2020年06月28日

シャドー(影)について思ったこと

 ステイホーム期間中から、最近はケン・ウィルバーの著作を読んでいます。『ティール組織』のヒットによりあらためて「インテグラル理論」に関心が向けられる中、再版ないしは新装版が次々に出ているので、とても入手しやすくなっています。
 こうした中で、統合の在り方をいろいろと模索し、インテグラル理論を大いに参考にさせていただき、現在、オンライン統合医療講座の当面の最終回の内容を作成しています。

 先週末の金曜日は、講座の第3回で多元医療について2時間オンライン講義をしましたが、これを受けての第4回となる予定です。こうした事情もあり、インテグラル理論を実感するためインテグラルライフという実践形態を、ボディ、マインド、スピリット、シャドーという各モジュールとして少しずつ実践しているところです。そのなかで、なかなかに難所なのが「シャドー」。
 そこでユング関連で、日本人向けに書かれたものとして、これまで読まずにいた河合隼雄先生の『影の現象学』を読んでみました。非常に興味深い内容で、解説でも遠藤周作が「名著」と絶賛しています。いろいろな夢のエピソードや文学作品、臨床の記録などによりまさにシャドーの本質迫ろうという内容。なのですが、自分としてはこうした内容への抵抗なのか、なかなか読み進められず、やっと読了しました。

 自我から分離した影との様々な関係が述べられる中、いくつか印象的な記述もありました。意識と無意識との二者対立に、影が介在するのですが、その対立状態に対して「それをそのまま長く耐えることが大切」という記載は、まさにオープンダイアローグの結論に達しないことへの耐性との共通性を感じて非常に興味を持ちました。つまりシャドーをかかえながら、その状態を保つということにもなるのでしょうか。
 また、そのシャドーとの距離の置き方も、東洋と西洋では異なるという視点も興味深いものでした。河合先生は、とくにユングのいうままの立場ではなく、一度東洋人としてその内容を咀嚼したものを記載しようという姿勢で書かれているので、特にそうした違いを強く感じました。
 また医療における少量の「毒」の必要性の指摘などは、ホメオパシーの原理と合わせ、さらに少し深めてみたいヒントにも触れられていました。(さらに名づけの功罪など、いろいろと参考になりました。また河合先生がこの本の題名を気に入ってないということも逆に引き付けられました!)

 まとまらないメモ的記載となりましたが、なんとなく興味持って方は読んでみると面白いと思います。普段は気にすることのない「影」という視点だけに、はっとさせられる視点を得られるかもしれませんよ。


影の現象学 (講談社学術文庫)
河合 隼雄
講談社
1987-12-10



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