2016年12月12日

多様な療法との付き合い方(2)

前回に引き続いて、第2節です。統合医療の「肝」と何か、についての議論です。


 2.統合医療の要諦は多職種連携にある

 

多くの方は統合医療というものを、たくさんの補完医療を肯定的に駆使するような医療として思い浮かべるのではないでしょうか。しかし当然ながら、一人の医師が通暁できる療法の数には限りがあるので、実際には幾多の専門家と連携をとらざるをえないというのが現状です。また、常に肯定的にこれらを扱うわけではありません。

そしてそこでは、通常の医療現場におけるチームワークと言ったものとは若干趣の異なるものが展開されるかもしれません。つまり、通常は医療者側と患者さん側といった構図になるわけですが、ここではそのどちらとも言えない治療家といった立場を考慮するからです。これは、いわゆる国家資格者と言われる治療家だけではなく、資格制度を有しない治療家という立場もあるからです。

さらには患者さん側とされる人たちの中にも、業務としてこうした(補完医療的な)治療・施術行為を行ってはいないものの、講習参加などを通して知識的に詳しい人も少なくありません。また施術のような形ではなくても、特定の健康食品を(真心からか、ビジネスからかその真意はともかくとして)勧めてくる方がいることも、多くの医師が経験していることでしょう。こうしたあらゆる形での補完医療的アプローチとの連携こそが、統合医療の要諦となっているのです。

つまり、こうした場での多職種連携とは、通常我々が規定する「医療」という枠を超えて、広く地域連携的な意味合いをも持つことになります。



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