2011年02月21日

身体内部における「縮退」

 週末は、当院のカンファレンスがあり、今回は「ふくらはぎ・膝の痛み」を中心に参加者で検討しました。小関アスリートバランス研究所の小関先生にも参加していただき、とても有意義なカンファとなりました。

 ここでの気づきをいくつか・・・。からだの力みを意識しないと、簡単に腕があげられるのに、どこかに(腹など)に力みを意識すると途端に腕があげられなくなってしまいます。これは一見、臍下丹田に気を込めるという行為と矛盾する結果です。

 しかし、実際に体験して感じるのは、まさにこうした力みにより、からだ全体の動きは低下してしまうこと。つまりどこかに中心(もしくは支点)を作ってしまうと、そこに動きが「縮退」してしまうような現象が起きるようです。縮退は、ものごとの歴史的な流れに対してだけではなく、空間的な広がりにおいても適応されうることが実感できました。

 つまり、どこかの支点に動きを縮退することなく、全身に分散させることで掴まれても妨げられることのない動きにつながるのではないでしょうか。小関先生は部分的な関係性をつくることで全体性が崩れる、と表現されていました。これはまさに「部分と全体」の関係そのものです。理論として理解していたものが、体感をもって伝わったようで非常に勉強になりました。

 力み(つまりは交感神経優位となるようなストレス状況下)は、まさに縮退の中心点と考えられ、数々のリラックス技法(自律訓練法など)はまさにこの縮退を止める、もしくは遅めるものとして理解できそうです。縮退を防ぐ、このことがかなり医学においても重要であることがさらに実感できました。


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