2024年05月04日

異常データをルブリックとして解釈すること 尿酸値異常を例として

 前回、マトリックス医学の概略について書きましたが、こうしたいわば背景ともなる事象は、それ自体では現実的な力を持つことは少ないわけです。しかし、それがいったん現実とかみ合った時、もしくは適応されたとき、文字通り「統合」されたときに大きな効果をあげるように思います。
 そうした意味で検査値の解説書を読んでいて、ふと気づいたことがあるのですが、かなり特殊なデータのパターンが出ているとき、極めて珍しい症候群であったとしても、そこに記載される症状は実際例と何らかの関係があるのではないか、ということ。
 例えば極めて高い尿酸値の場合、尿酸の代謝障害であるレッシュ・ナイハン症候群の諸症状の一部が見られるのではないか。いわば内部での高い酸化状態が推測されますが、当然交感神経の昂りも伴うでしょうから、その症状の一つでもある自咬症と称される自らへの攻撃行動に類推する症状が出る可能性もあるのではないか。もっと言えば、そうした症状ではなく、周囲への行動や人間関係において、それを象徴とした兆候が認められるのではないか、といった推測です。自らへの攻撃一形態として、周囲の人間との関係性を断ち切り、孤立を深める状況へと自らを追い込む。それにより自らの安全領域が蝕まれていく。身体そのものへの自傷はなくとも、高度な内部の緊張はこうした行動へと結びつくことがあるのではないか、ということです。
 当然、こうした推測には科学的な根拠は欠けるわけですが、夢事象の分析といった行為に類似したものと考えることが出来るのではないでしょうか。つまり再現することは不可能であるものの、多くの人の共感を得られれば、個人特有の現象をうまく説明し、実際の問題解決につながる。精神分析における無意識を広く、マトリックスとして捉えて考えると、こうも考えられるといったことです。
 これまでにも、これに類した考え方をした人もいたわけで、フロイトの弟子筋にあたる、ライヒやローウェンの考え方に近いのではないでしょうか。であれば、ローウェンのいう身体における「感情の流れ」のようなものも応用できるのかもしれません。ある種の独善的な思考法こそが、むしろ現実理解に資するということもあるでしょう。夢分析の是非にもかかわる問題です。

 特徴的なデータ異常やパターンの異常を、ホメオパシーにおけるルブリックやモダリティとして解釈することで、診療への強いアプローチになりうるのではないか、という思い付きのメモでした。ちょっとまとまりのない文ですが、個人的な備忘録としての記録ですのであしからず。


tougouiryo at 08:23│Comments(0)

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