2020年03月10日

ボームのことば(8)

 ボームのダイアローグを必要する理由をまた少しみてみましょう。

 コヒーレントな暗黙のプロセスを行うには、現代の社会は大きくなりすぎた、とボームは指摘します。それゆえにコミュニケーションをとることが急を要するようになった現在、再度、開始しなければならない、というのです。以下、ボームの引用です。

必要なことを賢明に実行するには、意識を共有し、ともに考えねばならないのだ。対話グループで繰り広げられることに取り組みはじめれば、社会全体における現象の、確信めいたものを摑めるようになるだろう。自分ひとりではそうした核心をかなり見落としかねない。一対一の対話をした場合でさえ、正確につかめないものである。


 さらに対話全体についてまとめた示唆的な文章、少し長いですが…

対話の目的は、物事の分析ではなく、議論に勝つことでも意見を交換することでもない。いわば、あなたの意見を目の前に掲げてそれを見ることなのである。様々な人の意見に耳を傾け、それを掲げてどんな意味なのかよく見ることだ。自分たちの意見の意味がすべてわかれば、完全な同意には達しなくても共通の内容を分かち合うようになる。ある意見が実際にはさほど重要でないとわかるかもしれない。どれもこれも想定なのである。そして、あらゆる意見を理解できれば、別の方向へもっと創造的に動けるかもしれない。意味の認識をただ分かち合うだけということも可能だ。こうしたすべての事柄から予告もなしに真実が現れてくる。たとえ自分がそれを選んだわけではなくても。


tougouiryo at 06:00│Comments(0)いわゆるブログ! 

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