注意事項
本HPは「統合医療」に関して、その概念および実際を紹介することを目的とするものであり、個別の疾患や診療内容の相談には応じかねます。また、内容に関しても、実際に個人の判断で適応した際のあらゆる責任は負いかねます。実際の診療に関する事項は、医師にご相談の上、施行されることをお勧めします。
小池統合医療クリニックへ

2023年02月04日

プラグマティックメディスンとは何か? 統合医療の新展開

 統合医療の概念について、統合医療学会から依頼された講義を準備している最中なのですが、あらためて思うのはこの用語の曖昧さ、です。というより、それによりさまざまな人が解釈、思い込める幅の広さ、とでも言えるでしょうか。現代医療と代替医療一般を「統合」したもの、というのが原意ですから、当然と言えば、当然の帰結でもあるのでしょう。

 そこで、自分の考える「統合医療」の実態に一番近い用語、概念を見つけようと考えたのが、かつて著書の中でも公開した「プラグマティックメディスン」です。思いついた当初は、まだそれほど内容が固まっていたわけではないので、しばらく自分の中で醸造していましたが、徐々に形になってきたのでここらでまとめておこうと思います。

 プラグマティックメディスンは本来、pragmatism supported medicine(プラグマティズムが支える医療)ともいえる概念ですが、長くなるので、とりあえず「プラグマティックメディスン」と称しておこうと思います。(これを本ブログ内で別角度から表現してきたのが、可能性のための医療や、こちらの医療、ということになります。少し意味合いが違うところもありますが…)

 いずれにせよ、プラグマティズムという思想が支える医療で、これは合理主義に基づく論理実証主義が原則とする医療(EBMの概念もこちら)との相違は、そこに絶対的な真理なるものを想定するか否かの違いとなります。これはプラグマティズムという思想・哲学に由来するものともいえます。
 プラグマティズムにおける真理の多元性が、ジェームスのいう「多元的宇宙」という世界観であり、これは当然、教条主義的な「真理一元論」とは大きく異なるものになります(ちなみにみせかけの多元である折衷主義は教条主義へと縮退するのですが、これもここだけでは分かりにくいですね)。真理一元論は、我々の素朴な世界観そのものですから(真実は一つ!)、この辺りが一番誤解されそうな難所になります。
 ここで統合主義はどう解釈されるかというと、これは多元主義の要素内での融合の一形態と見ることができ、また別解釈としては多元主義的な状態そのものをも意味するといっても良いように思います(ウィルバーのインテグラル理論などはこちらに近いでしょう)。つまり統合という語は、人によってかなりの解釈の幅があることに気づかされます。

 それでは「プラグマティックメディスン」としての要諦は何でしょうか。それはなにより「プラグマティズム」という思想なのですが、これがまたまた誤解の多い用語で、問題ありなのです。そもそも提唱者が事実上2人いるような状態で、かつその後の展開においてもかなり人によっての解釈が異なります。加えて、結果よければすべてよし、みたいな浅薄な解釈が広く流布されているので、さらに誤解は広がります。そうした中で、ここではウィリアム・ジェームズのプラグマティズムの格率に基づくとしておきましょう。これにより世界観としては「多元的宇宙」が採用され、多元主義に基づいた展開になります。

 しかしこれだけでは効能・効用主義的な側面だけが強調されかねないので、その補強的な観点も不可欠です。それが近年、ケアの世界に新たな視点を与えたと言われる「中動態」の思想です。國分功一郎氏によって脚光を浴びた概念で、主に言語学的な考察から引き出されたものですが、それゆえに我々の「意志」や「責任」というものへの理解の根本を揺るがせるものでもあります。出来事の流れ・自然の勢い、というものの重要性というか根源性をあらためて感じさせてくれるように思います。個人的にはジェームズの言う根本的経験論や純粋経験といった概念との強い関連性も感じさせられます。これにより、いかにもな「エビデンス」のみならず、またいわゆる「意志」によらず、「選択」するという本来自然な出来事の肯定がなされることになります。

 これは選択肢の決定が重要な意味を持つ統合医療分野において、決定的な意義を有することになると思います。統合医療臨床について考える際、とりわけ医師の立場においては、多元的な選択肢から選択がその中核となるのはいうまでもないでしょう。それゆえに、プラグマティズムと中動態の思想が、中心となるわけです。これが、まさにこの医学体系の要諦です。

 大枠としてはここまでで良いのですが、私自身の具体的方策も示しておきましょう。これはあくまでもプラグマティックメディスンとしての一展開例で、これこそがプラグマティズムという意味ではありませんので誤解無きように。
 まずは中動態的な対話、大きな方針の模索という意味において、オープンダイアログ・ジャングルカンファレンスといった会話・対話の方策です。
 続いて生体観としては通常の解剖生理はさることながら、それらの図と地の反転として、無意識を司りうるものとして、トランス、ファシア、腸内環境(脳腸相関)を挙げておきます。
 ファシアは、さらには「皮膚」との関連も密接ですし、腸内環境は「栄養」とも大きな関連を持ちますので、これらも重要な要素となります。(ファシア・腸内細菌は最大の臓器でもあり、同様に皮膚・脂肪も最大臓器といえる)
 また、ある種の無意識の取り扱いとしてトランスは重要です。意識領域より無意識ははるかに大きいもので、マインドフルネスをはじめ様々な技法も考慮されます。

 その他にもいろいろな展開があるのでしょうが、現実の診療においてはこのようなところでしょうか。いずれにせよ、この医療体系は、換言すれば、現実(瞬間・実際)の身体の流れに従う医療、ということになります。つまり、プラグマティズムの要諦である現実の選択を、多元主義に基づいて、「意志」ではなく身体の流れによる「選択」に従う(これは無意識の領域といえるのではないだろうか)、ある種の「従病」とも言える医療の姿勢です。

 脳科学的に「自由意志」の存在が疑問視される中で、我々自身の生命を育む新たな思考体系の試みをまとめてみました。
 統合医療という一般的なワードを越えて、自らの診療の指針の中心としていきたいと思います。メモ的な散文でしたが、今後も少しづつまとめていきたいと思うテーマです。

お城へTo Go(仙台城・再掲)

 今度の統合医療合宿は山形・仙台なので、前回の山形城に続き、仙台城のコラムも再掲しておきます。それにしても山形と仙台って意外と近いんですよね!

 押印は多賀城同様、平成22年6月27日です。仙台は学会などの開催が多いので、ちょいちょい訪問していたお城ですが、この時も震災前でしたので城内の石垣崩落前に見学することができました。ちなみに当時は(今でも?)本丸跡に、実際の石垣を用いた石垣の組み方のモデルが、年代別に展示してあり、とても勉強になりました。(ここはしばしば崩落しているのですが、石垣好きにとっては石垣の積み方の説明が充実したとても良いお城なのです)


 仙台市街から、ぐっと高台に上がるので、とても気持ちよい眺望の城郭です。もう20年以上前になりますが、今ほど城ブームでもなく、また本丸跡が政宗公の銅像付近も含め整備中で壁の仕切りなどもあった頃ですが、二度ほど仙台から出航する「オリエントビーナス」というクルーズ船に乗ったことがあります。その乗船前に、仙台に到着したので、コンビニでおにぎりなどを買い、仙台城からの眺望を楽しみながら食べました。
 ちなみにクルージングを楽しむためでなく、当時ほぼフリーランス状態でしたので船医として乗船していました。当時は医局の力もなかなか強大で、今となってはウソのようです。船医としては、1回目はクリスマスクルージングで、2回目はグアムへの青少年の船への乗り込みでした。その間は、停泊している船に泊まり込み状態です。
 それにしても、いま思うとまだ医師4年目なのですが、それゆえに怖いもの知らずだったのでしょうね、そんな思い出のある仙台の城です。


 仙台城への登城ルートは2つあり、車で行くと真っ直ぐに上がる「大手門ルート」と、三の丸を巡って山道を曲がりくねって上る「巽門ルート」となります。
 行きは真っ直ぐ大手門ルートから上がり、帰りは巽門ルートで降りるのがおススメです。  途中に立派な石垣をたくさん見ることが出来、石垣好きにはたまらないお城です。

 そもそも築城者の独眼竜政宗は、岩出山城を居城としていたのですが、伊達領としては西側に偏った最上領に近い立地だったこともあり、不満があったといわれています。その後、関が原合戦ののちにようやく仙台城の築城にかかることになります。
 この城の特徴は、天守は元からないのですが、広大な城域に三重の隅櫓が4基もあり、加えて懸造(かけづくり)の「眺エイ閣」がありました。
 懸造というのは、崖からせり出した建物を床下から長い柱で支える「清水の舞台」の構造です。当然、見てくれが優雅なことに加え、城下を一望でき、防御としても「横矢」をかけられるという優れものです。復元模型でみるとそのすごさが伝わります。下手な天守よりインパクトあり、といった感じだったでしょうね。

 現在は、二の丸は青葉山公園と東北大学があり、三の丸には仙台市博物館となっており、その広大な縄張りを堪能することができます。最近、仙台を通過することが多いのですが、また久しぶりに尋ねてみたいですね。城の初心者にもおすすめの見やすい城郭です。

日本100名城と続日本100名城めぐりの旅
萩原さちこ
ワン・パブリッシング
2022-10-27



2023年02月03日

お城へTo Go (山形城・再掲)

 来週末は、JIMCとしての統合医療合宿で、山形・仙台を訪問します。一日目の山形・天童温泉では、統合医療の実戦と理論に加え、近年考えてきた「プラグマティックメディスン」について参加者を対象に講義の予定です。温泉到着前には、山形城を訪問予定ですので、しばらくぶりにお城コラムの再掲をしておきます。

 山形城(10・山形)、押印は平成22年8月20日で、最上義光歴史観にてスタンプを押しました。ここは、市街地の公園型の城郭で、歴史館から城へ向かうと奥羽本線をまたいで大手口に至ります。中には体育館やら博物館、野球場までありました。訪問時は本丸など中央部を含め、整備中でしたので、現在はかなり充実しているのではないでしょうか。(と、当時書いているのですが、今回の訪問で完成しているでしょうから、再訪が楽しみです)


 かなり規模の大きなお城で、最上57万石時の大改修後、鳥居忠政の整備により現在の形になったとされ、奥羽地方最大規模の城郭です。
 全国でも五指に入るといわれ、城内にはご当地の英雄、最上義光公の躍動感あふれる騎馬像があり、大手口を出たところにはその歴史館もあります。一押し感が伝わります。地元としては大河ドラマの主人公、といきたいところですが、なかなかその道は遠そうです。個人的には東北の戦国時代ドラマは大変みたいのですが・・・一般受けしないでしょうね。
 歴史館では、スタンプを押して早々に城内へ行きたかったのですが、これまたご当地あるあるで、地域の英雄、最上義光公を愛してやまない説明ボランティアさんにつかまり、延々と二時間以上も解説されたのを今でも覚えております(笑)。ご当地の最上愛が伝わります。


 あまりに規模が大きかったにも関わらず、江戸時代になってからは石高の小さな大名しか城主とならなかったことで、整備に手が回らず、荒廃していったようです。さらには天保の改革の失敗に伴う水野忠精の入城に見られるように、一種の左遷の地として見られていたようで、とにかく頂点は最上時代なわけです。

 歴史的には「東北の関が原」とも称される長谷堂城の戦いが重要です。関ケ原の前段として、直江兼続が最上領に進軍し、本城である山形城に攻めあがるはずが、長谷堂城で手間取っている間に本戦関が原での決着がついてしまい、結果として落とせず、会津若松にまで撤退しています。

 一説では、上杉・石田による挟撃戦が模索されたとも言われますが、結局は東西において西軍敗北となってしまうわけです。但し、挟撃説は現在では疑問視されていますが・・・どうなのでしょうね。(八百長説までありますよね)とにかく、歴史小説では前半のクライマックスですよね。


2023年01月16日

まなざしの変化について

 先日、甲野善紀先生とお話した時に、剣は主に右手持ちの方が遣えるのではないか、ということを伺いました。
 いわゆる「平等」的な発想では陰陽バランスで、両手遣いになりそうですが、右手重視(つまり常識とは反対)になるという「逆転」する意味について、私の「統合医療の哲学」でも展開した「折衷と多元との相違」と極めて似ているのではないか考えました。いわゆる「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」的な考え方といってもよいかもしれません。右手も左手も平等に、ではなく、左手ではなく右手、といった選択です。

 こうした武術など身体技法の伝承が途絶えやすい説明の一つに「まなざし」の変化という現象があるように感じています。
 身体に関する「まなざし」の変化は、それに対しての認識の変化というコトにとどまらず、その実践的な動きにまでその影響が及ばざるを得ません。
 この理屈はフーコーという哲学者から拝借したもので、医学は「死体解剖」を視点に導入した18世紀を境に、制度も含めてすべてが変貌したということが『臨床医学の誕生』で述べられています。つまり進展というのは、それまでの医学体系を取り込みながら複合していくのではなく、異質のものへと変成されていくということで、この契機を「まなざし」の変化に求め、具体的には「不可視なる可視性」として説明しています。フーコーは、このまなざしの決定的な変化の契機を、夭折した天才ビシャの病理解剖に見ており、これにより「死」からのまなざしにより、今日の「臨床医学」が誕生したというのがあらすじとなります。

 私はこの考えは、医学史や武術的なものに限らず、近年のファシアと通常の解剖生理との関係にも適応出来るのではではないかと思います。
 つまりファシアという視点は、病態生理への新たな知見の導入にとどまらず、ファシアの変化をむしろその一歩手前の段階として「疾患」というものを根本からとらえ直すことで、全く新たな視点を得られるのではないか。これは現在展開されている「折衷的な」ファシア論とは一線を画すはずで、まなざしの大きな変化を伴うものです。

 これは本質的には新知見の導入ということに留まらない可能性を有するものです。つまり「あれもこれも」ではない「まなざし」の変化は、大きな「対立軸」をもたらすものでもあります。これこそは「剣の持ち方」から「ワクチン問題」まで、わずかな相違を含みつつも、大きな共通基盤になるような気がしてなりません。
 そして現代における大きな問題は、歴史的なまなざしの変化によるものより、大資本による意図的なまなざしの変成のようにも思えます。そして、そうした基盤ゆえに、科学的な論調を飛び越えて「議論」されてしまう面があるように思います。

 またオープンダイアログでは、この「まなざし」への揺さぶりが関与しているのでしょう。ファシアによる視点の変更とあわせて、昨今、関心のある事は、こうした「まなざしの転換」と解釈することも出来そうです。

 以上、年末年始に考えたことを、メモ的に書き出してみました!


臨床医学の誕生 新装版
ミシェル・フーコー
みすず書房
2020-04-02


2023年01月04日

EBMの対となるのは、本当に「NBM」なのだろうか?

 EBMの対となる概念としてNBMが説明されることがあります。車の両輪をモデルにして説明されることもあります。
 いずれにせよ、これらは主に総合診療分野において基本的な枠組みを提供するもので、広く一般的な「医療」においても同様です。2つは文字も似ているし、ゴロもいいので、特段これに対しての反論はこれまで耳にしたことがないように思います。しかし、冷静に考えると、本当にそうでしょうか。

 別に「語り」という人文的な要素に文句があるわけではありません。ただ、エビデンスの対として「ナラティブ」が挙げられることへの違和感です。
 データに対しての「コトバ」なので、ある意味、その通りなのですが、本質を考えるとデータという時は、医学・医療そして人体(身体)を評価する軸としての数値的なデータとなります。
 それは生体(ないしはその集団)にとっては、受動的に評価されたものであり、それゆえに「客観的」でもありうるわけです。これに対して、対となりうる概念は「主観的」なものとなります。
 主観的という時に、言語的な側面のみを対象とすれば「語り」となりますが、言語化できないような「感覚」「体感」なども含めれば、当然、改善を目的とするならば「治癒」「自発的治癒」「自然治癒」といった概念になるはずです。生体側の(多くの場合好ましい)中動態的な流れとも表現できるかもしれません。第三者的な介入によって客観的に評価したデータとは当然、対照的な概念となります。
 語りとしていわれるナラティブは、むしろこうした流れの一例として挙げることが出来るのではないでしょうか。

 人が語りの中で、治癒(もしくは望ましい方向)へと向かうことは当然ですが、それのみということはありません。あらゆる介入がそこには考えられるわけです。
 しかし、それを一般化すると、文学など文化的かつ高尚な?ものは良いのですが、代替医療など一部怪しいとされる概念を含めざるをえなくなります。それゆえに、安全な概念である「語り」までに、思考をとどめているように感じざるをえない、という側面もあります。
 つまり、ナラティブに限定すると、そこには人文的な(もしくは言語的な)アプローチに矮小化されてしまうわけです。
 これは、ケン・ウィルバーの言う「四象限」で考えると分かり易く、そこでの「I」と「 It」の違いということになります。一人称の「I(アイ)」は、言語的な評価に限定されず、生命の感覚的なものを幅広く含む概念ですから、望ましい方向である「治癒」へ向かうものが全て含まれるべきです。

 それではここまでの議論のまとめとして、エビデンスというデータに対となるのは、中動態的な治癒への方法、ないしは介入といえるのではないでしょうか。
 まわりくどい表現になりますが、分かり易く言えば、幅広い治癒への介入といえるでしょう。とするならば、これこそが統合医療が考慮している広義のCAMそのものともいえるでしょう。EBMとNBMという自明な対の概念であることに疑問を向けることで、現状の総合診療的な視点の、矮小さ、もしくは死角というものが明確になるのかもしれません。

 医療というものへの「まなざし」の差異から、私たちはこれまで自明であると思い込んでいた「死角」ないしは「盲点(スコトーマ)」というものに気づくことも少なくありません。少しそういったことも考えていこうと思います。これからのジャングルカフェでの選定図書などに反映していきたいと思います。

2023年01月03日

今年のお城はどこ行こう?

 昨年(2022)は、日本100名城・続日本100名城の両方を完了し、城郭協会に登録しました。登城自体はもっと前に終わっていたのですが、登録が面倒で後回しになっていたので年末に駆け込みで、やっと登録することができました。

 年末年始は、ずいぶんと時代劇・歴史ドラマが減りましたが、特番的なお城の番組はNHKを中心に充実していましたので、楽しむことが出来ました。以前はこうした城番組も行ったことがないところが多く、実感が涌きにくかったのですが、さすがに200を登城すると、ほぼ行ったことがある城郭となるので、その時の思い出とあわせて、二度おいしい、といった感じです。

 今年は、それでも天候などで十分登り切れていないお城もあるので、それらをおさらいしていくのが今年の抱負です。とりあえず、今月は小田城・土浦城など茨城方面のお城と、ヒルや熊などで難攻不落の滋賀県の鎌刃城あたりを目標にしています。また青森統合医療研究会も予定されているので、弘前方面も制覇したいのですが、当たり前ながら浪岡城などは雪に埋もれているので、冬ではまたダメそうです。

 ちなみにもう少しすると100名城の登城証明書が届くので、四ツ谷の移転したクリニックに置いておこうと思います。ご覧になりたい方はお声がけ下さい(笑)


日本100名城と続日本100名城に行こう 公式スタンプ帳つき (歴史群像シリーズ)
公益財団法人日本城郭協会
ワン・パブリッシング
2020-12-17



2023年01月01日

新年あけましておめでとうございます!

 新年あけましておめでとうございます!

 新クリニックへの移転後、初めての新年を迎えることが出来ました。本年は身心工房リボンのメンバーも増え、より充実した「統合医療」を提供していきたいと考えております。
 新年は、5日㈭から通常通り診療を開始いたします。ご予約お問い合わせ等はお電話にてお願い申し上げます。


 本年も何卒、よろしくお願い申し上げます。

   2023年 元旦 小池統合医療クリニック 小池弘人

2022年12月31日

2022年、皆さまお世話になりました!

 2022年も本日で終わりとなりました。今年一年を振り返るに、14年ほど診療を行った四ツ谷2丁目の新一ビルを立ち退いて、新たな「四ツ谷三丁目 斎藤ビルディング」へと移転したが大きな出来事でした。立ち退きにあたってはいろいろとトラブルがあったものの、結果としては良い形で新クリニックの開設につながったことは不幸中の幸いでした。
 移転にあたっては、患者様をはじめ、関係者の方々にはご迷惑をおかけすることも多かったと思います。あらためて、年の瀬ではありますが、深謝致します。

 来年2023年は、移転の件も落ち着いたので、新たな診療体制をより整備し、皆様により良い「統合医療」を提供できるクリニックにしていきたいと考えております。具体的なことは、このブログを始め、リニューアルしましたホームページなどをご参照して頂けますと幸いです。

 年明け早々には甲野善紀先生にお会いする予定を始め、12日㈭は新年一発目の「ジャングルカンファレンス」も始まり、ホリスティック医学協会の方々の取材も入る予定です。
 さらに今年は、読書会としてのジャングルカフェの内容をさらに充実するとともに、JIMC日本統合医療センターとして、メンバーシップ制度を開設していこうと思います。
 また、統合医療学会関連としては、従来の統合医療カンファレンスの拡充とともに、基礎医学講座(解剖生理)の拡充、統合医療の実践と理論の総論講義などが予定されています。関心のある方々の参加を心待ちにしております。

 その他にもいろいろと企画しておりますので、来年もまた小池統合医療クリニック、日本統合医療センターをよろしくお願い申し上げます。

 それでは良いお年を!

2022年12月20日

ファシアについてのシンポジウムが統合医療学会で開催されました

 週末はオンライン開催での統合医療学会でした。今回は一般発表は、内輪からは出しませんでしたが、一日目は「ファシア:東西医学の架け橋」と二日目「実践ジャングルカンファレンス」の2つを企画し、共に成功裏に終わりました。

 ファシアについてのシンポジウムは当学会では初めての企画で、これまで取り上げてこなかったのが不思議なくらいのテーマです。須田万勢先生と上馬塲和夫先生に私を加えた3人で、各々の得意分野からファシアの現状を繙いてみました。

 須田先生からは、昨今のエビデンスや整形内科学会での研究のが現況、さらには先生の考えるファシア像まで幅広く興味深いテーマが講演されました。上馬塲先生のご講演では、ファシアの病態評価のためのコラーゲン検査の可能性に加え、アーユルヴェーダ理論との関連性、さらには先生の展開するバトソン静脈叢の意義から発想した「静脈ハブ理論」まで、実に充実した内容でした。その後の総合討論も、通常のシンポジウムに見られがちな盛り上がらない討論ではなく、シンポジスト間の質問が飛び交う、あついシンポジウムとなりました。
 とくに印象的だったのが、須田先生が質問されたハイドロリリースでうまくいかないケースに関しての血液の鬱滞の可能性(コンパートメント症候群との関連性)について。つまり内圧が高まった病態においてはハイドロリリースによって悪化する可能性と、その鑑別j方法についてです。
 私の臨床的な感覚では、病態についての質問内容吟味に加えて、やはり刺絡をかけたときの出血の様子です。年に数回おめにかかる吹き出すような刺絡による出血のケースでは、かなりの内圧が上昇している病態が推測されます。つまりこうした環境に生理食塩水を注入することは、その圧力自体を増してしまう可能性があるので、当然病態も悪化しうるわけです。こうした実際臨床に沿った討論が、実際の経験豊富な先生方とできたというのが大きな収穫となりました。

 ジャングルカンファレンスの実践も非常に良い体験となりましたが、こちらについてはまた後日、改めて述べたいと思います。

 須田先生のご著書はこちら! ↓ ↓ ↓

痛み探偵の事件簿 炎症?非炎症?古今東西の医学を駆使して筋骨格痛の真犯人を暴け! ─ 電子版付 ─
須田万勢(諏訪中央病院リウマチ膠原病内科)
日本医事新報社
2021-10-24





2022年12月05日

統合医療連携の見学会 プチセミナー&説明会のおしらせ

 今週の金曜日と土曜日、身心工房リボンにて「統合医療連携の見学会」を開催します。リボンのセラピストチームによる説明会や体験会を行います。参加費は無料ですので、我々の日本統合医療センター(JIMC)に関心のある方、是非ともご参加下さい。

 下記の時間内、身心工房リボン(小池統合医療クリニックの上、三階です!)にて開催しておりますので、ご自由にお越しください。皆様のご来場を心待ちにしております!

12月9日金曜:12:00〜17:00
12月10日土曜:14:30〜17:00




2022年12月04日

ジャングルカフェ課題図書 12月はルボンの群集心理です

 今週木曜日はジャングルカフェです。以前、100分で名著のルボンの『群集心理』を取り上げましたが、今回はその2回目。100分で名著のテキストでも良いですが、今回は元本の『群集心理』を読んでいきます。

 NHKとしてはどのような意図でこれを取り上げたのか分かりませんが、どのような立場においても読み替えが可能な、まさに古典といえる名著だと思います。ヒトラーの愛読書として、時にそうした権力に対抗する書籍として、様々な立場での読解が可能な書籍です。

 昨今の事情と合わせて、色々な立場から読み解いてみましょう!


群衆心理 (講談社学術文庫)
ギュスターヴ・ル・ボン
講談社
2017-10-20


2022年11月20日

ファシア概念の整理メモ

 今年の統合医療学会シンポジウムで「ファシア」についてまとめるので、概念の整理目的のメモです。この分野に関心のある方の参考に記しておきますが、ご興味ない方や一般の方には分かりにくいのでスルーしてくださいませ。(今週の院内勉強会用の資料メモでもあります)

ファシア関連の概念のまとめ

 ファシアを考える際には、様々な階層の話題が交錯し、どのレベルで話をしているか現在地を把握しながらでないと混乱しやすい分野である。

 そのため「筋膜束」という概念で全体像をまずは把握する
 これは4つの主要な層にわけて理解する
筋膜層(脂肪層・浅筋膜):眼窩・鼻腔・口・肛門を除いて全身を覆う
軸性筋膜(脂肪層深部・深筋膜):軸上(背側)筋・軸下(腹側)筋を取り囲む
髄膜筋膜:神経系を取り囲む
内臓筋膜:内臓組織から派生し、胸膜・心膜・腹膜として体腔を取り囲む。身体の正中で頭蓋底から骨盤腔まで延びる縦隔を形成

 上記の内臓筋膜を機能的に分類し、経絡との関連を示唆したものがSteccoらによる、懸垂線(カテナリー)に基づく「器官・筋膜(a-f)配列」である。以下、3配列と経絡の関係である。
内臓配列(内胚葉由来 肺経・胃経・大腸経・脾経)
血管配列(中胚葉由来 心経・小腸経・膀胱経・腎経)
腺配列(外胚葉由来 心包経・三焦経・胆経・肝経)

 次にこれらの「a-f配列」を含む体幹腔を6つの隔膜が分節し、4つの腔(頸部・胸部・腰部・骨盤部)を収容する。6つの膜は以下の通り。(大小の骨盤底が共に骨盤部の最底辺を形成するので腔は4つ)
咽頭・脳底隔膜
胸頸部隔膜
胸腰部隔膜
結腸間膜隔膜
腹膜隔膜(大骨盤底)
骨盤隔膜(小骨盤底)

 各腔内で、特定の機能を遂行する体内の分節内臓器と、これらの臓器を一緒に結合する筋膜を「臓器・筋膜(o-f)単位」とする。これらは4つの分節された腔にそれぞれ3配列があるので、計12単位となる。ここに各内臓が配当され、それに相当する筋膜が治療対象となる。(これは経絡というよりは経別の意義に近いのではないか)

 浅筋膜より上層はいわゆる表層の瘀血を形成する場で、表皮・真皮・皮下組織のうち、皮下組織内に浅筋膜は存在する。浅筋膜が皮下における瘀血の直接的な原因になりうるので、これにより真皮内の毛細血管が(ファシア重積などにより)鬱滞し、三日月湖状態を形成することになる。そして刺絡はこの部位が治療点となるわけである。

 以上が、ボディワークにおける介入ポイントと重なることから、いわゆる「Bファシア」の概略となり、ファシアの主な解剖生理的な議論の場となる。

 ここにホメオパシーや量子学的なより微細な「Eファシア」と、武術における重心や横隔膜、デュアル神経系との関連などで重視される「Mファシア」の概念が追加される。これらは、先述した構造的ファシアに対して、機能的ファシアの分類と言えるだろう。

 ・・・・・・

 この辺りの議論にご興味のある方は、12月17日㈯開催される日本統合医療学会(オンライン開催)のシンポジウム2「ファシア:東西医学の架け橋」(13時〜15時)にて詳細を発表しますので是非ご参加ください。


2022年11月17日

ホームページ写真追加しました!

 ホームページ、写真が少し変わりました。リボンのメンバーも増えていますので、ご覧ください。今後の適宜、変更していきます!

小池統合医療クリニック

2022年11月06日

11月10日ジャングルカンファレンスです!

 今週木曜日、11月10日はジャングルカンファレンスです。(統合医療学会のオンラインカンファレンスも13日に開催予定ですので、カンファレンスウィークです…笑)

 10年ほど前のカンファ開始の頃は、こうした取り組みを学会発表しても、最後にエライ先生が「論理的な結論に至っていない」ということばかりを攻め立て、あまり共感を得られなかったのですが、そんな学会からも最近はカンファレンスの要望が来るくらいですからずいぶんと雰囲気が変わりました。

 こうした思想的な流れは、哲学史としては「コミュニケーション的転回」と表現されつつありますが、これが医療へと流れ込んでいるのが、私たちのやっているジャングルカンファレンス、ということになります。
 ただし一般的に(つまり多数派として)なっているわけではないので、当然、あらゆる場面で理解が得られないことは珍しくはありません。またすべての分野の医療において、必須というわけでもありません。救急医療など一刻を争う領域では、不要というより害となるかもしれない、というコトは知っておくべきでしょう。でも、だからといって慢性期における諸問題の解決においても同様、ということにはなりません。分野において、領域において、重要なことは異なるということです。これは意思決定などにおいても同様で、唯一の方法論によって統一的に解決されるというコトの方が珍しいのではないでしょうか。

 こうした流れは昨今のコロナ禍においても散見されるように感じています。一つの視点から、全領域への理論的な拡大、こうした方法のもたらす弊害はいうまでもありません。多元主義的な思想は、こうした方向性への、引き留め的な方法論でもあります。  

 多元的なカンファレンスを開催することで、大きくこうした潮流が変わることもないでしょうが、「アリの一穴」として小さなコミュニケーション的転回を発展させていきたいと考えています。




2022年11月03日

ホームページ、リニューアルしました!

 ホームページを10年ぶりにリニューアルしました。顔写真が大きくなりました(笑)
 まだ改訂作業中なのですが、とりあえずの公開です。作成の方の作業が遅れており、一部診療時間などが間違って記載されておりますことをお詫び申し上げます。診療ご希望の方は、直接、クリニックにお電話でご確認ください。また途中、どこの病院の写真かわからない(笑)病室の写真が挿入されていますが、作成中のダミーなので早急に入れ替えます、申し訳ございません。93室も病室ありません・・・

 主な診療時間の訂正は下記のようになります。

誤)診療時間10時〜13時、13時〜18時 → 正)10:30〜18:00
誤)月水は第2第4の診療 → 正)水曜日のみ第2第4の診療


ブログのバナーからも飛べますが、念のため…

小池統合医療クリニック

2022年10月24日

統合医療の現状と可能性(動画)

  グリーンフラスコの林先生との対談の動画「統合医療の現状と可能性」が公開されております。統合医療の現状について、ざっくばらんにコメントしています。

 「統合医療」の現状を知りたい方、私の視点からの偏見にみちた(笑)見解ですが、30分ほどですので、是非ともごらん下さい。

 動画はこちら ↓ ↓ ↓

https://youtu.be/9wZv_ELfIo0


2022年10月23日

お城コラム再録(対馬・金田城)

 先日、ブラタモリで対馬を特集していましたので、こちらも対馬の名城紹介です!(それにしてもブラタモリは予め行ったところですとより一層勉強になりますね)

 五島列島の福江城と並んで、続100名城のラスボス、金田城です。NHKの最強の城にも認定されていますが、とにかく行きにくい…。おとなり韓国の方が近い「国境の城」、別名「かなたのき」。実際の由来は違うのかもしれませんが、かなたのき、の方がしっくりとくる城ですね。


 対馬・金田城は、白村江の戦いの敗戦後に、唐の侵攻に備えて建設された古代山城で、同時代の大野城や基イ城などに続いて、国境の最前線として防人が配置されました。

 城めぐりとしては、鬼ノ城や、玄蕃尾城に匹敵するハードな運転を強いられ、行きにくさ抜群です。
 プロペラ機ではるばる対馬に到着した上に、なかなかの山道、徐行運転、カーブは減速というよりほぼ停止、ライト点灯、クラクション併用です。到着しても狭い駐車スペースに、「わ」ナンバーの駐車群で転回も困難、携帯電話は電波状態悪く使用できません、とのお達し。そこからさらに登山スタートです。

 ただ、そこからは石塁や城戸、石垣が万里の長城のごとくに展開しており、事前に想像していた以上の迫力でした。壮大な石垣の向こうに、黒瀬湾が見え、三つの城戸は威圧感満点です。

 訪問時、ひざを痛めていたので、山頂部の旧軍施設や最高所の石垣など、アンゴルモアでの名場面をみることはできませんでしたが、いわゆる湾からの侵入を防ぐ城戸や主な石塁、さらには主郭にあたるビングシ山など主だったところは見ることができました。(ブラタモリでは湾から登城するルートが紹介されており、通常ルートと異なるのでとても興味深かったです)

 アンゴルモアで描かれるように、実際「元寇」における金田城の活躍はなかったのかもしれませんが、古代の戦争に使用された施設が、近代になっての日露戦争でも軍事拠点となったというのはやはりすごいです。(またNHKスペシャル「新幕末史」ではロシア軍により幕末に島の一部が占領されていたというのも驚きです。まさに国境の島!)
 現在の城への見学路が、日露戦争時の軍用道路として用いられたものというのもすごい。だからこその、見学のしやすさといった感じです。

 大野城などでも感じましたが、古代山城の規模の大きさには圧倒されます。日本書紀の後半部の話にもかかわらず、現代的にもすごい規模で、いやおうなしに古代とのつながりを感じることができます。
 ある意味、古代山城ができてから中世、戦国の城郭につながったわけですが、知識なしにみたら順序が逆のように感じるのが普通でしょう(古代のものの方がデカいので)。当時の国際的な緊張状態を知る上でも、とても勉強になりました。

 「アンゴルモア」のクライマックスとなるお城ですが、原作を読んでから実際に行ってみるとその迫力がさらに強く感じるのではないでしょうか。タモリも言ってましたが、夜は当然「アナゴ」を食べました!





カンファレンス開催について思うこと 造りこまないということ

 来月に統合医療学会で「カンファレンス」が開催予定で、そのファシリテーターに任命されているのですが、こうした企画はなかなか、ちゃんと理解されないですね。
 前回の参加者から、しっかりとした資料の作成が希望されたとのことですが、しっかりとしたものを作成してしまうと、まずは参加者は安心してしまい、カンファレンスに「参加」するという感覚が希薄になってしまう。ただ「講義」を聞いている感覚に近くなってしまう。リアルのカンファレンスでは、「指す」こともできるのですが、オンラインですとこれがうまくいかない。どうしても一方通行的なものになりやすいという特徴があります。

 また、独自にカンファレンスを開催してもらう流れを形成しようとする意図からも外れてしまう。しっかりとした造りこみは、初めの数回はいいのですが、結局はその負担に押しつぶされて、そのうち会が開催されなくなってしまうことがほとんどです。
 先日も、こうした事情から、開催者自身が疲れてしまい、カンファレンスが閉会するというお話を聞いたばかりでした。

 いかに負担を軽く、会自体を盛り上げるか。カンファレンスという従来の「イメージ」をいかに書き換えられるかが、その成否を分けているのです。




2022年10月11日

ジャングルカフェの課題図書 ひとりも死なせへん2

 今週のジャングルカフェの課題図書の紹介。コロナ対応についての総括をみんなで話し合いたいと思います。課題図書は以下の長尾先生の著書です。二冊あるのですがパート2、の方ですのでお間違いなく。



 尼ケ崎の開業医として、コロナと格闘した長尾先生の見解をみんなで共有しながら、立場による医療への見解の相違について、対話していきましょう!
 お興味ある方は、IMCI統合医療カンファレンス協会まで!

2022年10月10日

「会話を哲学する」のご紹介 

 高崎で時間があったので、本屋によって立ち読みしてたら見つけました。まだ、論文の査読など仕事が渋滞しているので、読了していないのですが、かなり突っ込んだ「会話」へのアプローチでとても興味深いです。
 この本は、マンガや小説にその多くの題材をとっており、実際の「会話」というコト(もしくはモノ)を考える際にとても参考になりそうです。とくにはじめに展開されている「コミュニケーション」と「マニピュレーション」という概念は、それだけでも会話の持つ複雑さが浮き彫りにされます。なんとなく経験しているが、言われてみないと気づかなかったようなことが、次々に言語化されていて、とても新鮮な視点が得られそうです。
 今週はジャングルカフェです。会話、対話について考えてみたい方は、ぜひどうぞ!








 来週はオンライン講義で,、統合医療について、「Dialogue」と「Fascia」を軸にお話をする予定です。静岡の統合医療の研究会さんの主催です。

2022年10月09日

診療の6本柱(改訂版)

 当院の診療内容について振り返ってみます。

 何か特殊な代替医療もしくは、院長(私)の突飛な考えに基づいているのではなく、「統合医療」という本来の概念に基づいての診療スタイルです。つまりガイドライン重視の通常の内科クリニックスタイルでもなく、奇異を衒った特殊療法のみを提供するスタイルでもありません。
 では、具体的にはどういう視点を重視して診療しているのか。普段は自分でもなかなか客観視する機会は少ないのですが、ここであらためて見直してみたいと思います。
 これまでの15年の診療を振り返ると、大きく分けて6つの視点からの診療と言えるのではないでしょうか。現在、ホームページの大幅改定中ですので、その準備も兼ねて、各々について説明していきましょう。

(1)栄養・サプリメント 〜栄養系〜

 糖質制限やたんぱく摂取などの栄養指導。健康増進のためのサプリメントの活用。分子整合医学(オーソモレキュラー医学の応用)による副腎疲労などの不調の解除、など。普段何を食べているか、といった食事記録表を基にして「食」からの健康をアドバイスしていきます。興味のある方に関してはファスティング(断食)もご紹介しております。
 自分の健康にとって、何を摂って、何を摂らないかというのは、最も基本的な問題であると考えます。
 また、現在の体調、栄養状態を客観的に評価するために各種血液検査も実施しております。大学病院時代の専門が臨床検査医学でしたので、こうした検査データの説明の経験は豊富です。こうしたデータに基づいて栄養指導を行っています。

(2)鍼灸・刺絡・ファッシア 〜身体・ファッシア系〜

 通常の鍼灸に加え、体に停滞した瘀血を針とカッピングなどで取り除く刺絡療法。さらには頑固な深い痛みに対して超音波(エコー)により確認しながらファッシア(筋膜)のリリース、灸頭鍼や電子焼鍼など、様々な方法で痛みを取り除きます。最近はアースを用いて電位をゼロ化するアース鍼にも取り組んでいます。
 この他にも、やや古めかしいですが良導絡による測定や、それを用いた微細な刺激(ハペパッチ等)による疼痛軽減法、パルス波や直流電流による経穴刺激なども併用しています。
 各人にとってどのような刺激が効果的か、方法論の選択も「鍼灸」における重要な要素であると考えます。
 独自のファッシア、生体マトリックス理論により、整形外科的な疾患のみならず、内臓疾患への重要なアプローチとして位置づけています。

(3)漢方・養生法 〜東洋医学系〜

 エキス剤や煎じ薬や、中医薬なども用いながら、主にがん(各種悪性腫瘍)の再発防止や、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、更年期障害などに対応しています。また東洋医学的な視点をいかした養生指導(温めや食事指導など)も行っています。
 特に漢方薬に関してはエキス剤でも、単味のエキスを併用することで、煎じのような個別対応を心掛けています。
 漢方は近年、ガイドライン的な一律の方向性を有するようになっていますが、どのように個人の身体を解釈するかにより、本来は大きくその処方は変わります。ファッシアなど近縁の理論や、古典的な視点、統合医療的解釈などを用いた柔軟な処方姿勢が重要であると考えます。
 和漢・中医学を適宜使い分け、具体的には小川瘀血理論、江部経方理論を組み合わせながら東洋医学的に「身体」を解釈しております。

(4)ホメオパシー・エネルギー療法 〜エネルギー系〜

 統合医療的なホメオパシーの処方に加え、アイソパシーによる体質改善(花粉症対策など)やその他エネルギー医学的な相談も行っています。ホメオパシーは専門医の資格を活かして、英国直輸入の医師専用レメディを処方しております。
 またホメオパシーをメインの治療としてではなく、統合医療における自発的治癒力発動の1アイテムとして位置づけ、積極的な併用療法も行っています。(そうした意味ではプラクティカルといっても良いのかもしれません)
 ホメオパシーの持つ異端的な要素を強調するのではなく、微量な要素による「生体の反応」の発露に注目して、レメディの統合医療における新たな役割を模索しております。
 また各臓器・組織での水分子の共鳴現象であると解釈して、量子医学的な機序を想定して量子医学的器機として注目されるQPA(かつてAWGと称されていた器機)も、ご希望により治療にとりれることが出来ます。(器機を用いたホメオパシー的な使用法と考えています)

(5)心理・スピリチュアル 〜心理系〜

 各種、心理療法との連携を通じて、メンタル・スピリチュアルの影響を考慮した統合医療を展開しております。インテグラルな視点から幅広く、心理学・哲学・霊学の視点を考慮していきたいと考えています。
 当院の統合医療指導の基本としても、行動療法や現代催眠(エリクソン的方法論)などの考えを導入して実践しております。
 心理的なアプローチとしては、連携する統合医療施設である「リボン」において、通常の心理カウンセリングに加え、行動分析的アプローチやスピリチュアル的な方法論も幅広く採用しております。ご興味ある方は一度ご相談ください。

(6)内科学・現代医療・臨床検査医学 〜現代医療系〜

 総合内科専門医の資格を活かして、現代医療との境界領域のご相談にも幅広く対応しております。
 また持参された人間ドックなどのデータ説明や、気になる検査項目、現在の栄養状態や健康状態を採血検査(当院で採血できます)により詳細に説明いたします。
 このほかにも統合医療において、現代医療・通常医療とのバランスは不可欠なものです。現役の内科専門医として、こうした境界領域におけるご相談にも応じております。

 統合医療は「代替医療の言い換え」ではありません。通常医療と代替医療の境界に立ち、そのバランスを考慮しながら、新たな方針を模索していく医療なのです。そのためにも現代医療的な視点は重要、不可欠なものと考えます。
 いわば陰と陽のバランスの取れた医療こそが「統合医療」です。そのためにも幅広い可能性を活かし、皆様と共に創り上げる医療を展開していきたいと思います。そのための6つの方法論が、以上の6つということになるのです。

2022年10月02日

図と地の関係 ファシアとトランスの関連への考察

 これまで「図と地の反転」としてのファシアへの関心の移行は、ここでも述べてきた通りですが、より明確に、図としての「細胞」、地としての「ファシア」という分類を意識しています。(これはまたさらに踏み込むと、意識と無意識といった領域の話題にも転換することが出来るものでもありますが、これについてはまた後で)

 これは「医療」という体系を分類するにあたっても重要で、従来のいわゆる現代西洋医学的なもの(生理学とか薬理学とか)は、その理論的な基盤を細胞生物学においています。
 つまり細胞のどこに効いているか、どこを阻害しているか、等々。抗生物質であれば、細菌の細胞壁の破壊であったり、エネルギー代謝の促進であったり、核内における遺伝子への直接作用であったり、という具合です。

 これに対して、ファシアの観点は、細胞のいわば「外殻」、もしくはそれを梱包する充填剤としての「マトリックス」となります。それゆえに正統とされる現代医療においては、注目されてこなかったものでもあります。あくまでも本体ではなく、充填剤ですから当然です。

 しかし、ファシアに注目することでその関係性が逆転します。見えてくる医学の方法論や、基礎的な考え方すべてが、これによって「反転」します。
 まずは脂質二重膜によって水の塊が包まれているという従来の細胞モデルに変更が加えられます。細胞質内に縦横無尽に生体マトリックスが張り巡らされているモデルで、袋状ではなく、ゲル状の塊といったところでしょうか。それがインテグリンを介して、細胞外マトリックスと連絡し、いわばマクロの「ファシア」と接続します。


 このファシアには、このブログでも紹介した「Bファシア」と「Eファシア」の二側面を捉えることができ、張力のかかった状態では「経絡」やボディマッサージではBファシア、エネルギー医学や振動医学的にはEファシア、と使い分けることができます。(その他に、腸間膜塊などの解剖学的な塊(Mass)としての「Mファシア」も想定しています)
 いずれにせよともに「代替医療性」のつよい概念となります。視点が、細胞本体とそれ以外、ということであれば、こうした代替医療における正統医療との相違も当然ということになります。

 またハーブや漢方といった生薬の分野が、これらの中間にあたることも、このモデルで理解しやすくなります。いわゆるサイエンス漢方的な現代医療的な漢方解釈は、アクアポリンによる五苓散の解釈に代表されるように、細胞生物学をベースに分かりやすくなる一方、おそらくファシアの硬度などに由来するであろう「腹診」や「脈診」的な視点は、細胞外であるファシアベースとなります。(腹背診の解剖学的基礎がファシアということ)
 つまり、両側面を有する体系ということになり、それゆえに生薬の分野の複雑性をしめすベースにもなります。

 この細胞と細胞外という二つの視点を意識することの最大のメリットは、大方の代替医療の方法論をひとつの「身体」の中に位置づけることが可能になるということです。とくにEファシアの導入により、ホメオパシーをはじめとしたエネルギー医学、波動系の器機の合理的解釈が可能になるメリットは大きいでしょう。(ファシア近辺の結合水ということになるでしょうか)
 これらの概念が身体という一つの地図のなかに、同時に位置付けられる意義は大きく、実臨床において応用性を高めることができます。様々な体系は、折衷的に存在するだけではいわゆる「とっちらかった」状態になってしまいます。それを幾分か整理して使いやすいように区分けすることが、こうした統合医療の諸概念を考える意味となるわけです。

 細胞本体とそれ以外、という視点は、今後のファシア理解において、極めて明快な視点を提供するとともに重要な二極の概念となっていくと考えています。
 それは数学的に言えば、Aという集合と、その補集合とでもいえる関係で、まさにあわせて「全体」「全て」ということになります。
 ここまで述べてくると、冒頭に意識と無意識の話題を少し書きましたが、その共通点についても感じられるのではないでしょうか。
 つまりわれわれは、「ファシア」と「無意識」というこれまで正統な領域では補集合として、重要視されないできたものによってこそ、はじめてその本体に別な視点を提供できるのではないでしょうか。
 無意識の入り口を「トランス」ととらえれば、「ファシア」への(とりわけEファシア)への接近法としてのヒプノーシスの意義も捉えられるのではないでしょうか。


錯視芸術:遠近法と視覚の科学 アルケミスト双書
フィービ・マクノートン
創元社
2017-08-18


2022年09月19日

可能性志向の医療(POM)

 ホームページの改訂している最中で、あらためてクリニックの特徴について考えています。「統合医療」というキーワードでも特徴といえば特徴なのですが、やはりそれでは「分かりにくい」わけです。
 そこで、思いついたのが「可能性志向の医療」です。そもそもクリニックの標語として「可能性と共創」を掲げていたのですが、それをさらに分かり易くしたような形です。エリクソン催眠のオハンロンの提唱する「可能性療法」へのリスペクトも込めてあります。

 EBMでのエビデンスベースという言い回しは、いわばエビデンス至上主義的に捉えられることも多く、どこか「外部」からの制約を強く受けるような印象を持ってしまいます。それに比べて、可能性を前面に出した場合、当事者本人の可能性ですから、いわば「内部」もしくは「内面」からの要請のような形になるわけです。
 外部からの制約ではなく、内側からの迸り、とでもいえるような意味が込められるように思います。EBM的に英語表現するなら「Possibility-Oriented Medicine」といったところでしょうか。

 この「可能性」を医療の目的にすえることで、雑多な療法の統合というようなニュアンスから、理想的ゴールへの可能性を模索するための、複数の方法論の統合、という意味につなげることが出来そうです。
 すると、この統合は自然と「多元的」な意味合いを持つようになり(可能性に向けて吟味しているので)、悪しき「折衷」を避けることが出来ます。まあ、こんなことを考えながら、可能性志向の医療としてみました。

 最近、実際の臨床における方法論が、アースを用いた電気的瀉法をはじめ、その数を増しつつあるので、そうした状況を自分として納得できるためにも、新語創出の必要がありました。

 久々に松本城をみて、その帰りの「あずさ」車中で思いついたのでメモしました。松本の往復はいつも新鮮な思い付きが多く、大切な時間です(^^)/

2022年09月15日

「マトリックス」という概念 ファシア・ダイアローグ・無意識をつなぐもの

 「マトリックス」という用語は医療において、とくに私の関心のある分野において花広く展開していきそうな用語です。ちょっと、これについてかつて書いたものにメモ的に加筆していきます。

 マトリックスとは、医療分野では「基質」として訳されることが多い用語です。ミクロにおけるファシアともいえる「細胞外マトリックス」などはこうした用法の一つです。
 そもそもの原意としてはラテン語での「母」という意味で、何かを生み出す背景というニュアンスを持つもので(ウィキペディアによる)、ここから転じて、箱に何か「モノ」を詰めるときの「充填剤」的な使われ方もします。近年注目される「ファシア」における用法はこれに近いように思います。


 大切な「モノ」に対しての充填剤ですから、陰陽論でいうと「陽」に対しての「陰」とも捉えられます(本体ではないので…)。となると陰は「母」的な意味とも重なるので、原意に近くなります。
 そしてファシアの関連でいうと「〜以外全部」といった「補集合」的な意味合いにも用いられます。こうした観点から、自分の分野との関連を探ると、まさに定義が困難な「代替医療」という用語は、正統な医療に対しての「補集合」ですから、極めてマトリックス的と言えそうです。
 自分の興味・関心も、当然そうした方向に向けられるので、よくよく振り返ってみると、このマトリックスという概念とかなり重なることに気づきました。

 こうした考えをウィルバーの四象限に対応させてみると、「We」の領域における人と人とのコミュニケーションでは、その空間で紡がれる「何か」、オープンダイアローグでの治癒をもたらす「何か」にあたると考えられます。対話の「場」と考えてもよいでしょう。

 そして客観的な概念である「It」は幅広い意味合いですが、医学、身体という面では、まさに「ファシア」がこれにあたり、それゆえに別称として「生体マトリックス」とも称されているわけです。
 おそらく細胞外マトリックスなども含めて、広く議論するときは「ファシア」としての概念よりも「生体マトリックス」の方が適しているのではないかと考えます。(「遺伝子」と「DNA」の用法の違いに似ているでしょうか)

 それでは「I」の領域は何か。自我を支える大きな基盤・母体といえば、まさにエス・無意識・潜在意識と称されるものではないでしょうか。
 我々の意識できる部分はごくわずかで、その膨大な根底部分は計り知れない大きさを有する領域なわけです。これは時に集団的無意識を相互に反応しながら、より大きなものとのつながりももつ。これを展開すれば「Its」の領域へも拡張しうる概念にもなりそうです。


 このように考えていくと、マトリックスという用語により、ファシア、ダイアローグ、無意識(エス)というものが、ひとつながりの概念としてまとめられることになります。
 これらに共通する「何か」が、まさに補完医療的には「キモ」になる領域でしょうし、私にとっても最も関心のある概念でもあります。

 ファシア・ダイアローグ・無意識をつなぐ、キーワードとして「マトリックス」という語についてメモしてみました。

2022年09月11日

日本ホームヘルスコーチ協会主催の講演会 お知らせ

 日本ホームヘルスコーチ協会さんの主催で「統合医療とジャングルカンファレンス」の講義を行います。今週の水曜日、9月14日19時から、オンラインでの開催予定です。

 当院でのケースの紹介やジャングルカンファレンスの入門編にもなっておりますので、よろしければご視聴ください。
 統合医療になじみのない方を対象にしておりますので、内容は初心者向けになっていますが、実際の統合医療について具体的に分かり易い内容にする予定です。

 概略、お申込みはこちら!  ↓  ↓  ↓



健幸支援勉強会 統合医療とジャングルカンファレンス

2022年08月23日

お城コラム 夏!沖縄編(中城城・勝連城)

お城コラム 沖縄編の第2回です。世界遺産の立派な城が続きます。沖縄の景色と合わせて、本当に自然に映える城郭たちです。

<中城(ナカグスク)城>

 今回は中城城(99・沖縄)です。押印は平成24年11月2日ですが、それからも2度ほど訪問しています。

 城自体は14世紀ごろ、今帰仁城城主の子孫が築城したとされています。その後、座喜味から移った名将、護佐丸により大規模に改修され、王府の直轄地を経て、なんと戦前まで村の施設として使用されていたようです。最初の沖縄ジャングルカンファレンスの際に、旧メンバーでレンタカーで訪問したのが懐かしいです。

 中山王下の名将護佐丸が、当時急速に台頭してきた勝連城の阿麻和利への抑えとして入城し、郭を増築し防御を固めました。
 このとき増築された北の郭は、重要な水源であるウフガー(大井戸)を取り囲む形で築城され、このウフガーは三の郭の横から、下へ階段を下りていくと現在でも水をたたえています。立派な大井戸がちゃんと城内にあるんだ、という印象が強く残っています。(多孔質の岩石を通過して地層の境目のところに水が溜まっているそうです)

 駐車場から、管理棟を経て上っていくと、三、二、一の郭の順に連郭式になっており、各々の横に北、西、南の郭が位置しています。訪問時は一の郭、南の郭が一部発掘調査中でした。当然ながら眺望の良いところに築城されていて、太平洋が一望でき、街道の往来も良く見えたことでしょう。

 これほどの築城をした護佐丸でしたが、当時、天下奪取の野望を抱く阿麻和利による陰謀(謀反の企みありとする密告)により、王府から討伐軍が向けられ、抵抗することもなく自害したといわれます。忠臣が、はめられて落命するというストーリーは、なんとなく三国志をはじめとする中国の歴史の流れを彷彿とするものですね。文化的な影響も大きかったのでしょうね。

<勝連城>

 続いて、勝連城(続200・沖縄)です。押印は2019年9月29日で、二度目の訪問時でした。100(200)名城の最終番号のお城です。

 城跡の道路向かいにある休憩所に駐車して、登城するのですが、初見での印象の極めて強いお城です。白い城壁が、半島の丘陵をうねるように上っていくさまは遠方からもはっきりと見え、さすが世界遺産、といった感じです。
 かつては駐車場から、西原御門を経て、四の曲輪へ真っ直ぐに歩いて行けたのですが、押印時の訪問では、かなり手前から見学用の階段が設置され、そこから三の曲輪へと上がる新たなルートができていました。見学はしやすいかたちになったといえるでしょうが、少し手がかかりすぎたような感じもしました。

 護佐丸を追い落とした阿麻和利の居城で、謀略による護佐丸排除後、自らもまた謀反が発覚し追い落とされてしまうという運命です。護佐丸を中心に見ると、悪者的立ち位置なのですが、この阿麻和利は優れた人物であることは間違いないようで、農民の地位からこの地方の首長にまでのしあがり、その勢いをかって中山王の支配を奪取しようと画策しました。結局は失敗するので「護佐丸・阿麻和利の乱」のようなくくりになってしまいますが、歴史が少し違った流れになっていれば、一時代を画す英雄となったとも言えるのではないでしょうか。

 時は室町時代に重なるので、本土の歴史で言えば下剋上の時代ですから、歴史的には日本史としてシンクロした流れといえるでしょう。阿麻和利討ち死にの後は、この城は廃城となってしまいますが、城内には御嶽があり、信仰の対象として存続していったようです。本土の城と同様に、信仰の場が城郭に吸収された経緯があるのでしょうから、そうした意義としては共通点を感じますね。

 見学後、近くの漁港で海鮮丼を食べたのですが、エビの海鮮丼を注文してみるとエビが揚っていたのは衝撃でした。南方における鮮度の問題もあるのでしょうが、漁港でも海鮮を揚げてしまうのですから、ご当地の方はやはりそうとう揚げ物好き、とうことなのでしょう。


2022年08月22日

解剖生理的 身体への「気づき」

 以前紹介した、解剖生理学に基づく身体への「気づき」を基にしたワークです。マインドフルネスが自らの心の動きを実況中継するように、身体の機能を、あたかも身体が実況中継するかのように認識するイメージで行うと効果的です。
 そこには内臓を明瞭にイメージする力が求められますが、これこそがまさに解剖生理の知識の活用、というわけです。

 まずは、吸収系における消化器系です。内胚葉から発達してくるまさに吸収の代表格です。以下のようなワークで消化管全体を具体的に意識します。

1)水を飲む:飲水するにより、嚥下から消化管への流れ込みを感じる。
2)舌を動かす:口を閉じて、舌を口唇と歯茎の間を右回り、左回りに回転させ、唾液が出るのを感じ、嚥下する。
3)かいうべ(あいうべ)体操:舌および関連する筋肉の運動。舌骨への意識。
4)按腹:臍周辺を圧迫し、その後、腹部全体を按ずる。
5)肛門括約筋を意識

 吸収系の呼吸系です。後腸を中心とした消化管に対して前腸が中心である呼吸器です。発生的には消化管から突出する形で形成されます。気体である酸素の取入れを意識してみましょう。

1)副鼻腔・気管の意識
2)耳引っ張り:蝶形骨と横隔膜の連動を意識した呼吸
3)呼気を長く:ガス漏れ音のような呼気により腹圧をあげる
4)肋骨を意識:上部及び下部肋骨を意識した呼吸
5)腕を使った深呼吸・自律訓練(呼吸調整)

 循環系はポンプと管である脈管系とその中身である血液からなります。全身くまなく流れる血液とそれを送り出す心臓のイメージが重要です。

1)大循環(左心系)の意識:後面にまわり、全身へ血液を供給する大循環をイメージする。
2)門脈・肺循環(右心系)の意識
3)井穴刺激(手足)
4)自律訓練(第1-2公式・重温感)
5)自律訓練(心臓調整)

 血液に関しては、鉄欠乏対策とサラサラ対策が重要。
1)十分な水分、タンパク、ヘム鉄、ω3
2)井穴による交感神経の緊張緩和(H6F4)

 排出系は泌尿・生殖器を中心として骨盤内へのアプローチでもあります。
1)下腹の按腹(瘀血の蝕知)
2)腎への手当て
3)骨盤のワーク

 受容系、いわゆる目、鼻、耳などの感覚器系です。中枢神経からの出先機関であるこれらとの、脳とのつながりが重要になります。

1)鼻根・篩骨をゆるめる
2)片目交互・遠近交互・閉眼の意識
3)耳引っ張りによる内耳の刺激
4)遠聞:遠くの音を聞き、遠くの香りを嗅ぐ
5)軟蘇の法

 伝達系として、中枢神経、末梢神経、自律神経を扱います。

1)脳と脊髄の位置関係の意識
2)C1横突起の意識
3)頭蓋骨をゆるめる
4)マリオネットとしっぽのイメージ
5)自律訓練(前額部調整):額が涼しい
6)首まわし、脊椎の前後・左右・捻じり、足首まわし

 実施系は四肢の筋骨格系が中心になるので幅広い運動が挙げられますが、全身への代表的なものをメモします。

1)筋弛緩法(腕・顔・首・肩・脚・全身)
2)両手足合掌
3)両手足把握歩行
4)歩行マインドフルネス(筋肉構造の復習)

 かつて解剖生理学の勉強の時に、話した内容のメモですが、何かの参考に、ビビッとくる方もいらっしゃるかと思い再録しました。日々の健康探究にお役に立てれば幸いです。  
 何言っているのかわからん、という方は直接、お尋ね下さい、説明します(笑)




2022年08月21日

お城コラム 夏!沖縄編(今帰仁城・座喜味城)

 まだまだ暑い日が続きますが、「夏!」ということで沖縄の城コラムを再録します。本土の城とは趣が異なり、中国の影響も大きく感じられる、異文化な城郭です。加工しやすい石材により、複雑かつ優美な石垣を形成することが出来るので、城に興味のない方でも楽しめる、というのが一つの特徴ではないでしょうか。それでは「今帰仁城」「座喜味城」をどうぞ!

<今帰仁城>

 100名城としては3つ、続100名城として2つの城郭が認定されていますが、どちらも当然ながら本土のものとはかなり文化の違う感じです。また歴史も中世が中心なのでやや隔絶感がありますが、独立した歴史の流れとして見てみたいと思います。なので、100名城だけでなく続100名城と合わせて琉球の歴史を5つの城から見てみたいと思います。

 ポイントとしては、琉球王国による統一前は、三国(北山・南山・中山)での覇権争いがあり、これを中山の尚巴志が首里城を拠点として、1429年琉球統一を成し遂げます。
 その後、統一後の混乱期が、15世紀中頃に「護佐丸・阿麻和利の乱」が勃発。その関連する城郭として、座喜味城、勝連城、中城城があがります。今回は三国統一前、沖縄本島北部の巨城、今帰仁城(98・沖縄)を取り上げます。

 「美ら海水族館」のついでに立ち寄ったのですが、事前に思っていたよりも迫力のある壮大な城郭でした。一見したところでは、本土の戦国の城郭よりも、堅固な構えに見えるのですが、尚巴志にあっけなく負け、その後の薩摩の軍事侵攻にも負け、廃城となり、その見かけの立派さとは正反対の残念な歴史を辿ったようです。

 東シナ海につきだす半島に築城され、1km先に海岸線を見渡せる絶好のロケーションで、城好きでなくても十分楽しめる史跡です。また万里の長城をほうふつとさせる、本土の城郭ではまず見られないうねるような石垣はインスタ映え間違いなし、といったところでしょうか。
 近隣には美ら海水族館があるので、北部やんばる地域と合わせて回れば一日観光コースです。こちらは南部と異なり、海岸線の城郭が少なく、ただただ「自然」といった感じです(笑)どこかにヤンバルクイナもいることでしょう。ただ南部と比較すると、訪問時、お店も閉店しているところが多くちょっと寂しい印象ではありました。

 その後、大雨での一部石垣の崩落などもあったようですが、眺望としては琉球の城で第1位をつけたい城郭で、個人的にも、のんびりしていて琉球の城、綜合第1位です!

<座喜味城>

 今回は座喜味城(続199・沖縄)です。押印は2019年9月28日で、この時は二度目の訪問でした。歴史民俗資料館がリニューアルオープンされており、かつてよりこぎれいに整備された印象でした。
 この時は沖縄ジャングルカンファレンスで、第1日目が読谷村診療所での開催でしたので、その開始前に訪問してきました。(この時は読谷村診療所の多鹿先生と近隣の鍼灸師の野口先生のお力添えにて、カンファレンスが成功裏に終了しました。その後、2人の先生にはスカイプを用いた遠隔カンファレンスにもご協力いただき現在のオンライン形式の基本とすることが出来ました。ここにあらためて感謝したいと思います)


 この城は、琉球の築城名手といわれた護佐丸による築城とされます。彼は尚巴志に従い、北山の今帰仁城攻めの後に入城したといわれ、その後、勝連城の動きを監視するため中山王の命により中城城へと移ったとされます。
 しかし、ここに阿麻和利との確執が始まり、阿麻和利の計略にはまった護佐丸は中山王に討伐されてしまいます。ここだけ聞くと、一方的にかわいそうな話しなのですが、一説では中城湾における交易の利権をめぐる双方の覇権争いだったというのですが、そちらが実態に近いのでしょう。

 城の形態としては、複雑な曲線を組み合わせた縄張りで、星形のようにも見えるので変形版の五稜郭みたいに見えなくもありません。複雑に曲がらせることで横矢をかけやすくするという意図なのでしょうか。内部の構造としてもアーチ門をくぐって内部に入り込む形で、構造的にも複雑で、かつとても美しい建造物です。
 今回訪問時は、欧米人の撮影隊が何やら撮影しておりましたが、そうした映像にもとても映える建造物だと思います。



2022年08月14日

未病・先制医療外来のススメ

 先日、患者さんとお話している中で、体調が悪くなったのでネットでいろいろと調べた末に当院受診となって結果として良かった、とおっしゃってました(ありがたいことです)。何で良かったかというと、体調の改善はさることながら、これまで良くならないだろうと思っていた症状や、もはや気にすることすらなくなった「不調」がなくなったから、だそう。

 何らかの不調があったことで、体全体が結果として快調になったということでした。本当なら不調になる前に来たかったんですけどね、という内容でした。
 たしかに、こうしたうれしいご意見を伺うことがあるのですが、やはり不調になっていない人に、こうしたメッセージは届きにくいもの。
 なんとなく不調というような人は多いにもかかわらず、具体的な方策も一般にはそれほど多くないので難しいところです。

 こうした方々に訴求する用語としては「未病」がもっとも知られているものでしょうか。しかし、これでも、自分は病気ではないからなぁという方も多いかと。
 とくに責任あるお仕事の方には、なかなか未病という用語も刺さらない中、最近では新たなパワーワード「先制医療」が注目されています。現状の意味合いとしては、遺伝子情報や、がん体質の診断などに特化している印象がありますが、未病も含めた病的状態を先んじて制圧する、という意味合いでは戦う企業人や経営者へのインパクトは一段上のような気がします。

 統合医療という時、用いる側の手段をテーマにしたネーミングであるのですが、利用者側、特に健康という自らの財産を保守するという視点では「先制」はなかなかその本質をついているように思います。
 医療はこれからますます多様性が増してくることでしょう。AIの進展に伴い、診療の状況も一変してしまいそうです。そうした中で先制医療という視点は、積極的な予防を意味するパワーワードになりそうです。

 当院では、こうした内容の外来については、まず第一に血液検査等を用いて栄養状態を評価し、必要な栄養指導ならびにサプリメントを推奨してきました。ついで第二に、身体局所の瘀血の除去、具体的には首・肩・背中・腰等々の凝りや痛みに対して、刺絡治療を施す、という方針です。
 この2つの方法論でかなりの方の「身体」への感じ方は変わると実感しています。その他、精神的要因にはホメオパシーの併用や、病巣感染の関与が疑われる病態には上咽頭擦過療法など、多くのバリエーションによって実際には対応しています。

 まだまだ暑い日が続き、コロナ関連の不調もいろいろと出現しています。このようなな不調に対して「先制」することで積極的な健康を勝ち取る、という姿勢はますます重要性を増しているのかもしれませんね。




2022年08月12日

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暑い日が続きますが、皆さま、お体に気をつけて夏を乗り切ってくださいね!