2011年01月28日
統合医療における「部分と全体」
このブログでも統合医療についていろいろと書いてきましたが、まだまだ統合医療という考え方自体が良く理解されているという状況ではありません。また、専門家の中でも大きく意見の相違があるのも事実です。
保守的な先生では、現代医療と論文などしっかりとしたエビデンスのある代替医療を合わせたもののみを統合医療と呼ぶべきだという意見もある一方で、そうではないものも含めて考えて(マネージメントして)いくべきではないか(ただし勧めるかどうかは別ですが・・・)という考えもあります。
私はどちらかといえば後者なのですが、仲間内でもこれに反対、という先生もいらっしゃるのは事実です。ただし、なんでもEBM、EBMとしてしまうと必ず、裏に入ってしまうものを増やすだけだし、答えとしては優等生ですが、あまり現実的ではないと思うのです。それゆえに、実際は一つ一つのケースに最適なように考えていくしかないように思うのです。
また、ふくらはぎについての執筆をしていて思うのは、「なぜふくらはぎ?」「なぜ温め?」「なぜ統合医療?」「なぜナチュラル志向?」こうした問題はなんとなくそのほうがいいから、という気はするのですが、「どうして?」と問われるとはっきりしない人も多いのではないでしょうか。これに対しては少し前には、新潟大学安保先生による「安保理論」として総括的に説明され、かなり理論的には以前よりすっきりしたものの、まだ、すべてがクリアという感じではありません。
これらの問題に対しては、統計的な方法でははっきりするのは困難で、むしろ数学的な論理のようなもので、バッサリと切ってしまうしかないように思います。でなければ、延々水掛け論を続けざるを得ないでしょう。
そうした問題のうち「部分と全体」の問題はとても大きなものです。部分を集めたものは全体と一致するか、という問題です。これをこの後少し考えてみたいと思います。私たちは意外と、部分は全体の状態を反映していると考えがちです。こうしたところに意外な盲点がありそうです。こんなことをおいおい考えていきます。
長くなったので、今日はここまでにします。
ちなみに次回の「からだ再発見教室」は3月5日(土曜日)13:30〜です。糖質制限や自律訓練法に加えて、「部分と全体」についてもお話しする予定です。