2006年11月02日

クリニックの診療内容:漢方

 今回は私の考える理想的な漢方外来のあり方を書いてみます。

 漢方は皆さんは粉薬として認識されている方が多いのではないでしょうか。これは、通常「エキス剤」といわれるものです。普通、病院でだされるのはこの形でしょう。しかし、もともとの「漢方」はこれではありません。植物の根や葉を出した液、つまりお茶のようなものがもとのものなのです。喩えていえば、もとの煎じた漢方をマメから挽いたコーヒーとすれば、エキス剤はインスタントコーヒーに近いといえるでしょう。つまり、便利であるけど、香り、こく、などが元のものより劣るといえるでしょう。

 また、漢方を出す側にとっても大きな違いがあります。例えばエキス剤では、ある漢方薬に大黄を追加したいと思っても「大黄甘草湯」という形のエキスしかなければ、「大黄」だけを取り出してまぜるということはできません。そうすると、甘草も余計ではあっても入れざるを得ないのです。そんなこんなで、ずいぶんと量がふえてしまう可能性もあるのです。一方、煎じ薬では、いれたいものを入れたい分だけ追加することが可能です。つまり、細かくオーダーメードにするには、煎じ薬のほうが対応しやすいといえます。

 以上のような点を考慮すると、こうした剤形の違いを有効に使えます。つまり、旅行に行ったりして煎じられないときなどはエキス剤も有効ですが、普通に家にいるときは、自分だけのためのオーダーメードを作ってもらえる煎じ薬のほうが効果的でしょう。また自分で作る、という点もさらに、治癒には効果的でしょう。統合医療の観点からは、自分の体を自分にピッタリの自分用の薬で癒す、とすればまさに漢方、とりわけ煎じ薬が最適といえるのです。ただ、いろいろニーズもあるのが現実です。煮出したものをアルミパックに分封したものなどもあり、今後はいろいろな形の漢方がでてくるでしょう。そうした中でも、わが国の統合医療における漢方の重要性は変わらないだろうと思います。

 当院では煎じの漢方を中心にして、ご相談によりいろいろな剤形に対応していきます。しかし、統合医療の基本コンセプトであるオーダーメードという観点から一人一人の症状により配合を変えたオーダーメード漢方が基本であるのはいうまでもありません。