2007年05月28日

首・肩のこり

 セルフケアのポイントとしては、首・肩は、重い頭部を支えていることから常に緊張状態を強いられる、という点が重要です。こうした緊張状態から筋の緊張、さらには血行不良の状態を招きやすい。また心理的なストレスが身体に表現されたものであることも多い、と思われます。知らず知らずのうちに、われわれは、肩を緊張させていることも多く、まずは、そうした日常の場面をしっかりと自覚することが重要なんです。

 

 緊張を感じたら、首と肩をすくめて(力んで緊張させて)一気に脱力するようにします。ただ脱力だけ、だとうまく脱力できません。また、知らないうちに首・肩の緊張をしているということに気づくことも対策の第一歩なのです。コリを自覚したら、首を回す体操なども重要です。また、冷えによる全身の血行不全が背景にあることも多く、ゆっくりと湯船で半身浴することも重要です。全身の冷え改善に伴い、症状が軽快することも少なくありません。肩のみのアプローチより、腰から下の冷え対策がむしろ非常に効果的に感じます。

 

 要注意症状としては、なかなか改善せず、かえって悪化するようなとき、痛みが背中や、胸など異なる場所へと放散していくときなどは内臓性の疾患を反映していることもあるので受診、精査をおすすめします。

 

 漢方による対処としては、肩こりの初期症状としては葛根湯が一般的です。筋肉の引きつりによる痛みがある場合には芍薬甘草湯も効果的。全身の血行不全状態を反映していることも多く、瘀血状態とみて、桂枝茯苓丸が有効なことがすくなくありません。ただし局所症状が強いときは、漢方単独よりも、鍼灸との併用が効果的だとおもいます。ツボとしては、押して痛みのあるツボ(阿是穴)に加えて、風池、肩井などが代表的といえるでしょう。

 

 サプリメント・栄養:疲労物質の蓄積を防ぐ意味でビタミンB1、血行改善を目的にビタミンEなどの摂取は欠かせません。具体的にはビタミンBのコンプレックスが有効なことが多いです。

 

 アロマセラピーとしては、ラヴェンダーやゼラニウムの吸入や、ベースのキャリアオイルに数滴まぜて指圧やマッサージがいいでしょう。また精神的ないらつきや高血圧を伴う場合にはイランイランも効果的です。リラクゼーション系のオイルを好みで使い分けるのがポイントです。

 

 ホメオパシーとしては、筋肉や関節に対しては、ルストックス(温めると改善する使いすぎの症状)やルータ(比較的小さな筋肉・関節に。眼精疲労を伴うものにも効果的)が代表的です。精神的な関与もあわせて考えていければよりよい処方へつながりやすいでしょう。

 

 非常に、メジャーな症状でしたがいかがでしょうか。ある意味、現代に特徴的な症状で、精神的な問題とも密接なことが多いのが特徴です。いずれにせよ、これまでの矛盾に目を向けることが対策の近道といえそうです。

 



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