2020年03月21日

異端の科学

 MRIと水分子について調べているうちに、中田力先生の「脳の渦理論」を思い出し、久しぶりに渦理論3部作を読んでみました。何度もよみかえしているのですが、こちらの理解力不足のためなかなか理解できずにいる内容なのですが、それでも時折気になってしまうわけです。なぜか不思議な引力を感じる本なのです。こうした事情は、私に限ったわけではないようで、松岡正剛先生の千夜千冊でも、同じような感想が書いてありました。

脳のなかの水分子―意識が創られるとき
中田 力
紀伊國屋書店
2006-08-01



 それでも今回は、ELDER、アセンブリ、アクアポリンといったキーワードがずいぶんと理解できたような気がします。とりわけ、全身麻酔の基礎が水のクラスター形成にあるというポーリングの理論から(これもポーリング!)水分子の重要性が良く分かりました。しかし、中田先生をしても脳機能と水分子の関係を述べると「おかしい人と思われる」というのですから、科学にはどうしても触れてはいけない、という領域がやはりあるようですね。

 中田先生の著作とは関係ありませんが、そうしたものの代表格のようなものを少しメモしておきましょう。これらは、その理論の突飛さもさることながら、ちゃんと検証しようとしたにも関わらず、何らかの妨害が入ってしまったというものです。事の真偽は、現在の私たちにとって「藪の中」なのですが、各人が推理しながら読まれるのも面白いと思います。科学の闇のようなものにご興味ある方はどうぞ。

 まずは千里眼や念写・透視の実験を行った福来友吉(東京帝国大学文学博士)については以下。前帝大総長の山川健次郎(理学博士)を前にした実証実験の圧巻の様子が描かれています。

霊術家の饗宴
宏次, 井村
心交社
1984-01T


 次は獲得形質は遺伝すると主張したオーストリアの生物学者パウル・カンメラ―の悲劇を描く、アーサー・ケストラーの代表作。エピジェネティックが語られる現代においては、また違った角度で興味深い作品です。







 そして最後は、ホメオパシーの理論的基盤を提供するはずだった実験の顛末。PAFの発見などそれまで一流の科学者であったベンベニストが「水の記憶」事件に対して、「ネイチャー」とのやり取りを記した反論の著作です。序文を「ジョセフソン効果」を発見したブライアン・ジョセフソンが書いているのも興味深いです。




 読む方によっていろいろな感想を持つことと思いますが、たまには「異端」の世界に思いをはせるのも良い頭の体操になるのでは。


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