2011年02月10日
効率化の功罪
スローダウンな生活の重要性を少し前に考えてみました。速さを求められる現代、なぜスローが重要かを少し考えてみたいと思います。
物事のスピードアップは、無駄なことを省いてより短い経路で物事を遂行していきます。結果無駄がなくなるので、経済的なわけです。しかし、このちょうしで続けていけば際限なく、スピードがあがるわけで、人間の本来持つ速さ(もしくは対応可能な速度)を上回るような日が来てもおかしくないわけです。現に、それに対応すべく、さまざまな機器が発達し続けているわけです。
こうした速度の上昇は一方で、その経路を短くもします。わかりやすくいうと、株の取引などで極めて短時間に超多額のお金がパソコン上を動くわけです。一昔まえとはその速度が異なるわけです。これにより一部の人が大金持ちになり、社会の二極化も速度を増すというわけです。
こうしたことは人間の体でも起こってはいないでしょうか。いろいろな薬が出来たことにより、症状の改善(もしくは変化)がよりスピードアップしうる時代になりました。が、一方ではそのための問題も散見されるようになったわけです。こうした健康への素朴な疑問や心配がスローダウンの風潮の基底にあるように思います。効率化にかんしては、サプリメントなどが良い例です。なぜサプリが必要になってきたか、それは、昔は米を食べるとしてもきれいに精米して食べるということはないわけです。一見無駄なものが、たくさん付いていたわけです。しかし効率化によりエッセンスのみを取り出すようになるなかで、以前はゴミと思われていたものの中に、大切な栄養素がたくさん含まれていたわけです。無駄を切り捨てるなかで、本当に必要なものも捨ててしまっていた、ということもあるわけです。これこそまさに短絡化することの弊害と考えて良いと思います。
人の体も同様で、一見面倒な生活改善をせずに、薬物による短絡化を安易に取り入れることの弊害もありそうです。「縮退」そのものの説明には至りませんでしたが、こうした効率化の功罪を考えてみることも重要ではないでしょうか。
縮退に対抗するわけではないのですが、今週末は弘前で統合医療研究会です。東京ではなく、地方での開催に意味があると考えております。統合医療医が5名ほど集まって、小さな発表会をする予定です。公開ではないのですが、良い成果があれば。またここでもご紹介したいと思います。といいながら温泉もあるので、楽しみです。
次回の「からだ再発見教室」は3月5日13時半〜です。お電話にてご予約受付中です。