2022年09月15日
「マトリックス」という概念 ファシア・ダイアローグ・無意識をつなぐもの
「マトリックス」という用語は医療において、とくに私の関心のある分野において花広く展開していきそうな用語です。ちょっと、これについてかつて書いたものにメモ的に加筆していきます。
マトリックスとは、医療分野では「基質」として訳されることが多い用語です。ミクロにおけるファシアともいえる「細胞外マトリックス」などはこうした用法の一つです。
そもそもの原意としてはラテン語での「母」という意味で、何かを生み出す背景というニュアンスを持つもので(ウィキペディアによる)、ここから転じて、箱に何か「モノ」を詰めるときの「充填剤」的な使われ方もします。近年注目される「ファシア」における用法はこれに近いように思います。
大切な「モノ」に対しての充填剤ですから、陰陽論でいうと「陽」に対しての「陰」とも捉えられます(本体ではないので…)。となると陰は「母」的な意味とも重なるので、原意に近くなります。
そしてファシアの関連でいうと「〜以外全部」といった「補集合」的な意味合いにも用いられます。こうした観点から、自分の分野との関連を探ると、まさに定義が困難な「代替医療」という用語は、正統な医療に対しての「補集合」ですから、極めてマトリックス的と言えそうです。
自分の興味・関心も、当然そうした方向に向けられるので、よくよく振り返ってみると、このマトリックスという概念とかなり重なることに気づきました。
こうした考えをウィルバーの四象限に対応させてみると、「We」の領域における人と人とのコミュニケーションでは、その空間で紡がれる「何か」、オープンダイアローグでの治癒をもたらす「何か」にあたると考えられます。対話の「場」と考えてもよいでしょう。
そして客観的な概念である「It」は幅広い意味合いですが、医学、身体という面では、まさに「ファシア」がこれにあたり、それゆえに別称として「生体マトリックス」とも称されているわけです。
おそらく細胞外マトリックスなども含めて、広く議論するときは「ファシア」としての概念よりも「生体マトリックス」の方が適しているのではないかと考えます。(「遺伝子」と「DNA」の用法の違いに似ているでしょうか)
それでは「I」の領域は何か。自我を支える大きな基盤・母体といえば、まさにエス・無意識・潜在意識と称されるものではないでしょうか。
我々の意識できる部分はごくわずかで、その膨大な根底部分は計り知れない大きさを有する領域なわけです。これは時に集団的無意識を相互に反応しながら、より大きなものとのつながりももつ。これを展開すれば「Its」の領域へも拡張しうる概念にもなりそうです。
このように考えていくと、マトリックスという用語により、ファシア、ダイアローグ、無意識(エス)というものが、ひとつながりの概念としてまとめられることになります。
これらに共通する「何か」が、まさに補完医療的には「キモ」になる領域でしょうし、私にとっても最も関心のある概念でもあります。
ファシア・ダイアローグ・無意識をつなぐ、キーワードとして「マトリックス」という語についてメモしてみました。
マトリックスとは、医療分野では「基質」として訳されることが多い用語です。ミクロにおけるファシアともいえる「細胞外マトリックス」などはこうした用法の一つです。
そもそもの原意としてはラテン語での「母」という意味で、何かを生み出す背景というニュアンスを持つもので(ウィキペディアによる)、ここから転じて、箱に何か「モノ」を詰めるときの「充填剤」的な使われ方もします。近年注目される「ファシア」における用法はこれに近いように思います。
大切な「モノ」に対しての充填剤ですから、陰陽論でいうと「陽」に対しての「陰」とも捉えられます(本体ではないので…)。となると陰は「母」的な意味とも重なるので、原意に近くなります。
そしてファシアの関連でいうと「〜以外全部」といった「補集合」的な意味合いにも用いられます。こうした観点から、自分の分野との関連を探ると、まさに定義が困難な「代替医療」という用語は、正統な医療に対しての「補集合」ですから、極めてマトリックス的と言えそうです。
自分の興味・関心も、当然そうした方向に向けられるので、よくよく振り返ってみると、このマトリックスという概念とかなり重なることに気づきました。
こうした考えをウィルバーの四象限に対応させてみると、「We」の領域における人と人とのコミュニケーションでは、その空間で紡がれる「何か」、オープンダイアローグでの治癒をもたらす「何か」にあたると考えられます。対話の「場」と考えてもよいでしょう。
そして客観的な概念である「It」は幅広い意味合いですが、医学、身体という面では、まさに「ファシア」がこれにあたり、それゆえに別称として「生体マトリックス」とも称されているわけです。
おそらく細胞外マトリックスなども含めて、広く議論するときは「ファシア」としての概念よりも「生体マトリックス」の方が適しているのではないかと考えます。(「遺伝子」と「DNA」の用法の違いに似ているでしょうか)
それでは「I」の領域は何か。自我を支える大きな基盤・母体といえば、まさにエス・無意識・潜在意識と称されるものではないでしょうか。
我々の意識できる部分はごくわずかで、その膨大な根底部分は計り知れない大きさを有する領域なわけです。これは時に集団的無意識を相互に反応しながら、より大きなものとのつながりももつ。これを展開すれば「Its」の領域へも拡張しうる概念にもなりそうです。
このように考えていくと、マトリックスという用語により、ファシア、ダイアローグ、無意識(エス)というものが、ひとつながりの概念としてまとめられることになります。
これらに共通する「何か」が、まさに補完医療的には「キモ」になる領域でしょうし、私にとっても最も関心のある概念でもあります。
ファシア・ダイアローグ・無意識をつなぐ、キーワードとして「マトリックス」という語についてメモしてみました。