初めての方もご遠慮なくご参加ください。
第1回 マトリックス統合医学研究会
2024年7月13日(土)14時〜17時頃
参加費:無料 (参加希望の方は03−3357−0105小池統合医療クリニックまでご連絡下さい)
場所:日本統合医療センター「身心工房リボン」(小池統合医療クリニックの上の階です)
14:00〜15:00 「マトリックス統合医学とは何か? 量子医学とファシアを繋ぐQPA」
15:00〜15:30 質疑応答
15:30〜17:00 量子医学治療器QPA(AWG)体験会・質疑応答
お問い合わせは、小池統合医療クリニック(03−3357−0105)まで