2020年04月16日

To Go 解剖生理学 循環系(循環器・血液・免疫・内分泌)

今回から統合医療的に解剖生理学をまとめてみたいと思います。施術や東洋医学的な視点からも参考になるような形で、学習の指針を示していきます。自学自習の参考にしてください。

 循環系は、そもそもは栄養を吸収する腸管の付属物として血管が現れ、全身に食物や酸素を配るための器官として発達した。その中身である血液は、上陸後もその起源となる環境を保持するため海水に類した組成となっている。

 循環系は、初めは細胞間を不規則に流れていたものが、次第に発達し通路を形成するようになったことに由来すると考えられる。それゆえに、造血の場も、腸管からはじまり、脾臓、骨髄、リンパ系組織と、その場を移していった。免疫機能が、腸内フローラなど腸内環境に大きく影響されるのは、こうした由来に関係する。

 結果として造血の場となる骨髄は、脊椎動物の上陸に伴う骨の軽量化により、結果として「空き」が出たことが理由とされる。そして理由は「たまたま」とされる。

 動物系器官の発達により、心臓・脳が発達し、結果、血管の分布に無理を生じることになり(前線への補給路の過度な延長)、現代病といえる狭心症・脳卒中を招くことになる。
 また出産に伴う循環動態の変化(酸素を肺から取り入れる必要がない状態からの変化)から、上陸に伴う肺呼吸への進化の様子を推察することが出来る。

 また、人間も動物として動き回る中で、闘争・逃走における止血は重要な機能である。闘争などで出血した際、速やかな止血はその生死にかかわる。止血は緊張状態における交感神経と不可分の関係にあるといえる。現代において、動物的な闘争・逃走が減っているにも関わらず、社会的・精神的ストレスの増大により過度の交感神経興奮をもたらし、止血システムがいわば誤作動を起こしたようになり、不必要な止血過剰の負の面が疾患を形成すると考えられるのである。

 免疫系においては、異物の入り口である消化管において発達してくる。ここに免疫と腸管との密な関係が形成される。こうした免疫系は、現代社会における寄生虫の減少などの環境の変化により、そのシステムを誤作動させアレルギーや自己免疫疾患といった暴走につながるのである。また近年では、自律神経との密接な関係が知られるようになり(交感神経系と顆粒球、副交感神経系とリンパ球)、ストレスや精神状態との関連が注目されている。そして、これも植物性機能に対する、動物性機能の進出として捉えることが出来るのである。

 循環器による栄養や酸素の運搬に加え、様々な情報も伝達する。これがホルモンを用いた内分泌系である。多彩な機能を持つ内分泌系であるが、極論すると「生殖」と「運動」という植物性・動物性の最終目的に大きく関与するといえよう。つまり生命に重大な影響を持つ機能の調整を行っている。


<循環器>
・心臓の構造と血液循環の概略
心臓の位置と外形。心臓の内腔と栄養血管。心電図波形の意義。

・動脈・静脈・リンパ
動脈・静脈の構造。側副血行と終動脈。リンパ管の循環。

胎児循環(アランチウス管・卵円孔・ボタロ管)
胎児血液循環の概略(胎盤、臍動脈から臍静脈)。


<血液>
血液成分(赤・白・板)
血球三系統の成熟過程。血液構成成分。血漿、血清、血球、血餅。

止血
一次止血(血小板血栓)、二次止血(血液凝固)、線維素溶解現象(線溶)


<免疫>
自然免疫、獲得免疫(液性・細胞性)
免疫系の概略。

アレルギー、自己免疫疾患
アレルギー型と代表疾患。自己免疫の代表的疾患。


<内分泌>
各種内分泌器官とホルモン
代表的なホルモンの機能(視床下部・下垂体・甲状腺・副甲状腺・副腎等)

その他の内分泌器官としての消化管・腎・心臓
(一般に消化管ホルモンは分泌口より口側では抑制、肛門側では促進)




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