2016年12月14日

多様な療法との付き合い方(4)

 統合医療の実践モデルとして、アリゾナ大学における例をご紹介していきます。

4.アリゾナ大学における統合医療カンファレンス

 

 アリゾナ大学における統合医療教育の詳細に関しては伊藤論文を参照して頂くとして、ここでは実際の臨床モデルを紹介したいと思います2)

アリゾナ大学において統合医療外来を担当する医師は、初診後、担当教授とともに様々な補完医療の治療家も出席する「統合医療カンファレンス」において症例を検討します。これはいわば通常の初診カンファレンスです。

ここではオステオパシー医や鍼灸師、ホメオパシー医やエネルギー療法師等の約10名の治療家が、各々の治療体系から考えられる病態解釈を披露し、その治療法を提案します。担当医はこれらの治療家の提案する治療法を書きとめ、再診時に患者さんに伝えます。当然この段階で現代医療的に大きな問題があれば、担当医や教授によって治療法が取捨選択されますが、基本的には再診時に、患者さん自身の意見を聞きながら治療法が選択されていきます。結果、そのまま担当医に受診する場合もあれば、各々の治療家に紹介される場合もあります。紹介される場合は多くの場合、2〜3か月後にフォローアップ目的で統合医療外来を再診し、その経過を報告します。そこで問題が解決されていればそれでいいわけですが、症状が不変ないしは増悪しているようであれば、担当医とともに方針が再検討されることになります。

ここでは、一連の過程における「カンファレンス」の役割に注目してみます。これは患者さん側から見ると、最適な治療法を探す一過程ですが、担当医及び治療家にとっては補完医療と通常の医療の関連を学ぶ重要な教育課程にもなっているのです。

筆者は2001年にこのカンファレンスに約2か月間参加させて頂き、当時、まだ統合医療に対しては、医師による様々な補完医療の組み合わせや、使い分けのように考えていたイメージを刷新されました。以後、自院を開業後、このカンファレンスの形式を基盤に、我が国での統合医療の実情に合う形で改良を加え、現在、統合医療カンファレンス協会主催のジャングルカンファレンスとして2か月に1度定期的に開催しています。

次節ではこのカンファレンスの経験から見えてくる多様な治療法ないしは治療家とのつきあい方の実際を考えていきます。



tougouiryo at 07:00│Comments(0)

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