2007年04月01日

世界の伝統医学(3)

 世界にはたくさんの伝承された医学があります。その中でも、理論体系化され、現在においても命脈をたもっているものを、伝統医学と呼んでいいかと思います。前回はそうした伝統医学のなかでも最古とされるインド伝統医学、アーユルヴェーダについて説明しました。

 3つのトリドーシャといわれる要素により、生体の状態を説明する独特の理論体系で、これは中国伝統医学にも影響を与えているとされます。また、この医学の流れはタイやインドネシア(ジャムー)へと伝播し、3大伝統医学を統合する形で形成されたチベット医学の源流ともなっていきます。こうした医学は決して過去の遺物ではなく現在においても、それぞれの地域で重要な役割を有していることは説明するまでもないでしょう。

 われわれが普通、東洋医学というと真っ先に思い浮かべる中国医学以上に世界的な規模で影響を与えてきた医学なのです。現在でも、健康法といったときの代表格に気功(中国医学)とならんでヨーガ(インド伝統医学)があげられることから、その影響力の強さをうかがい知れます。また湯液という形で薬草を煮出す中国医学に対して、アーユルヴェーダは油を使用するのも大きな特徴といえます。親水成分に対する親油成分というわけです。これは今日、漢方に対して、アロマセラピーが相補的な役割を持ってきたことと、大きく関係する点でもあります。いずれにせよ、われわれ東アジアに住むものが強く影響を受けている中国医学の背後に、こうした大きな医学の存在があることを忘れてはいけないのです。

 それでは次回は、こうしたアーユルヴェーダと並び立つ中国伝統医学に話題を移していきましょう。伝統医学の相互関係がだんだん理解されてきましたか?



tougouiryo at 23:00│Comments(0)統合医療あれこれ 

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