2007年09月10日

統合医療についての誤解

 さまざまな代替医療があるなかで、統合医療というものの存在意義のようなものは何か、分かっている方も多いかと思いますが、あらためて少し書いてみようと思います。

 よく勘違いされるのは、漢方、鍼灸、ホメオパシーいろいろな分野の専門家がいるのに、いいとこどりだけで、そんなものでいいのか!というもの。それぞれの専門の方がいて、それを深めるのはいいことですし、異論はありません。ましてや、それぞれの奥深い専門を、完全に理解しているなどとも思っていません。だからこそ、それぞれの領域の代替医療のみを(例えばアロマならアロマ、鍼なら鍼)求める方は、そうした専門家が適しているといえるでしょう。

 しかし、現実の臨床では、どれにかかったら良いのか、どれが自分にあっているのか、といった代替医療の領域横断的な相談が多いのも特徴です。そもそも代替医療だけで良いのか、という問題もまた大きく存在します。だからこそ代替医療のみに組みすることのない「統合医療」という概念があると思います。

 だからこそ私のクリニックでは複数の代替医療を扱う形式にしています。それでも、それぞれの専門家がいるのだからおこがましい、という意見も聞かれます。しかし、境界領域も実際にはニーズが多いのです。つまり、しっかりとした精神科医がいて、しっかりとした内科医がいたとしても、やはり心身相関を注視する心療内科医はまた別に必要なのです。多様化するニーズの中、さまざまなものに対応することも大切なことです。どれかひとつだけに限定しなければいけないというのは、タコツボ的な基礎研究でもない限り、現実としてはありえないものです。これは臨床に携わるものでしたらだれでもわかることといえるでしょう。

 つまり、広く浅くでも、代替医療をナビすることで、その人に適するものを探し出すことができれば、それも私の考える統合医療の目的といえます。ちなみに「統合医療」はまだ未熟な概念です。よって解説する方によっては異なった解釈をするかたもいるかと思います。なのでこのサイトで、私の主張する「統合医療」は私の考える統合医療」であることをお断りしておきます。

 また一部の方は、統合医療を「アンチ科学」「アンチ現代医療」のように捕らえている方もいるようですが、これは完全な誤解です。「統合」と称しているのは(実際に難しいことですが・・・)現代医療と代替医療の双方の立場を否定しない、ということの現れです。これは代替医療という言葉を使わない一番の理由でもあります。なので、私のクリニックでも手術や薬物療法が必要であればお勧めするのはいうまでもありません。また、代替治療だけでも大丈夫な状態であれば、ニーズにしたがってサポートさせていただくのもいうまでもありませんが・・・。

 クリニックでは、こうした私の「統合医療」の考えに加えて、十分な時間をとった診療によりナラティブ(患者さん一人一人の語り)を重視した診療をこころがけています。理想はまだ遠いのでしょうが、医療の基本は相互関係にあると考え、丁寧な診療を続けて行きたいと思います。

 今回は、誤解されやすい統合医療の側面についてと私のクリニックでの考え方を少し紹介しました。蝉の声も消え、だんだんと秋の気配ですね。



tougouiryo at 00:05│Comments(0)統合医療とは何か 

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