小池統合医療クリニック診療内容
小池統合医療クリニック 本日、診療再開します!
お問い合わせ(ご予約等)の電話番号は、これまでのものと同様(03−3357-0105)ですのでお気軽にどうぞ。
本日は18時まで診療しております。
明日からクリニック再開です! 診療例をご紹介します(再録)
予定を約一か月遅れての再開で皆様には大変ご迷惑をおかけしましたが、何とか再開にこぎつけることができました。
再開に伴い、診療内容などについてのお問い合わせも増えてきているようですので、当院における診療の例、とくに多いがん(悪性腫瘍)の方の診療の例を、これまでのブログから再録しておきますので、ご参考にしてください。なお、本例は複数例の複合エピソードなので特定の個人を記載したものではないことを予めご了承ください。
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60代女性、乳がんの術後で化学療法中のAさんです。発症前からあまり「肉類」は食べなかったとのことで、ごはん・野菜を中心とした食事だったようです。術後も、肉は体に悪いのではないかと思い、避けていたということでした。(人によって食習慣は本当に様々ですが、免疫力アップを考える場合、タンパク摂取はやはり極めて重要な食養となります)
化学療法による体調の不良と、現状に対しての不安や医療への不信など、精神的ストレスを強く抱えている状態で当院を受診されました。
それでも一時期は相当のストレスだったようで、心理カウンセリングにてかなり改善の方向には進んでいるようでしたが、とにかく心身ともにエネルギーが不足しているといった印象でした。
こうした方には当院では、まず簡単な「食事記録」をとって頂きます。どのようなものを毎日食べているかを、詳細にチェックします。
これによりAさんは、肉類をはじめとしたタンパク質の摂取が極めて少ないことが分かりました。であれば、当然、糖質過多もあるわけです。
一般に肉類を以前からあまり食べ慣れていない方にとっては、タンパク質をとれ、といってもなかなか急には摂取できないのが現状です。
しかし、そうした方でも、卵や魚などは、比較的摂取しやすいようです。なかでもアミノ酸スコアを考慮すると、卵はかなり有効です。1日に2〜3個いけるとかなり体調改善が実感されてきます(オムレツなどが食べやすいようです)。
それでも十分なタンパク摂取は難しい、という方も少なくありません。こうした場合、液体でのプロテイン摂取も一つの手段です。いわゆる「プロテイン」です。最近は、かなり味のバリエーションも多く、各社特徴が様々あるのですが、基本的には、いくつか試してみて、飲めそうなものを選択してもらうというのが良いようです。(もっと栄養状態が悪いようであれば当然「アミノ酸」です。これなら吸収にあたって負担がありません。医療用のアミノ酸ゼリーなどもおすすめです)
無理に食べていたご飯(糖質)の量を少し減らしてでも、タンパク質摂取を心掛けると、体調はめきめき改善することは少なくありません。プロテインで慣れてきたら、卵などの食品でのタンパク摂取にも抵抗がなくなるようです。逆に、こちらにエネルギーがない時はたんぱくを摂取しようという気になりません。つまり、摂取する側の生命エネルギーの強度にしたがって、摂取タンパク量は規定されてしまうわけです。こうした関係を、私はエネルギーバランスの法則と呼んでおります。(法則といっても当然経験則なのですが…)
また、これと同時に、ビタミン・ミネラルの摂取も必要です。当院では十分なサプリメントの摂取も併せておすすめします。
これまでの食事内容から、エネルギー代謝に不可欠なビタミンB群の不足が多く認められ、これが十分でないとせっかく摂取したタンパクも有効利用できないわけです(特にビタミンB6)。
こうした栄養の補給により、これまでの化学療法などの治療の続行を躊躇っていた方でも、前向きに治療続行が可能になってきます。
A さんも、こうした食事内容の改善によって力がついてきたということで、現代医療との併用に、日々前向きに取り組まれるようになりました。
こうしてAさんは、タンパク質の意図的な増量による、栄養状態の改善により、抑うつ気分が解消され、現状の治療に対しても前向きに取り組んでおります。
そうこうしているうちに、表現しがたい全身の不快感や、落ち込みの解消により、今度は、具体的な体の他の不調が現れます。
頸や肩の痛み・コリ、背中の痛み、腰痛など、局所的な症状です。身体としては、言葉で表現することができない状態から、はっきりと表現できる状況へと変化していったとみることができるでしょう。(表現できるようになるだけでも大きな進歩です。一般に医療難民の方は多くが表現困難な状態で、医師患者双方にとっての解決困難さの大本といってもよいでしょう)
こうした症状の時には、当院ではまず鍼灸をお勧めします。特に、当院の特徴としては「刺絡」を用いるというところです。(これには自律神経と免疫の調整の意味合いもあります)
刺絡は、出血を伴う手技ですので、行われているところも少ない技法で、強い治療と思われて敬遠されている面もありますが、実際はそうではありません。施術に伴う出血量も、いわゆる通常の採血量よりも少ないですし、治療の強さを加減することで、幅広い不調に対応することもできます。
また、この治療の適応でない状態であれば、通常の細い針による鍼灸や、皮膚を刺すことのない「てい鍼」なども併用します。腹部の調整としては、このてい鍼を用いた腹部打鍼を通常、行っています。(さらにはファシア組織の重積やひきつれが原因と考えられる場合はエコー下ハイドロリリースなども行います)
Aさんに対しても、栄養状態の十分な改善を確認してから、痛みやコリの場所に加え、「カッサ」を用いて瘀血のある場所(痧点)をあぶりだして(こすりだして)それらに少量の刺絡を施術します。
これによりコリや痛みの改善のみならず、脊椎近傍の静脈(バトソン静脈叢)の血流改善をはかることで、腹部内臓に出入りする交感神経の異常な刺激を調節することができると考えています。
またそうした神経の走行を伴っての、ファッシア(膜)の異常な緊張も緩和できるので、内臓に良い影響を与えられるという治療です。ちなみに刺絡によってとれる瘀血は、私はこのファシア由来と考えております。
こうした治療により、Aさんの首や背部の痛みは改善され、自覚症状が改善されるだけではなく、内臓の状態、ひいては全身の免疫状態をも、改善に導くことも可能になると考えます。
また刺絡は主に背部を中心に治療をしていますが、腹部へのアプローチとしては、てい鍼を用いて調整を行い、身体の前面と後面の両面から、内臓を含めた全身へと栄養を及ぼす治療を行っています。(また瘀血が発生しやすい頸部へのアプローチとしては上咽頭治療EATも並行して行うことがあります)
Aさんは現在も、栄養状態の改善に引き続き、こうした刺絡療法を中心とした鍼灸治療を継続しておられ、化学療法の併用と再発防止に努めていらっしゃいます。
(なお本例は、年齢性別など複数のエピソードを融合させた典型例ですので、特定の個人のエピソードを示すものではないことをお断りさせていただきます)
6月23日㈭ 新クリニックにて診療再開です。
認可やら工事やらの諸問題で、少し遅れましたが6月23日木曜日からの再開です。これまで予約をいただいていた方には順次お電話にて予約開始しておりますが、新患の方は基本的には30日以降の予約とさせていただいております。
診療を継続されていた方には、長らくお待たせいたしまして、申し訳ございませんでした。東京メトロ、四谷三丁目駅からは非常に近くなりますので、これまでよりアクセスは良くなると思いますので、よろしくお願いいたします。
また内装も全く新しいナチュラルなデザインとなる予定です。リボン(24日オープン予定)ともども、今後ともよろしくお願い申し上げます。
当院の6つの診療の柱 四ツ谷三丁目移転開院を前にして
何か特殊な代替医療もしくは、院長(私)の突飛な考えに基づいているのではなく、「統合医療」という本来の概念に基づいての診療スタイルです。つまりガイドライン重視の通常の内科クリニックスタイルでもなく、奇異を衒った特殊療法のみを提供するスタイルでもありません。
では、具体的にはどういう視点を重視して診療しているのか。普段は自分でもなかなか客観視する機会は少ないのですが、現在、移転準備期間でもあり、新しいところでの心機一転リスタート前のこの時期に見直してみたいと思います。
これまでの15年の診療を振り返ると、大きく分けて6つの視点からの診療と言えるのではないでしょうか。各々について説明していきましょう。
(1)栄養・サプリメント 〜栄養系〜
糖質制限やたんぱく摂取などの栄養指導。健康増進のためのサプリメントの活用。分子整合医学(オーソモレキュラー医学の応用)による副腎疲労などの不調の解除、など。普段何を食べているか、といった食事記録表を基にして「食」からの健康をアドバイスしていきます。興味のある方に関してはファスティング(断食)もご紹介しております。
自分の健康にとって、何を摂って、何を摂らないかというのは、最も基本的な問題であると考えます。
また、現在の体調、栄養状態を客観的に評価するために各種血液検査も実施しております。大学病院時代の専門が臨床検査医学でしたので、こうした検査データの説明の経験は豊富です。
(2)鍼灸・刺絡・ファッシア 〜身体・ファッシア系〜
通常の鍼灸に加え、体に停滞した瘀血を針とカッピングなどで取り除く刺絡療法。さらには頑固な深い痛みに対して超音波(エコー)により確認しながらファッシア(筋膜)のリリース、灸頭鍼や電子焼鍼など、様々な方法で痛みを取り除きます。
この他にも、やや古めかしいですが良導絡による測定や、それを用いた微細な刺激(ハペパッチ等)による疼痛軽減法、パルス波や直流電流による経穴刺激なども併用しています。
各人にとってどのような刺激が効果的か、方法論の選択も「鍼灸」における重要な要素であると考えます。
独自のファッシア、生体マトリックス理論により、整形外科的な疾患のみならず、内臓疾患への重要なアプローチとして位置づけています。
(3)漢方・養生法 〜東洋医学系〜
エキス剤や煎じ薬や、中医薬なども用いながら、主にがん(各種悪性腫瘍)の再発防止や、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、更年期障害などに対応しています。また東洋医学的な視点をいかした養生指導(温めや食事指導など)も行っています。
特に漢方薬に関してはエキス剤でも、単味のエキスを併用することで、煎じのような個別対応を心掛けています。
漢方は近年、ガイドライン的な一律の方向性を有するようになっていますが、どのように個人の身体を解釈するかにより、本来は大きくその処方は変わります。ファッシアなど近縁の理論や、古典的な視点、統合医療的解釈などを用いた柔軟な処方姿勢が重要であると考えます。
和漢・中医学を適宜使い分け、具体的には小川瘀血理論、江部経方理論を組み合わせながら「身体」を解釈しております。
(4)ホメオパシー・エネルギー療法 〜エネルギー系〜
統合医療的なホメオパシーの処方に加え、アイソパシーによる体質改善(花粉症対策など)やその他エネルギー医学的な相談も行っています。ホメオパシーは専門医の資格を活かして、英国直輸入の医師専用レメディを処方しております。
またホメオパシーをメインの治療としてではなく、統合医療における自発的治癒力発動の1アイテムとして位置づけ、積極的な併用療法も行っています。
ホメオパシーの持つ異端的な要素を強調するのではなく、微量な要素による「生体の反応」の発露に注目して、レメディの統合医療における新たな役割を模索しております。
(5)心理・スピリチュアル 〜心理系〜
各種、心理療法との連携を通じて、メンタル・スピリチュアルの影響を考慮した統合医療を展開しております。インテグラルな視点から幅広く、心理学・哲学・霊学の視点を考慮していきたいと考えています。当院の統合医療指導の基本としても、行動療法や現代催眠(エリクソン的方法論)などの考えを導入して実践しております。
心理的なアプローチとしては、連携する統合医療施設である「リボン」において、通常の心理カウンセリングに加え、行動分析的アプローチやスピリチュアル的な方法論も幅広く採用しております。ご興味ある方は一度ご相談ください。
(6)内科学・現代医療・臨床検査医学 〜現代医療系〜
総合内科専門医の資格を活かして、現代医療との境界領域のご相談にも幅広く対応しております。
また持参された人間ドックなどのデータ説明や、気になる検査項目、現在の栄養状態や健康状態を採血検査(当院で採血できます)により詳細に説明いたします。このほかにも統合医療において、現代医療・通常医療とのバランスは不可欠なものです。現役の内科専門医として、こうした境界領域におけるご相談にも応じております。
統合医療は「代替医療の言い換え」ではありません。通常医療と代替医療の境界に立ち、そのバランスを考慮しながら、新たな方針を模索していく医療なのです。そのためにも現代医療的な視点は重要、不可欠なものと考えます。
私の統合医療観については以下の書籍をお読みいただけましたら幸いです。↓ ↓
可能性と共創
なので、一般参加の方々はオンライン参加となりますのでご了承ください。
今回のカフェの課題図書は森田洋之医師の『人は家畜になっても生き残る道を選ぶのか?』です。なかなかに過激なタイトルですので、ゴーマニズム宣言なみの過激表現を想像される方も多いかもしれませんが、内容は極めて穏当かつ堅実な内容だと思います。ブログからの記事がメインの内容で、題名を変えれば(笑)自費出版ではなくても行けたのではないかも思います。
いわゆる「医療化」という問題を、現代の最大問題に焦点をあわせて論じている内容です。問題提起としてはこれまでも、別な切り口で論じられていたものではありますが、ポストコロナにおいて、それが決定的な意味を持ってしまったことに対しての考察です。
いろいろな視点をカフェでは取り扱おうと思いますが、このブログ上でまず、メモ的に記しておくのが「取引の2類型」について。
いわゆる専門家が「ゼロコロナ」を目指すのは構造的な問題であり、この2類型を考えると分かり易いというもの。ここでは世の中の取引には「等価な価値を交換する取引」と「両者で共に創出した価値を分け合う協同プロジェクト型の取引」があるとしています。「等価交換」と「共同創出」とでもまとめておきましょう。
医療現場におけるアナロジーとして、急性期医療は「等価交換」、いわゆる慢性期や終末期は「共同創出」といった感じです。
これは私の従来から説明している医療における「縮退」での説明にも相通じるところで、選択肢の限定された状況では「等価交換」でよく、選択肢が開かれた状況では「共同」での創出が必要にならざるを得ないわけです。ところが(医療現場において)巷間よく耳にするのは、診療点数に紐づけられた等価交換性です。売買可能な商品としての医療といった側面です。こうした状況では、買うべきものが明確に限定されなければなりません。可能性が開いていては、それはそれでまずいという感じになります。そこで用いられる方法が共同(協同)での創出、といったところでしょうか。
しかしこの方法が、まさに線形的な思考とは程遠い方法論を基盤とするため、一般にはなかなか理解しがたいところでもあります。この本でも、こうしたパターンは多く見積もっても「2割」程度と記載してあります。と、続きはカフェでの会話にて。
これを書いていて気付いたのが、現在ホームページの大幅改定中なのですが、そこでの当院のキャッチフレーズ的なものです。これまでも「可能性のための医療」を掲げていたのですが、加えて「共に創る(共創する)医療」を追加したいと思います。
「可能性のための医療・共に創る医療」です。標語的に表現すると「可能性と共創」でしょうか。新たなクリニック開設時の標語にしたいと思います。
本ブログで補完医療の各論解説が少ない理由
しかし、それらの相互関係や実際の運用ポイントなどは、解説者のその方法への思い入れなどが強ければ強いほど、そちらへ強く誘導される傾向があります。
その治療法に思い入れが強い方であれば、それでも良いのですが、実際はいくつかの複数のものとの併用など一般的なのではないでしょうか。
すると、各論の詳細を知っても、その相互関係にまで目を配ることが出来ない。というより詳細を知るほど「俯瞰」で見ることは困難になる、という矛盾を生じます。
補完医療の利用者の多くが、実はこうした点で行き場に困っているのですが、それを各療法のカリスマでは解決することが原理的に難しいのはこうした理由によると思われます。
この問題の解決に必要なのが「メタ思考」です。つまり、考え方についての「考え方」です。この問題でいえば、各治療法の詳細の一段階上、各治療方法の相互関係(相乗効果・相殺効果もふくめ)についての知見ということになります。
本ブログでは、そうしたステージでの問題意識が強くあるので、あまり各論の詳細に踏み込んだ記載をしていない、というわけです。
そして、そうした段階を考えるのに必要な概念が、「ダイアローグ」「ファシア」「ポリヴェーガル」とったものになります。
当然これらはそれ自体、強く一定の疾患に関連付けて解説されることもありますが(例えば、精神疾患でのオープンダイアローグ、疼痛疾患へのファシアリリース、トラウマにたいしてのポリヴェーガル理論、等々)、そこに留まることなく、一段高いメタ思考的キーワードととらえることもできるわけです。
本ブログの内容が少し他の補完医療を推進のクリニックのものとは毛色が違う理由は、こうした視点にあるわけです。
アトピー性皮膚炎の統合医療
アトピー性皮膚炎は、アレルギー反応により、慢性的かつ再発性に皮膚にかゆみを発生させる湿疹で、全人口の約5%の罹患率があるといわれています。
非常にメジャーな疾患にも関わらず、従来の治療法のみでは、簡単に解決できないことも多く、ステロイドなどへの不信も合わさり、医療不信につながることも多いようです。そしてこの不信をベースにさらに悪化することも少なくありません。
一般的な発症の原因は、身体的要因のみならず、精神的、環境的などさまざまな要因が重なっていることがほとんどです。
こうした疾患には、いわゆる現代西洋医学のみで解決できた方はいいのですが、そうでない方には統合医療的なアプローチが必要であると考えます。
つまり重症化した場合のステロイド治療などは否定せず、現代医療的アプローチも併用しながら、できるだけ漢方、ホメオパシー、サプリメント(腸内環境改善用)などの自然医療を駆使して、速やかに状態の改善を図るものです。こうした考えの中では、現代医療VS代替医療というような対立構図を想定していないことがポイントです。
こうした考えのもと、当クリニックでは、漢方、鍼灸、ホメオパシー、さらにはサプリメントも取り入れつつ治療を行います。(具体的には刺絡によって頸部の瘀血を除去しながら、石膏などの消炎系漢方薬を用いて赤みの強い炎症をコントロールしていきます。また栄養欠乏型のアトピーに対してはミネラル中心のサプリメント補給、精神要素の強いケースではホメオパシーなど個別に多彩に組み合わせていきます)
必要に応じて専門医との連携もおこなっておりますが、そもそもこれまでたくさんの医療機関を経てきた方がほとんどかと思います。
これまでの経過などを時間をかけて聞く中で、治癒のキーポイントも探っていきたいと思います。こうした経過に大きな治癒のポイントがあることも少なくありません。
あらゆる疾患に共通することですが、アトピー性皮膚炎も突然の災難として発症してきたわけではありません。
生活の見直し、心理的な問題など、一つ一つ解決していくことが、結局は治療の近道になるでしょう。統合医療はそのための大きな道しるべと言えるものです。いろいろな方法が、まだある、という希望を持っていただきたいと思います。
当院が自由診療であることの理由
当クリニックでは、保険診療ではなく、自由診療形式をとっております。普通、医療機関は保険診療なので、どうしてこうした診療形態なのか、を説明したいと思います。理由は大きく二つあります。
(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため
(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため: 従来の保険診療の枠では、患者さんの方でゆっくりと時間をとってもらいたい、もしくは、医師の側もそうしたいと考えても、様々な制約の中で、どうしても手早い診療になってしまいます。
ただ薬だけほしい、という方にはいいのかもしれませんが、心身両面にわたる問題や、ドクターショッピングを重ねている場合などは、短時間(いわゆる「3分診療」)の診療で解決されないことがほとんどです。また、遠慮深い方は「他の患者さんがお待ちだから・・・」と遠慮される方も少なくありません。
医療は本来、一人一人の人生において重要な局面を握るものであることもすくなくありません。これまでの人間ドックなどのデータなども含めて、じっくりと医療相談(加えて健康状態にあった代替医療相談)をするには、ある程度の時間がどうしても必要です。当クリニックでは、こうした問題を解決するために、ゆったりとした時間の取れる、自由診療形式を採用しています。
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため: いうまでもなく保険医療のカバーしている医療はおおむね「現代西洋医学」です。わが国は一定の制約のもと、エキス剤を中心に医療用漢方も保険適応とされていますが、通常の薬剤と異なり、生薬であれば、かなりの制限がつきます。ましては良質の生薬を使用する場合は、なおさらです。
さらには、漢方と両輪の関係でもある鍼灸を、漢方処方する医師が、相乗的効果をねらって自ら行うことも、事実上困難です。また、サプリメントやホメオパシーといった代替医療であればなおさらです。特にホメオパシーはそうですね(笑)
いわゆる「身体にやさしい自然医療」は、保険診療ではカバーされていないため、自由診療とせざるを得ないのです。
また、一緒にやってくれないの、というご意見をうかがうこともあるのですが、基本的に現在の制度上、混合診療(保険診療+自由診療)はきわめて限られた条件のもとでしか認められておりません。この辺りはローカルルールなども合わさり、単純には言えないところでもあります。
こうした理由から、統合医療実践のための当クリニックでは自由診療形式を採用せざるを得ないのです。
こうした理由からまだまだ「統合医療クリニック」というものは一般的ではありませんが、「統合医療」という概念はまた別です。個人のなかでの、ベストな医療の理想として、一人一人のなかで個別にベストな統合医療が展開されることが、現状としては望まれているといえるでしょう。
花粉症のホメオパシー そろそろご準備を!
最近はOTCも増えているので、各自での様々な対応があるかと思います。そうした中で統合医療らしい「方法」をご紹介しましょう。ホメオパシー(厳密にいえばアイゾパシーということになりますが)による対策です。
昨年の例では、当院に通院している方は、一般病院での方よりも、症状の軽い方が多く、その違いを生じているのは明らかにホメオパシー(アイゾパシー)のレメディではないかと感じています。
単独のケースのみでは、主観だけなのでいわゆる科学的検証ではありませんが、以前に施行された多施設によるダブルブラインド研究でも、自覚症状や抗アレルギー薬の使用量の有意な減少を認めておりました。
加えて、当院で花粉症アイゾパシーを開始して5年以上経過したことも大きいように思います。とりわけ数年前からは積極的に、スギ花粉レメディをおススメしていることから、かなりの割合の関係者がレメディ使用3年目に突入しています。
このアイゾパシー(ホメオパシー)のメリットは、一年中ではなく花粉シーズンのみの服用で良いという便利さにあります。そして1年目より2年目、2年目より3年目、といった効果の蓄積がみられることも特筆されます。つまり早く始めれば、それだけ将来的にも楽になる、ということなのです。
ぜひとも症状の強い方は一度、アイゾパシー(ホメオパシー)を一度試されることをおススメします。
なお前述した花粉症へのレメディの効果を検証した研究とは、19施設125名の患者さんを対象として仙台の朴澤先生を中心に行われた二重盲検法による研究です。
気になる結果は、対照群では半数の患者さんがほぼ毎日抗アレルギー薬を服用せざるをえなかったのに対して、レメディ服用群では42.6%の方が1週間で0〜2錠の抗アレルギー薬服用で症状を抑えることができていたというものです。
さらには、2年3年と継続することで有効性が高まり、4年経過時点で、80%の方が抗アレルギー薬を全く服用しなくなったという結果でした。
また当院では、レメディに加えて、鼻うがいや「上咽頭洗浄液」による局所療法的なセルフケアも指導しております。また花粉症を悪化させる「脾気虚」の体調を改善する漢方や食事法なども説明しておりますので、ご興味ある方は一度、ご相談ください。
新年あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします!
今年はいろいろと大きな変動・大移動が予定されているので、慌ただしい一年になりそうです。統合医療における展開も、臨床における栄養内科・経絡内科・漢方ホメオパシー内科といった視点からの診療、さらにはマトリックス的な要因である3大概念(トランス・ファシア・ダイアローグ)を意識した診療など、いろいろと考えています。
また多元主義の重要性も改めて強調することにもなりそうです。とりあえず多元的統合医療の視点から臨床症例を集め直し、学会などを通して意義を問いていきたいと思います。
また城めぐりもいよいよ佳境。完全200城制覇まであと少しですので、これも今年でコンプリート予定です。今後はより深く、陰的な概念として医療との共通点も探ってみたいです。
これらを思うと10年でずいぶんと考え方が変化、進展していることに気づかされますね。「考え方・活かし方」を読みながら、今後の方針をより深く広く考え直したいと思います!
なお本年の診療開始は1月6日からとなります。お問い合わせ、ご予約のご連絡も6日からとなりますのでよろしくお願いいたします。
統合医療プログラムの紹介の続き!
前回の各論教育に引き続き、臨床教育についてのご紹介からです!
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統合医療臨床(クリニック及びカンファレンス)の紹介
Fellowは前述した内容の学習に加え、週3回の外来診療が義務付けられる。アリゾナ大学の附属病院であるUniversity Medical CenterにおいてPIMクリニックとして診療部門が開設されている。
診療形態は、予約制で自主的な受診や他科及び地域開業医からのコンサルテーションが一般的である。ただし受診希望者は多く、数ヶ月待ちが一般的である。診察の形態としては、詳細な問診と身体所見を初診時にとり、主に1年目のFellowはそれを次に述べるカンファレンスにかける。2年目のFellowは順番でその司会進行役となる。診察後には全ての患者に対して、ワイル博士自身が総括的コメントをする。再診時には、カンファレンスにもとづいて個々の患者に対して様々な処方、指導がなされる。
時に、代替療法家に紹介されるが、2,3ヵ月後の再々診時において、それらの介入が適切であったか医師の目から再検討される。つまり、ただ振り分けるだけでなく、不適切もしくは不変であれば、再度、方針が検討されることもある。訪れる患者は、ストレスにはじまり末期がん患者まで実に多彩である。このあたりの事情はわが国における統合医療診療の事情と似ているかもしれない。
毎週月曜日にUniversity Service Centerで行われるカンファレンスは、こうした初診時のプランを決定する場であり、Fellowをはじめとしたプログラムの教育関係者に加え、様々な治療家(インターネット教育もあわせて担当していることが多い)が招かれる。その領域を列挙すると、自然療法、中国医学、オステオパシー、ホメオパシー、エネルギー医学、催眠療法、ガイドイメージ法等である。それぞれの専門家が自らの立場で、疾患の捉え方や治療法をコメントしていく。それらをFellowが最終的にまとめ、患者に伝えるわけである。この過程でFellowはそれぞれの代替療法家のコメントからその実際を学ぶことになる。さらに個人的に興味のある療法に関しては、専門家のもとでさらに詳しく学ぶこともある。
また研究的側面として、クリニックに、臨床研究を目的として、患者のカルテをフォローし解析する専門家がいたことも印象的であった。
Associate Fellow
次にインターネットによる教育を主体とするAssociate Fellow(現在のプログラムにおいては「フェロー」に統一されているようである)に関して解説する。米国のみならず、世界各国から参加できるAssociate Fellowは、日本人の在校生と修了生の総数は2005年現在で8名である。この数は米国を除くと第1位である。全プログラムは2年間で、その間に3回のResidential Weekがあり、アリゾナ大学のあるツーソンを訪れ、約1週間滞在して学習する。必要なテキストは購入が指示され、その他、参考文献などはインターネットからダウンロードする仕組みになっている。
Residential Weekについてここで少し紹介する。これまでの開催場所はアリゾナ大学のあるツーソン市街から離れたホテルWestward Look Resortにて行われている。1回目のResidential Weekは入学式を兼ね、実際のインターネットを通じた操作の説明や、統合医療の基本理念や哲学といった総論的な内容が多い。
ついで2回目は、すでに1年経過していることもあり、鍼灸や催眠などの実技を伴う講義が多い。講義の種類も豊富で、複数の科目が同時開講され、選択形式になっている。3回目は2年経過後で、最終日には卒業式も行われる。講義内容もより実践性の高いものが多く、卒業生による開業モデルの提示など具体的なビジネスモデルの講義が充実している。合わせて、それまでインターネット上でグループを組んで行ってきた卒業研究の発表もある。実際に顔を合わせるのは、3回だけであるが、常にインターネットでお互いが会話しているような感覚があり、卒業時には別れがたい親しみを感じた。
そうした意味でも、全ての総括としての卒業式は感慨深く感じた。卒業時には修了書とともに、ワイル博士から一人一人手渡される「杖」は、これからの統合医療の荒波に倒れずに進んでいけるように、との願いがこめられており、今でも思い出深いものとなっている。
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以上です。統合医療という概念を確立しようとしたワイル先生の心意気のようなものを感じるプログラムであるとあらためて、この記事を読み返して強く感じました。
今あらためて、統合医療プログラムのご紹介!
使う人によって若干の意味の相違があるのはいいとして、いまだに「代替医療」の言い換えとして用いられているのは残念なかぎりです。先日も「統合医療」についてネット検索をして当院を受診された方がおっしゃっていたのですが、まだまだ本来の意味での「統合医療」が普及しているといった状況からは程遠いようです。改めて、ワイル博士の統合医療プログラムがどのようなものであったか、振り返ってみたいと思います。過去の説明記事を再録してみたいと思います。
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統合医療プログラムの概略
アリゾナ大学統合医療プログラムは、1997年に設立され、A・T・ワイル博士は現在も同プログラム部長として教育及び臨床に携わっている。このプログラムは毎年5名ほどのFellowと50名に及ぶインターネット教育を主体としたAssociate Fellowにより構成される(当時)。Fellowはその期間である2年間に臨床・研究・教育に携わりつつ、所定の項目の単位修得が義務づけられる。独自の学習内容がインターネット上に組まれ、これを全世界のAssociate Fellowと共有して学習していく。
Fellowは、はじめの1年間は、レクチャーなどが密なスケジュールで組まれており、その後の2年目は自由な時間が多く、自主性を重んじた内容になっている。研究に関しては、卒業研究といった形でAssociate Fellowとの共同作業を兼ね、生薬の生理活性から費用対効果の研究まで幅広く行うことができる。個人の希望によっては、催眠やエネルギー医学などの臨床的技法の習得時間として利用する者もいる。また、教育も担当しており、アリゾナ大学医学校の統合医療に関する講義から、一般向けの代替療法の講習会までをそれぞれのFellowが分担している。
また大学内外からも多数の講師を招聘して、代替療法に関してはもちろんプレゼンテーション法などの講義も行われる。つまり、臨床・研究・教育を実践しつつ、自らも学習するシステムといえる。こうしたFellowとAssociate Fellowはインターネットを教育ツールとして共有することになる。
Fellow履修項目の紹介
まずはFellowについて簡単に説明する。大学近郊のPIM Buildingにおいてレクチャーなどを受け、空いた時間に各々のデスクのパソコンに向かって、Associate Fellowと同様のインターネットでの学習をする。
週3回の統合医療の外来診療に加え、太極拳などの講習、月に一度のX9Dayと称するワイル博士の自宅でのミーティングに参加することができる。これは各自が食材を持ち込んで料理をする非常に楽しいパーティーのような会で、プールに入ったり、庭の露天風呂に入ったりして、普段は忙しいワイル博士との交流を図る時間となっている。
次にFellowの修得すべき内容の紹介であるが、哲学的内容から各種代替療法の各論までと実に幅広い。これはAssociate Fellowにおいても同様である。以下に2002年Fellowの履修項目及び2年間での修得時間の目安を示す。
Philosophical Foundationsとして、現代科学の方法とその歴史、哲学、およびその限界について学習する「科学哲学」が50時間、患者中心のケアを説く「医学技術」が125時間。さらには文化による健康願望の違いをはじめ疾患や治療における文化的独自性などを学ぶ「医学と文化」95時間が含まれる。医学をその哲学から考え、文化との関連性をもう一度見直そうという、このプログラムの姿勢がよく表されている内容である。
Lifestyle Practiceでは、治癒における栄養の役割を理解する「栄養医学」が210時間。運動処方を作成し、患者の運動への意欲を高める「フィジカルアクティビティ」が110時間。心身相関のメカニズムの理解とその臨床応用を学ぶ「心身医学」が300時間。治癒の過程におけるSpiritualityの意義、精神性や宗教性との違いなどを学ぶ「Spiritualityと医学」140時間。
Therapeutic Systems and Modalitiesでは代替医療の各論を学習する。ハーブの利用方法を学ぶ「植物医学」が200時間。中国医学理論や診断方法、鍼灸、太極拳などを学ぶ「中国医学」110時間。オステオパシーなど徒手医学の実践を学ぶ「徒手医学」165時間。様々なエネルギー医学の哲学とその実践を学ぶ「エネルギー医学」155時間。基本的なホメオパシーの理念を学ぶ「ホメオパシー」70時間。環境やセルフケアについて学ぶ「予防医学」65時間など多彩な項目がある。
その他、Personal Development and Reflectionとして自己の内省を促す項目や、代替医学の研究デザインや論文発表までを学ぶResearch Education、統合医療を推進にあたっての指導論を学ぶLeadership Medicineなど、幅広い内容を含んでいる。
これらの項目は毎年、若干の変更が加えられ、改善されていく。私の修了した2004年では上述したものに加え、統合医療の法的側面を学ぶLegal and Integrative Medicineや、架空の症例で統合医療の実際を学ぶClinical Scenarioといったものもあり、さらに充実していた。これらを修了後、一部のFellowはいくつかの単元を受け持ち、今度は教育する側にまわることもある。こうしてさらに内容が充実していく仕組みになっている。
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本日はここまで。明日は臨床教育に関しての紹介から、です!
脈診について考えたこと
いろいろな脈診の方法や考え方がある中で、これまで私自身が一番丁寧に詳しく教えて頂いたのが、やはり江部洋一郎先生でしたので、あらためて江部経方の脈診をとるようにしました。(いわゆる寸・関・尺を示指一指で、軽按・重按しながら見ていく方法です)
すると以前は気づかなかった点や、脈診全体に関しての捉え方も変化したようで多くの気づきがありました。あらためて経方理論の体系の精密さと正確さには驚嘆するばかりです。
ガレノスなどギリシャ・ローマの医学について、最近調べていて感じたのは、東洋医学にに比べて、いわゆる脈診など特殊な診察方法が少ないこと、反対に「臓器単位」で現代にもつながるような病態生理的志向が強いこと(観察事項からの推測と解剖的な知見と合わせて内臓の機能的想像が特化していること)、など現代の医学にも通じる雰囲気があることです。(これは当然現代から見て、ということで当時においてはそうではない派閥・流派も存在していたことは容易に想像できます)
これは西洋医学の「科学化」にあたって良いことでもあったわけですが、「身体」そのものから情報をとるという東洋医学の流れと、その後の歴史の中で大きな断絶を作ったようにも思います。
統合医療の診察においても、通常のいわゆる内科的診察に加えて、脈診・腹診などの体表からの情報は多くのオルタナティブな情報をもたらしてくれます。
東洋医学的なアプローチの利点はまさにここにあり、こうした方向の弱さが西洋代替医療の弱点のようにも感じています。
とくにこの辺りはホメオパシーやアロマセラピーなどの診療と比較すると、過度なスピリチュアリティや、ルブリックなどの多くの情報の横断的な処理など、過度に主観的か、もしくは高度な情報処理に依存するということにも関係するように思われます。(これらが悪いとか短所だとかいう意味ではありません)
これに対して脈診などは、それ自体で一つの身体全体への独自の観測点を与えるもので、方法論自体と切り離しても成り立ちます。
それゆえに統合医療という条件下においても、非常に便利なアイテムになりうるわけです。脈診・腹診等の存在が、東洋医学を過度な思弁化から遠ざけた要因とも考えられます。
その点、高度な思弁化が進んだ結果、近代科学の成立とともに「真理」が究明される中で、一つ一つの事項が塗り替えられていったプロセスが、医学史的には近代西洋医学の発展だったとも言えるでしょう。これの行きつく先が、現代における血液生化学検査や画像診断法の数々といったものです。(当院での統合医療診療における診断法が脈診などの東洋医学的なものと血液検査という2本柱であるのもこうした理由です)
現代医学における内科診察法とも一線を画する東洋医学の診察法は、統合医療という視座からも大きな展望を与えることを日々の診療で強く感じております。
EBMや「正しさ」というキーワードが躍る中、統合医療という分野としては、こうしたオルタナティブな視点の重要性を、すこしでもお伝えできれば、と考えております。
当院の6つの診療内容 (どのような診療を実践しているのか)
(1)栄養・サプリメント
糖質制限やたんぱく摂取などの栄養指導。健康増進のためのサプリメントの活用。分子整合医学(オーソモレキュラー医学の応用)による副腎疲労などの不調の解除、など。普段何を食べているか、といった食事記録表を基にして「食」からの健康をアドバイスしていきます。興味のある方に関してはファスティング(断食)もご紹介しております。
自分の健康にとって、何を摂って、何を摂らないかというのは、最も基本的な問題であると考えます。
(2)鍼灸・刺絡・ファッシア
通常の鍼灸に加え、体に停滞した瘀血を針とカッピングなどで取り除く刺絡療法。さらには頑固な深い痛みに対して超音波(エコー)により確認しながらファッシア(筋膜)のリリース、灸頭鍼や電子焼鍼など、様々な方法で痛みを取り除きます。この他にも、やや古めかしいですが良導絡による測定や、それを用いた微細な刺激(ハペパッチ等)による疼痛軽減法、パルス波や直流電流による経穴刺激なども併用しています。
各人にとってどのような刺激が効果的か、方法論の選択も「鍼灸」における重要な要素であると考えます。
(3)漢方・養生法
エキス剤や煎じ薬や、中医薬なども用いながら、主にがん(各種悪性腫瘍)の再発防止や、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、更年期障害などに対応しています。また東洋医学的な視点をいかした養生指導(温めや食事指導など)も行っています。特に漢方薬に関してはエキス剤でも、単味のエキスを併用することで、煎じのような個別対応を心掛けています。
漢方は近年、ガイドライン的な一律の方向性を有するようになっていますが、どのように個人の身体を解釈するかにより、本来は大きくその処方は変わります。ファッシアなど近縁の理論や、古典的な視点、統合医療的解釈などを用いた柔軟な処方姿勢が重要であると考えます。
(4)ホメオパシー・エネルギー療法
統合医療的なホメオパシーの処方に加え、アイソパシーによる体質改善(花粉症対策など)やその他エネルギー医学的な相談も行っています。ホメオパシーは専門医の資格を活かして、英国直輸入の医師専用レメディを処方しております。またホメオパシーをメインの治療としてではなく、統合医療における自発的治癒力発動の1アイテムとして位置づけ、積極的な併用療法も行っています。
ホメオパシーの持つ異端的な要素を強調するのではなく、微量な要素による「生体の反応」の発露に注目して、レメディの統合医療における新たな役割を模索しております。
(5)心理・スピリチュアル
各種、心理療法との連携を通じて、メンタル・スピリチュアルの影響を考慮した統合医療を展開しております。インテグラルな視点から幅広く、心理学・哲学・霊学の視点を考慮していきたいと考えています。当院の統合医療指導の基本としても、行動療法や現代催眠などの考えを導入して実践しております。
心理的なアプローチとしては連携する統合医療施設である「リボン」において、通常の心理カウンセリングに加え、行動分析的アプローチやスピリチュアル的な方法論も幅広く採用しております。ご興味ある方は一度ご相談ください。
(6)内科学・現代医療・臨床検査医学
総合内科専門医ならびに臨床検査専門医の資格を活かして、現代医療との境界領域のご相談にも幅広く対応しております。また持参された人間ドックなどのデータ説明や、気になる検査項目、現在の栄養状態や健康状態を採血検査(当院で採血できます)により詳細に説明いたします。このほかにも統合医療において、現代医療・通常医療とのバランスは不可欠なものです。現役の内科専門医として、こうした境界領域におけるご相談にも応じております。
統合医療は「代替医療の言い換え」ではありません。通常医療と代替医療の境界に立ち、そのバランスを考慮しながら、新たな方針を模索していく医療なのです。そのためにも現代医療的な視点は重要、不可欠なものと考えます。
栄養・連絡・個別性 当院診療の三つの柱
専門的な解説は、これまで少しずつしてきましたが、ここでは当院に通院されている方へのまとめとして一般的な用語で述べてみます。
診療の大きなカテゴリーとして
(1)栄養
(2)連絡
(3)個別
の3つを柱として据えました。実際の診療では、これらがすべて組み込まれるのを理想として、診療形態の一つの目安にしています。
具体的な例を挙げてみましょう。
(1)栄養
これは文字通り、食養(食事)指導とサプリメント処方です。三大栄養素をどのような割合で摂取するのか、十分な補充が必要なビタミンやミネラルは何か、などを、食事記録や血液検査などから探索し、自発的治癒力の発揮に必要な栄養状態へと導こうとする方策です。あらゆる治療の基本となるものです。
(2)連絡
これは当初「経絡」としていたのですが、それですと東洋医学のイメージばかりが強調されそうでしたので、一般的な用語である「連絡」に変更しました。当然、経絡の全ての概念(皮部・経筋・経別・奇経等)は含まれ、それ以外の血管・神経・ファッシアなどの身体全体への連絡システムも包括されます。体の全ての連絡システムが渋滞・断絶することなく、有効に連携が保たれている状態にするために鍼灸の各技法、刺絡、パルス、HR等の各種技法を駆使するものです。
(3)個別
これは個別性を重視した伝統医療の適応です。漢方やホメオパシー、各種セルフケア技法などを用いて各人の個別性、並びに疾病・症状への個別の対処方法を提供するものです。各種症状や、個別の臓腑に対して、方向性(ベクトル性)をつけるものです。これは通常、漢方やホメオパシーの診療形態ともいえるものですが、ここではあくまでも(1)と(2)の基盤のもとに、個別の方向性をつけるという意味合いをつよく持ちます。
ブログだけの方には少しピンと来ないかもしれませんが、当院にいらしている方には、診療のイメージが具体的につきやすくなったのではないかと(勝手に)思っております。診療というものは、ただお任せで受けているだけ、というよりも具体的に自分で納得しているとより効果が発揮されるものでもあります。ややもするとあやふやになりがちな統合医療の診療形態を、当院での場合に絞って3つのポイントにまとめてみました。
多則一、一則多の考え方 現象の隠蔽に気づくために
そうした事情もあり、これらのデッサンは体表解剖の後、筋肉・骨格系の段階まで一気に進められていたようで(一部の皮静脈などの描写等を除いては)紙を汚さないような状況まで達してから記録していたようです。
当然こうした状況では、ファッシアはただの邪魔ものです。特に身体の大きな動きなどを記載するには、筋肉と骨格で十分すぎる情報ですし、ファッシアを考慮したとしても、ただコンタミを増やしているような感じでしょう。
フッサールがかつてガリレオを評して「隠蔽の天才」といったと伝えられますが、まさに近代科学の生みの親とも言えるガリレオにとっては、大きく物理現象をとらえることでニュートンに至る科学革命を成し遂げることが出来たともいえるでしょう。
しかし、それを文字通り「真理の発見」のようにとらえるのではなく、隠蔽していることを喝破したフッサールも現象学創始者としての面目躍如たるところでしょう。
ただここで、注意すべきは、ガリレオは生の世界から真理を掬いだしたのではなくて、何らかの情報を隠蔽することで「真理らしきもの」を記載することができたという視点です。
この辺りの事情は、科学史において時折現れるものです。ただしギリシャ時代など古代との齟齬であればだれもがすぐに気づくのですが、現代に近づくほど「自らの問題」とも隣接してくるので、そう簡単にはいきません。
例えば、「エーテル」の存在などは、スーパーヒーローのアインシュタインの存在とあいまって、もはやその実在を口にすることもはばかられるといった状況ではないでしょうか(アインシュタイン物語的には「絶対空間」否定のための大きな盛り上がりですし)。いくら否定的な実験結果が出たとしても、大きな物語が一度完成してしまうとその修正はほぼ困難ということなのでしょう。
ココマデの状況ではなくても、細胞の基本構造にもこうしたお話はあります。各細胞を隔てるものはいわゆる「脂質二重膜」とされていますが、これすらも「絶対」という状況ではないようです。いくつかの実験では二重膜を仮定しては矛盾する結果もありますし、代替的なモデルも水分子を研究するMRI研究者などからも出ているようです。つまり液体を包んだ袋ではなく、その内部がマトリックスで満たされむしろあまり「水」の自由な状態ではない、というモデルが考えられているようです。
まあ、このような例は多分他の分野でもいくつかあるように思うのですが、いずれも時の主流の中、ただの「トンデモ」扱いを受けてしまっているのでしょう。
しかし、そうした扱いにより、明らかに、生の現実界における何らかの「現象」をとり漏らしているだろうこともまた事実。
医学の単純化へと突き進む流れの中で、解剖においてファッシアは取り残され、それゆえに幾多の「経絡現象」もまた「ないこと」にされてきたのではないでしょうか。
物事の理解の仕方は、主に単純化への方向性がほとんどですが、それ以外の方法、複雑化へと向かう方向も、また考慮しなければいけない時代に近づいているのではないでしょうか。
「多」から「一」へと真理探究を進める方向だけではなく、逆に「一」から「多」へと思考を進めることで新たに気づくことも少なくないでしょう。アナトミートレインなどからファッシアを考えるとき、この「一則多」的な方法の重要性を感じます。
これはダイアローグの思想にも連なるものがあります。とにかく「結論」がひとつへと収束しないことに対して不満を持つ方が少なくない状況において、リフレクションなどのプロセスの結果、共通了解へとつながる流れもこれと同様に感じます。「多」つまり「複雑」な状況に進行させることは、従来は求められていなったものですが、この混迷する時代状況においては多くのヒントをもたらしてくれることも少なくありません。我々は知らないうちに、勝手に物事を単純化(モデル化)して、簡単な答えに飛びつくことのなんと多いことか・・・。
統合医療における当院の取り組みにおいて、こうした方向性は非常に重要なヒントになります。皆さんの健康な生き方をサポートするにあたり、こうした視点をより明確にしながら取り組んでいきたいと思います。
そういったオルタナティブな方法の数々を、当院での診療を通して少しでもお伝えしていく所存です!
アトピー性皮膚炎などへの漢方について思いついたこと
そもそも漢方に関しては、自分にとって一番最初に学んだCAMといえるもので、学生時代からの学習や、漢方外来を群馬県の山あいで開設してから数えると四半世紀以上の長いお付き合いです。
現在でも、腹診を中心にした和漢の手法で処方するときは、広島で古方を展開されていた小川新先生の処方を、アトピー性皮膚炎や腎機能障害、リウマチなどアレルギー・自己免疫の難治性疾患を扱うときには京都・高雄病院の江部洋一郎先生の処方を参考に診療を行っています。加えて近年は、サイエンス漢方的な視点も大切にして処方をしています。と書くと、古方派なんだか中医学なんだか現代派なのか、わけのわからない状態のようですが、意外に自分の中では適宜、使い分けは自然な流れとなっています。(なので和漢ですか中医ですか、というご質問には答えられないのであります)
こうした従来の漢方処方に加え、伝統的な考え方を援用して応用しているのが、「慢性炎症」の治療です。
血液データ上、何らかの慢性炎症が疑われるものの、そのフォーカスが定まらないということは少なくありません。これまでいくつもの病院を経由してから当院へ来られる方も少なくないことが、こうした事情につながるのだと思います。自己免疫や自己炎症的な状態など、西洋医学的にはそれ以上のアプローチが出来ない状態の方に「漢方」がとても有効なことがすくなくありません。
これは栄養やオーソモレキュラー的な方法よりも、身体内部の「方向性」や「寒熱」の視点も絡むため、漢方的方法が最も奏功するように思います。この方向性と寒熱の処理という問題は、おそらくオーソモレキュラー医学のみを専らとしている方には極めてなじみのない考えで、いわゆる分子栄養的な視点の弱点であるとも考えています。
またアトピー性皮膚炎の治療などは「寒熱」の微妙な調整が必要になるので、鍼灸・刺絡など徒手的な療法と組み合わせて、東洋医学的視点は外せません。とくに顔面やデコルテを中心に赤くなっているパターンは、単一の方法ではそう簡単には解決しないように思います。これには石膏による清熱に加え、直接炎症物質を抜き去る「刺絡」が不可欠です。
また赤ミミズの健康食品など、漢方の枠ではありませんが、従来の漢方の枠を拡大してくれるようなものも増えてきているので、統合医療のもとで、漢方は更なる発展を遂げるのではないかと考えています。
当院が自由診療である理由を説明します
実臨床の診療システムのモデルを解説してきましたが、今回はもうすこし具体的なご案内のような内容にします。
当院では、保険診療ではなく、自由診療形式をとっております。お問い合わせでも多くのご質問をいただくので改めてここでも説明させて頂きます。普通、医療機関は保険診療なので、どうしてこうした診療形態なのか、その理由などを説明したいと思います。理由は大きく二つあります。
(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため
(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため
従来の保険診療の枠では、患者さんの方でゆっくりと時間をとってもらいたい、もしくは、医師の側もそうしたいと考えても、様々な制約の中で、どうしても手早い診療になってしまいます。ただ薬だけほしい、という方にはいいのかもしれませんが、心身両面にわたる問題や、ドクターショッピングを重ねている場合などは、短時間(いわゆる「3分診療」)の診療で解決されないことがほとんどです。また、遠慮深い方は「他の患者さんがお待ちだから・・・」と遠慮される方も少なくありません。
医療は本来、一人一人の人生において重要な局面を握るものであることもすくなくありません。これまでの人間ドックなどのデータなども含めて、じっくりと医療相談(加えて健康状態にあった代替医療相談)をするには、ある程度の時間がどうしても必要です。当クリニックでは、こうした問題を解決するために、ゆったりとした時間の取れる、自由診療形式を採用しています。
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため
いうまでもなく保険医療のカバーしている医療はおおむね「現代西洋医学」です。わが国は一定の制約のもと、エキス剤を中心に医療用漢方も保険適応とされていますが、通常の薬剤と異なり、生薬であれば、かなりの制限がつきます。ましてや良質の生薬を使用する場合は、なおさらです。さらに、漢方と両輪の関係でもある鍼灸を、漢方処方する医師が、相乗的効果をねらって自ら行うことも、事実上困難です。また、サプリメントやホメオパシーといった代替医療であればなおさらです。
いわゆる「身体にやさしい自然医療」は、保険診療ではカバーされていないため、自由診療とせざるを得ないのです。また、一緒にやってくれないの、というご意見をうかがうこともあるのですが、基本的に現在の制度上、混合診療(保険診療+自由診療)はきわめて限られた条件のもとでしか認められておりません。つまり法的な制限は少なくないのです。
こうした理由から、統合医療実践のための当クリニックでは自由診療形式を採用せざるを得ないのです。
栄養内科・経絡内科・漢方(ホメオ)内科という3ステップ
しかし、ここきて少し体系的にこれまでの諸々の方法論を、実臨床に応じてまとめても良いかなあと思うようになり「経絡内科」「栄養内科」といった概念を抱くようになりました。これらには当然、実臨床で頻繁に用いている「漢方」「ホメオパシー」といった方法論が入っていないので、ここにこうした伝統系自然療法をいれた「漢方(ホメオ)内科」を追加で構想するにいたりました。
これにより当院の診療の基本的な<3本柱>として、「栄養内科」「経絡内科」「漢方(ホメオ)内科」を掲げてみました。実際の診療方法はさらに詳細に分化していきますが、とりあえずの大枠の3本柱といった感じです。
先日、久しぶりにオシュマン著『エネルギー医学の原理』の「環境中の電磁気」の章を見返していて、「シューマン共鳴」のところで、この原理はかなり実際の治療モデルに近いのではないかと、はたと気づきました。
この共鳴は、地球と電離層が一つのシステムとして破たんしていなければ、その間に存在する大気圏においてシューマン共鳴と称される定常波が形成されるというお話。
電離層・大気圏・地球が過不足ない一定のシステムとして機能している状態を、「健常の状態」と考え、この状態を形成するのに必要な視点を「栄養内科」に見てとります。十全な状態により初めて全域に情報が伝達できるということです。
続いて電離層・大気圏・地球(大地)に「伝達系システム」を見て取ります。これを身体における経絡システムに相似させれば、皮部・経脈・経筋といったところでしょうか。定常波としては、神経系・血管系、とりわけファッシア系などが相当していると考えられます。そして瘀血や気滞などの病理部位がこれらの伝達を阻害します。逆にこれらが十全に機能していれば、修復力としての自然治癒力も機能するということになりそうです。
それに加えて、臓器・組織特異的な局所的「病変」の存在です。そこにある種の特異的な治癒のベクトル性を持たせて、方向性をつけることが重要になります。これが漢方・ホメオパシー等の伝統医学的方法論ではないでしょうか。漢方の腹診、ホメオパシーのSRPに代表される諸症状、経別による臓腑との接続も重要になってきます。つまり「漢方(ホメオ)内科」はこの三段階の最後に位置づけられそうです。ただし、これらは必ずしも、ここにあげた順序である必要はないように思います。つまり実臨床での順序は異なっていても問題ないようです。これら三つの相互作用でしょう。
一人一人の症状の変化により、多元的に多くの選択肢が挙げられますが、一つのモデルケースとしてこの3ステップは捉えられるでしょう。実臨床に特化したケースのご質問は、個人的にお会いした機会などにお尋ねください。備忘録的な体系のメモとして記載してみました。
アトピー診療 ビオチンについて
ビオチンは、水溶性ビタミンに分類され、ビタミンB7、ビタミンH、コエンザイムR等、様々に呼称されています。そしてその効果としては、医薬品の適応として、急性・慢性湿疹、接触皮膚炎、脂漏性湿疹、尋常性ざ瘡など皮膚疾患に幅広く用いられています。
ビオチンは主に空腸において吸収され、大量に摂取したとしても速やかに排泄されるため、副作用や過剰摂取はないとされ、毒性の少ないビタミンと考えられています。
鶏肉のレバーに多く含まれ、その他、落花生、卵黄、豚肉のレバーにも含まれます。しかし、生卵の大量摂取により、アビジンという糖タンパク質が消化管内部において特異的に結合し、ビオチンの吸収阻害をしてしまいます。これにより欠乏症状が発現するといわれますが、加熱により、アビジンの結合能は低下するため実際には欠乏は生じにくくなります。
ビオチンの不足を示す症状としては、うろこ状の皮膚炎、脱毛、萎縮性舌炎、食欲不振などの症状が出現するとされ、アレルギー患者においては、ビオチンを増加させる働きを持つビフィズス菌とともにビオチンを補う必要があるとされます。
経験的には、原因のはっきりとしない頭皮における脱毛は、このビオチン補充が大きな可能性を有するように思います(当院での発毛治療にはほぼ使用しています)。またアトピー性皮膚炎やアレルギー性の皮膚炎などにおいても、ビフィズス菌と合わせて投与することで、臨床的な改善を認めることも少なくありません。(一般にビオチン欠乏は稀とされますが実際にはそうでもないように感じています)
つまり、こうした皮膚炎の方には、食事指導や皮膚へのセルフケアに加えて、腸内細菌とビオチンに気を配った治療も不可欠となるわけです。またその基盤としてビタミンB複合体や、各種プロバイオティクスやバイオジェニックなどとの組み合わせも忘れてはなりません。便通の状態や、皮膚症状などを参考に、専門の知識を持った医療従事者と相談して方針を決めたいところです。
多元的統合に関するイメージ
取材などを受けていると、どうしても何か特徴的な技法をひとつ、というようなことも言われますし、実際はそれに合わせてという面もないわけではないのですが、本来やはり「多元的」なのだなぁと感じています。
つまり何か一つの技法の専門という姿勢はあえてとらない、ということなのです。
方法論としては、漢方、鍼灸、サプリメント、ホメオパシーなどを用いることが多いので、いわゆる「介入(インターベンション)」からの視点としては、「漢方(ハーブ)」「鍼灸(刺絡・ハイドロリリース)」「サプリメント(分子栄養的視点)」「ホメオパシー(スピリチュアル)」に加えて、多元的統合理論としての「インテグラル理論」の5つの介入が目安。
実臨床における視点の違いとしては、皮膚・ファッシア・筋骨格において経絡系が複雑に絡まる「外殻」の視点、解剖的視点としての、外胚葉・中胚葉・内胚葉由来から考える「発生学」の視点、生体内での伝達システムにおける三系統、神経系・血管系・ファッシア系の「信号系」という視点。あえてまとめると3−3−3の視点。
これらが有機的に統合され、オッカムの剃刀的に統合されていくのではなく、あくまでも多元的に少しまとまりを欠きながらも、実際の「人」には有効に働くような、ある種のいい加減さを持つような感じ。
こうした感じが、今のところの「多元的統合」の実臨床でのイメージに最も近いように思います。いわゆる「こちら」側のイメージのメモでした。
経絡内科の紹介
現在、大学で統合医療概論のオンライン講義真っ最中なのですが、そもそも、我が国では統合医療という言葉があまりにも「手垢にまみれた」用語になっているのも事実。ほぼほぼ代替医療の言い換えのような状況になっているわけです。そのために、いかにそうではないか、ということを講義しているわけです。またこうしてブログも書いているわけです。
しかしそれでも実際、「統合」といわれてもピンと来ないと思いますので、なるべく分かり易い名称を、というので「経絡内科」としてみたわけです。当院の実態としては、この「経絡内科」に加えて、糖質制限を考慮した栄養指導と分子栄養学的なサプリメント運用による「栄養内科」、漢方や単味の生薬、さらには極少量の生薬利用ともいえるホメオパシーなどを用いる「漢方内科」(こちらは最近普通に標榜しているクリニックも増えてきましたね)といったところです。
こうした中でも最も珍しく思われるのが「経絡内科」。通常の鍼灸を用いるだけではなく、刺絡療法、エコー下ハイドロリリース、腹部打鍼術や経別・奇経療法、さらには通電療法等々を組み合わせて行っています。この時の基礎概念としているのが、皮膚や筋肉を統括してのファッシア理論で、この辺りの概略は当ブログ内の「臨床ファッシア瘀血学」に展開しています。
いわゆる腰痛・肩こりなど整形外科(内科)的疾患も扱いますが、内科的疾患に幅広く応用している点が特徴です。アトピー性皮膚炎や膠原病などの難治疾患や、悪性腫瘍の補助療法、さらには再発防止策の一環として、内臓疾患に適応している点で「内科」を称しています。
様々な不定愁訴など、どの科に受診していいのかわからないという方も多い中、統合医療相談と合わせて、一つの選択肢を提示しています。
「経絡内科」の構想
従来通りの瘀血症状に対する刺絡も、減ってはいないのですが、どうやら、「経絡」全体に対しての考え方の変化によって、技法の幅が広がってきたように感じています。(こうした変化があると不思議とそれを必要とする症状の患者さんの受診も増加したように思います)
こうした事情を考え、現在の診療実態を思う時、ふと「経絡内科」という用語が浮かびました。まあ整形内科的に「ファッシア内科」あたりが、神経内科との対で適当なように当初考えたのですが、そうするとファッシアを巡る慢性疼痛に限定されるような感じがして、「経絡」の使用がやはり適当かな、といったところです。
経絡内科の概念としては、いわゆる十二経絡のみではなく、それに付随する皮部、経筋、経別、さらには奇経すべてをひとつのシステムとして理解して全身の症状を扱う、というものです。具体的には、従来の鍼灸的な扱いに加えて、皮膚の特殊症状や皮膚科的症状に「皮部」、筋骨格系を中心とした整形的症状に「経筋」、いわゆる内科的な内臓症状に「経別」をあて、それらを接続する経絡をファッシアとして幅広く解釈するという感じです。
いわゆる現代医学的病名が、それらのシステムのどこに病変をもたらすか、そしてそれらを治療法としてどのように活用するか、がこの「経絡内科」のキモとなるでしょう。まさにその複雑さからも「経絡」システムは、「神経内科」の神経に匹敵するものと言えるでしょう(というよりあきらかにそれよりも複雑ですが)。
かつて刺絡やイオンパンピングなどの技法においては、医師の関与が重要な時代がありました。間中先生や工藤先生、浅見先生らの活躍です。また近年ではハイドロリリースにおいても、白石先生など近年の総合診療系の医師の活躍はいうまでもありません。こうした流れの中で、これらを統括する概念としても意義があるように思います。
しばらくはこの概念を活用しながら、診療を再考していくことになりそうです。統合医療の実践としての具体的な展開をすこし考えてみました。
花粉症のアイゾパシー (スギ花粉レメディの効果)
ただ、私の周囲の方を始め、当院に通院している方は、例年よりも症状の軽い方も多く散見され、少し例外のような感じがあります。この違いを生じているのは明らかにホメオパシー(アイゾパシー)ではないかと思います。
単独のケースのみでは、主観だけなのでいわゆる科学的検証ではありませんが、以前に施行された多施設によるダブルブラインド研究でも、自覚症状や抗アレルギー薬の使用量の有意な減少を認めておりました。加えて、当院で花粉症アイゾパシーを開始して5年経過したことも大きいように思います。とりわけ3年前からは積極的に、スギ花粉レメディをおススメしていることから、かなりの割合の関係者が3年目に突入しています。
このアイゾパシー(ホメオパシー)のメリットは、一年中ではなく花粉シーズンのみの服用で良いという便利さにあります。そして1年目より2年目、2年目より3年目、といった効果の蓄積がみられることも特筆されます。つまり早く始めれば、それだけ将来的にも楽になる、ということなのです。
まだまだ花粉症シーズンですので(これからはヒノキ花粉も始まります)、ぜひとも症状の強い方は一度、アイゾパシー(ホメオパシー)を一度試されることをおススメします!
また当院では、レメディに加えて、鼻うがいや「上咽頭洗浄液」による局所療法的なセルフケアも指導しております。また花粉症を悪化させる「脾気虚」の体調を改善する漢方や食事法なども説明しておりますので、ご興味ある方は一度、ご相談ください。
(花粉症レメディの研究に関して知りたい方は、研究リーダーでした朴澤先生の以下の著書がおススメです)
ファッシア瘀血から身体を診る・クリニック診療案内
統合医療をキーワードにこれまで説明してきたのですが、最近はもう少し具体的に「ファッシア瘀血」をキーワードにしています。そのために「臨床ファッシア瘀血学」の記事を連載しています。いわゆる神経痛などと称されて疼痛の原因となっている「ファッシア」の病変と、従来より東洋医学の慢性的な病因として名高い「瘀血」を合わせた概念です。中医学的には「気」と「血」の病変としてもよいでしょう。これを「臓器」の視点とします。つまり身体のあらゆる臓器へ気血が円滑に運ばれないマクロの病態です。
次は、生化学的な回路(とくにエネルギー代謝)において、円滑に必要な反応が生じない状態。つまりミクロの細胞内部において代謝が円滑に行われていない状態を想定しています。これをミクロの「細胞」の視点とします。具体的にはサプリメント等を用いて適切に補充していく方法論です。
そして最後はさらに微細な世界、「量子」の視点です。具体的にはファッシアをはじめとした細胞膜周辺の水分子の状態の量子的な調整です。これは少し難しいのですが、秩序化された水ともいえるレメディによる治療法としてのホメオパシーに代表できます。
ここまでをまとめると(1)量子レベル(2)細胞レベル(3)臓器エベル、という感じです。これらの流れをスムースにすることで機能的ないしは器質的疾病状態を治療していこう、という考えが当院での治療法の中心となります。
一般的には、漢方薬とか、ホメオパシーという治療法の名称によってご案内するほうが理解しやすいのですが、私がいろいろな方法論を渡り歩いてきてしまったため、多彩な方法論を統合的に用いる方針なので説明すると複雑になってしまうという事情があります。
方法論別に記載すると以下のようになります。
(1)ホメオパシー・エネルギー医学的アプローチ
(2)サプリメント・栄養・生化学的アプローチ
(3)鍼灸(刺絡)・ハイドロリリース・漢方薬・整体などの身体アプローチ
(1)〜(3)のあらゆるレベルで、自由電子や代謝過程、さらには血液や体液などの流れがスムースでないと、どこかで「渋滞」が生じてしまいます。渋滞がひどければ、そこに病理産物が生成されてしまうかもしれませんし、さらには、そこをスキップしてしまうかもしれません。これにより血液・栄養の供給がされなくなります(脱毛などがその好例でしょう)。そしてその経路が短絡されることで、「縮退」現象が加速することになります。こうした生体における縮退をいかに回避するかが大きな診療の目的でもあるのです。
従来の「診断名」を超えて、不調そのものを改善していくことを当院は目指しております。
小池統合医療クリニックへのお問い合わせはこちらまで。

花粉症対策でもあり、新型コロナ対策でもある!
通常は、抗ヒスタミン薬が処方されることが多いでしょうが、これはやはり「眠気」がネックとなりあます。こうした副作用なしで、少しでも軽く、といった場合、やはり「ホメオパシー(アイゾパシー)」の出番です。
基本的にはレメディ1粒を毎日、花粉飛散時期のおよそ2か月間、舌下に投与するだけ。当院でも初めに投与してから4,5年経過した方が出てきているので、そうした方はかなり症状は軽快し、抗ヒスタミン薬を使わなくなることがほとんどです。
劇的に効く方ですと、初年度からでもかなりの効果が表れます。毎年、この治療だけを受けに来るというかたもいらっしゃるので、この時期の定番の治療法の一つといえます。
次にポイントなのが、栄養です。特に「ビタミンD」が花粉症に関しては重要です。25ヒドロキシビタミンDの測定を行ってからであれば、より自分の不足度合も分かるので、適切に補充することができます。
当院では栄養チェックの採血検査を、希望の方に実施していますが、その際にはほぼこのビタミンD測定も行っています。
ビタミンDの補充は、花粉症に限らず、特に、話題の新型コロナウイルス感染症の発症や重症化と関連すると言われ、免疫力の一つの指標とも言えます。花粉症対策として、このビタミンD補充を行うことで、そのままCOVID‐19対策となるわけです。この時期、二つの意味で、補給しておきたい栄養素です。
そして最後は、鼻うがい。マスクでガードされているとはいうものの、やはり、花粉は鼻腔から吸入されてしまいます。鼻から吸入された粉塵や花粉が、捕獲されるのが「上咽頭」となります。つまりここで花粉はアレルギー症状を起こすわけです。これは新型コロナウイルスも同様で、多くのウイルスが上咽頭で増殖すると考えられています。つまり上咽頭を清潔にする「鼻うがい」は花粉症にも、ウイルス対策に双方に有用な治療となるわけです。
鼻うがいがうまくできない、というお話はよく伺うのですが、まずは専用の鼻洗浄液を、鼻腔に入れるところから。つまり右(もしくは左)から入れて、反対側から出す。うまくできなくても、入れるだけで、鼻腔はそこそこ洗浄されます。
慣れてきたら、首を後方に反らせて、洗浄液(生理的食塩水)を上咽頭にためます。そこで左右に洗浄液を揺らすことで、上咽頭壁の汚れを洗うような感じにし、(可能なら)口から出します。こうすることで口蓋垂の裏側も洗浄できます。
うまくできなくても、まずは洗浄液(生理的食塩水)を鼻腔にい入れるところから、始めてみましょう。
以上、当院の推奨する花粉症対策(そしてウイルス対策にも)としては、ホメオパシー(スギ花粉レメディ)、ビタミンD補充、鼻うがいの3本立てです。
このほか症状の強さなどに伴って適宜、漢方薬なども追加しています。
鼻うがいの様々な疾患への応用
コロナの付着部としても、注目されている上咽頭ですが、この部位を、簡単に洗浄できるのが「鼻うがい」です。生理的食塩水を作成して洗浄するもよし、もっと簡便に専用の洗浄液を薬局で購入するもよし(ハナノア等)、です。もっと上咽頭局所の治療としてやるのであれば、専用のリノローションなどもあります(こちらは医療用なので医療機関での購入が必要ですが)。
いずれにせよ、上咽頭の清浄化のみではなく、その部位の適度な刺激にもなり、自律神経(とりわけ迷走神経)への刺激や調整機能として捉えることもできます。つまり呼吸法などと並んで、ポリヴェーガル理論でいうところの有髄の迷走神経への介入にもなるのではないでしょうか。
こうした刺激は、安保理論なども考え合わせれば、難病やがんなどの難治性疾患における、免疫の調整や賦活にもつながることが予測されます。いずれにせよ、安全な健康法の一つとして、免疫賦活や調整の手軽な方法になりうるものですから、漢方やホメオパシー、サプリメントなどの従来の方法論と合わせて積極的に用いてみることをおすすめします。
スギ花粉のレメディ 花粉症のホメオパシー
例年のこの時期からおすすめしているのが、花粉症のレメディです。ホメオパシーなので、科学的嗜好が強い方はアレルギーを持つかもしれませんが(笑)、こと花粉症対策としては、是非ともおすすめのアイテムです。(ちなみに当クリニックでは月ごとに、ホワイトボードに健康増進のためのおすすめアイテムを掲示しています!)
薄めたものを用いる、その利用方法は、舌下免疫療法においても発想は同じですが、生成方法や希釈濃度などに若干の差があります、というより法的な差異が最も大きいといえるかもしれません。いずれにせよ、日本のスギ花粉から作られたレメディを、舌下に毎日1粒ずつとるだけですから、負担は極めて少ない療法です。毎日1粒、2か月ほどの継続が通常の方法となります。
このレメディに関しては、仙台の朴沢先生らにより既に研究発表がされています。19施設125名の患者さんを対象にした研究の結果、対照群では半数の患者さんがほぼ毎日抗アレルギー薬を服用せざるをえなかったのに対して、レメディ服用群では42.6%の方が1週間で0〜2錠の抗アレルギー薬服用で症状を抑えることができていたというものです。これが単年の結果なのですが、さらに継続すると結果が良くなります。つまり、2年3年と継続することで有効性が高まり、4年経過時点で、80%の方が抗アレルギー薬を全く服用しなくなったという結果が出ているのです。
この治療はホメオパシーのカテゴリーですので、いわゆる「代替医療」枠の治療法ではありますが、海外の報告もあわせるとかなり良い結果がすでにあるので、ただ漫然と「抗アレルギー薬」に頼っている方にはぜひとも試して頂きたい治療法です。ホメオパシーが嫌いでも、この花粉症レメディは、かなりの方に効果を実感して頂けるのではないかと感じています。
ご興味ある方は、当クリニックまで、お問い合わせ、ご予約下さい。個々の体調に合わせた診察の上、処方可能です。
ちなみにこの方法は、他のアレルギーにも応用可能で、レメディの種類を変えることで、スギやヒノキに限らず、ハウスダストや、犬や猫のアレルギーなどにも効果的です。当院でもアレルギー治療として用いております。スギ以外のアレルギーの方もご相談ください。
グルタチオン、足りてますか?
とりわけアセトン中毒や自家中毒などにも適応症例とされていることから、その解毒作用も注目されています。アルコール摂取後の解毒に関する研究もされており、二日酔い症状の抑制も証明されています。また主観的な疲労度の改善効果や、美肌効果も報告されています。
医薬品としてだけでなく、食品においても豚レバー、アボカド、小麦粉、さらにはお米にも幅広く含有されていますが、Nアセチルシステインが前駆体として知られているので、その形で摂取することも可能です。ちなみに、NアセチルシステインはWHOの必須医薬品のひとつとされ、アセトアミノフェンの過剰摂取への解毒にも使われています。まさに解毒ですね。
グルタチオンは、紫外線照射の影響も減じてくれるので、これからの季節、美肌目的に摂取を気にしたい栄養素ですね。当院ではアンチオキシダントやサンプロテクトなどに含有されています。
発毛サイト出来ました(改訂最新版)
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元々は、あまり知られていない「刺絡療法」の紹介をしようと考えていたのですが、刺絡療法の一環として行っている「発毛」への関心が大きくなってきましたので、「発毛」をメインにしたものにしました。まだ作成途上で、今後、もう少し分量を増やしていく予定ですが、とりあえず現時点での公開をいたしました。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
http://koikeclinic.com/hatsumo/index.html
一連の発毛の治療方法を「発毛刺絡療法」と名付け、刺絡療法の紹介もかねております。多くの病態の根源を「瘀血」と考え、瘀血という「縮退」を取り除く。当院の治療の考え方の一端をご覧いただければ幸いです。
当時も、「縮退」を軸として記事を書いていましたね(笑)
発毛サイトの再確認
肩こり、腰痛などと同様に、局所における血流の改善を鍼灸・刺絡で図り、サプリメントにより強力に補充していくという考え方で、頭皮に栄養をとどけ、自然治癒力を引き出そうとするものです。
ファッシアを介して考えれば、内臓疾患にも応用可能で、自然治癒力(自発的治癒力)の発揮には最適の方法と考えております。頭皮のみではなく、体全体から、健やかにしていこうとする治療法です。
↓ ↓ ↓
http://koikeclinic.com/hatsumo/index.html
発毛刺絡のすすめ 薄毛・円形脱毛へのもう一つの治療法
当院の円形脱毛や薄毛対策は特徴で、あまり他院ではやられていない方式ですが、頭皮からの少量の出血を伴う「刺絡」という方法を用いております。これは瘀血などにより局所的な循環不全が生じた際の改善策なのですが、薄毛の方にはこうした頭皮での循環不全が少なからずあるようです。そこに、サプリにより発毛に必要な栄養素を十分に含んだ血液が灌流されることで、毛根に栄養が行き渡り発毛が促進されるという機序です。
そもそもこの方法は、刺絡をがん対策ないしはがん再発防止として(自律神経免疫療法等の考え方に基づき)施術していた際に、抗がん剤で脱毛していた方が、他の患者さん達とくらべ早めに発毛していたという指摘が続いたことから、がん治療後の方に用いていたものでした。それが、次第に、発毛外来での改善困難な例などで試行するようになり、一定の効果を確認できたので、通常の症例にも拡大してきたという経緯があります。
いずれにせよ、基本的な考えは他の疾患と変わらず、循環不全を改善し、そこに十分な栄養を送り届け、自然治癒力(自発的治癒力)を発動させるというコンセプトです。内臓疾患でも、筋骨格系疾患でも基本的にはこの考え方で治療しております。つまり表面からのアプローチで、内臓等を包むファッシア近辺の血流を改善し、標的となる臓器の改善を図ろうというものです。
それゆえに鍼だけで、サプリだけで、何とかしてくれというご希望には、とりわけ薄毛に対しては基本的には対応しておりません。
私自身が皮膚科医ではなく、内科医の出身なので、局所的な循環の改善という視点を重視した治療になっております。こうした考えに納得いかれた方にのみ、発毛の刺絡治療を行っているというのが現状です。ご興味ある方は、まずは相談のみから受け付けておりますので、ご遠慮なくどうぞ。
慢性上咽頭炎の治療
コロナ禍の前にBスポット療法(EAT)がかなり関心を持たれていたので、急速に普及していきましたが、コロナ感染予防の観点から施行する医療機関もかぎられていたようです。
そうした中、予防設備の充実が追い付かなかったこともあり、当院でもEATによる上咽頭療法は休止しておりましたが、その間、鼻うがいの充実と上咽頭の洗浄、関連する治療点の特殊なパッチでの刺激、刺絡を用いた頭頚部(とくに咽頭の深部)の瘀血治療などによって対応してきました。
これにより、ただ単にEATを施行するよりも症状改善の良好な効果を得られることを多く経験しました。それゆえに、このたびEATの再開に加え、これまでのEAT単独の治療から、刺絡(瘀血除去のための鍼治療)を組み合わせた総合的な慢性上咽頭の治療へ改変することになりました。
患者様には、これまでと少し治療方法の変化が出る方もあるかと思いますが、当院の方式での治療に納得して頂けた方には、新しい形式でのBスポット療法を施術していきたいと考えております。
なお上咽頭洗浄などのセルフケアは引き続き行っておりますので、上咽頭の不快症状のある方は是非一度ご相談ください。
当院の6つの診療の柱
そこで、たまに記載しているインテグラル理論に基づいて、その診療内容をご紹介します。まずはその武器となる方法論は6つ。
(1)栄養・サプリメント
糖質制限やたんぱく摂取などの栄養指導。健康増進のためのサプリメントの活用。分子整合医学(オーソモレキュラー医学の応用)による副腎疲労などの不調の解除、など。
(2)鍼灸・刺絡・ファッシア
通常の鍼灸に加え、体に停滞した瘀血を針とカッピングなどで取り除く刺絡療法。さらには頑固な深い痛みに対して超音波(エコー)により確認しながらファッシア(筋膜)のリリースなど、様々な方法で痛みを取り除きます。
(3)漢方・養生法
エキス剤や煎じ薬や、中医薬なども用いながら、主にがん(各種悪性腫瘍)の再発防止や、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、更年期障害などに対応しています。また東洋医学的な視点をいかした養生指導(温めや食事指導など)も行っています。
(4)ホメオパシー・エネルギー療法
統合医療的なホメオパシーの処方に加え、アイソパシーによる体質改善(花粉症対策など)やその他エネルギー医学的な相談も行っています。ホメオパシーは専門医の資格を活かして、英国直輸入の医師専用レメディを処方しております。
(5)心理・スピリチュアル
各種、心理療法との連携を通じて、メンタル・スピリチュアルの影響を考慮した統合医療を展開しております。インテグラルな視点から幅広く、心理学・哲学・霊学の視点を考慮していきたいと考えています。
(6)内科学・現代医療・臨床検査医学
内科専門医ならびに臨床検査専門医の資格を活かして、現代医療との境界領域のご相談にも幅広く対応しております。また持参された人間ドックなどのデータ説明や、気になる検査項目、現在の栄養状態や健康状態を採血検査(当院で採血できます)により詳細に説明いたします。
この6つの柱を多元的に組み合わせながら診療を行っております。
多元的な方法論をさらに詳しく知りたい方はこちら ↓ ↓ ↓
当院の統合医療の考え方、ならびにジャングルカンファレンスの基本的考え方を、分かり易く解説します。単回の参加も可能です。ご興味ある方は、どなたでも参加できます!
第3回オンライン講座 統合医療入門
『ジャングルカンファレンスと多元主義』
各論:ホメオパシーとその周辺
2020年 6月26日金曜日
18:30〜20:00 (質疑〜20:30頃まで)
お申し込みは ↓ ↓ ↓
第3回統合医療入門@ZOOM講座
【申し込みフォーム】
https://forms.gle/8GbcF8DpMN8AwUXE8
統合医療オンライン相談、始めました
今週から、「統合医療オンライン相談」を開始いたしました。
ZOOMを用いた形式で、ご自宅に居ながら対面の診療を行います。従来通りの電話相談も継続しますので、併用することが可能です。4月23日木曜日から受付を開始します。お問い合わせのみでもご遠慮なくどうぞ。
オンライン診療の流れ
まずは小池統合医療クリニック(03−3357−0105)までお電話をください。ZOOMに慣れていない方も多いことを考え、オンライン相談担当の者から、追ってご連絡差し上げ、接続状況を確認の上、後日、オンライン相談開始となります。(こうしたプロセスのため即日開始できないのですがご了承ください)
このオンライン診療は、コロナウイルス感染拡大防止に加え、遠方や何らかの事情によって来院できなかった方に対して、新たな方法で統合医療を提供しようとする試みです。
これまで統合医療に関心があっても、なかなか遠方で受診する機会がなかった、という方にはぜひご利用して頂きたいです。
「統合医療オンライン相談」はどのような診療内容?
「統合医療オンライン相談」としては、様々な統合医療に対するご相談に加え、この時期に気になる体調不良や、健康増進、免疫力アップの方法論などをアドバイスし、一緒に考えていきます。
具体的な方法としては、セルフケアを基本としながら、まずは栄養指導。体調不良の様子からおすすめできる栄養のアドバイスに加え、適切なサプリメントによる補充を行います。この時期の免疫アップとしては、医療機関専用の安心のマルチビタミンをベースに、ビタミンCの大量摂取に加え、ビタミンD、亜鉛などが感染に対しての抵抗力をつけるのがおすすめです。
それ以外にも、様々な症状に対して統合医療医、内科医の視点から、オーソモレキュラー医療や東洋医学の知見などとあわせて、アドバイスしていきます。
また、サプリメントによる栄養の視点に加え、自らの治る力を引き出す「ホメオパシー」も併せて取り入れることも可能です。ホメオパシーは、ヨーロッパの歴史ある補完医療で、近年ますます注目されている伝統的な診療体系です。心身両面からの問診により、症状に最適の「レメディ」を選択します(当院のレメディはスコットランドの医師専門の歴史あるメーカーから取り寄せております)。アレルギー体質の改善を目指す「アイゾパシー」的アプローチも行っています。
その他、漢方を中心とした東洋医学の視点や、統合医療的なセルフケアやアドバイスをあわせて、健康増進のヒントを提供し、「一緒に治る」という姿勢で、ご相談にのらせて頂きます。
サプリメントによる栄養アプローチと、ホメオパシーによるエネルギー医学的アプローチにより、オンライン相談で免疫アップし、健康増進を実現していきましょう。
統合医療オンライン診療(遠隔診療) 診療内容のご紹介
従来、来院を原則として、鍼や刺絡などの施術と併せて診療を行ってまいりましたが、このたび、これまでの施術に加えて、ZOOMを用いたオンライン診療(遠隔診療)を導入することにしました。
コロナウイルス感染拡大防止に加え、遠方や何らかの事情によって来院できなかった方に対して、新たな方法で統合医療を提供しようとする試みです。
「統合医療オンライン相談」はどのような診療内容?
「統合医療オンライン相談」としては、様々な統合医療に対するご相談に加え、この時期に気になる体調不良や、健康増進、免疫力アップの方法論などをアドバイスし、一緒に考えていきます。
具体的な方法としては、セルフケアを基本としながら、まずは栄養指導。体調不良の様子からおすすめできる栄養のアドバイスに加え、適切なサプリメントによる補充です。この時期の免疫アップとしては、医療機関専用の安心のマルチビタミンをベースに、ビタミンCの大量摂取に加え、ビタミンD、亜鉛などが感染に対しての抵抗力をつけます。
それ以外にも、色々な症状に対して分子整合医療や東洋医学の知見などとあわせて、アドバイスしていきます。
また、サプリメントによる栄養の視点に加え、自らの治る力を引き出す「ホメオパシー」も併せて取り入れることも可能です。ホメオパシーは、ヨーロッパの歴史ある補完医療で、近年ますます注目されている伝統的な診療体系です。心身両面からの問診により、症状に最適の「レメディ」を選択します。アレルギー体質の改善を目指す「アイゾパシー」的アプローチも行っています。
サプリメントによる栄養アプローチと、ホメオパシーによるエネルギー医学的アプローチにより、オンラインで免疫アップし、健康増進を実現していきましょう。
遠方の方や自宅滞在のまま統合医療の相談・診療をご希望の方は、03−3357−0105まで(詳細はお電話にて承っております)。お問い合わせのみでもご遠慮なくどうぞ。
診療内容の4つの柱
前回述べました「統合医療相談」をベースに、まずはどのような症状にお困りなのかをじっくりとお聞きしています。現代医療、代替医療を問わず、各々の診療体系には向き不向きがあるように思います。学生時代など、いわば名人といわれる方々の診療を見学させていただきましたが、その方法論によって(キャラクターによっても)得意とする領域は異なるように思いました。つまり適する疾患と、そうでないものが存在してしまうというわけです。
まず、現代医療として特定の疾患名を有するもので、確実なエビデンスを有するものに関しては、ご本人の意向に反していなければ、最優先されることは言うまでもありません。この姿勢が、「統合医療」と「代替医療」の最大の違いといってもよいかもしれません。
慢性的な咳や胃腸障害、感冒症状から引き続いいての不調、アトピー性皮膚炎やその他慢性症状は、適合するものであれば、「漢方薬」が大きな力を発揮します。私個人としては、中国医学系から勉強をスタートしたのですが、現在では和漢診療系の方法も多く用いますし、古典をベースとしないサイエンス漢方的な考え方も重要であると考えています。とくにアトピー性皮膚炎は、栄養の補助も重要ですが、漢方による「寒熱」の処理が不可欠に思います。
肩こり・腰痛・膝痛など整形的な不調に対しては、「鍼灸」「刺絡」「ハイドロリリース」など「徒手療法」の系統が非常に効果的です。後鼻漏など慢性上咽頭炎関連の不調に対しての「EAT(Bスポット療法)」など特殊な手技も同じ分類で考えています。また自律神経・免疫の関連から、井穴刺絡療法によりがん治療の補完的治療として免疫力の底上げも見逃せません。
不足している栄養素などを血液データから推測して栄養の補給や、メガビタミンでの積極的治療を行う「栄養」「サプリメント」「オーソモレキュラー医療」といった領域も重要です。この分野は、特に診断がつかないような不調やそれ以前のセルフケア領域ともあわせて幅広い日常の不調に対応できます。以前は(今でも?)漢方が、その役割を担っていましたが、冷えなど特定の症状を除くと、分子栄養的な治療の方が汎用性が高いように思います。新たな概念である「副腎疲労」や「機能性低血糖」、「抑うつ」といった精神的症状に極めて効果的なのもこの分野の特徴です。
最後はエネルギー医療の代表格といってもよい「ホメオパシー」です。欧米において一般的であることから、当院では海外から帰国された方々からのリクエストが多い治療法になります。ホメオパシーは日本ではあまり広く知られていないので、全く知らない方に一から説明すると、訝しがられる治療法でもあり、私自身、この療法の専門医でもあるのですが、他のものに比べ処方する機会が少ないものでもあります。それでもこの時期は、スギ花粉症のレメディは大人気ですので、他のアイゾパシー(犬、猫、ハウスダスト等)と合わせお問い合わせをいただいております。希望される方もかつてと比べると随分と増えてきた印象です。ある意味で、心理療法的な面もあり、根本治療としても秀でた治療だと思います。ここでもたまに解説しているように、身体を構成する水分子の容態(クラスター形成)という根底からの回復を意図している治療といえるのです。
以上、大きく4つに分けて当院の治療法の特色と、適応のようなものを説明しました。代替医療に限らず、あらゆる治療法には向き不向きがあります。なんでもそうですが、一つの方法論ですべてが回復するわけではありません。だからこそ、いくつもの要素を多元的に並列させた方法論が必要に思うのです。
当院の方法論でも、さらに不足な方には(とくに徒手療法系)ご希望があれば、隣接する身心工房リボンをご紹介しています。
ファシア ダイアローグ ホメオパシーをコヒーレンスから考える
こうした思考のクセのようなものを自覚する方法が「ダイアローグ」にあるというのです。そしてそこからは「洞察」も得ることができると述べています。洞察により、自らの思考を自覚し、そのインコヒーレントな点を超越して「コヒーレント」な状態に至ることができるというわけです。一人だけでは容易に到達できない状態に、集合体となることで可能になるということです。
少し違った観点ですが、このようなことはエネルギー医学の領域においても指摘されています。一例として、ラグビーやサッカーのような集団競技の試合中に負傷者が出た場合のケースが、あるエネルギー系医療の解説書に紹介されていました。その際に、応急処置がとられるのは言うまでもありませんが、それと同時にチームのメンバーが集結して、その負傷者に対して祈りを行うことで、状況の好転や回復の早まりが起こるという指摘がありました。
これは同時にその後、試合続行時にもメンバー間の意思疎通が良好になるという付加的な事態も生じうるというのです。それこそ、このチームという集団が「コヒーレント」な状況になっているということだと思います。我々のジャングルカンファレンスや、相談者を含めたジャングルカフェといった状況にもあてはまる例といってよいでしょう。
つまり集団が、首尾一貫した良好な状態になっているとき(まさにレーザー光線のような状態にあるとき)、それは「コヒーレント」な状態であるといえるでしょう。これは社会的な集団のみのことではありません。我々の身体は、細胞・組織の集団といってよいものです。つまり一個の身体としてもコヒーレントな状態となりうるのです。
こうしたすべてのシステムに超越したものとして、血管、神経を凌駕して想定されているのが、「ファッシア」といえるかもしれません。これはエネルギー系の書籍では、何らかのエネルギーを媒体する生体マトリックスやら軟部組織と称されることがありますが、概念の統一を図るとすれば、現時点では「ファッシア」としてよいのではないでしょうか。
ファッシアに関連する水分子をはじめとする生体を構成する諸分子が、コヒーレントな状態になっていることが、健康的な状態といってよいでしょう。(ちなみにボームは『ボームの思考論』において「ガン」はインコヒーレントであると述べています)
このように考えると不調の状態(インコヒーレントな状態)を、コヒーレントな状態へと復調させる方法、例えばホメオパシーをはじめとするエネルギー医学の特徴がとらえやすくなるのではないでしょうか。つまり漢方やハーブのように大きめの分子レベルで作用しているのではなく、量子レベルでの挙動で考えるということです。
直接、ファッシアを復調させる徒手療法のみならず、こうしたエネルギー的な観点も許容しながら、生体におけるコヒーレンスということを考えていかなければならないのではないでしょうか。これは同時に、現在のファッシア研究(や紹介)が、ややもすると限定的な徒手療法の視点からのみ展開されていることにも注意しなければなりません。確かにファッシアはエコーにより可視化されたことで、その存在がクローズアップされたことは否めませんが、世界的な研究の流れから見ると、エネルギー医学との密接な関係は無視することはできません。
ダイアローグを再考するということは、ファッシアという概念を単なる徒手療法の一用語としてとどめることなく、コヒーレンスという視点から再認識することにもつながるのです。
ざっと書いたメモなので、分かりにくい点も多々あるかと思いますが、現時点でのダイアローグ、ファッシア、ホメオパシーの関連ついての私見を述べました。本邦では、日増しに「ファッシア」への関心が高まりつつありますが、一部の徒手療法に限定されることなく、広範なエネルギー医学の裾野において多元的に理解され定着していくことが望まれます。
診療内容:対話(含オープンダイアローグ)
ただ「傾聴」していることが対話のようにとらえられることも少なくないのですが(そうした面もないわけではありませんが)「対話」といった時には、少し異なった大きな意味も含まれるように思います。
多元主義的な統合医療を主張すると、「なんでもいいのね」とか「相対主義だね」といった感想をいただくことがあります。哲学の議論としてもこの辺りは結構ややこしくなるのですが、結論からいうと、対話により現実にアクセスすれば、相対主義には陥らない、ということです。JCなどの対話を、実際に行わず頭だけで考えた場合、どうやって結論に至るのか明確に構造化されていない、といった批判がなされるのですが、これこそ、ガイドラインがあればすべての問題が解決される的な安直な思考といって過言ではありません。現実はもっと流動的で、急性期などを除けば絶対的な視点などは思っているほどあてになるものではありません。
価値の問題なども、相対主義的な陥穽に陥りそうに思いますが、実際のケースに基づいて考えれば概ね一つの結論に収束することも稀ではありません。このあたりのことは哲学史的にも大きな問題ですが、ソクラテス、プラトンの昔から共通の了解として、認識されていたことといってよいようです。良心に基づいた対話を展開すれば、人はおのずと結論めいた共通了解に至るという実感があります。
あらゆる方法論のベースに、現在は客観性のデータが最も重要視されておりますが、本当にそれだけなのでしょうか。対話というもののの再認識の中で、統合医療のみならず、医療全体が大きなパラダイム変換を行っているように感じます。
以下の書籍が大変参考になりました。対話を深く考えたい方にはお薦めです。
診療内容:ホメオパシー(含量子医学)
現在でもホメオパシーをはじめ「水」に関する研究や療法は、徹底的に怪しいとみなされるわけですが、その前提が、ほぼすべての物理学者が試験管内の水分子と、生体内の水分子とが全く同じとみなしていることにある、とのべられています。それゆえにそれが「異なる」という言説がでると徹底的にたたくということなのでしょう。そしてその源流に「ポリウォーター事件」があるというのです。これは重合水という水の特殊状態が、ソ連のデリャーギンにより報告されてから否定されるまでの、一連の科学における熱狂的事件だったというわけですが、これが水の研究の怪しさの源流でした。(このあたりの事情は経絡が北朝鮮研究者により発見されてから否定されるまでの経緯と極めて似ているように感じます)
まあこれ以来、水の「ありがとう」転写問題に至るまで、否定的な流れが続くわけですが、こうした流れからいわばスピンオフしてMRIが誕生したというのも興味深い視点です。いずれにせよ(どこまで認めるかは見解が異なりますが)生体内の水分子は独自の挙動をとるということは間違いないわけで、通常細胞内とがん細胞内ではその水分子の挙動が異なるということです。
こうした事実に、ラリー・ドッシーのいう量子論的な「非局在医療」の考えを導入すれば、ホメオパシーという医療の一応のメカニズムの説明になるかと思うのですが、この辺りは異論の多いところでしょう。しかしながら、スギ花粉レメディの二重盲検など世界的な発表を見てみると、実臨床における効果の証明はできているといえます。
であれば、一つの仮定として、生体における水分子の状態への働きかけの方法としてホメオパシーを捉えることが出来るのではないでしょうか。量子論的な視点からスピリチュアリティを論じている滋賀県立大学の奥教授によれば、意識の持ち方によっても生体は量子のレベルで変化するということですから、その媒介としてもレメディの有効性をかたることはできるでしょう。これはおそらく、バイオフィードバックやマインドフルネスといった方法にもあてはまることだと思います。
治癒という過程での生体内の水は間違いなく重要です。医療というものを生化学や細胞生物学的に語った場合でも、ファッシアに基づいて語った場合でも、そこには水が存在しています。そうした大いなるバックグランドを意識するということも、統合医療の提供する重要な視点だと考えます。
診療内容:漢方(含健康食品)
こうした従来の漢方処方に加え、伝統的な考え方を援用して応用しているのが、「慢性炎症」の治療です。血液データ上、何らかの慢性炎症が疑われるものの、そのフォーカスが定まらないということは少なくありません。これまでいくつもの病院を経由してから当院へ来られる方も少なくないことが、こうした事情につながるのだと思います。自己免疫や自己炎症的な状態など、西洋医学的にはそれ以上のアプローチが出来ない状態の方に「漢方」がとても有効なことがすくなくありません。これは栄養やオーソモレキュラー的な方法よりも、身体内部の「方向性」や「寒熱」の視点も絡むため、漢方的方法が最も奏功するように思います。(この方向性と寒熱の処理という問題はオーソモレキュラー医学の弱点であるとも考えています)
またアトピー性皮膚炎の治療などは「寒熱」の微妙な調整が必要になるので、鍼灸・刺絡など徒手的な療法と組み合わせて、東洋医学的視点は外せません。また赤ミミズの健康食品など、従来の漢方の枠を拡大してくれるようなものも増えてきているので、統合医療のもとで、漢方は更なる発展を遂げるのではないかと考えています。
診療内容:ファッシア(含鍼灸・刺絡)
鍼灸は当然、その理論的な基盤を「経絡」の概念においているので、異論はあると思いますが、筋膜リリース、トリガーポイント、アナトミートレインやMテストなどさまざまな取り組みの成果を評価すると、その本質は「ファッシア」ととらえて問題ないように思います。これは当院のメインの診療技法である「刺絡」を10年以上続けてきた実感でもありますし、現在取り入れつつある「ハイドロリリース」においてはなおのことです。
全身をくまなく網羅するファッシアは、まさに痛みを感知する場そのものだろうし、そこでの発痛物質が全身の整体的なバランスや自律神経・免疫系を介して内臓諸器官に影響を及ぼすことも間違いないことだろうと思います。これは日本独自の診療技法といえる腹診・按腹が、全身状態を反映して診察法となり、かつ按腹として治療法でもあるということからも肯定できるのではないでしょうか。
当院では、従来通りの「鍼灸」と「刺絡」に加え、按腹を基本に据えた「打診術」やファッシアそのものをターゲットにするエコー下での「ハイドロリリース」により、ファッシアを統合医療の重要なキーワードとして捉えた診療を行っていく予定です。この概念は、これまでも行っていた「SPAT」など整体的な方法の統一的な解釈にも応用できるので、これからもこのブログ内で、いろいろとご紹介していくだろうと思います。
ちなみに、刺絡とハイドロリリースとの関連は、診療においても極めて好対照で、ファッシアにおける発痛物質を想定した場合、陰圧によりその物質の除去を行う「刺絡」に対して、陽圧をかけて組織内に液体を注入し物質の希釈により疼痛除去をはかる「ハイドロリリース」という関係になります。実際の臨床における感覚も、この仮説に矛盾しないように感じています。こうしたことから発痛部位などと併せて、その適応を分類して実際の診療を行っております
診療内容:栄養(含分子矯正医学)
まずは「栄養」です。一般的なカロリーに基づく栄養指導というよりは、オーソモレキュラー(分子矯正)医学的な視点から、米国での流れなども鑑みて、「症状改善」をめざす栄養指導を行います。具体的には、血液検査から現在の栄養状態を評価し、不足した栄養素を徹底的に補充します。このさい、メガビタミン的な処方も併せて行います。これと現状の食事改善が合わさって、症状の改善が行われると考えています。また血液検査の詳細な説明により、これまでの栄養状態を客観的に評価し、これからの指針を考えることが出来ます。
この栄養の観点は極めて重要で、当院の診療の基盤となるものといえます。つまり手技的な方法を行うにしても、それらだけで直そうということではなく、あくまでも栄養素の補充を中心にしていくということをご理解いただきたいと考えています。
具体的には、各種ビタミンC大量やナイアシン大量に加え、不足しがちなヘム鉄、亜鉛、ビタミンDなどをマルチビタミンをベースに取り入れます。また各種プロバイオティクスやバイオジェニックスなどにより腸内環境を整えつつ、漢方などと併せて深部カンジダ対策なども行っています。
2019年版 プロフィール
プロフィール(2019年版)
小池弘人(Hiroto Koike M.D. Ph.D. LFHom.)
1995年 群馬大学医学部医学科卒業。
2001年 群馬大学大学院医学研究科内科学系卒業。博士(医学)。群馬大学医学部文部科学教官助手、同医学部内講師(生体画像解析学)。
2004年 アリゾナ大学統合医療プログラム(PIM)修了
2005年 東京女子医科大学附属青山女性・自然医療研究所クリニック助手、同附属青山病院内科学助手。
2006年 群馬大学医学部非常勤講師(統合保健医療論担当)(〜現在)
2007年 小池統合医療クリニック開院
2016年 日本大学大学院社会情報研究科(哲学)卒業。修士(人間科学)。
2018年 日本統合医療センター(JIMC)開設
2019年 身心工房リボン開設
(学位)
医学博士
人間科学修士(哲学)
(役職等)
日本統合医療学会理事
統合医療カンファレンス協会代表理事
群馬大学医学部講師(非常勤)
(認定医等)
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本臨床検査医学会臨床検査専門医
日本統合医療学会認定医
日本ホメオパシー医学会専門医
リーキーガット症候群
腸内環境改善に関しては、当院でもプロバイオティクスを4種類程度分けて用いていますが、加えてバイオジェニックという枠で「アルベックス」などの積極的な環境整備的なサプリメントも活用しています。分かり易くい言うと善玉菌に有効な環境を整備する、といったところでしょうか。そのほか食物繊維の摂取も重要で、当院ではグアガムを扱っています。これらに加えて、リーキーガット症候群においては「カンジダ」の関与が注目されています。脳腸相関からも統合失調症患者にカンジダの増殖が見らえるという報告などもこれを示唆するものといえるでしょう。
膣カンジダや爪白癬、さらには自己免疫疾患や慢性的な皮膚疾患を有する方の一部に、カンジダの腸での異常増殖があり、これがリーキーガット症候群を発症させているわけです。そうした視点から腸管に深く入り込んだカンジダを除去する目的のサプリメントも米国では開発されており、当院でも米国の医師専用のものを輸入して処方しております。そしてこれらはあらゆるサプリメント(もしくは漢方も!)の吸収にも大きく関連するので、統合医療全般を見渡した時にもとても重要なこととなるのです。
今回はカンジダとリーキーガット症候群について考えてみました。
認知症の関連サプリ・漢方
通常の医療では、どうしても限界が来てしまう分野には、当然のようにこうした統合医療的な取り組みが現れるように思います。
比較的知られているものとしては、フェルガードや抑肝散でしょうか。前者は特に、認知症に加えて嚥下障害(飲み込みにくさや誤嚥)などに特に効果的であると感じます。味も飲みやすく、あまりトラブルなく使用できるサプリだと思います。抑肝散は、認知症特有の怒り易さに効果的です。これは高齢の方に関わらず、いらいらして仕方ない、切れそう、といった状況において頓服でもとても効果があります。
これらに加えて、脳血流の改善効果としては、微小循環での血流不全があった場合、ルンンブルクスルべルスという酵素を含んだ赤ミミズ由来のサプリも注目されています。これは軽いASOなどの間欠性跛行などを示す症状にも効果的で、痺れなどにもよかった経験があります。このサプリを推奨している栗本慎一郎先生から伺った話では、視野が広がるという経験談が多いそうです。運転中など、側方で以前気づかなかったもの(自転車や障害物)を察知する能力があがったというものです。
漢方薬にも組み合わせによってさらに効果的なものも多いのですが、あまり話題に上がらないものとしてはホメオパシーも忘れてはなりません。ドクニンジン由来の Conium maculatum はその代表でしょう。加齢による認知症だけでなく、各種悪性腫瘍(とりわけ泌尿器系)に効果的とされています。老齢による抑うつ的な症状にも良いでしょう。
そして以外に忘れられがちなのは、やはり栄養です。肉をガシガシ食べるご老人に認知症が少ないように感じるでしょう。糖質過多から認知症が進展する危険性も指摘されて久しいです。それ以外にも、ビタミンB群をはじめとして各種ビタミン・ミネラルの不足も大きく影響します。マルチビタミンをベースにして不足分を補うとともに分子栄養学的視点からも積極的に補充していくことが大切です。
ここに挙げた例は、当院ですべて扱っておりますが、やはり各人によって大きく異なるのが実際です。認知症の統合医療的なアプローチに詳しい医師のアドバイスや指導に従うのがもっとも安全で効果的だと思います。いろいろな脳トレがありますが、訓練だけでなく、材料補充も時に見直してみてはいかがでしょうか。
当院のサプリ紹介(脳機能関連)
認知症関連のサプリが最近はどんどんと充実しています。最初に意識したのは、フェルラ酸(フェルガード)を知った時からなのですが、これも現在ではずいぶんとメジャーになってきました。
使い始めた当初は、かなり著明に効果が出た患者がいてびっくりしたのを覚えています。胃ろうの検討をされていた患者さんが、口から再び摂食可能になった例までありました。現在でも、多くの方にフェルラ酸を引き続きだしております。
それと匹敵するくらいの人気サプリがルンブルクスルべルス等の赤ミミズ由来酵素のサプリです。軽い瘀血症状から、血栓形成のような症状まで、漢方との併用で多くの効果をあげてきました。休み休み歩かざるを得なった間欠性跛行の方が、これにより普通に歩くようになったのは驚きでした。
その他でも、最近は睡眠に関してのメラトニンの効果も注目しています。様々な精神状態と睡眠との関連は思った以上に大きいようです。記憶に関するサプリ(コリン関連)と併せて、神経・精神系のサプリの発展に注目したいと思います。
そんなことを考えながら過去記事を見ていたら、4年も前から、同じような情報を発信しておりました(笑)。以下、栗本慎一郎先生との対談前に書いた四年半前の記事です。再掲しますのでご覧ください。
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来週は栗本慎一郎先生との対談が予定されています。栗本先生のルンブロキナーゼは当院でも取り扱っていますので、脳梗塞と線溶系についての内容になると思います。
栗本先生自身が脳梗塞になったのを機に、このミミズの酵素の研究にはいったというわけですが、これに限らず昨今は、いわゆるサプリでも効果のはっきりとした物が増えてきたように思います。
脳関係でいえば、やはりフェルラ酸がその代表格でしょう。医薬品でないから効かない、というような いまだに杓子定規な考えの医療者も少なくありませんが、これからは少しずつそうした認識も変わっていくのではないでしょうか。年配の先生方の変化というより、若い先生方が偏見をもたなくなって少しずつ変わる・・・というような変化の仕方をしていくことでしょう。
医療もだんだんと、自然に統合医療化していくのだと感じています。そのうち、ジェームズが「プラグマティズム」の中で述べているように、「そんなの当り前だ」という日が遠からず来るのでしょうね。
日本統合医療センターのご紹介
統合医療についてはいろいろな考え方が並列しており、細かな議論をしていくときりがないので(笑)、当院での考えを述べますと、それは現代医療やその周辺のさまざまなセラピーなどとの連携により、患者さんないしはクライアントさんが「治っていくシステム」と考えます。
つまり、どのような治療法が良いのかわからない、もしくは、そもそも自分にとって治療が必要なのか、といった根本的な質問から、どのような治療法(セラピー)が自分に合うのかなど、抱く疑問は人それぞれ。これに対して、当院では信頼できるセラピストさんたちと連携して「身心工房リボン」を立ち上げました。
当然、医療的な問題をかかえる方は当院(小池統合医療クリニック)で、また、リラックスや日々の身体の調整やら、よろず相談の方は連携するリボンへご紹介、といった形式が主になります。
リボンの現在の布陣を少しご紹介しましょう。
受診に関する疑問や不安などについてお話しを聞く「コンシェルジュ」のような役割と、アトピーカウンセリングやヨガを担当している、川浪さくらさん。私の秘書として当院のFBも担当して頂いております。ぜひFBの「秘書だより」もご覧ください。
身体調整やスポーツ整体など、鍼灸や整体の視点から身体調整を行う阿部英雄さん。驚きの動画数を投稿するカリスマユーチューバ―でもあり、全国から阿部ファンがいらっしゃいます。
足のリフレにより、全身の不調へとアプローチする「アシガル屋」を率いる佐藤公典さん。私と「ふくらはぎ」の共著者でもある大谷由紀子先生も認める高い技術とラジオのDJも務める人気者です。
タイ古式マッサージを担当する、二児の母でもあるテノヒラ主宰、三村博子さん。他にも植物療法にも造詣が深く、最近はご自身の出産経験から骨盤底筋レッスンに力をそそいでおられます。
ブレインシンメトリーを用いてトラウマ解消を目指す、渡辺光理さん。NLPにも精通し日本脳機能トレーニングセンターを主宰されながら、システム技術者としても活躍される多才なセラピストさんです。
そのほかにもジャングルカンファレンスに参加するたくさんのセラピストさんとの連携を取りながら、当院は診療を行っております。代替医療についてのこうした相談も受け付けておりますので、是非お気軽にご相談ください。
診療内容の紹介(診療内容が多彩なワケ)
答えは、どなたでも、どのような症状でも、です。現代医療は細かく細分化されていますので、こうした答えですとかえって不安になる方も少なくないかと思いますが、通常の保険医療ですと、時間の関係からなかなかゆっくりとした時間をとることは難しいと思います。
これに対して、まずは治療すべきなのか、そもそも何科に行けばいいのか、いく必要はないのか、セルフケアで出来ることはないのか、というようなことを「一緒に」話し合いながらご提案していく、というのが当院の初診から2回目くらいまでの診療の流れです。
この形態は、前任であった東京女子医大自然医療クリニック(今は残念なことに閉鎖されてしまいましたが)での診察を展開させたものです。女子医大では当時としては珍しく(現在でも稀ですが)代替医療を含めて統合医療的な医療相談を行っておりました。とりわけ、私は診療科の枠は関係なく、雑多な医療相談を多く受け持っておりましたので、現在このような形態になったわけです。
当時の自然医療クリニックは所長の川嶋先生(現有明医療大学鍼灸科教授)が温めの指導を中心に漢方やホメオパシーを扱っており、テレビ出演も頻繁であったため芸能人を含め有名人が多数来院されておりました。また、講師の班目先生(現青山まだらめクリニック院長)は、当時、がんの自然療法で話題の「安保・福田理論」をベースとした自律神経免疫療法(刺絡療法)を行う(おそらく唯一の)大学病院であったことから、川嶋先生同様、診療予約困難な状態でした。そこに赴任した私は、この両先生のご指名でない方すべての担当となったので、今日のような雑多な(よく言えば幅広い)診療範囲となったわけです。つまり漢方・サプリメントや栄養の相談を中心に、求められればホメオパシーやバッチフラワー、刺絡療法などを行っておりました。これが今日の当院の診療のベースになっているのです。
それゆえに、特定の療法が看板に挙げられていないので、ある意味分かりにくいといわれるのかもしれません。
現在は、まずはどうしたらいいのかという相談から。治療やケアのだいたいの方針がきまれば、そこから初めて診察にはいります。それ以降は、メインの診療は刺絡療法を中心に、身体の縮退現象(瘀血やファッシアの癒着)を治療していくことが多くなります。
さらに身体の癒着などの縮退病変を取り除いても、栄養が不足していれば、適切な修復が起こりにくいですから国内外の良質なサプリメントを取り寄せ、自発的治癒力を賦活します。具体的には、副腎疲労(アドレナルファティーグ)や抑うつ、慢性疲労といった不定愁訴を治療しております。また頭頸部の不調を示す方が多くいらっしゃるので、刺絡療法に加え、前面からの刺絡としての「EAT(Bスポット療法)」も必要に応じて施行しております。
ファッシアの縮退など、身体の縮退現象に対応するという考え方は、分かりにくい面もありますのでおいおいここで説明していきたいと思います(それほど難解ではないのですが)。今回はなぜ、診療のオプションが多彩になってしまったか、その経緯をご説明しました。
クリニック商品のご紹介(IMC美容水)
この美容水は、当院の開院直後頃から取り扱ってきたのですが、商品の評判が良かったにもかかわらず製造業者のさまざまな事情から、いくつかの業者を転々とせざるを得ず、しばらくは製品自体が消滅いた経緯がありました。しかし、当院の患者さんをはじめ、ヘビーユーザーの方々の復活を求める熱烈な応援があり、若干の改良を加えて装いも新たに「IMC美容水」として生まれ変わりました。
この美容水の強みは、AIPCコポリマーによる圧倒的な保水力です。いわば人工の細胞膜ともいえるもので、ワセリンなどのような油性(疎水性)のべたつきがなく、むしろ親水性として性質が強いので、手洗いに対して水分を取り込みさらにしっとりとした感じになるのが最大の特徴です。それゆえに人工血管など医療用として用いられてもいます。
看護師さんをはじめとした医療従事者の複数回の手洗いに対しても効果が低減しないことから手荒れ防止効果ありとして、大学医学部の材料部からの発表もあるものです。
一般の方には、現在はアマゾンのサイトから定価での販売のみとなっておりますが、当院に受診されている方には、特別価格にて販売しております(一部診療所や提携セラピールームにおいては販売しております)。なおクリニックにおいては商品購入のみでは対応しておりませんのでご了承ください。
このほかにも、医師専用の米国製サプリ等も多く扱っておりますので、あらためてご紹介していこうと思います。