2020年06月08日

うつと栄養 気分の落ち込みに気を付けよう!

 栄養不足による「うつ」を考えてみましょう。うつ等の精神的な問題はともすると、「こころのお医者さん」専門ととらえられがちです。実際、重度の抑うつや、統合失調症など明らかな精神的症状は、専門的な治療を要しますが、日常の中で、疲れやストレスから気分の変調を起こすこともまた珍しくありません。
 そうした時に、少し軽めだからといっても、抗うつ剤などの薬物には、抵抗のある方も多いのではないでしょうか。そうした時にまず試して頂きたいのが、栄養的なアプローチです。以前よりも、こうした気分の落ち込みなどに対してサプリメントなどを用いて栄養学的なアプローチをとるドクターも増えてきているように思います。
 私も内科医の資格ですが、こうした精神的な(特に気分の落ち込みなど)症状で受診される方も少なくないので、まずは食事・栄養からのアプローチがほとんどです。専門の方からすれば、一言いいたいこともあるのでしょうが、やはり栄養的な補充をしたうえで、あまり効果なければ薬物という選択の仕方もこれからは増えてくるのではないでしょうか。

 そうした中で、とりわけ「うつ」との関連の強い栄養素はビタミンB群です。エネルギー代謝にも関与するので、活動の度合いなどにも大きく影響してきます。
 また副腎疲労なども関連するのが、ビタミンCやマグネシウムです。これらの不足による副腎の弱りが、気分を落ち込ませることはよくあります。長いストレスが続いた後などは特に要注意ですね。
 加えてステイホームが続いた現在、外出を控えて紫外線に当たらないことが原因になっている「うつ」もあります。ビタミンDの不足です。これは今回の新型コロナ感染をはじめとして、多くの感染症の発症とも関連が指摘されており、とくに最近マスコミ的にも大きく注目されていますね。
 さらに、女性に多いのが、鉄欠乏による「うつ」です。血液検査で貧血が指摘されていなくても(もしくはかつて治ったとしても)、体内での貯蔵鉄(フェリチン)が少ないことは珍しくありません。ヘム鉄など良質な鉄の補充により、みるみる元気になる女性はたくさんいます。
 多彩な欠乏症状を示す、亜鉛の不足にも注意したいところです。味覚障害、皮膚炎、食欲不振、貧血などが見られます。とくに鉄と亜鉛は、含有される食品が限られますので、かなり気を付けて食事をしていても、特に女性は少なくなってしまうことが稀ではありません。
 さらに動脈硬化防止などで話題に上がるDHAやEPAなども、うつ的な症状に効果ありといわれいますので、栄養と精神・心理の状態について、詳しい先生に一度相談されるのが近道でしょう。

 こうした栄養とうつの関連では、分子栄養学、分子矯正医学、オーソモレキュラーといった分野が得意としています。なんでも分子栄養がいいというわけではないのですが、こうした気分の落ち込みなどには特に適しています。ハーブ・漢方も良いのですが、代謝として必要な物質は、やはり十分に「補充」するという方針が適するように思います。





tougouiryo at 05:00│Comments(0)いわゆるブログ! 

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