注意事項
本HPは「統合医療」に関して、その概念および実際を紹介することを目的とするものであり、個別の疾患や診療内容の相談には応じかねます。また、内容に関しても、実際に個人の判断で適応した際のあらゆる責任は負いかねます。実際の診療に関する事項は、医師にご相談の上、施行されることをお勧めします。
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2020年03月31日

当院の新型コロナウイルス対応に関してのお知らせ

 当院の診療は完全予約制となっておりますので、ご予約いただいている患者さんで診療に関してご不明の方、ご不安な方は個別にお電話にて対応させていただいております。

 ご不明な方、ご不安な方は、本日と明日に関しては、昼12時から14時の間にお電話ください。(03ー3357−0105)

 なお、新規の診察をご希望される方も同時間帯で受け付けております。

2020年03月29日

ティール組織としてのJIMC

 現在、日本統合医療センター(JIMC)のホームページの改訂が進行中です。JIMCとは、当院(小池統合医療クリニック)と、併設されている身心工房リボン(心身の癒し・施術部門)との総称としての呼称となっています。
 当院も含めて、従来の病院・クリニックを念頭に置くと解りにくいかと思うのですが、それこそが、これまでの医療の施設の問題点を改善しようとする全く新しい試みであることが原因といっても良いでしょう。類例の少ないものはわかりにくい、理解しにくいというものです。人が類似例から、物事の多くを理解することを考えれば当然といえば当然です。
 そのために、分かり易いように説明文を書くことも必要ですし、加えて、メンバー間も改めて自らの組織の意味するところを理解する必要もあるわけです。そうした考察をする中で、新しい組織論について少し目を通してみました。

 かなり話題になった書籍でもあるので、ご存知の方も多いかとは思いますが、2014年に原著が出版され、2018年に邦訳された『ティール組織』です。『万物の歴史』などで知られるケン・ウィルバーの「インテグラル理論」を基盤として、組織の在り方を歴史的に(もしくは発達心理学的に)5つの段階に分析し、それぞれの特徴を解説しながら、第5段階の「ティール」の意義を解き明かし、これからの組織の在り方の可能性を示していくといった内容といえるでしょう。何せ原著がなかなかの大著なので、読破できていないのですが、解説書や周辺書籍からの理解で考察しています。



 同書では、組織を以下の5つに分類しています。
レッド(衝動型)組織
アンバー(順応型)組織
オレンジ(達成型)組織
グリーン(多元型)組織
ティール(進化型)組織


 これらの分類は基本的に優劣ではなく、それぞれの特徴として捉えるのが良いのでしょうが、進化という言葉が使われていることもあり、どうして最終形に達せなければいけないかのような印象もあります。個人的には、各々の利点や適性もあるので、一概に階層的な捉え方をしない方が、応用範囲が広がるように感じます。

 荒っぽい分類を医療に置き換えてみると(個人的かつ恣意的ではありますが)、旧来の医療のイメージ(実際はどうだったかは抜きにして)がレッド、大学病院など旧来の組織的な医療制度をベースにしたものがアンバー、医療連携などを意識した新しい病院システムがオレンジといったところでしょうか。多元性を重んじるというのは医療現場として実際には困難ですが、新しい統合医療のイメージ(多元的統合医療)に基づいた「ジャングルカンファレンス」はグリーンになりそうだと思いながら読んでいました。グリーンの抱える問題は意思決定の困難さです。かつて学会などでジャングルカンファレンスのコンセプトを発表していたころ、最終決定はどうするのか、ただの絵に描いた餅だ、というようなご批判をたくさん受けました。これこそはまさにこのカンファレンスのグリーン性を読み取られてのことだったのかもしれません。しかし、家族性とも言えるつながりを強めるものとしてはグリーンは極めて有用ですので、これからもジャングルカンファレンスはグリーンの性質を生かして展開すべきだということをあらためて感じました。
 そしてその家族性の強いグリーンから派生した組織が、日本統合医療センター(JIMC)のように感じます。ただ多元であるばかりではなく、そこにはダイアローグを基盤として統合医療という領域に対して進むべき方向性が共有されています。それゆえに、個々がほぼ独立した形で、活動を展開しつつも、調和のとれた連携が実現していく、まさにティールが実現してるように思います。 
 いかにティールを実現するかということが、書籍での大きなテーマなのでしょうが、われわれとしてはむしろそこにどれくらいの共通点を見いだせるかという観点で、学べる点があるように思います。
 JIMCの組織の特異性を説明するにあたって、大変有力なワードが手に入ったような感じをしております。
 統合医療という新たな医療には、新たな枠組みの組織として取り組まなければ、その魅力は半減してしまうことでしょう。

 ティール組織の冒頭に、テンセグリティを創り出したR.B.フラーの言葉が引用されているのが、なんとも印象的に感じました。

目の前の現実と闘っても何も変えることができない。何かを変えたければ、今あるモデルが時代遅れになるような新しいモデルを作るべきだ。R.B.フラー

2020年03月26日

城めぐり

  2008年に白金台から四谷にクリニックを移転させたときに開始したのが、統合医療カンファレンスです。以後、広く一般公開して現在は「ジャングルカンファレンス」として二か月に一度代々木で開催しておりますが、この時に同時に開始したのが「城めぐり」です。

 当時は内輪のメンバー数名でクリニック内でカンファレンスを行っていましたが、或るとき、参加していたメンバーと群馬県の太田にある居酒屋に行こうという話になり、一泊で出かけたことがありました。そこはとても珍しい日本酒をふんだんに取り揃えていることで、有名なところだっただけにかなり飲んだのを覚えています。そのため翌日起きても、二日酔いでボーとしていたのですが、そのまま帰るのももったいないと思い、周辺の観光マップを見てみました。その時に、気になって立ち寄ったのが「金山城」です。

 当時は、まだあまり旅行などでうろつくことが少なったのですが、歴史には興味がったので、行ってみようということで、山城へ向かいました。これが城めぐりのはじめです。城の基礎知識もないままに、駐車場(現在よりかなり未整備でした)から歩き出しましたが、これがかなり楽しめました。案内板の説明などよみながら、「やりすぎ」とも称される(?)大手虎口に至る頃にはすっかり山城に魅了されていました。そこで、「日本100名城」の碑とスタンプを見つけ、城めぐりが開始しました。

 その後じわじわと城ブームが到来し、100名城が200になるという事態にまで(笑)発展しました。学会や講演会などの用事のついでのみならず、ただただ城のためだけに行く旅行まで、いろいろな城をまわりました。統合医療という未開の領域を歩む中、この城めぐりは、気分転換はいうまでもなく、様々な考えももたらしてくれる機会でもありました。

 これまであまり「城めぐり」はココでは書いてこなかったのですが、時折、思い出しながらメモ的に書いていこうかと思います。




2020年03月25日

解剖勉強会の学習ポイント

内輪の連絡事項ですので、関係ない方はスルーを。
今週の勉強会の内容です。今回は「背部」と「胸部」です。
以下の学習ポイントを中心にテキストを読んできてください。

背部

椎骨の基本形態
高齢で身長が低くなるわけ
長背筋群と短背筋群
椎骨静脈叢

胸部

胸郭の運動(バケツモデル)と肋骨を上下させる仕組み
横隔膜と横隔膜裂孔
乳腺の脈管
肺・気管支の構造と中葉症候群
肺の栄養血管と機能血管
食道静脈瘤
心臓の外形と位置
心臓の脈管(テベシウス系静脈含む)
心臓の発生
奇静脈の意義
反回神経麻痺が左に多い理由

解剖学講義
伊藤 隆
南山堂
2012-04-10





2020年03月21日

異端の科学

 MRIと水分子について調べているうちに、中田力先生の「脳の渦理論」を思い出し、久しぶりに渦理論3部作を読んでみました。何度もよみかえしているのですが、こちらの理解力不足のためなかなか理解できずにいる内容なのですが、それでも時折気になってしまうわけです。なぜか不思議な引力を感じる本なのです。こうした事情は、私に限ったわけではないようで、松岡正剛先生の千夜千冊でも、同じような感想が書いてありました。

脳のなかの水分子―意識が創られるとき
中田 力
紀伊國屋書店
2006-08-01



 それでも今回は、ELDER、アセンブリ、アクアポリンといったキーワードがずいぶんと理解できたような気がします。とりわけ、全身麻酔の基礎が水のクラスター形成にあるというポーリングの理論から(これもポーリング!)水分子の重要性が良く分かりました。しかし、中田先生をしても脳機能と水分子の関係を述べると「おかしい人と思われる」というのですから、科学にはどうしても触れてはいけない、という領域がやはりあるようですね。

 中田先生の著作とは関係ありませんが、そうしたものの代表格のようなものを少しメモしておきましょう。これらは、その理論の突飛さもさることながら、ちゃんと検証しようとしたにも関わらず、何らかの妨害が入ってしまったというものです。事の真偽は、現在の私たちにとって「藪の中」なのですが、各人が推理しながら読まれるのも面白いと思います。科学の闇のようなものにご興味ある方はどうぞ。

 まずは千里眼や念写・透視の実験を行った福来友吉(東京帝国大学文学博士)については以下。前帝大総長の山川健次郎(理学博士)を前にした実証実験の圧巻の様子が描かれています。

霊術家の饗宴
宏次, 井村
心交社
1984-01T


 次は獲得形質は遺伝すると主張したオーストリアの生物学者パウル・カンメラ―の悲劇を描く、アーサー・ケストラーの代表作。エピジェネティックが語られる現代においては、また違った角度で興味深い作品です。







 そして最後は、ホメオパシーの理論的基盤を提供するはずだった実験の顛末。PAFの発見などそれまで一流の科学者であったベンベニストが「水の記憶」事件に対して、「ネイチャー」とのやり取りを記した反論の著作です。序文を「ジョセフソン効果」を発見したブライアン・ジョセフソンが書いているのも興味深いです。




 読む方によっていろいろな感想を持つことと思いますが、たまには「異端」の世界に思いをはせるのも良い頭の体操になるのでは。

2020年03月20日

プラグマティズムの重要性

 医療における「統合医療的転回」において重要な要素が、多元主義とプラグマティズムである、という主張を展開したのが以下の拙著です。多元に関しては、理解しやすいので多くの方が納得していただいているようなのですが、プラグマティズムの方がちょっと、という方は多いようで時に質問されることがあります。




 人によってはプラグマティズムを科学的検証と同一として捉えて、EBMと同じだ、と極論する方までおられます。完全に間違いではないのですが、しかしEBMを統計的なエビデンスのみと考えると、やはり異なっているといわざるを得ません。
 これは記述統計とベイズ統計との相違にも少し似ているところがあります。医療におけるベイズ統計の使い方としては概ね事前確率をざっくりとした数値で予測します。これをもとに何らかの臨床的な決断に移るわけですが、臨床現場としては、こうした使い方が適しているわけです。プラグマティズムに基づくという点もこれに似ています。
 一例一例の経験を、論文といった形に限定されず、個人的経験も含めて積極的に臨床応用していくというものです。これにより大規模スタディでは見えてこない方法論を取ることもできるわけです。

 以前、ここでご紹介した「三石理論」における「検証」といったプロセスはこれに近いように思っております。現状の大きな統計データにのみ縛られることなく、じっくりと推測した方法論により、その結果を丁寧に観察していく、一見すると科学の基本のような姿勢なのですが、なかなかに忘れられがちな姿勢でもあります。
 こうした姿勢を前面に押し出したものがプラグマティックメディスンと私が呼ぶもののイメージに近いのではないでしょうか。

 そのためには、現状の解剖生理学における、病態をとらえるアクティブな知識が不可欠になります。そうした知識を得るためにも解剖生理学の学習が必要になってくるのではないでしょうか。ただし現状では統合医療的な臨床に必要な解剖生理学の枠組みが提示されていないため、明確でない点はありますが、今後こうした枠組みを示していく試みもしていきたいと考えています。

2020年03月19日

鼻うがいの続き

鼻うがいの記事を書いたのですが、反響がありましたので、追加します。

鼻うがいについては、どうしてもできない、やろうと思うだけでオエッとなる、など抵抗の強い方も多いと思います。こうした方は、副鼻腔炎や後鼻漏、慢性上咽頭炎といったトラブルを既に抱えている方が多いです。何ら鼻や咽頭のトラブルを抱えていない方は、それほど鼻うがいに抵抗を持たれないようです。

私自身も花粉症など鼻トラブルが強かったので、そうしたお気持ちは理解できます。しかし、そうした方にこそやって頂きたい。うまく鼻から口に、うがい液をまわすことができなくても、ただ鼻に水をいれるということから始めてみてはいかがでしょうか。ハナノアなどの市販のものには専用の容器がついており、思い切ってピュッと押し出せば、結構鼻腔内に広がります。一瞬のちょっとした勇気です。

慣れてきたら、上向きになってうがい液を入れることで、上咽頭に液体をためることが出来ます。ここで専用液であれば、しみることがないので少し首を揺らして、上咽頭を洗浄することも可能です。
そこまでできれば、後鼻漏の方であれば、後鼻漏をタンとして口から出すようにすると、口にうがい液をまわすことが出来ます。この時のどの緊張を緩めることが大切です。

始めはうまくいかないでしょうが、がらがらする普通のうがいも、子供頃はうまくできなかったひとも 多いはず。後は慣れと練習です。失敗しても少しは鼻腔はきれいになるわけですから、気楽に始めることが大切です。