2007年03月15日

鍼灸のエビデンス

 鍼灸について、原稿を書いていたので、EBMの観点から見直してみたいと思います。「刺す」という行為のため、なかなか薬剤とちがってランダム化比較試験しにくい治療法ですが、「偽鍼」などを用いて着実にエビデンスが蓄積されつつあります。

 米国国立衛生研究所(NIH)の合意声明書においては、鍼が有効であるという有望な結果が得られているものとして、術後や薬物療法時の嘔気・嘔吐、歯科の術後痛、妊娠時の悪阻、が挙げられています。 また、英国医師会の報告書においては、背部痛、歯痛、片頭痛、嘔気・嘔吐に関しては適切な患者さんに適応できるエビデンスがある、とされています。

 一方ではこうした検証では、あまりに治療手法が単純化されているという批判もあり、鍼本来の研究としての問題点も指摘されています。しかし、「気」や「経絡」といった、いかにも代替医療という概念を用いた鍼灸にこれだけのエビデンスが蓄積しつつあるというのは、これからの統合医療発展に大きな力となるでしょう。統合医療研究のさらなる発展が期待されますね。



tougouiryo at 16:45│Comments(0)統合医療各論:鍼灸 

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