2019年12月04日

脳機能のサプリメント・統合医療

 脳機能についてのサプリメントなどの統合医療についての関心が高いようですので、以前のものに加えて追加しておきましょう。

 まずは代表的なものとしてはフェルラ酸です。米ぬかに含まれる成分で、強い抗酸化作用があるといわれている物質です。近年の研究では、アルツハイマー病の原因と目されるタウタンパクのリン酸化を低下させることで認知症の予防をするとされています。実際に使った感じですと、予防もさることながら、嚥下機能の回復に顕著な効果を見せるようです。フェルラ酸を使い始めた当初は、かなり著明に効果が出た患者がいてびっくりしたのを覚えています。印象的だったのは、胃ろうの検討をされていた患者さんが、口から再び摂食可能になった例までありました。

 フェルラ酸と匹敵するくらいの人気サプリがルンブルクスルべルス等の赤ミミズ由来酵素のサプリです。軽い瘀血症状から、血栓形成のような症状まで、漢方との併用で多くの効果をあげてきました。桃核承気湯や桂枝茯苓丸などと併用し、休み休み歩かざるを得なった間欠性跛行の方が、これにより普通に歩くようになったのは驚きでした。

 その他でも、最近は睡眠に関してのメラトニンの効果も注目しています。様々な精神状態と睡眠との関連は思った以上に大きいようです。メラトニンによる直接効果なのか、良質の睡眠をとることにより体調全般が改善したのか、機序は不詳ですが、テアニンやGABAとの併用で非常に高い効果を発揮するようです。
 またレシチンの構成要素である「コリン」も非常に有効な印象があります。患者さんの実感としても、物忘れが減った気がするなど記憶や学習能力に関しての良い感想が聞かれます。

 これまでもたびたび話題にしてきたものとしては、老化を一つの酸化として捉えればビタミンCは不可欠な栄養素といえるでしょう。またコレステロールのところでも言及した、ナイアシンについては、老け込みの予防や記憶力の回復についての報告がなされています。脂質異常の改善から血管系へ有効な機能をもっていることから、これも言われてみれば当たり前のような気もしますね。であれば、抗酸化としてビタミンEなども合わせるとより効果的でしょう。そのほかにも分子栄養的にはいろいろな可能性がありそうです。
 また改めて、認知症についてのサプリメントについては説明することにしましょう。


tougouiryo at 06:00│Comments(0)いわゆるブログ! 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔