2021年08月31日

栄養・連絡・個別性  当院診療の三つの柱

 診療の形式ついてはこのブログでも時折記載していますが、一応のまとまりがついてきたので、院内のホワイトボードでも掲示する予定のものを、ここにもメモしておこうと思います。
 専門的な解説は、これまで少しずつしてきましたが、ここでは当院に通院されている方へのまとめとして一般的な用語で述べてみます。

 診療の大きなカテゴリーとして

(1)栄養

(2)連絡

(3)個別

 の3つを柱として据えました。実際の診療では、これらがすべて組み込まれるのを理想として、診療形態の一つの目安にしています。

 具体的な例を挙げてみましょう。

(1)栄養

  これは文字通り、食養(食事)指導とサプリメント処方です。三大栄養素をどのような割合で摂取するのか、十分な補充が必要なビタミンやミネラルは何か、などを、食事記録や血液検査などから探索し、自発的治癒力の発揮に必要な栄養状態へと導こうとする方策です。あらゆる治療の基本となるものです。

(2)連絡

  これは当初「経絡」としていたのですが、それですと東洋医学のイメージばかりが強調されそうでしたので、一般的な用語である「連絡」に変更しました。当然、経絡の全ての概念(皮部・経筋・経別・奇経等)は含まれ、それ以外の血管・神経・ファッシアなどの身体全体への連絡システムも包括されます。体の全ての連絡システムが渋滞・断絶することなく、有効に連携が保たれている状態にするために鍼灸の各技法、刺絡、パルス、HR等の各種技法を駆使するものです。

(3)個別

  これは個別性を重視した伝統医療の適応です。漢方やホメオパシー、各種セルフケア技法などを用いて各人の個別性、並びに疾病・症状への個別の対処方法を提供するものです。各種症状や、個別の臓腑に対して、方向性(ベクトル性)をつけるものです。これは通常、漢方やホメオパシーの診療形態ともいえるものですが、ここではあくまでも(1)と(2)の基盤のもとに、個別の方向性をつけるという意味合いをつよく持ちます。

  ブログだけの方には少しピンと来ないかもしれませんが、当院にいらしている方には、診療のイメージが具体的につきやすくなったのではないかと(勝手に)思っております。診療というものは、ただお任せで受けているだけ、というよりも具体的に自分で納得しているとより効果が発揮されるものでもあります。ややもするとあやふやになりがちな統合医療の診療形態を、当院での場合に絞って3つのポイントにまとめてみました。






この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔