注意事項
本HPは「統合医療」に関して、その概念および実際を紹介することを目的とするものであり、個別の疾患や診療内容の相談には応じかねます。また、内容に関しても、実際に個人の判断で適応した際のあらゆる責任は負いかねます。実際の診療に関する事項は、医師にご相談の上、施行されることをお勧めします。
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2019年11月17日

リーキーガット症候群

 脳と腸の相関が話題になって久しいですが、栄養の観点からも腸管の重要性はいうまでもありません。腸内環境の悪化の代表疾患とも言える「リーキーガット症候群」において、血液脳関門おいても同様の症状が起こりうることが話題になっています。つまり、腸だけではなく、脳内においても細胞間の「漏れ」が生じているというわけです。

 腸内環境改善に関しては、当院でもプロバイオティクスを4種類程度分けて用いていますが、加えてバイオジェニックという枠で「アルベックス」などの積極的な環境整備的なサプリメントも活用しています。分かり易くい言うと善玉菌に有効な環境を整備する、といったところでしょうか。そのほか食物繊維の摂取も重要で、当院ではグアガムを扱っています。これらに加えて、リーキーガット症候群においては「カンジダ」の関与が注目されています。脳腸相関からも統合失調症患者にカンジダの増殖が見らえるという報告などもこれを示唆するものといえるでしょう。

 膣カンジダや爪白癬、さらには自己免疫疾患や慢性的な皮膚疾患を有する方の一部に、カンジダの腸での異常増殖があり、これがリーキーガット症候群を発症させているわけです。そうした視点から腸管に深く入り込んだカンジダを除去する目的のサプリメントも米国では開発されており、当院でも米国の医師専用のものを輸入して処方しております。そしてこれらはあらゆるサプリメント(もしくは漢方も!)の吸収にも大きく関連するので、統合医療全般を見渡した時にもとても重要なこととなるのです。

今回はカンジダと
リーキーガット症候群について考えてみました。







2019年11月11日

今週は勉強会とジャングルカンファレンスです

 今週14日木曜日は、定例のジャングルカンファレンスです。鹿児島での統合医療学会の前のカンファレンスになりますので、発表予定の方はなるべく参加するようにしてください。参加申し込みは、統合医療カンファレンス協会HP(11月開催分)まで。

 翌15日金曜日の勉強会のお知らせ(関係者のみ対象)。今回は体表解剖の3回目でボディナビゲーションの体幹部をやります。具体的には、前回の残りの「足部」からはじめ、4章「脊柱と胸郭」を中心に、頭頚部と骨盤部の復習をする予定です。

具体的には、以下の「トレイル」を中心に、自分で実際に自分の身体を触って予習してきてください。
4章 正中線稜、横断道、項部、隠れた大通り、胸骨稜、でこぼこ道
5章 球形一周、顎の遠足、馬蹄トレック
6章 骨盤部の復習



 また今週金曜日はオープンダイアローグ開催予定です。出席予定者はオープンダイアローグについて少し見ておくとやりやすいでしょう。





 

2019年11月09日

ファシアの健康番組と刺絡治療

 先日、NHKの健康番組で「ファシア」が取り上げられていました。我々の勉強会では「ファッシア」と言っていますが、まあどちらも「筋膜」の訳なわけです。番組では美容をメインに展開されていましたが、それにとどまらない今後の展開が期待される重要な身体の考え方です。
 これまで、筋肉や骨格、内臓などいわゆる「実」が話題となることばかりだったのですが、「それ以外」にだんだんと注目が移ってきているのでしょう。番組では、ファッシアに向けての「ハイドロリリース」の様子なども紹介されており、今後ますますこうした番組での取り上げられることが増えていくでしょう。

 ファッシアに興味を持つのは、当院での治療のメインでもある「刺絡」や「ハイドロリリース」の理論的基盤になるからです。ハイドロリリースはまさにエコーを見ながら、ファッシアを狙うわけですからそのものズバリ、なわけです。
 これに対して刺絡はどうしてなのでしょうか。これまではなんとなく、末梢の毛細血管での「瘀血」を対象にした鍼治療の一つというとらえ方をしていたのですが(それでもまちがいではないのですが)、なぜこれほどまでに即効性をもって疼痛などに効果があるのか、そしてそもそもどこから「瀉血」しているのか、などいざゆっくりと考えるとわからなくなってくる問題は少なくありません。
 これに対して、ファッシアに含まれる毛細血管の停滞部(細絡)と考えると、その治療対象が明確になってきます。加えて、経絡の流れをアナトミートレインとして考えると、その流れはファッシアにテンションがかかったものそのものであるので、経絡上の瘀血と考えて矛盾しません。
 
 ファッシアを中心にこれからの健康への考えを展開すると、まさに瘀血、刺絡、という概念がさらに重要になってくることでしょう。ただの結合組織としてのとらえ方から、統合医療全般を改めて再考させる重要な概念としてより注目していきたいと思います。
 また慢性的な疼痛の方には、きわめて重要な考え方となっていくことでしょう。お困りの方は、このファッシアにおける瘀血という視点での治療が、大きな可能性をもたらすことは間違いないでしょう。









2019年11月07日

対話型ファシリテーション

 今月はジャングルカンファレンスです。11月14日木曜日、いつもの代々木ウィルワンアカデミーですので、ぜひともご参集ください。最近は、JCに加えて、ジャングルカフェやオープンダイアローグなどいろいろな方法論をもちいて、開催することが多いので、ファシリテーションについていろいろと読んでいます。
 そんな中でも気になったものがこれ。



 メタファシリテーションという技法を分かり易く解説している手引きなのですが、これが内観療法ととても似ていることに驚きました。「なぜ?」や「どうした?」という質問を封じることで、相手の気づき促すというものなのですが、内観の3原則、してもらったこと、してかえしたこと、迷惑をかけたこと、を尋ね、迷惑をかけられたことという質問を意図的に外すというところが一脈通じます。また質問の過程も、事実関係を聞いていくということを徹底するなど、基本的な方針も似ていると感じました。また「問題は何か、誰の問題なのか」という点を強調するところは、最近特に気になっていた視点だけにとても共感できました。
 意図的に何かを聞かない、ということが大きく相手の気づきを促進するということをあらためて感じさせられました。

2019年11月04日

認知症の関連サプリ・漢方

 認知症関連のサプリや脳機能サプリについて聞かれることが最近多いので、少し書いてみたいと思います。どうしてもこの方面は薬剤が充実しているとは言い難い分野ですので、サプリの併用が期待される領域でもあります。とりわけサプリや漢方などいろいろなものを積極的に取り込んで、高い成果を上げているコウノメソッドなどの取り組みが、良い例でしょう。

 通常の医療では、どうしても限界が来てしまう分野には、当然のようにこうした統合医療的な取り組みが現れるように思います。

 比較的知られているものとしては、フェルガードや抑肝散でしょうか。前者は特に、認知症に加えて嚥下障害(飲み込みにくさや誤嚥)などに特に効果的であると感じます。味も飲みやすく、あまりトラブルなく使用できるサプリだと思います。抑肝散は、認知症特有の怒り易さに効果的です。これは高齢の方に関わらず、いらいらして仕方ない、切れそう、といった状況において頓服でもとても効果があります。
 これらに加えて、脳血流の改善効果としては、微小循環での血流不全があった場合、ルンンブルクスルべルスという酵素を含んだ赤ミミズ由来のサプリも注目されています。これは軽いASOなどの間欠性跛行などを示す症状にも効果的で、痺れなどにもよかった経験があります。このサプリを推奨している栗本慎一郎先生から伺った話では、視野が広がるという経験談が多いそうです。運転中など、側方で以前気づかなかったもの(自転車や障害物)を察知する能力があがったというものです。

 漢方薬にも組み合わせによってさらに効果的なものも多いのですが、あまり話題に上がらないものとしてはホメオパシーも忘れてはなりません。ドクニンジン由来の Conium maculatum はその代表でしょう。加齢による認知症だけでなく、各種悪性腫瘍(とりわけ泌尿器系)に効果的とされています。老齢による抑うつ的な症状にも良いでしょう。
 そして以外に忘れられがちなのは、やはり栄養です。肉をガシガシ食べるご老人に認知症が少ないように感じるでしょう。糖質過多から認知症が進展する危険性も指摘されて久しいです。それ以外にも、ビタミンB群をはじめとして各種ビタミン・ミネラルの不足も大きく影響します。マルチビタミンをベースにして不足分を補うとともに分子栄養学的視点からも積極的に補充していくことが大切です。

 ここに挙げた例は、当院ですべて扱っておりますが、やはり各人によって大きく異なるのが実際です。認知症の統合医療的なアプローチに詳しい医師のアドバイスや指導に従うのがもっとも安全で効果的だと思います。いろいろな脳トレがありますが、訓練だけでなく、材料補充も時に見直してみてはいかがでしょうか。

2019年11月03日

グリーンフラスコの講演会に参加してきました

 先週は鍼の講習会の後、林真一郎先生のご招待でグリーンフラスコ主催の安西先生の講習会に、タイ古式マッサージの藤井先生と参加してきました。
 アメリカの医療事情と統合医療の動向を、分かり易く講義して頂きました。安西先生とは以前にゆっくりとお話しさせて頂いたこともあり、今回の講義はさらによく理解することができました。また以前
、ツムラで勤務されていたこともあり、私の漢方(古方)と刺絡の師匠の小川新先生と面識のある方なので、漢方の昔の話なども分かっているので、統合医療についての説明もすっと理解できました。

 講演後は林先生のハーブショップ、グリーンフラスコにお邪魔してから帰宅しました。自由が丘というところにはこれまで縁がなかったのですが、都ともきれいなおしゃれな街だということが理解できました!



 

2019年10月21日

学習する身体

 ジャングルカンファレンスをしているので、様々な分野の療法家からお話を聞く機会が多いのですが、そうした時に分野によって違う体感をすることが少なくありません。おそらく得意分野により、その人独特の身体感覚ができているためなのでしょう。
 一方で、何かを学ぶときにはどうしても得意なものと、不得意なものが出来てしまうのも事実。得意だったり好きなものなら、体もあまり違和感なくその対象に向かうのですが、そうでないものには、何か独特の違和感を覚えるのも事実。
 人はおそらく何か学習するときに、その対象に特異的な身体の反応を予め用意するのかもしれません。得意でないものを仕方なく、ずっと学んでいるとふと好きになる瞬間もあります。そうなると、以前の身体の感覚と、少し自らが変わった感じがしていることに気づきます。つまりこちらの側が、受け入れやすいような身体へと変容したと考えることができるのではないでしょうか。
 これを自在にすることは容易ではないのでしょうが、対象となる分野や学問を得意としている人の身体感覚になってみる(つまりはなったようなイメージをしてみる)と習得しやすいような気がします。
 私は内科系なので、整形外科的な立体的イメージがとらえにくいのですが、そうした領域が得意な人がやはりカンファレンスや仲間内にはおおいので、そうした人たちになったようにしてみると少し違うような気がします。
 学習方法について少し思いついたので、漫然と備忘録的に記してみました。