2007年03月08日

自律神経失調症の精神からの視点

 「自律神経失調症」という言葉は皆さんもよく聞くかもしれません。いわゆる「不定愁訴」と同じように使われることもあり、典型的な疾患に症状が分類されないときに用いられることが多いようです。

 そこには重大な疾患がただ見つけられないという理由で潜んでいることもありますが、大方は精神疾患として考えられるのではないだろうか、というのが最近の見解です。

 安易に精神疾患というとわが国ではまだまだ偏見も多いので、このような疾患名がつけられるようになったというのが主ないきさつのようです。そうした流れから身体症状であっても「うつ」が潜んでいるという可能性も盛んに言われるようになってきました。(いわゆる「身体症状化」です)こうした中で最近、うつの診断をつけ、薬剤療法へと展開する流れも増えてきたように思います。これにより、症状改善する方もいるのでこれはこれで結構なことであると思います。

 ただ、自律神経失調症、不定愁訴を身体疾患のみでなく、精神疾患からも考える、というだけで十分なのでしょうか。統合医療の観点からは、それだけでも足らないように感じます。いわゆる「もうひとつの観点」も必要ではないかと思うのです。伝統医療の観点です。わが国であれば漢方が東洋医学的観点といえます。その他にもホメオパシー的観点なども有用でしょう。つまり代替医療的観点です。

 副作用発現の可能性などから、安易な抗うつ薬処方の流れは考えなおさなければいけないこともあるようです。なかなか治らない、いわゆる自律神経失調症の新たなアプローチに統合医療が有効な理由でもあるのです。現代医療的な「身体・精神の構図」だけでなく、もうひとつの視点の重要性がここにもあるのです。



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