統合医療各論:ホメオパシー
ホメオパシーは何故効くのか?
ホメオパシーは何故きくのでしょうか。通常、ホメオパシーの世界では、「類は類を治す」「自己治癒力を引き出す」・・・等、さまざまな言葉で表されますが、何がということはあまり議論されません。別にここでは基礎的な問題提起をしようというわけではありません。
普通、冷静に(というか従来の医療パラダイムによって)ホメオパシーの診療の形態をみてみると、通常の診察方法に加えて、非常に詳しい精神・心理的質問を多くすることに気づきます。自分の周囲の人、自分の病気など、あらゆるものを自分はどう捕らえているのか、またどのような状況で病気が悪化するのか、などです。それに基づき(もしくはさらなる質問により)レメディが決定されていく、というのが大筋です。そこでは、当然、心理療法的要素も絡んできます、が、それだけではなく、レメディの処方という診療行為が大きく関与します。ここがいわゆるカウンセリングのみとの大きな差異といえるでしょう。しかし、純粋に行われていることから判断すれば、、たくみなプラセボ誘導とも理解できなくもないわけです。(私自身はこれのみとは考えていませんが、外部からの観察ではこのようにも取れるわけです)
それでは、そうした関係性のみではなく、何かそこに「物質的(物理的)基礎」をもとめたらどうなるでしょうか。そうした「基礎」を何かと探してみたくなるのも人の性です。そうした解釈のひとつがエネルギーという概念であると考えられるのではないでしょうか。解釈ではなく絶対にエネルギーであるという主張もあるでしょうが、現段階ではひとつの解釈という立場が適当だと思います。
人は、こうした未知なる現象にたいして、二つの立場をとりえます。実証論的立場と実在論的立場です。双方の間にどのような力が働いたかは置いておいて、その関連において治癒が促進したという事実のみ捉える立場、これが実証論的な立場です。一方、後者の「エネルギー」など客観的な概念を用いて説明を試みるものが実在論的立場と言えるでしょう。
実在論のほうが、展開される世界観に面白みはあるのですが、なかなか実証しにくい医学(それも代替医療)の分野だけに、容易に飛びつくことの危険性も伴います。これはホメオパシーにかぎらず、統合医療全般にも当てはまると思います。単純な論理で統合医療が説明しがたいのもこうした理由があります。しかし、こうした見方を導入することで、統合医療における、NBMやスピリチュアル、エネルギーの問題を違う角度から考えることもできるとおもいます。
いわゆる「語り(NBM)」のみでは単純すぎるし、すべて「エネルギー一元論」的に捉えるのも安易すぎると思います。よくホメオパシーやさらには統合医療を議論するとき、エネルギー医学的見解だけで統一的に理解しようとする考えもありますが、ここは一歩立ち止まって、実証論的な立場で、少しひいて考えることも大切ではないでしょうか。個人的にはエネルギー的見解にもシンパシーを感じていますが、あまりに極端なエネルギー主義的な見解も考えものだと思います。
実在論、実証論の考えの違いを↓で以前紹介した茂木氏、竹内氏の著作(「ペンローズの量子脳理論」)で知り、非常に統合医療の考察に役立ちましたので、考えの整理として、今日は文章にしてみました。
ただ「科学」という方法論の是非だけで医療が語られる時代ではなくなってきているように思います。安易な科学批判もどうかとおもいますし、また、科学(いわゆる通常の「科学」の意、人類の「知」の方法論というような大きな意味はのせていません、念のため)にあらゆる可能性も過常に押し付けるのもどうかと思います。今後、医学は理科系のみならず文科系的知識もふくめ、大きく変貌していくでしょう。そうした流れの一端がホメオパシーの台頭や統合医療なのかもしれません。
ホメオパシーと漢方
ホメオパシーと漢方はいうまでもなく、歴史的にも、メカニズムとしても全く考えのことなる代替医療です。しかし、近年のわが国での代替医療への関心の高まりのなかで、これらの併用という問題も、浮かび上がってきています。
この問題については、実際の症例とともにホメオパシー医学会で発表しようと思うのですが、ここでも少し考えてみたいと思います。植物のもついわゆる「有効成分」と「スピリチュアル」が両者の作用の違いとなるわけですが、これが必ずしも一致しないところが、単純にはいかないところでもあります。
セントジョーンズワートを例に考えると植物療法として考えた場合は、うつ病などが適応症となるでしょうが、ホメオパシーのときには指先などの神経の外傷が代表的な適応となります。ホメオパシーとしても、うつ病にも使用されますが、必ずしも両者は、常に一致するとは限りません。西洋のハーブ的な解釈でもこうですから、漢方との差異は、計り知れません。
こうしたことから理論的にはきわめて違うのですが、臨床においては、結果がでることから、もう少し状況は単純になります。一番の違いは、どちらを好むかという趣向が大きく関連するように感じます。また病気の状態によってその導入時期なども大きな関連がありそうです。また併用がいいこともあれば、代替したほうがいいこともあります。
実際には、どちらが良く効くという構図ではなく、個々のケースによる差が大きいようです。つまり身体は漢方で、精神はホメオパシーというような簡単な構図では説明できません。また両者の人間の把握のしかたがことなることから、別角度で同一の人を見ることも可能になるわけです。
こうした問題は両者を使用する少数派によってしか蓄積されえないものでもあるのでまた、今後もここで少しずつ考察していきたいと思います。
おいしい海の幸を食べて元気がでてくることもあれば、海を悠々と泳ぐ魚の映像をみて癒されることもある、こんな構図に近いような気がします。どうでしょうか。
ホメオパシー
メカニズム
物質のもつエネルギーが水に転写されることによる、とされるが、現代科学的には不明といえる。
メリット
身体的症状のみならず、精神・心理レベルにも作用する。高度にホリスティックな視点が要求される。服用が容易であり、子供や薬剤服用困難な患者にも有用。
