2020年06月12日

第3回オンライン講義の概要

 第3回のオンライン講義統合医療入門の準備をしておりますので、少しメモ的に記載しますので、ご興味ない方はスルーしてくださいませ。今回のオンライではジャングルカンファレンスについて、その意義を幅広く解説していきたいと思います。
 ただ補完医療関連の人たちで、会話しているだけではなく(そうした面もあるのですが)、そこには他の人たちの会話を聞くことによる「リフレクティング」というプロセスが介在することにより、結論は出ないまでも結論めいた段階くらいには到達していきます。またそこには、参加者全体による「連帯」も形成されてきます。こうした数々の成果が生み出されていくわけです。

 そしてそのための基盤には「多元主義」がなくてはなりません。それは当然、教条主義ではなく、折衷主義でもない、多元主義なわけです。そこで多元主義とは何かを、あらためて考えてみたいと思います。ここにも言葉の使用の難しさがあり、使う人によって「多元主義」の用法が異なることもまれではありません。

 かなり用語の使用には神経を使っているであろうケン・ウィルバーでさえも、この多元主義の用法は、折衷主義的な用法との混同も大きいように思います。こうしたことがその後の理論展開にも若干の混乱を及ぼしているようにも思うのです。そこで、この多元と折衷の違いに注意しながら、使い分けるということをあらためて考えてみたいと思います。

 こうした用語を巡る議論の整理により、統合医療をめぐる概念の混乱解消のポイントが潜んでいます。これはこと統合医療にのみ言えることではなく、統合や総合、融合と称される分野には幅広く適応できる考え方です。
 つまりビジネスや教育、人間関係など実に幅広い領域にわたる問題なのです。こうしたことを集団における「多元」、個人における「多元」など、場合を分けて考えてみたいと思います。統合医療を考えながら、この問題の射程の大きさを感じて頂きたいと思います。


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みすず書房
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村井 俊哉
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tougouiryo at 23:49│Comments(0)いわゆるブログ! 

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