2007年04月09日
世界の伝統医学(4)
前回は最古の伝統医学といえるインド伝統医学について解説し、中国伝統医学に至りました。今回は、簡単に東アジアへ広がりを見せる中国伝統医学に話題を移しましょう。
これまで中国医学については解説してきたので詳細は省きますが、漢方、鍼灸に加えて、気功やマッサージ(推拿)などの方法論を陰陽・五行論に基づいて体系化したものと言えます。文字通り中国がその祖にあたります。それが、東アジア全般に、それぞれの土地に適応する形で展開し、韓国では「韓医学」、日本では「漢方医学」となって今日に至ります。したがって中国伝統医学と漢方医学とは、厳密には同一のものではないことになります。
この二つの体系の相違は、五行説などの思弁的な要素を採用するか、否かが大きな違いといえそうです。理論重視と実態重視とでもいえるでしょうか。まあ、それほど簡単にはわけられませんが、こうした違いこそ民族性といえるのでしょう。つまり、東アジアに展開する類似した医学理論でも大きな相違があるわけです。
中医学と漢方とは違うんだ、とだけ知っておくだけでもよいかもしれません。
ちなみに東南アジアへは、インドから直接影響を受けた医療体系が展開していきます。次回は西方への展開としてのユナニ医学です。
tougouiryo at 17:28│Comments(0)│統合医療あれこれ