小池統合医療クリニック診療内容
臨床現場の統合医療(2) 考える身体、変わりうる身体
60代女性、乳がんの術後で化学療法中のAさんです。発症前からあまり「肉類」は食べなかったとのことで、ごはん・野菜を中心とした食事だったようです。術後も、肉は体に悪いのではないかと思い、避けていたということでした。腸内環境を考える中で、過度にタンパク質とりわけ動物性たんぱくを制限する方は少なくないように思います。自然医療的な視点では、多くの場合、そうした指導がされることも多く、治療全体のバランスを考えたとき多くの問題を投げかけています。
Aさんもこうした状況で、化学療法による体調の不良と、現状に対しての不安や医療への不信など、精神的ストレスを強く抱えている状態で受診されました。
それでも一時期は相当のストレスだったようで、心理カウンセリングにてかなり改善の方向には進んでいるようでしたが、とにかく心身ともにエネルギーが不足しているといった印象でした。
こうした方には、まず「食事記録」をとって頂きます。どのようなものを毎日食べているかを、詳細にチェックします。これによりAさんは、肉類をはじめとしたタンパク質の摂取が極めて少ないことが分かりました。であれば、当然、糖質過多もあるわけです。
一般に肉類を以前からあまり食べ慣れていない方にとっては、タンパク質をとれといってもなかなか急には摂取できないのが現状です。また、考え方としても肉類を摂取するということが受け入れられない状態です。確かに身体の酸化を進めてしまうという面はありますが、免疫力の根底を形成するアミノ酸摂取を阻んでしまっては元も子もありません。こうした状態の考え方のバランスは、本当に難しいところです。
しかし、肉類の摂取に抵抗がある方でも、卵や魚などは、比較的摂取しやすいようです。なかでもアミノ酸スコアを考慮すると、卵はかなり有効です。1日に2〜3個いけるとかなり体調改善が実感されてきます。とりわけオムレツなどが食べやすいようです。
それでも実際には、十分なタンパク摂取は難しいという方も少なくありません。こうした場合、液体でのプロテイン摂取をおすすめすることもあります。いわゆる「プロテイン」です。最近は、かなり味のバリエーションも多く、各社特徴が様々あるのですが、基本的には、いくつか試してみて、飲めそうなものを選択してもらうというのが良いようです。当然、普通に食事から摂取するのがいいわけですが、ほぼ食べられない場合は仕方ありません。
無理に食べていたご飯(糖質)の量を少し減らしてでも、タンパク質摂取を心掛けると、体調はめきめき改善することは少なくありません。プロテインで慣れてきたら、卵などの食品でのタンパク摂取にも抵抗がなくなるようです。この辺りは、やはり慣れの要素が強いように感じます。私個人としては、エネルギーバランスの法則と呼んでいるのですが、自分のエネルギーに従って、食物のもつエネルギーを摂取することが出来るようです。当然、野菜よりは動物の方がエネルギーのレベルは高いと思われるので、それを食するだけのパワーがこちらにも必要というコトになります。「特異動的作用」として考えても良いのかもしれません。
また、これと同時に、ビタミン・ミネラルの摂取も必要です。当院では十分なサプリメントの摂取も併せておすすめします。これまでの食事内容から、エネルギー代謝に不可欠なビタミンB群の不足が多く認められ、これが十分でないとせっかく摂取したタンパクも有効利用できないわけです。
こうした栄養の補給で、これまでの化学療法などの治療の続行を躊躇っていた方でも、前向きに治療続行が可能になってきます。A さんも、力がついてきたということで、現代医療との併用に、日々前向きに取り組まれています。確かに食に関しては、好みが大きく作用しますが、一度精神的にも回復すると、こうした食の摂取にも前向きになる方は少なくありません。人は一度変わることで、それまでの思考の主体となった身体もかわり、考え方も変わりうるという例は少なくないように思うのです。
ただし、これだからと言ってタンパク質ばかりという食事が推奨されるというわけではありません。毎日のお通じの状態などを考慮し、腸内環境の調整もまた重要です。腸内環境が免疫状態を左右するのも、また事実。大きな体調不良をかかえたときには、こうしたバランスについて抜本的に考え直す良い機会なのかもしれません。そうした意味では万人向けの理論というのは厳密には存在しえない、というjことでしょうね。
臨床現場の統合医療(1) 所見と検査の応用
当院の受診歴は2年ほどで、大学病院での診療を受けながらの統合医療併用を希望されて来院されました。化学療法と併用する形で、栄養補充のサプリメントと漢方処方に加えて、体調管理を目的とした鍼灸治療を行っていました。当院では、主たる疾患の治療を妨げない形で、各種伝統医療などを取り入れた統合の形式を取り入れています。
化学療法の進展や、健康状態の変化に伴い、これまで様々なアプローチを行ってきましたが、最近は、白血球、血小板の大幅な低下を伴う汎血球減少により、鍼灸などのやや侵襲的な治療が行えずにいました。
ご自分でも何か健康に良いことを、ということで、食べ物などの工夫に加え、腰腹を中心とした身体の温めを丁寧に行っておりました。(こうした腹を中心とした温めだけでなく、プロバイオティクスやプレバイオティクスを用いた腸内環境の立て直しも同時に行うとより効果的でしょう。特に本例では自前の腸内細菌を助けるプレバイオティクスが有効と考えます。温めとの相乗効果で免疫機能の向上が期待できます)
化学療法との併用、並びに原疾患による体調の変動が激しく、お自分で行っているセルフケアの方法に、これで正しいのかというような不安を抱えるようになってきました。当院でも非侵襲的な治療を中心に行っていたので、何か、現状を肯定する方法はないものかと思い、良導絡を用いてみました。これは治療法としても有効ですが、経絡(良導絡)の様子を知るには簡便で、かつ客観性もありとても良い方法です。
ファシアの研究や勉強をするようになって、さらにこの良導絡の意味するところが明確になっていたので、理論的に再評価していたところでした。経絡の計測において、ファシアを想定することで電気的な測定の意義がはっきりしてきました。
実際に計測すると肝経(F2) 胃経(F6)の高値と、腎経の低値ならびに左右の乖離が測定されました。腹診においても胃部と胸脇部が固く触れる所見で、刺さない鍼である打鍼により軟化するものの、良導絡の測定結果を示すものとして捉えるができます。
実際のメカニズムの説明としても、上部消化管の不調が反射弓を介して関連痛ならびに硬結といった形で反映していると考えられるので、打鍼により軽快するシステムも説明できます。また、このメカニズムは当然、このブログで言うところの「ファシア瘀血」も形成してくるので診断的治療も可能になります。現在であれば、観血的な方法をとらずとも、QPAなどの波動的治療(低周波)を併用することも良いように思います。この仕組みからは、振動により瘀血での赤血球連銭形成の解除や、細胞レベルでのドロプレットの解除に伴う代謝や遺伝子発現の変化なども期待できそうです。
本例においては、ご家庭で常に温めているところを中心にお灸などで温め、瘀血が疑われところに軽めのカッピングをかけるなどの非侵襲的なアプローチを行い、施術後に再度、電気的な測定を行いました。
これにより、施術前の値が落ち着きデータの左右差の改善も認められ、セルフケアにおける腎への温めの効果も肯定的にとらえることができ、大変喜んでおられました。全例このようにうまくいくわけではありませんが、うまいタイミングで検査という介入が功を奏することはままあります。
いろいろな検査機器はありますが、こうしたセルフケアをサポートする役割も検査としてはとても大切なものです。大学教官時代は、こうした検査による健康増進機能を「未病臨床検査」として研究していたので、早期発見の意義のみならず、臨床の一技法としても評価しております。
当然こうした電気的な変化は病態把握にとっても重要な情報ですが、日々の治療やセルフケアの再評価としても、見直す良い機会にもなりました。
こうした事例において、逆にめったやたらと検査するマイナス要素も当然考慮されるべきです。波動的な検査は、その出力される情報量も多いので、すべてが合理的に説明されるわけではありません。こうした際には、実際に施行する医療者の説明技量が問われてくるので、ただ行うというわけにはいかないことになります。
統合医療領域において、伝統医療的もしくは代替医療的説明のみならず、現代医療的な説明が求められる一要因でもあるのです。
花粉症にはホメオパシー!に加えてプロバイオも!
ちなみに当院では、引き続きスギ花粉のレメディ処方を行っておりますので、ホメオパシーでの花粉症治療をご希望の方は、クリニックまでご連絡ください。来月下旬くらいからは、ヒノキの花粉症もスタートしそうですので、ヒノキのレメディも準備万端です。
こうしたホメオパシーの花粉症治療に加え、例年は漢方処方も大いに活用していたのですが、今年はそれに加え、シーズン到来前に導入したプロバイオティクスなどマイクロバイオータを意識した治療が奏功しております。
便通の状態を確認しながら、十分な量のプロバイオの服用により、花粉症の不快症状に対してかなりの手ごたえを感じております。
今月からは腸内細菌のゲノムを読み取るショットガン方式のマイクロバイオータ検査を導入していることもあり、プロバイオの効果を改めて再確認しております。
いわゆる「見えない力」を駆使するホメオパシーに加え、体内における「他力」である腸内細菌のパワーにより、新たな花粉症へのアプローチが見えてきたような気がしています。
こうした流れの中ですので、今度のジャングルカフェの課題図書は以下にしたいと思います!かつては大判だったものですが、今では文庫版として出ていますので、これにします。参加希望の方は読んでおいてください!
2022年、皆さまお世話になりました!
移転にあたっては、患者様をはじめ、関係者の方々にはご迷惑をおかけすることも多かったと思います。あらためて、年の瀬ではありますが、深謝致します。
来年2023年は、移転の件も落ち着いたので、新たな診療体制をより整備し、皆様により良い「統合医療」を提供できるクリニックにしていきたいと考えております。具体的なことは、このブログを始め、リニューアルしましたホームページなどをご参照して頂けますと幸いです。
年明け早々には甲野善紀先生にお会いする予定を始め、12日㈭は新年一発目の「ジャングルカンファレンス」も始まり、ホリスティック医学協会の方々の取材も入る予定です。
さらに今年は、読書会としてのジャングルカフェの内容をさらに充実するとともに、JIMC日本統合医療センターとして、メンバーシップ制度を開設していこうと思います。
また、統合医療学会関連としては、従来の統合医療カンファレンスの拡充とともに、基礎医学講座(解剖生理)の拡充、統合医療の実践と理論の総論講義などが予定されています。関心のある方々の参加を心待ちにしております。
その他にもいろいろと企画しておりますので、来年もまた小池統合医療クリニック、日本統合医療センターをよろしくお願い申し上げます。
それでは良いお年を!
ホームページ写真追加しました!
小池統合医療クリニック
ホームページ、リニューアルしました!
まだ改訂作業中なのですが、とりあえずの公開です。作成の方の作業が遅れており、一部診療時間などが間違って記載されておりますことをお詫び申し上げます。診療ご希望の方は、直接、クリニックにお電話でご確認ください。また途中、どこの病院の写真かわからない(笑)病室の写真が挿入されていますが、作成中のダミーなので早急に入れ替えます、申し訳ございません。93室も病室ありません・・・
主な診療時間の訂正は下記のようになります。
誤)診療時間10時〜13時、13時〜18時 → 正)10:30〜18:00
誤)月水は第2第4の診療 → 正)水曜日のみ第2第4の診療
ブログのバナーからも飛べますが、念のため…
小池統合医療クリニック
診療の6本柱(改訂版)
何か特殊な代替医療もしくは、院長(私)の突飛な考えに基づいているのではなく、「統合医療」という本来の概念に基づいての診療スタイルです。つまりガイドライン重視の通常の内科クリニックスタイルでもなく、奇異を衒った特殊療法のみを提供するスタイルでもありません。
では、具体的にはどういう視点を重視して診療しているのか。普段は自分でもなかなか客観視する機会は少ないのですが、ここであらためて見直してみたいと思います。
これまでの15年の診療を振り返ると、大きく分けて6つの視点からの診療と言えるのではないでしょうか。現在、ホームページの大幅改定中ですので、その準備も兼ねて、各々について説明していきましょう。
(1)栄養・サプリメント 〜栄養系〜
糖質制限やたんぱく摂取などの栄養指導。健康増進のためのサプリメントの活用。分子整合医学(オーソモレキュラー医学の応用)による副腎疲労などの不調の解除、など。普段何を食べているか、といった食事記録表を基にして「食」からの健康をアドバイスしていきます。興味のある方に関してはファスティング(断食)もご紹介しております。
自分の健康にとって、何を摂って、何を摂らないかというのは、最も基本的な問題であると考えます。
また、現在の体調、栄養状態を客観的に評価するために各種血液検査も実施しております。大学病院時代の専門が臨床検査医学でしたので、こうした検査データの説明の経験は豊富です。こうしたデータに基づいて栄養指導を行っています。
(2)鍼灸・刺絡・ファッシア 〜身体・ファッシア系〜
通常の鍼灸に加え、体に停滞した瘀血を針とカッピングなどで取り除く刺絡療法。さらには頑固な深い痛みに対して超音波(エコー)により確認しながらファッシア(筋膜)のリリース、灸頭鍼や電子焼鍼など、様々な方法で痛みを取り除きます。最近はアースを用いて電位をゼロ化するアース鍼にも取り組んでいます。
この他にも、やや古めかしいですが良導絡による測定や、それを用いた微細な刺激(ハペパッチ等)による疼痛軽減法、パルス波や直流電流による経穴刺激なども併用しています。
各人にとってどのような刺激が効果的か、方法論の選択も「鍼灸」における重要な要素であると考えます。
独自のファッシア、生体マトリックス理論により、整形外科的な疾患のみならず、内臓疾患への重要なアプローチとして位置づけています。
(3)漢方・養生法 〜東洋医学系〜
エキス剤や煎じ薬や、中医薬なども用いながら、主にがん(各種悪性腫瘍)の再発防止や、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、更年期障害などに対応しています。また東洋医学的な視点をいかした養生指導(温めや食事指導など)も行っています。
特に漢方薬に関してはエキス剤でも、単味のエキスを併用することで、煎じのような個別対応を心掛けています。
漢方は近年、ガイドライン的な一律の方向性を有するようになっていますが、どのように個人の身体を解釈するかにより、本来は大きくその処方は変わります。ファッシアなど近縁の理論や、古典的な視点、統合医療的解釈などを用いた柔軟な処方姿勢が重要であると考えます。
和漢・中医学を適宜使い分け、具体的には小川瘀血理論、江部経方理論を組み合わせながら東洋医学的に「身体」を解釈しております。
(4)ホメオパシー・エネルギー療法 〜エネルギー系〜
統合医療的なホメオパシーの処方に加え、アイソパシーによる体質改善(花粉症対策など)やその他エネルギー医学的な相談も行っています。ホメオパシーは専門医の資格を活かして、英国直輸入の医師専用レメディを処方しております。
またホメオパシーをメインの治療としてではなく、統合医療における自発的治癒力発動の1アイテムとして位置づけ、積極的な併用療法も行っています。(そうした意味ではプラクティカルといっても良いのかもしれません)
ホメオパシーの持つ異端的な要素を強調するのではなく、微量な要素による「生体の反応」の発露に注目して、レメディの統合医療における新たな役割を模索しております。
また各臓器・組織での水分子の共鳴現象であると解釈して、量子医学的な機序を想定して量子医学的器機として注目されるQPA(かつてAWGと称されていた器機)も、ご希望により治療にとりれることが出来ます。(器機を用いたホメオパシー的な使用法と考えています)
(5)心理・スピリチュアル 〜心理系〜
各種、心理療法との連携を通じて、メンタル・スピリチュアルの影響を考慮した統合医療を展開しております。インテグラルな視点から幅広く、心理学・哲学・霊学の視点を考慮していきたいと考えています。
当院の統合医療指導の基本としても、行動療法や現代催眠(エリクソン的方法論)などの考えを導入して実践しております。
心理的なアプローチとしては、連携する統合医療施設である「リボン」において、通常の心理カウンセリングに加え、行動分析的アプローチやスピリチュアル的な方法論も幅広く採用しております。ご興味ある方は一度ご相談ください。
(6)内科学・現代医療・臨床検査医学 〜現代医療系〜
総合内科専門医の資格を活かして、現代医療との境界領域のご相談にも幅広く対応しております。
また持参された人間ドックなどのデータ説明や、気になる検査項目、現在の栄養状態や健康状態を採血検査(当院で採血できます)により詳細に説明いたします。
このほかにも統合医療において、現代医療・通常医療とのバランスは不可欠なものです。現役の内科専門医として、こうした境界領域におけるご相談にも応じております。
統合医療は「代替医療の言い換え」ではありません。通常医療と代替医療の境界に立ち、そのバランスを考慮しながら、新たな方針を模索していく医療なのです。そのためにも現代医療的な視点は重要、不可欠なものと考えます。
いわば陰と陽のバランスの取れた医療こそが「統合医療」です。そのためにも幅広い可能性を活かし、皆様と共に創り上げる医療を展開していきたいと思います。そのための6つの方法論が、以上の6つということになるのです。
可能性志向の医療(POM)
そこで、思いついたのが「可能性志向の医療」です。そもそもクリニックの標語として「可能性と共創」を掲げていたのですが、それをさらに分かり易くしたような形です。エリクソン催眠のオハンロンの提唱する「可能性療法」へのリスペクトも込めてあります。
EBMでのエビデンスベースという言い回しは、いわばエビデンス至上主義的に捉えられることも多く、どこか「外部」からの制約を強く受けるような印象を持ってしまいます。それに比べて、可能性を前面に出した場合、当事者本人の可能性ですから、いわば「内部」もしくは「内面」からの要請のような形になるわけです。
外部からの制約ではなく、内側からの迸り、とでもいえるような意味が込められるように思います。EBM的に英語表現するなら「Possibility-Oriented Medicine」といったところでしょうか。
この「可能性」を医療の目的にすえることで、雑多な療法の統合というようなニュアンスから、理想的ゴールへの可能性を模索するための、複数の方法論の統合、という意味につなげることが出来そうです。
すると、この統合は自然と「多元的」な意味合いを持つようになり(可能性に向けて吟味しているので)、悪しき「折衷」を避けることが出来ます。まあ、こんなことを考えながら、可能性志向の医療としてみました。
最近、実際の臨床における方法論が、アースを用いた電気的瀉法をはじめ、その数を増しつつあるので、そうした状況を自分として納得できるためにも、新語創出の必要がありました。
久々に松本城をみて、その帰りの「あずさ」車中で思いついたのでメモしました。松本の往復はいつも新鮮な思い付きが多く、大切な時間です(^^)/
解剖生理的 身体への「気づき」
そこには内臓を明瞭にイメージする力が求められますが、これこそがまさに解剖生理の知識の活用、というわけです。
まずは、吸収系における消化器系です。内胚葉から発達してくるまさに吸収の代表格です。以下のようなワークで消化管全体を具体的に意識します。
1)水を飲む:飲水するにより、嚥下から消化管への流れ込みを感じる。
2)舌を動かす:口を閉じて、舌を口唇と歯茎の間を右回り、左回りに回転させ、唾液が出るのを感じ、嚥下する。
3)かいうべ(あいうべ)体操:舌および関連する筋肉の運動。舌骨への意識。
4)按腹:臍周辺を圧迫し、その後、腹部全体を按ずる。
5)肛門括約筋を意識
吸収系の呼吸系です。後腸を中心とした消化管に対して前腸が中心である呼吸器です。発生的には消化管から突出する形で形成されます。気体である酸素の取入れを意識してみましょう。
1)副鼻腔・気管の意識
2)耳引っ張り:蝶形骨と横隔膜の連動を意識した呼吸
3)呼気を長く:ガス漏れ音のような呼気により腹圧をあげる
4)肋骨を意識:上部及び下部肋骨を意識した呼吸
5)腕を使った深呼吸・自律訓練(呼吸調整)
循環系はポンプと管である脈管系とその中身である血液からなります。全身くまなく流れる血液とそれを送り出す心臓のイメージが重要です。
1)大循環(左心系)の意識:後面にまわり、全身へ血液を供給する大循環をイメージする。
2)門脈・肺循環(右心系)の意識
3)井穴刺激(手足)
4)自律訓練(第1-2公式・重温感)
5)自律訓練(心臓調整)
血液に関しては、鉄欠乏対策とサラサラ対策が重要。
1)十分な水分、タンパク、ヘム鉄、ω3
2)井穴による交感神経の緊張緩和(H6F4)
排出系は泌尿・生殖器を中心として骨盤内へのアプローチでもあります。
1)下腹の按腹(瘀血の蝕知)
2)腎への手当て
3)骨盤のワーク
受容系、いわゆる目、鼻、耳などの感覚器系です。中枢神経からの出先機関であるこれらとの、脳とのつながりが重要になります。
1)鼻根・篩骨をゆるめる
2)片目交互・遠近交互・閉眼の意識
3)耳引っ張りによる内耳の刺激
4)遠聞:遠くの音を聞き、遠くの香りを嗅ぐ
5)軟蘇の法
伝達系として、中枢神経、末梢神経、自律神経を扱います。
1)脳と脊髄の位置関係の意識
2)C1横突起の意識
3)頭蓋骨をゆるめる
4)マリオネットとしっぽのイメージ
5)自律訓練(前額部調整):額が涼しい
6)首まわし、脊椎の前後・左右・捻じり、足首まわし
実施系は四肢の筋骨格系が中心になるので幅広い運動が挙げられますが、全身への代表的なものをメモします。
1)筋弛緩法(腕・顔・首・肩・脚・全身)
2)両手足合掌
3)両手足把握歩行
4)歩行マインドフルネス(筋肉構造の復習)
かつて解剖生理学の勉強の時に、話した内容のメモですが、何かの参考に、ビビッとくる方もいらっしゃるかと思い再録しました。日々の健康探究にお役に立てれば幸いです。
何言っているのかわからん、という方は直接、お尋ね下さい、説明します(笑)
未病・先制医療外来のススメ
何らかの不調があったことで、体全体が結果として快調になったということでした。本当なら不調になる前に来たかったんですけどね、という内容でした。
たしかに、こうしたうれしいご意見を伺うことがあるのですが、やはり不調になっていない人に、こうしたメッセージは届きにくいもの。
なんとなく不調というような人は多いにもかかわらず、具体的な方策も一般にはそれほど多くないので難しいところです。
こうした方々に訴求する用語としては「未病」がもっとも知られているものでしょうか。しかし、これでも、自分は病気ではないからなぁという方も多いかと。
とくに責任あるお仕事の方には、なかなか未病という用語も刺さらない中、最近では新たなパワーワード「先制医療」が注目されています。現状の意味合いとしては、遺伝子情報や、がん体質の診断などに特化している印象がありますが、未病も含めた病的状態を先んじて制圧する、という意味合いでは戦う企業人や経営者へのインパクトは一段上のような気がします。
統合医療という時、用いる側の手段をテーマにしたネーミングであるのですが、利用者側、特に健康という自らの財産を保守するという視点では「先制」はなかなかその本質をついているように思います。
医療はこれからますます多様性が増してくることでしょう。AIの進展に伴い、診療の状況も一変してしまいそうです。そうした中で先制医療という視点は、積極的な予防を意味するパワーワードになりそうです。
当院では、こうした内容の外来については、まず第一に血液検査等を用いて栄養状態を評価し、必要な栄養指導ならびにサプリメントを推奨してきました。ついで第二に、身体局所の瘀血の除去、具体的には首・肩・背中・腰等々の凝りや痛みに対して、刺絡治療を施す、という方針です。
この2つの方法論でかなりの方の「身体」への感じ方は変わると実感しています。その他、精神的要因にはホメオパシーの併用や、病巣感染の関与が疑われる病態には上咽頭擦過療法など、多くのバリエーションによって実際には対応しています。
まだまだ暑い日が続き、コロナ関連の不調もいろいろと出現しています。このようなな不調に対して「先制」することで積極的な健康を勝ち取る、という姿勢はますます重要性を増しているのかもしれませんね。
症例を通して「統合医療とは何か」をあらためて考える
50代女性Dさん、冷えのぼせ、動悸、不眠、イライラ感、などの更年期障害を主訴に来院されました。
当院受診前も、同症状にて漢方専門クリニックにて漢方処方(加味逍遙散・当帰芍薬散・抑肝散・酸棗仁湯等)、ならびに鍼灸院にて鍼灸治療を継続していたが、症状の改善が認められないため、当院を来院されました。
(いわゆる代替医療・伝統医療専門の医療機関は単体の方法論へのこだわりも強く、自らの方法論に良くも悪くもこだわる傾向が強いように感じます。ある種の症状には漢方が良くても、ある種の症状には分子栄養的アプローチが有効であることは珍しくありません。補完関係は現代医療との関係のみならず、代替医療・伝統医療の間にも存在することを強く実感しております)
まずは栄養状態のチェック希望でしたので、食事内容の記録表に加え、採血検査にてビタミン・ミネラルの栄養チェックを行いました。
(当院では普段の食事内容を記録して頂くことを基本にしています。メモ程度であってもおおよその傾向は理解できるものです)
結果から、鉄・亜鉛・ビタミンD等の栄養素が少なく、主訴との関連も強く示唆されたため、サプリメントにて補充をおすすめしました。(私自身も東洋医学出身なので気持ちはわかるのですが、やはり現代の多様な症状に的確に対応するには漢方処方だけでは不足であると感じています。こう書くと漢方の勉強が足らないからだとお叱り受けますが<既にこれまでも師匠からたくさん受けておりましたが…>20年近くこの形態の診療を継続して、間違いなく断言できます)
時に困っていた動悸に関しては、循環器専門の他院にて既に精査されていましたが、特に問題なしとのことでしたので、コエンザイムQ10(還元型)を通常量より増量して処方しました。(こうした増量分もかなり経験によって決定しています。一律に決まらないことを攻撃する向きもありますが、やはり現実的には一例一例異なる、としか言いようがないですね…またコエンザイムQ10を減少させる薬剤との併用には大いに注意したいところです)
さらに食事内容でも、タンパク質の摂取が少なかったので、改善するよう指導しましたが、なかなか増量できないということでしたので、プロテインでの摂取をおすすめしました。なお液体タンパクの摂取に伴い、カルシウムの補充は非常に重要です。(ここもご批判の多いところですが、普通に食べれるようなら卵・肉・魚としてのタンパク摂取が優先されるのはいうまでもありません。どうしても食べられないという方向けのプロテインということです)
これらの栄養補充、さらには食事内容の改善に積極的に取り組まれたことにより、冷えのぼせ、動悸、イライラ感が改善され、自覚的にかなり元気も出てきたようでした。とくに動悸に関しては、心臓の病気ではないかと精査してからも心配が続いていたことから、コエンザイムをはじめとした栄養が原因だったこともわかり、たいへん喜ばれていました。
(気血の流れの調整という視点がやはり漢方の中心といえます。これに対してサプリメントは文字通り「補充」。不足量が圧倒的な場合、やはり直接補充が効果的であるのはいうまでもありません。確かに「補気」「補血」の概念はありますが、とりわけ物質としての「血」が不足している場合、当帰芍薬散や四物湯のような補血剤においてもある程度の改善が認められるのは事実ですが、鉄補給がよりスムースに症状改善に導くことは言うまでもないでしょう)
しかし、数回の診療のなかで問診を進めていくと、家庭内、とくに夫への不満が強くあるようで、それによる機嫌の悪さから、症状の悪化が始まったようでした。従来、エアロビなど体を激しく動かす運動が好きで、これによりストレスの発散を行っていましたが、コロナ禍において、発散も十分にできなかったことが今回の症状悪化の主な原因と推測されました。
(やはり症状の基底には精神的な問題が存在することは少なくありません。というよりない方が珍しいでしょう。この辺りはオルゴンエネルギーを仮定したライヒの性格類型や、ユングの2態度と4機能で分けたタイプ論など、リビドーの放散方向なども考慮していくとより深く考察されてくるのかもしれません。こうしたエネルギー的な対応策としてはやはりホメオパシーの有効性を強く感じます)
こうしたベースがあることから、再度、増悪してしまうことも考えられ、加えて、睡眠状態の改善は今一つだったこともあり、ホメオパシーをおすすめしたところ、大変興味あるということだったので、レメディを試してみることになりました。
問診内容と症状の経過などから、レパートリゼーション(レメディ選択)を施行し、ヨーロッパコウイカ由来のSepia30Cを選択し、1日1粒3日間、連続投与しました。
(最近は、他の代替医療との組み合わせでレメディを用いることが少なくないので、ポリクレストの大まかな選択のみで十分な効果を実感しています)
これにより、毎日の気持ちがとても楽になり、家族への対応もイライラせずにできるようになり、体調全部が良くなったような感じと表現されていました。また睡眠状態も著明に改善し、中途覚醒、早朝覚醒がなくなり、熟眠感を得られるようになったとのことでした。(睡眠の評価は極めて重要です。あらゆる効果測定が良くても睡眠における改善がなければ
その根底は未だ未解決ともいえると考えています。それゆえに睡眠状態の問診は詳細に行っております)
更年期女性の諸症状に対しては、漢方や鍼灸といった東洋医学的な方法論が一般的ですが、この例にもあるように栄養(とくに蛋白やミネラル)の不足が、実は大きな原因となっていることも少なくありません。
また、治療者側の東洋医学への愛着が、かえってサプリメントなどの栄養補充アプローチへのアクセスに待ったをかけてしまっているケースも、現代の日本では少なくないように感じます。
(実は統合医療における現状の大きな問題の一つと考えています。一つの療法にほれ込んで「統合医療」に入る方も少なくないので、それが悪いということはないのですが、やはりその他のものを正しく評価し受け入れるという姿勢が、統合医療には求められているように思います)
漢方に関しては20年ほど前に、私が漢方外来を開始した時に感じたような、医師による漢方や東洋医学への偏見などはほぼ消失しているように思いますが、その他の代替医療(例えばホメオパシーなど)に対してはまだまだの状況です。(昔話になりますが、漢方を処方しているというだけで某医局では相当に虐げられたものです…)
とりわけ欧米諸国でのホメオパシーの復権にもかかわらず、わが国では医師の偏見と無理解はまだまだ強いと言わざるを得ません。(私の知る範囲でも、漢方と鍼灸への無理解を嘆きながらもホメオパシーはただのプラセボと断じている方もいるくらいですので…。人というのは手前勝手なものです)
どういう治療法を好むか、各人による考えは様々です。いいものはなんでも使うという発言もあり、まさにその通りなのですが、その治療法を本当に理解しているか、その理解度もまた大きく影響するわけです。
(この辺りはその違いを説明するのが本当に難しく、いわゆる「折衷」と「多元」の根本的な相違点ということになります。いい加減に「何でもいいよ!」ではありません、「吟味して選択する」という責任ある姿勢が大切なのです。こうした姿勢が貫けないとインチキやカルトの罠にはまってしまうのかもしれません。何にもまして統合医療にはバランス感覚が重要であると思っています)
小池統合医療クリニックは四谷三丁目に移転しました!
四谷三丁目駅から徒歩三分、ペルシャ絨毯のお店の入ったビルの2階になります。(ペルシャ絨毯のお店の横の自動ドアを入り奥のエレベータにてお上がり下さい)
お問い合わせ(ご予約等)の電話番号は、これまでのものと同様(03−3357-0105)ですのでお気軽にどうぞ。
身心工房リボンは、同ビルの三階A号室です。こちらもお問い合わせは同じ電話番号ですのでお気軽にどうぞ!(リフレクソロジー・タイ式マッサージ・骨盤底トレーニング・アトピーカウンセリング・脳波バイオフィードバック・靴調整・靴制作、等々のセラピストに加え新たなセラピストも加入予定です)
統合医療的「診断機器」と「治療機器」 クリニックの設備紹介
レントゲン、心電図などはないのですが、エコー下ハイドロリリースやPOCUSとしての利用を目的に超音波(エコー)があります。これは西洋医学的診断のみならず、東洋医学的な腹診などの補助手段としても有益で、リアルタイムに身体内部の情報がえられます。腰や肩などのファシアの痛みなども映すことが可能です。
加えて、当然ですが「血液検査」。検査測定は外注しておりますが、保険適応などの「しばり」がないので幅広く検査項目を選択することができます。気になる項目や、あまり注目されない栄養の不足など、やはり「数字」で表されることの意味は大きく、セルフケアの大きな目標として利用されています。特に主訴など困ったことがない方でも、自分の健康状態を知り、これからのセルフケアに役立てるために、血液検査を有効利用されることをお勧めしています。当院では血液検査とその説明という目的のみでの受診も可能です。お気軽にお電話にてご相談ください。
鍼灸関連では、脈診などがメインになりますが、電気を使った診断および治療機器として「良導絡」も導入しております。いわゆる経絡の陰陽バランスに加え、反応良導点など、この器機独自の視点でのアプローチも可能で、経絡現象を電気的な事象によってより具体的に把握することができます。治療機器としても優れものです。
鍼灸などのアプローチとの関連で言うと、自律神経による判定も欠かすことが出来ません。脈拍・血圧、顆粒球・リンパ球比などに加えて心拍変動解析による自律神経解析も欠かすことができません。
そもそも群馬大学教官時代は、この技法を用いて動物介在療法(アニマルセラピー)などの効果測定をしていたこともあり、個人的にも非常になじみ深い方法です。(ポリヴェーガル理論もこの心拍変動が基本的な方法論であるため理解の助けとなっております)。さらに現在は、当時の器機とことなり、加速度脈波(脈波の二回微分)も併せて計測できるので、末梢循環の機能を評価することも可能です。
末梢循環状態の把握といえば、加速度脈波計測に加えて実際の循環状態を、直接的に観察する指の毛細血管像観察器機「血管美人」も導入しております。毛細血管の流れや、捻じれ、消失などの状態を直接間接することで、器機を用いた東洋医学的な診断が可能です。画像を患者さんと同時に見れるので、非常にインパクトのある測定機器の一つでもあります。
その他、今回のクリニックの開業を機に導入した新機種が、量子医学的器機として話題のQPA(従来のAWG)です。実際に気持ちが良いことに加えて、長年治りにくかった慢性痛などにも非常に効果的な感触があり、その周波数選択により臓器特異性を持たせることが出来る事も特徴。自律神経免疫療法として名高い「刺絡」や、いわゆる免疫力向上を目的とした「健康食品」に加えて、第3のがんへのアプローチとしても導入しております。関節リウマチなど、自己免疫疾患に対しても手ごたえがあるので、今後、その適応範囲が拡大していくかもしれません。病変部への低周波の選択性も興味深いところです。
以上、思いつくままに現在のクリニックでの器機をご紹介しました。これらは用途に応じて、通院されている方にはお薦めしていますが、ご自分で気になるものがあるようでしたら、お伝えくだされば、測定し身体の状況を解説することができます。
気になる機器などがありましたら、ご遠慮なくお伝えください。
ちなみに臨床検査についての私の著書です ↓ ↓ ↓
小池統合医療クリニック 本日、診療再開します!
お問い合わせ(ご予約等)の電話番号は、これまでのものと同様(03−3357-0105)ですのでお気軽にどうぞ。
本日は18時まで診療しております。
明日からクリニック再開です! 診療例をご紹介します(再録)
予定を約一か月遅れての再開で皆様には大変ご迷惑をおかけしましたが、何とか再開にこぎつけることができました。
再開に伴い、診療内容などについてのお問い合わせも増えてきているようですので、当院における診療の例、とくに多いがん(悪性腫瘍)の方の診療の例を、これまでのブログから再録しておきますので、ご参考にしてください。なお、本例は複数例の複合エピソードなので特定の個人を記載したものではないことを予めご了承ください。
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60代女性、乳がんの術後で化学療法中のAさんです。発症前からあまり「肉類」は食べなかったとのことで、ごはん・野菜を中心とした食事だったようです。術後も、肉は体に悪いのではないかと思い、避けていたということでした。(人によって食習慣は本当に様々ですが、免疫力アップを考える場合、タンパク摂取はやはり極めて重要な食養となります)
化学療法による体調の不良と、現状に対しての不安や医療への不信など、精神的ストレスを強く抱えている状態で当院を受診されました。
それでも一時期は相当のストレスだったようで、心理カウンセリングにてかなり改善の方向には進んでいるようでしたが、とにかく心身ともにエネルギーが不足しているといった印象でした。
こうした方には当院では、まず簡単な「食事記録」をとって頂きます。どのようなものを毎日食べているかを、詳細にチェックします。
これによりAさんは、肉類をはじめとしたタンパク質の摂取が極めて少ないことが分かりました。であれば、当然、糖質過多もあるわけです。
一般に肉類を以前からあまり食べ慣れていない方にとっては、タンパク質をとれ、といってもなかなか急には摂取できないのが現状です。
しかし、そうした方でも、卵や魚などは、比較的摂取しやすいようです。なかでもアミノ酸スコアを考慮すると、卵はかなり有効です。1日に2〜3個いけるとかなり体調改善が実感されてきます(オムレツなどが食べやすいようです)。
それでも十分なタンパク摂取は難しい、という方も少なくありません。こうした場合、液体でのプロテイン摂取も一つの手段です。いわゆる「プロテイン」です。最近は、かなり味のバリエーションも多く、各社特徴が様々あるのですが、基本的には、いくつか試してみて、飲めそうなものを選択してもらうというのが良いようです。(もっと栄養状態が悪いようであれば当然「アミノ酸」です。これなら吸収にあたって負担がありません。医療用のアミノ酸ゼリーなどもおすすめです)
無理に食べていたご飯(糖質)の量を少し減らしてでも、タンパク質摂取を心掛けると、体調はめきめき改善することは少なくありません。プロテインで慣れてきたら、卵などの食品でのタンパク摂取にも抵抗がなくなるようです。逆に、こちらにエネルギーがない時はたんぱくを摂取しようという気になりません。つまり、摂取する側の生命エネルギーの強度にしたがって、摂取タンパク量は規定されてしまうわけです。こうした関係を、私はエネルギーバランスの法則と呼んでおります。(法則といっても当然経験則なのですが…)
また、これと同時に、ビタミン・ミネラルの摂取も必要です。当院では十分なサプリメントの摂取も併せておすすめします。
これまでの食事内容から、エネルギー代謝に不可欠なビタミンB群の不足が多く認められ、これが十分でないとせっかく摂取したタンパクも有効利用できないわけです(特にビタミンB6)。
こうした栄養の補給により、これまでの化学療法などの治療の続行を躊躇っていた方でも、前向きに治療続行が可能になってきます。
A さんも、こうした食事内容の改善によって力がついてきたということで、現代医療との併用に、日々前向きに取り組まれるようになりました。
こうしてAさんは、タンパク質の意図的な増量による、栄養状態の改善により、抑うつ気分が解消され、現状の治療に対しても前向きに取り組んでおります。
そうこうしているうちに、表現しがたい全身の不快感や、落ち込みの解消により、今度は、具体的な体の他の不調が現れます。
頸や肩の痛み・コリ、背中の痛み、腰痛など、局所的な症状です。身体としては、言葉で表現することができない状態から、はっきりと表現できる状況へと変化していったとみることができるでしょう。(表現できるようになるだけでも大きな進歩です。一般に医療難民の方は多くが表現困難な状態で、医師患者双方にとっての解決困難さの大本といってもよいでしょう)
こうした症状の時には、当院ではまず鍼灸をお勧めします。特に、当院の特徴としては「刺絡」を用いるというところです。(これには自律神経と免疫の調整の意味合いもあります)
刺絡は、出血を伴う手技ですので、行われているところも少ない技法で、強い治療と思われて敬遠されている面もありますが、実際はそうではありません。施術に伴う出血量も、いわゆる通常の採血量よりも少ないですし、治療の強さを加減することで、幅広い不調に対応することもできます。
また、この治療の適応でない状態であれば、通常の細い針による鍼灸や、皮膚を刺すことのない「てい鍼」なども併用します。腹部の調整としては、このてい鍼を用いた腹部打鍼を通常、行っています。(さらにはファシア組織の重積やひきつれが原因と考えられる場合はエコー下ハイドロリリースなども行います)
Aさんに対しても、栄養状態の十分な改善を確認してから、痛みやコリの場所に加え、「カッサ」を用いて瘀血のある場所(痧点)をあぶりだして(こすりだして)それらに少量の刺絡を施術します。
これによりコリや痛みの改善のみならず、脊椎近傍の静脈(バトソン静脈叢)の血流改善をはかることで、腹部内臓に出入りする交感神経の異常な刺激を調節することができると考えています。
またそうした神経の走行を伴っての、ファッシア(膜)の異常な緊張も緩和できるので、内臓に良い影響を与えられるという治療です。ちなみに刺絡によってとれる瘀血は、私はこのファシア由来と考えております。
こうした治療により、Aさんの首や背部の痛みは改善され、自覚症状が改善されるだけではなく、内臓の状態、ひいては全身の免疫状態をも、改善に導くことも可能になると考えます。
また刺絡は主に背部を中心に治療をしていますが、腹部へのアプローチとしては、てい鍼を用いて調整を行い、身体の前面と後面の両面から、内臓を含めた全身へと栄養を及ぼす治療を行っています。(また瘀血が発生しやすい頸部へのアプローチとしては上咽頭治療EATも並行して行うことがあります)
Aさんは現在も、栄養状態の改善に引き続き、こうした刺絡療法を中心とした鍼灸治療を継続しておられ、化学療法の併用と再発防止に努めていらっしゃいます。
(なお本例は、年齢性別など複数のエピソードを融合させた典型例ですので、特定の個人のエピソードを示すものではないことをお断りさせていただきます)
6月23日㈭ 新クリニックにて診療再開です。
認可やら工事やらの諸問題で、少し遅れましたが6月23日木曜日からの再開です。これまで予約をいただいていた方には順次お電話にて予約開始しておりますが、新患の方は基本的には30日以降の予約とさせていただいております。
診療を継続されていた方には、長らくお待たせいたしまして、申し訳ございませんでした。東京メトロ、四谷三丁目駅からは非常に近くなりますので、これまでよりアクセスは良くなると思いますので、よろしくお願いいたします。
また内装も全く新しいナチュラルなデザインとなる予定です。リボン(24日オープン予定)ともども、今後ともよろしくお願い申し上げます。
当院の6つの診療の柱 四ツ谷三丁目移転開院を前にして
何か特殊な代替医療もしくは、院長(私)の突飛な考えに基づいているのではなく、「統合医療」という本来の概念に基づいての診療スタイルです。つまりガイドライン重視の通常の内科クリニックスタイルでもなく、奇異を衒った特殊療法のみを提供するスタイルでもありません。
では、具体的にはどういう視点を重視して診療しているのか。普段は自分でもなかなか客観視する機会は少ないのですが、現在、移転準備期間でもあり、新しいところでの心機一転リスタート前のこの時期に見直してみたいと思います。
これまでの15年の診療を振り返ると、大きく分けて6つの視点からの診療と言えるのではないでしょうか。各々について説明していきましょう。
(1)栄養・サプリメント 〜栄養系〜
糖質制限やたんぱく摂取などの栄養指導。健康増進のためのサプリメントの活用。分子整合医学(オーソモレキュラー医学の応用)による副腎疲労などの不調の解除、など。普段何を食べているか、といった食事記録表を基にして「食」からの健康をアドバイスしていきます。興味のある方に関してはファスティング(断食)もご紹介しております。
自分の健康にとって、何を摂って、何を摂らないかというのは、最も基本的な問題であると考えます。
また、現在の体調、栄養状態を客観的に評価するために各種血液検査も実施しております。大学病院時代の専門が臨床検査医学でしたので、こうした検査データの説明の経験は豊富です。
(2)鍼灸・刺絡・ファッシア 〜身体・ファッシア系〜
通常の鍼灸に加え、体に停滞した瘀血を針とカッピングなどで取り除く刺絡療法。さらには頑固な深い痛みに対して超音波(エコー)により確認しながらファッシア(筋膜)のリリース、灸頭鍼や電子焼鍼など、様々な方法で痛みを取り除きます。
この他にも、やや古めかしいですが良導絡による測定や、それを用いた微細な刺激(ハペパッチ等)による疼痛軽減法、パルス波や直流電流による経穴刺激なども併用しています。
各人にとってどのような刺激が効果的か、方法論の選択も「鍼灸」における重要な要素であると考えます。
独自のファッシア、生体マトリックス理論により、整形外科的な疾患のみならず、内臓疾患への重要なアプローチとして位置づけています。
(3)漢方・養生法 〜東洋医学系〜
エキス剤や煎じ薬や、中医薬なども用いながら、主にがん(各種悪性腫瘍)の再発防止や、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、更年期障害などに対応しています。また東洋医学的な視点をいかした養生指導(温めや食事指導など)も行っています。
特に漢方薬に関してはエキス剤でも、単味のエキスを併用することで、煎じのような個別対応を心掛けています。
漢方は近年、ガイドライン的な一律の方向性を有するようになっていますが、どのように個人の身体を解釈するかにより、本来は大きくその処方は変わります。ファッシアなど近縁の理論や、古典的な視点、統合医療的解釈などを用いた柔軟な処方姿勢が重要であると考えます。
和漢・中医学を適宜使い分け、具体的には小川瘀血理論、江部経方理論を組み合わせながら「身体」を解釈しております。
(4)ホメオパシー・エネルギー療法 〜エネルギー系〜
統合医療的なホメオパシーの処方に加え、アイソパシーによる体質改善(花粉症対策など)やその他エネルギー医学的な相談も行っています。ホメオパシーは専門医の資格を活かして、英国直輸入の医師専用レメディを処方しております。
またホメオパシーをメインの治療としてではなく、統合医療における自発的治癒力発動の1アイテムとして位置づけ、積極的な併用療法も行っています。
ホメオパシーの持つ異端的な要素を強調するのではなく、微量な要素による「生体の反応」の発露に注目して、レメディの統合医療における新たな役割を模索しております。
(5)心理・スピリチュアル 〜心理系〜
各種、心理療法との連携を通じて、メンタル・スピリチュアルの影響を考慮した統合医療を展開しております。インテグラルな視点から幅広く、心理学・哲学・霊学の視点を考慮していきたいと考えています。当院の統合医療指導の基本としても、行動療法や現代催眠(エリクソン的方法論)などの考えを導入して実践しております。
心理的なアプローチとしては、連携する統合医療施設である「リボン」において、通常の心理カウンセリングに加え、行動分析的アプローチやスピリチュアル的な方法論も幅広く採用しております。ご興味ある方は一度ご相談ください。
(6)内科学・現代医療・臨床検査医学 〜現代医療系〜
総合内科専門医の資格を活かして、現代医療との境界領域のご相談にも幅広く対応しております。
また持参された人間ドックなどのデータ説明や、気になる検査項目、現在の栄養状態や健康状態を採血検査(当院で採血できます)により詳細に説明いたします。このほかにも統合医療において、現代医療・通常医療とのバランスは不可欠なものです。現役の内科専門医として、こうした境界領域におけるご相談にも応じております。
統合医療は「代替医療の言い換え」ではありません。通常医療と代替医療の境界に立ち、そのバランスを考慮しながら、新たな方針を模索していく医療なのです。そのためにも現代医療的な視点は重要、不可欠なものと考えます。
私の統合医療観については以下の書籍をお読みいただけましたら幸いです。↓ ↓
可能性と共創
なので、一般参加の方々はオンライン参加となりますのでご了承ください。
今回のカフェの課題図書は森田洋之医師の『人は家畜になっても生き残る道を選ぶのか?』です。なかなかに過激なタイトルですので、ゴーマニズム宣言なみの過激表現を想像される方も多いかもしれませんが、内容は極めて穏当かつ堅実な内容だと思います。ブログからの記事がメインの内容で、題名を変えれば(笑)自費出版ではなくても行けたのではないかも思います。
いわゆる「医療化」という問題を、現代の最大問題に焦点をあわせて論じている内容です。問題提起としてはこれまでも、別な切り口で論じられていたものではありますが、ポストコロナにおいて、それが決定的な意味を持ってしまったことに対しての考察です。
いろいろな視点をカフェでは取り扱おうと思いますが、このブログ上でまず、メモ的に記しておくのが「取引の2類型」について。
いわゆる専門家が「ゼロコロナ」を目指すのは構造的な問題であり、この2類型を考えると分かり易いというもの。ここでは世の中の取引には「等価な価値を交換する取引」と「両者で共に創出した価値を分け合う協同プロジェクト型の取引」があるとしています。「等価交換」と「共同創出」とでもまとめておきましょう。
医療現場におけるアナロジーとして、急性期医療は「等価交換」、いわゆる慢性期や終末期は「共同創出」といった感じです。
これは私の従来から説明している医療における「縮退」での説明にも相通じるところで、選択肢の限定された状況では「等価交換」でよく、選択肢が開かれた状況では「共同」での創出が必要にならざるを得ないわけです。ところが(医療現場において)巷間よく耳にするのは、診療点数に紐づけられた等価交換性です。売買可能な商品としての医療といった側面です。こうした状況では、買うべきものが明確に限定されなければなりません。可能性が開いていては、それはそれでまずいという感じになります。そこで用いられる方法が共同(協同)での創出、といったところでしょうか。
しかしこの方法が、まさに線形的な思考とは程遠い方法論を基盤とするため、一般にはなかなか理解しがたいところでもあります。この本でも、こうしたパターンは多く見積もっても「2割」程度と記載してあります。と、続きはカフェでの会話にて。
これを書いていて気付いたのが、現在ホームページの大幅改定中なのですが、そこでの当院のキャッチフレーズ的なものです。これまでも「可能性のための医療」を掲げていたのですが、加えて「共に創る(共創する)医療」を追加したいと思います。
「可能性のための医療・共に創る医療」です。標語的に表現すると「可能性と共創」でしょうか。新たなクリニック開設時の標語にしたいと思います。
本ブログで補完医療の各論解説が少ない理由
しかし、それらの相互関係や実際の運用ポイントなどは、解説者のその方法への思い入れなどが強ければ強いほど、そちらへ強く誘導される傾向があります。
その治療法に思い入れが強い方であれば、それでも良いのですが、実際はいくつかの複数のものとの併用など一般的なのではないでしょうか。
すると、各論の詳細を知っても、その相互関係にまで目を配ることが出来ない。というより詳細を知るほど「俯瞰」で見ることは困難になる、という矛盾を生じます。
補完医療の利用者の多くが、実はこうした点で行き場に困っているのですが、それを各療法のカリスマでは解決することが原理的に難しいのはこうした理由によると思われます。
この問題の解決に必要なのが「メタ思考」です。つまり、考え方についての「考え方」です。この問題でいえば、各治療法の詳細の一段階上、各治療方法の相互関係(相乗効果・相殺効果もふくめ)についての知見ということになります。
本ブログでは、そうしたステージでの問題意識が強くあるので、あまり各論の詳細に踏み込んだ記載をしていない、というわけです。
そして、そうした段階を考えるのに必要な概念が、「ダイアローグ」「ファシア」「ポリヴェーガル」とったものになります。
当然これらはそれ自体、強く一定の疾患に関連付けて解説されることもありますが(例えば、精神疾患でのオープンダイアローグ、疼痛疾患へのファシアリリース、トラウマにたいしてのポリヴェーガル理論、等々)、そこに留まることなく、一段高いメタ思考的キーワードととらえることもできるわけです。
本ブログの内容が少し他の補完医療を推進のクリニックのものとは毛色が違う理由は、こうした視点にあるわけです。
アトピー性皮膚炎の統合医療
アトピー性皮膚炎は、アレルギー反応により、慢性的かつ再発性に皮膚にかゆみを発生させる湿疹で、全人口の約5%の罹患率があるといわれています。
非常にメジャーな疾患にも関わらず、従来の治療法のみでは、簡単に解決できないことも多く、ステロイドなどへの不信も合わさり、医療不信につながることも多いようです。そしてこの不信をベースにさらに悪化することも少なくありません。
一般的な発症の原因は、身体的要因のみならず、精神的、環境的などさまざまな要因が重なっていることがほとんどです。
こうした疾患には、いわゆる現代西洋医学のみで解決できた方はいいのですが、そうでない方には統合医療的なアプローチが必要であると考えます。
つまり重症化した場合のステロイド治療などは否定せず、現代医療的アプローチも併用しながら、できるだけ漢方、ホメオパシー、サプリメント(腸内環境改善用)などの自然医療を駆使して、速やかに状態の改善を図るものです。こうした考えの中では、現代医療VS代替医療というような対立構図を想定していないことがポイントです。
こうした考えのもと、当クリニックでは、漢方、鍼灸、ホメオパシー、さらにはサプリメントも取り入れつつ治療を行います。(具体的には刺絡によって頸部の瘀血を除去しながら、石膏などの消炎系漢方薬を用いて赤みの強い炎症をコントロールしていきます。また栄養欠乏型のアトピーに対してはミネラル中心のサプリメント補給、精神要素の強いケースではホメオパシーなど個別に多彩に組み合わせていきます)
必要に応じて専門医との連携もおこなっておりますが、そもそもこれまでたくさんの医療機関を経てきた方がほとんどかと思います。
これまでの経過などを時間をかけて聞く中で、治癒のキーポイントも探っていきたいと思います。こうした経過に大きな治癒のポイントがあることも少なくありません。
あらゆる疾患に共通することですが、アトピー性皮膚炎も突然の災難として発症してきたわけではありません。
生活の見直し、心理的な問題など、一つ一つ解決していくことが、結局は治療の近道になるでしょう。統合医療はそのための大きな道しるべと言えるものです。いろいろな方法が、まだある、という希望を持っていただきたいと思います。
当院が自由診療であることの理由
当クリニックでは、保険診療ではなく、自由診療形式をとっております。普通、医療機関は保険診療なので、どうしてこうした診療形態なのか、を説明したいと思います。理由は大きく二つあります。
(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため
(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため: 従来の保険診療の枠では、患者さんの方でゆっくりと時間をとってもらいたい、もしくは、医師の側もそうしたいと考えても、様々な制約の中で、どうしても手早い診療になってしまいます。
ただ薬だけほしい、という方にはいいのかもしれませんが、心身両面にわたる問題や、ドクターショッピングを重ねている場合などは、短時間(いわゆる「3分診療」)の診療で解決されないことがほとんどです。また、遠慮深い方は「他の患者さんがお待ちだから・・・」と遠慮される方も少なくありません。
医療は本来、一人一人の人生において重要な局面を握るものであることもすくなくありません。これまでの人間ドックなどのデータなども含めて、じっくりと医療相談(加えて健康状態にあった代替医療相談)をするには、ある程度の時間がどうしても必要です。当クリニックでは、こうした問題を解決するために、ゆったりとした時間の取れる、自由診療形式を採用しています。
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため: いうまでもなく保険医療のカバーしている医療はおおむね「現代西洋医学」です。わが国は一定の制約のもと、エキス剤を中心に医療用漢方も保険適応とされていますが、通常の薬剤と異なり、生薬であれば、かなりの制限がつきます。ましては良質の生薬を使用する場合は、なおさらです。
さらには、漢方と両輪の関係でもある鍼灸を、漢方処方する医師が、相乗的効果をねらって自ら行うことも、事実上困難です。また、サプリメントやホメオパシーといった代替医療であればなおさらです。特にホメオパシーはそうですね(笑)
いわゆる「身体にやさしい自然医療」は、保険診療ではカバーされていないため、自由診療とせざるを得ないのです。
また、一緒にやってくれないの、というご意見をうかがうこともあるのですが、基本的に現在の制度上、混合診療(保険診療+自由診療)はきわめて限られた条件のもとでしか認められておりません。この辺りはローカルルールなども合わさり、単純には言えないところでもあります。
こうした理由から、統合医療実践のための当クリニックでは自由診療形式を採用せざるを得ないのです。
こうした理由からまだまだ「統合医療クリニック」というものは一般的ではありませんが、「統合医療」という概念はまた別です。個人のなかでの、ベストな医療の理想として、一人一人のなかで個別にベストな統合医療が展開されることが、現状としては望まれているといえるでしょう。
花粉症のホメオパシー そろそろご準備を!
最近はOTCも増えているので、各自での様々な対応があるかと思います。そうした中で統合医療らしい「方法」をご紹介しましょう。ホメオパシー(厳密にいえばアイゾパシーということになりますが)による対策です。
昨年の例では、当院に通院している方は、一般病院での方よりも、症状の軽い方が多く、その違いを生じているのは明らかにホメオパシー(アイゾパシー)のレメディではないかと感じています。
単独のケースのみでは、主観だけなのでいわゆる科学的検証ではありませんが、以前に施行された多施設によるダブルブラインド研究でも、自覚症状や抗アレルギー薬の使用量の有意な減少を認めておりました。
加えて、当院で花粉症アイゾパシーを開始して5年以上経過したことも大きいように思います。とりわけ数年前からは積極的に、スギ花粉レメディをおススメしていることから、かなりの割合の関係者がレメディ使用3年目に突入しています。
このアイゾパシー(ホメオパシー)のメリットは、一年中ではなく花粉シーズンのみの服用で良いという便利さにあります。そして1年目より2年目、2年目より3年目、といった効果の蓄積がみられることも特筆されます。つまり早く始めれば、それだけ将来的にも楽になる、ということなのです。
ぜひとも症状の強い方は一度、アイゾパシー(ホメオパシー)を一度試されることをおススメします。
なお前述した花粉症へのレメディの効果を検証した研究とは、19施設125名の患者さんを対象として仙台の朴澤先生を中心に行われた二重盲検法による研究です。
気になる結果は、対照群では半数の患者さんがほぼ毎日抗アレルギー薬を服用せざるをえなかったのに対して、レメディ服用群では42.6%の方が1週間で0〜2錠の抗アレルギー薬服用で症状を抑えることができていたというものです。
さらには、2年3年と継続することで有効性が高まり、4年経過時点で、80%の方が抗アレルギー薬を全く服用しなくなったという結果でした。
また当院では、レメディに加えて、鼻うがいや「上咽頭洗浄液」による局所療法的なセルフケアも指導しております。また花粉症を悪化させる「脾気虚」の体調を改善する漢方や食事法なども説明しておりますので、ご興味ある方は一度、ご相談ください。
新年あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします!
今年はいろいろと大きな変動・大移動が予定されているので、慌ただしい一年になりそうです。統合医療における展開も、臨床における栄養内科・経絡内科・漢方ホメオパシー内科といった視点からの診療、さらにはマトリックス的な要因である3大概念(トランス・ファシア・ダイアローグ)を意識した診療など、いろいろと考えています。
また多元主義の重要性も改めて強調することにもなりそうです。とりあえず多元的統合医療の視点から臨床症例を集め直し、学会などを通して意義を問いていきたいと思います。
また城めぐりもいよいよ佳境。完全200城制覇まであと少しですので、これも今年でコンプリート予定です。今後はより深く、陰的な概念として医療との共通点も探ってみたいです。
これらを思うと10年でずいぶんと考え方が変化、進展していることに気づかされますね。「考え方・活かし方」を読みながら、今後の方針をより深く広く考え直したいと思います!
なお本年の診療開始は1月6日からとなります。お問い合わせ、ご予約のご連絡も6日からとなりますのでよろしくお願いいたします。
統合医療プログラムの紹介の続き!
前回の各論教育に引き続き、臨床教育についてのご紹介からです!
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統合医療臨床(クリニック及びカンファレンス)の紹介
Fellowは前述した内容の学習に加え、週3回の外来診療が義務付けられる。アリゾナ大学の附属病院であるUniversity Medical CenterにおいてPIMクリニックとして診療部門が開設されている。
診療形態は、予約制で自主的な受診や他科及び地域開業医からのコンサルテーションが一般的である。ただし受診希望者は多く、数ヶ月待ちが一般的である。診察の形態としては、詳細な問診と身体所見を初診時にとり、主に1年目のFellowはそれを次に述べるカンファレンスにかける。2年目のFellowは順番でその司会進行役となる。診察後には全ての患者に対して、ワイル博士自身が総括的コメントをする。再診時には、カンファレンスにもとづいて個々の患者に対して様々な処方、指導がなされる。
時に、代替療法家に紹介されるが、2,3ヵ月後の再々診時において、それらの介入が適切であったか医師の目から再検討される。つまり、ただ振り分けるだけでなく、不適切もしくは不変であれば、再度、方針が検討されることもある。訪れる患者は、ストレスにはじまり末期がん患者まで実に多彩である。このあたりの事情はわが国における統合医療診療の事情と似ているかもしれない。
毎週月曜日にUniversity Service Centerで行われるカンファレンスは、こうした初診時のプランを決定する場であり、Fellowをはじめとしたプログラムの教育関係者に加え、様々な治療家(インターネット教育もあわせて担当していることが多い)が招かれる。その領域を列挙すると、自然療法、中国医学、オステオパシー、ホメオパシー、エネルギー医学、催眠療法、ガイドイメージ法等である。それぞれの専門家が自らの立場で、疾患の捉え方や治療法をコメントしていく。それらをFellowが最終的にまとめ、患者に伝えるわけである。この過程でFellowはそれぞれの代替療法家のコメントからその実際を学ぶことになる。さらに個人的に興味のある療法に関しては、専門家のもとでさらに詳しく学ぶこともある。
また研究的側面として、クリニックに、臨床研究を目的として、患者のカルテをフォローし解析する専門家がいたことも印象的であった。
Associate Fellow
次にインターネットによる教育を主体とするAssociate Fellow(現在のプログラムにおいては「フェロー」に統一されているようである)に関して解説する。米国のみならず、世界各国から参加できるAssociate Fellowは、日本人の在校生と修了生の総数は2005年現在で8名である。この数は米国を除くと第1位である。全プログラムは2年間で、その間に3回のResidential Weekがあり、アリゾナ大学のあるツーソンを訪れ、約1週間滞在して学習する。必要なテキストは購入が指示され、その他、参考文献などはインターネットからダウンロードする仕組みになっている。
Residential Weekについてここで少し紹介する。これまでの開催場所はアリゾナ大学のあるツーソン市街から離れたホテルWestward Look Resortにて行われている。1回目のResidential Weekは入学式を兼ね、実際のインターネットを通じた操作の説明や、統合医療の基本理念や哲学といった総論的な内容が多い。
ついで2回目は、すでに1年経過していることもあり、鍼灸や催眠などの実技を伴う講義が多い。講義の種類も豊富で、複数の科目が同時開講され、選択形式になっている。3回目は2年経過後で、最終日には卒業式も行われる。講義内容もより実践性の高いものが多く、卒業生による開業モデルの提示など具体的なビジネスモデルの講義が充実している。合わせて、それまでインターネット上でグループを組んで行ってきた卒業研究の発表もある。実際に顔を合わせるのは、3回だけであるが、常にインターネットでお互いが会話しているような感覚があり、卒業時には別れがたい親しみを感じた。
そうした意味でも、全ての総括としての卒業式は感慨深く感じた。卒業時には修了書とともに、ワイル博士から一人一人手渡される「杖」は、これからの統合医療の荒波に倒れずに進んでいけるように、との願いがこめられており、今でも思い出深いものとなっている。
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以上です。統合医療という概念を確立しようとしたワイル先生の心意気のようなものを感じるプログラムであるとあらためて、この記事を読み返して強く感じました。
今あらためて、統合医療プログラムのご紹介!
使う人によって若干の意味の相違があるのはいいとして、いまだに「代替医療」の言い換えとして用いられているのは残念なかぎりです。先日も「統合医療」についてネット検索をして当院を受診された方がおっしゃっていたのですが、まだまだ本来の意味での「統合医療」が普及しているといった状況からは程遠いようです。改めて、ワイル博士の統合医療プログラムがどのようなものであったか、振り返ってみたいと思います。過去の説明記事を再録してみたいと思います。
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統合医療プログラムの概略
アリゾナ大学統合医療プログラムは、1997年に設立され、A・T・ワイル博士は現在も同プログラム部長として教育及び臨床に携わっている。このプログラムは毎年5名ほどのFellowと50名に及ぶインターネット教育を主体としたAssociate Fellowにより構成される(当時)。Fellowはその期間である2年間に臨床・研究・教育に携わりつつ、所定の項目の単位修得が義務づけられる。独自の学習内容がインターネット上に組まれ、これを全世界のAssociate Fellowと共有して学習していく。
Fellowは、はじめの1年間は、レクチャーなどが密なスケジュールで組まれており、その後の2年目は自由な時間が多く、自主性を重んじた内容になっている。研究に関しては、卒業研究といった形でAssociate Fellowとの共同作業を兼ね、生薬の生理活性から費用対効果の研究まで幅広く行うことができる。個人の希望によっては、催眠やエネルギー医学などの臨床的技法の習得時間として利用する者もいる。また、教育も担当しており、アリゾナ大学医学校の統合医療に関する講義から、一般向けの代替療法の講習会までをそれぞれのFellowが分担している。
また大学内外からも多数の講師を招聘して、代替療法に関してはもちろんプレゼンテーション法などの講義も行われる。つまり、臨床・研究・教育を実践しつつ、自らも学習するシステムといえる。こうしたFellowとAssociate Fellowはインターネットを教育ツールとして共有することになる。
Fellow履修項目の紹介
まずはFellowについて簡単に説明する。大学近郊のPIM Buildingにおいてレクチャーなどを受け、空いた時間に各々のデスクのパソコンに向かって、Associate Fellowと同様のインターネットでの学習をする。
週3回の統合医療の外来診療に加え、太極拳などの講習、月に一度のX9Dayと称するワイル博士の自宅でのミーティングに参加することができる。これは各自が食材を持ち込んで料理をする非常に楽しいパーティーのような会で、プールに入ったり、庭の露天風呂に入ったりして、普段は忙しいワイル博士との交流を図る時間となっている。
次にFellowの修得すべき内容の紹介であるが、哲学的内容から各種代替療法の各論までと実に幅広い。これはAssociate Fellowにおいても同様である。以下に2002年Fellowの履修項目及び2年間での修得時間の目安を示す。
Philosophical Foundationsとして、現代科学の方法とその歴史、哲学、およびその限界について学習する「科学哲学」が50時間、患者中心のケアを説く「医学技術」が125時間。さらには文化による健康願望の違いをはじめ疾患や治療における文化的独自性などを学ぶ「医学と文化」95時間が含まれる。医学をその哲学から考え、文化との関連性をもう一度見直そうという、このプログラムの姿勢がよく表されている内容である。
Lifestyle Practiceでは、治癒における栄養の役割を理解する「栄養医学」が210時間。運動処方を作成し、患者の運動への意欲を高める「フィジカルアクティビティ」が110時間。心身相関のメカニズムの理解とその臨床応用を学ぶ「心身医学」が300時間。治癒の過程におけるSpiritualityの意義、精神性や宗教性との違いなどを学ぶ「Spiritualityと医学」140時間。
Therapeutic Systems and Modalitiesでは代替医療の各論を学習する。ハーブの利用方法を学ぶ「植物医学」が200時間。中国医学理論や診断方法、鍼灸、太極拳などを学ぶ「中国医学」110時間。オステオパシーなど徒手医学の実践を学ぶ「徒手医学」165時間。様々なエネルギー医学の哲学とその実践を学ぶ「エネルギー医学」155時間。基本的なホメオパシーの理念を学ぶ「ホメオパシー」70時間。環境やセルフケアについて学ぶ「予防医学」65時間など多彩な項目がある。
その他、Personal Development and Reflectionとして自己の内省を促す項目や、代替医学の研究デザインや論文発表までを学ぶResearch Education、統合医療を推進にあたっての指導論を学ぶLeadership Medicineなど、幅広い内容を含んでいる。
これらの項目は毎年、若干の変更が加えられ、改善されていく。私の修了した2004年では上述したものに加え、統合医療の法的側面を学ぶLegal and Integrative Medicineや、架空の症例で統合医療の実際を学ぶClinical Scenarioといったものもあり、さらに充実していた。これらを修了後、一部のFellowはいくつかの単元を受け持ち、今度は教育する側にまわることもある。こうしてさらに内容が充実していく仕組みになっている。
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本日はここまで。明日は臨床教育に関しての紹介から、です!
脈診について考えたこと
いろいろな脈診の方法や考え方がある中で、これまで私自身が一番丁寧に詳しく教えて頂いたのが、やはり江部洋一郎先生でしたので、あらためて江部経方の脈診をとるようにしました。(いわゆる寸・関・尺を示指一指で、軽按・重按しながら見ていく方法です)
すると以前は気づかなかった点や、脈診全体に関しての捉え方も変化したようで多くの気づきがありました。あらためて経方理論の体系の精密さと正確さには驚嘆するばかりです。
ガレノスなどギリシャ・ローマの医学について、最近調べていて感じたのは、東洋医学にに比べて、いわゆる脈診など特殊な診察方法が少ないこと、反対に「臓器単位」で現代にもつながるような病態生理的志向が強いこと(観察事項からの推測と解剖的な知見と合わせて内臓の機能的想像が特化していること)、など現代の医学にも通じる雰囲気があることです。(これは当然現代から見て、ということで当時においてはそうではない派閥・流派も存在していたことは容易に想像できます)
これは西洋医学の「科学化」にあたって良いことでもあったわけですが、「身体」そのものから情報をとるという東洋医学の流れと、その後の歴史の中で大きな断絶を作ったようにも思います。
統合医療の診察においても、通常のいわゆる内科的診察に加えて、脈診・腹診などの体表からの情報は多くのオルタナティブな情報をもたらしてくれます。
東洋医学的なアプローチの利点はまさにここにあり、こうした方向の弱さが西洋代替医療の弱点のようにも感じています。
とくにこの辺りはホメオパシーやアロマセラピーなどの診療と比較すると、過度なスピリチュアリティや、ルブリックなどの多くの情報の横断的な処理など、過度に主観的か、もしくは高度な情報処理に依存するということにも関係するように思われます。(これらが悪いとか短所だとかいう意味ではありません)
これに対して脈診などは、それ自体で一つの身体全体への独自の観測点を与えるもので、方法論自体と切り離しても成り立ちます。
それゆえに統合医療という条件下においても、非常に便利なアイテムになりうるわけです。脈診・腹診等の存在が、東洋医学を過度な思弁化から遠ざけた要因とも考えられます。
その点、高度な思弁化が進んだ結果、近代科学の成立とともに「真理」が究明される中で、一つ一つの事項が塗り替えられていったプロセスが、医学史的には近代西洋医学の発展だったとも言えるでしょう。これの行きつく先が、現代における血液生化学検査や画像診断法の数々といったものです。(当院での統合医療診療における診断法が脈診などの東洋医学的なものと血液検査という2本柱であるのもこうした理由です)
現代医学における内科診察法とも一線を画する東洋医学の診察法は、統合医療という視座からも大きな展望を与えることを日々の診療で強く感じております。
EBMや「正しさ」というキーワードが躍る中、統合医療という分野としては、こうしたオルタナティブな視点の重要性を、すこしでもお伝えできれば、と考えております。
当院の6つの診療内容 (どのような診療を実践しているのか)
(1)栄養・サプリメント
糖質制限やたんぱく摂取などの栄養指導。健康増進のためのサプリメントの活用。分子整合医学(オーソモレキュラー医学の応用)による副腎疲労などの不調の解除、など。普段何を食べているか、といった食事記録表を基にして「食」からの健康をアドバイスしていきます。興味のある方に関してはファスティング(断食)もご紹介しております。
自分の健康にとって、何を摂って、何を摂らないかというのは、最も基本的な問題であると考えます。
(2)鍼灸・刺絡・ファッシア
通常の鍼灸に加え、体に停滞した瘀血を針とカッピングなどで取り除く刺絡療法。さらには頑固な深い痛みに対して超音波(エコー)により確認しながらファッシア(筋膜)のリリース、灸頭鍼や電子焼鍼など、様々な方法で痛みを取り除きます。この他にも、やや古めかしいですが良導絡による測定や、それを用いた微細な刺激(ハペパッチ等)による疼痛軽減法、パルス波や直流電流による経穴刺激なども併用しています。
各人にとってどのような刺激が効果的か、方法論の選択も「鍼灸」における重要な要素であると考えます。
(3)漢方・養生法
エキス剤や煎じ薬や、中医薬なども用いながら、主にがん(各種悪性腫瘍)の再発防止や、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、更年期障害などに対応しています。また東洋医学的な視点をいかした養生指導(温めや食事指導など)も行っています。特に漢方薬に関してはエキス剤でも、単味のエキスを併用することで、煎じのような個別対応を心掛けています。
漢方は近年、ガイドライン的な一律の方向性を有するようになっていますが、どのように個人の身体を解釈するかにより、本来は大きくその処方は変わります。ファッシアなど近縁の理論や、古典的な視点、統合医療的解釈などを用いた柔軟な処方姿勢が重要であると考えます。
(4)ホメオパシー・エネルギー療法
統合医療的なホメオパシーの処方に加え、アイソパシーによる体質改善(花粉症対策など)やその他エネルギー医学的な相談も行っています。ホメオパシーは専門医の資格を活かして、英国直輸入の医師専用レメディを処方しております。またホメオパシーをメインの治療としてではなく、統合医療における自発的治癒力発動の1アイテムとして位置づけ、積極的な併用療法も行っています。
ホメオパシーの持つ異端的な要素を強調するのではなく、微量な要素による「生体の反応」の発露に注目して、レメディの統合医療における新たな役割を模索しております。
(5)心理・スピリチュアル
各種、心理療法との連携を通じて、メンタル・スピリチュアルの影響を考慮した統合医療を展開しております。インテグラルな視点から幅広く、心理学・哲学・霊学の視点を考慮していきたいと考えています。当院の統合医療指導の基本としても、行動療法や現代催眠などの考えを導入して実践しております。
心理的なアプローチとしては連携する統合医療施設である「リボン」において、通常の心理カウンセリングに加え、行動分析的アプローチやスピリチュアル的な方法論も幅広く採用しております。ご興味ある方は一度ご相談ください。
(6)内科学・現代医療・臨床検査医学
総合内科専門医ならびに臨床検査専門医の資格を活かして、現代医療との境界領域のご相談にも幅広く対応しております。また持参された人間ドックなどのデータ説明や、気になる検査項目、現在の栄養状態や健康状態を採血検査(当院で採血できます)により詳細に説明いたします。このほかにも統合医療において、現代医療・通常医療とのバランスは不可欠なものです。現役の内科専門医として、こうした境界領域におけるご相談にも応じております。
統合医療は「代替医療の言い換え」ではありません。通常医療と代替医療の境界に立ち、そのバランスを考慮しながら、新たな方針を模索していく医療なのです。そのためにも現代医療的な視点は重要、不可欠なものと考えます。
栄養・連絡・個別性 当院診療の三つの柱
専門的な解説は、これまで少しずつしてきましたが、ここでは当院に通院されている方へのまとめとして一般的な用語で述べてみます。
診療の大きなカテゴリーとして
(1)栄養
(2)連絡
(3)個別
の3つを柱として据えました。実際の診療では、これらがすべて組み込まれるのを理想として、診療形態の一つの目安にしています。
具体的な例を挙げてみましょう。
(1)栄養
これは文字通り、食養(食事)指導とサプリメント処方です。三大栄養素をどのような割合で摂取するのか、十分な補充が必要なビタミンやミネラルは何か、などを、食事記録や血液検査などから探索し、自発的治癒力の発揮に必要な栄養状態へと導こうとする方策です。あらゆる治療の基本となるものです。
(2)連絡
これは当初「経絡」としていたのですが、それですと東洋医学のイメージばかりが強調されそうでしたので、一般的な用語である「連絡」に変更しました。当然、経絡の全ての概念(皮部・経筋・経別・奇経等)は含まれ、それ以外の血管・神経・ファッシアなどの身体全体への連絡システムも包括されます。体の全ての連絡システムが渋滞・断絶することなく、有効に連携が保たれている状態にするために鍼灸の各技法、刺絡、パルス、HR等の各種技法を駆使するものです。
(3)個別
これは個別性を重視した伝統医療の適応です。漢方やホメオパシー、各種セルフケア技法などを用いて各人の個別性、並びに疾病・症状への個別の対処方法を提供するものです。各種症状や、個別の臓腑に対して、方向性(ベクトル性)をつけるものです。これは通常、漢方やホメオパシーの診療形態ともいえるものですが、ここではあくまでも(1)と(2)の基盤のもとに、個別の方向性をつけるという意味合いをつよく持ちます。
ブログだけの方には少しピンと来ないかもしれませんが、当院にいらしている方には、診療のイメージが具体的につきやすくなったのではないかと(勝手に)思っております。診療というものは、ただお任せで受けているだけ、というよりも具体的に自分で納得しているとより効果が発揮されるものでもあります。ややもするとあやふやになりがちな統合医療の診療形態を、当院での場合に絞って3つのポイントにまとめてみました。
多則一、一則多の考え方 現象の隠蔽に気づくために
そうした事情もあり、これらのデッサンは体表解剖の後、筋肉・骨格系の段階まで一気に進められていたようで(一部の皮静脈などの描写等を除いては)紙を汚さないような状況まで達してから記録していたようです。
当然こうした状況では、ファッシアはただの邪魔ものです。特に身体の大きな動きなどを記載するには、筋肉と骨格で十分すぎる情報ですし、ファッシアを考慮したとしても、ただコンタミを増やしているような感じでしょう。
フッサールがかつてガリレオを評して「隠蔽の天才」といったと伝えられますが、まさに近代科学の生みの親とも言えるガリレオにとっては、大きく物理現象をとらえることでニュートンに至る科学革命を成し遂げることが出来たともいえるでしょう。
しかし、それを文字通り「真理の発見」のようにとらえるのではなく、隠蔽していることを喝破したフッサールも現象学創始者としての面目躍如たるところでしょう。
ただここで、注意すべきは、ガリレオは生の世界から真理を掬いだしたのではなくて、何らかの情報を隠蔽することで「真理らしきもの」を記載することができたという視点です。
この辺りの事情は、科学史において時折現れるものです。ただしギリシャ時代など古代との齟齬であればだれもがすぐに気づくのですが、現代に近づくほど「自らの問題」とも隣接してくるので、そう簡単にはいきません。
例えば、「エーテル」の存在などは、スーパーヒーローのアインシュタインの存在とあいまって、もはやその実在を口にすることもはばかられるといった状況ではないでしょうか(アインシュタイン物語的には「絶対空間」否定のための大きな盛り上がりですし)。いくら否定的な実験結果が出たとしても、大きな物語が一度完成してしまうとその修正はほぼ困難ということなのでしょう。
ココマデの状況ではなくても、細胞の基本構造にもこうしたお話はあります。各細胞を隔てるものはいわゆる「脂質二重膜」とされていますが、これすらも「絶対」という状況ではないようです。いくつかの実験では二重膜を仮定しては矛盾する結果もありますし、代替的なモデルも水分子を研究するMRI研究者などからも出ているようです。つまり液体を包んだ袋ではなく、その内部がマトリックスで満たされむしろあまり「水」の自由な状態ではない、というモデルが考えられているようです。
まあ、このような例は多分他の分野でもいくつかあるように思うのですが、いずれも時の主流の中、ただの「トンデモ」扱いを受けてしまっているのでしょう。
しかし、そうした扱いにより、明らかに、生の現実界における何らかの「現象」をとり漏らしているだろうこともまた事実。
医学の単純化へと突き進む流れの中で、解剖においてファッシアは取り残され、それゆえに幾多の「経絡現象」もまた「ないこと」にされてきたのではないでしょうか。
物事の理解の仕方は、主に単純化への方向性がほとんどですが、それ以外の方法、複雑化へと向かう方向も、また考慮しなければいけない時代に近づいているのではないでしょうか。
「多」から「一」へと真理探究を進める方向だけではなく、逆に「一」から「多」へと思考を進めることで新たに気づくことも少なくないでしょう。アナトミートレインなどからファッシアを考えるとき、この「一則多」的な方法の重要性を感じます。
これはダイアローグの思想にも連なるものがあります。とにかく「結論」がひとつへと収束しないことに対して不満を持つ方が少なくない状況において、リフレクションなどのプロセスの結果、共通了解へとつながる流れもこれと同様に感じます。「多」つまり「複雑」な状況に進行させることは、従来は求められていなったものですが、この混迷する時代状況においては多くのヒントをもたらしてくれることも少なくありません。我々は知らないうちに、勝手に物事を単純化(モデル化)して、簡単な答えに飛びつくことのなんと多いことか・・・。
統合医療における当院の取り組みにおいて、こうした方向性は非常に重要なヒントになります。皆さんの健康な生き方をサポートするにあたり、こうした視点をより明確にしながら取り組んでいきたいと思います。
そういったオルタナティブな方法の数々を、当院での診療を通して少しでもお伝えしていく所存です!
アトピー性皮膚炎などへの漢方について思いついたこと
そもそも漢方に関しては、自分にとって一番最初に学んだCAMといえるもので、学生時代からの学習や、漢方外来を群馬県の山あいで開設してから数えると四半世紀以上の長いお付き合いです。
現在でも、腹診を中心にした和漢の手法で処方するときは、広島で古方を展開されていた小川新先生の処方を、アトピー性皮膚炎や腎機能障害、リウマチなどアレルギー・自己免疫の難治性疾患を扱うときには京都・高雄病院の江部洋一郎先生の処方を参考に診療を行っています。加えて近年は、サイエンス漢方的な視点も大切にして処方をしています。と書くと、古方派なんだか中医学なんだか現代派なのか、わけのわからない状態のようですが、意外に自分の中では適宜、使い分けは自然な流れとなっています。(なので和漢ですか中医ですか、というご質問には答えられないのであります)
こうした従来の漢方処方に加え、伝統的な考え方を援用して応用しているのが、「慢性炎症」の治療です。
血液データ上、何らかの慢性炎症が疑われるものの、そのフォーカスが定まらないということは少なくありません。これまでいくつもの病院を経由してから当院へ来られる方も少なくないことが、こうした事情につながるのだと思います。自己免疫や自己炎症的な状態など、西洋医学的にはそれ以上のアプローチが出来ない状態の方に「漢方」がとても有効なことがすくなくありません。
これは栄養やオーソモレキュラー的な方法よりも、身体内部の「方向性」や「寒熱」の視点も絡むため、漢方的方法が最も奏功するように思います。この方向性と寒熱の処理という問題は、おそらくオーソモレキュラー医学のみを専らとしている方には極めてなじみのない考えで、いわゆる分子栄養的な視点の弱点であるとも考えています。
またアトピー性皮膚炎の治療などは「寒熱」の微妙な調整が必要になるので、鍼灸・刺絡など徒手的な療法と組み合わせて、東洋医学的視点は外せません。とくに顔面やデコルテを中心に赤くなっているパターンは、単一の方法ではそう簡単には解決しないように思います。これには石膏による清熱に加え、直接炎症物質を抜き去る「刺絡」が不可欠です。
また赤ミミズの健康食品など、漢方の枠ではありませんが、従来の漢方の枠を拡大してくれるようなものも増えてきているので、統合医療のもとで、漢方は更なる発展を遂げるのではないかと考えています。
当院が自由診療である理由を説明します
実臨床の診療システムのモデルを解説してきましたが、今回はもうすこし具体的なご案内のような内容にします。
当院では、保険診療ではなく、自由診療形式をとっております。お問い合わせでも多くのご質問をいただくので改めてここでも説明させて頂きます。普通、医療機関は保険診療なので、どうしてこうした診療形態なのか、その理由などを説明したいと思います。理由は大きく二つあります。
(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため
(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため
従来の保険診療の枠では、患者さんの方でゆっくりと時間をとってもらいたい、もしくは、医師の側もそうしたいと考えても、様々な制約の中で、どうしても手早い診療になってしまいます。ただ薬だけほしい、という方にはいいのかもしれませんが、心身両面にわたる問題や、ドクターショッピングを重ねている場合などは、短時間(いわゆる「3分診療」)の診療で解決されないことがほとんどです。また、遠慮深い方は「他の患者さんがお待ちだから・・・」と遠慮される方も少なくありません。
医療は本来、一人一人の人生において重要な局面を握るものであることもすくなくありません。これまでの人間ドックなどのデータなども含めて、じっくりと医療相談(加えて健康状態にあった代替医療相談)をするには、ある程度の時間がどうしても必要です。当クリニックでは、こうした問題を解決するために、ゆったりとした時間の取れる、自由診療形式を採用しています。
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため
いうまでもなく保険医療のカバーしている医療はおおむね「現代西洋医学」です。わが国は一定の制約のもと、エキス剤を中心に医療用漢方も保険適応とされていますが、通常の薬剤と異なり、生薬であれば、かなりの制限がつきます。ましてや良質の生薬を使用する場合は、なおさらです。さらに、漢方と両輪の関係でもある鍼灸を、漢方処方する医師が、相乗的効果をねらって自ら行うことも、事実上困難です。また、サプリメントやホメオパシーといった代替医療であればなおさらです。
いわゆる「身体にやさしい自然医療」は、保険診療ではカバーされていないため、自由診療とせざるを得ないのです。また、一緒にやってくれないの、というご意見をうかがうこともあるのですが、基本的に現在の制度上、混合診療(保険診療+自由診療)はきわめて限られた条件のもとでしか認められておりません。つまり法的な制限は少なくないのです。
こうした理由から、統合医療実践のための当クリニックでは自由診療形式を採用せざるを得ないのです。
栄養内科・経絡内科・漢方(ホメオ)内科という3ステップ
しかし、ここきて少し体系的にこれまでの諸々の方法論を、実臨床に応じてまとめても良いかなあと思うようになり「経絡内科」「栄養内科」といった概念を抱くようになりました。これらには当然、実臨床で頻繁に用いている「漢方」「ホメオパシー」といった方法論が入っていないので、ここにこうした伝統系自然療法をいれた「漢方(ホメオ)内科」を追加で構想するにいたりました。
これにより当院の診療の基本的な<3本柱>として、「栄養内科」「経絡内科」「漢方(ホメオ)内科」を掲げてみました。実際の診療方法はさらに詳細に分化していきますが、とりあえずの大枠の3本柱といった感じです。
先日、久しぶりにオシュマン著『エネルギー医学の原理』の「環境中の電磁気」の章を見返していて、「シューマン共鳴」のところで、この原理はかなり実際の治療モデルに近いのではないかと、はたと気づきました。
この共鳴は、地球と電離層が一つのシステムとして破たんしていなければ、その間に存在する大気圏においてシューマン共鳴と称される定常波が形成されるというお話。
電離層・大気圏・地球が過不足ない一定のシステムとして機能している状態を、「健常の状態」と考え、この状態を形成するのに必要な視点を「栄養内科」に見てとります。十全な状態により初めて全域に情報が伝達できるということです。
続いて電離層・大気圏・地球(大地)に「伝達系システム」を見て取ります。これを身体における経絡システムに相似させれば、皮部・経脈・経筋といったところでしょうか。定常波としては、神経系・血管系、とりわけファッシア系などが相当していると考えられます。そして瘀血や気滞などの病理部位がこれらの伝達を阻害します。逆にこれらが十全に機能していれば、修復力としての自然治癒力も機能するということになりそうです。
それに加えて、臓器・組織特異的な局所的「病変」の存在です。そこにある種の特異的な治癒のベクトル性を持たせて、方向性をつけることが重要になります。これが漢方・ホメオパシー等の伝統医学的方法論ではないでしょうか。漢方の腹診、ホメオパシーのSRPに代表される諸症状、経別による臓腑との接続も重要になってきます。つまり「漢方(ホメオ)内科」はこの三段階の最後に位置づけられそうです。ただし、これらは必ずしも、ここにあげた順序である必要はないように思います。つまり実臨床での順序は異なっていても問題ないようです。これら三つの相互作用でしょう。
一人一人の症状の変化により、多元的に多くの選択肢が挙げられますが、一つのモデルケースとしてこの3ステップは捉えられるでしょう。実臨床に特化したケースのご質問は、個人的にお会いした機会などにお尋ねください。備忘録的な体系のメモとして記載してみました。
アトピー診療 ビオチンについて
ビオチンは、水溶性ビタミンに分類され、ビタミンB7、ビタミンH、コエンザイムR等、様々に呼称されています。そしてその効果としては、医薬品の適応として、急性・慢性湿疹、接触皮膚炎、脂漏性湿疹、尋常性ざ瘡など皮膚疾患に幅広く用いられています。
ビオチンは主に空腸において吸収され、大量に摂取したとしても速やかに排泄されるため、副作用や過剰摂取はないとされ、毒性の少ないビタミンと考えられています。
鶏肉のレバーに多く含まれ、その他、落花生、卵黄、豚肉のレバーにも含まれます。しかし、生卵の大量摂取により、アビジンという糖タンパク質が消化管内部において特異的に結合し、ビオチンの吸収阻害をしてしまいます。これにより欠乏症状が発現するといわれますが、加熱により、アビジンの結合能は低下するため実際には欠乏は生じにくくなります。
ビオチンの不足を示す症状としては、うろこ状の皮膚炎、脱毛、萎縮性舌炎、食欲不振などの症状が出現するとされ、アレルギー患者においては、ビオチンを増加させる働きを持つビフィズス菌とともにビオチンを補う必要があるとされます。
経験的には、原因のはっきりとしない頭皮における脱毛は、このビオチン補充が大きな可能性を有するように思います(当院での発毛治療にはほぼ使用しています)。またアトピー性皮膚炎やアレルギー性の皮膚炎などにおいても、ビフィズス菌と合わせて投与することで、臨床的な改善を認めることも少なくありません。(一般にビオチン欠乏は稀とされますが実際にはそうでもないように感じています)
つまり、こうした皮膚炎の方には、食事指導や皮膚へのセルフケアに加えて、腸内細菌とビオチンに気を配った治療も不可欠となるわけです。またその基盤としてビタミンB複合体や、各種プロバイオティクスやバイオジェニックなどとの組み合わせも忘れてはなりません。便通の状態や、皮膚症状などを参考に、専門の知識を持った医療従事者と相談して方針を決めたいところです。
多元的統合に関するイメージ
取材などを受けていると、どうしても何か特徴的な技法をひとつ、というようなことも言われますし、実際はそれに合わせてという面もないわけではないのですが、本来やはり「多元的」なのだなぁと感じています。
つまり何か一つの技法の専門という姿勢はあえてとらない、ということなのです。
方法論としては、漢方、鍼灸、サプリメント、ホメオパシーなどを用いることが多いので、いわゆる「介入(インターベンション)」からの視点としては、「漢方(ハーブ)」「鍼灸(刺絡・ハイドロリリース)」「サプリメント(分子栄養的視点)」「ホメオパシー(スピリチュアル)」に加えて、多元的統合理論としての「インテグラル理論」の5つの介入が目安。
実臨床における視点の違いとしては、皮膚・ファッシア・筋骨格において経絡系が複雑に絡まる「外殻」の視点、解剖的視点としての、外胚葉・中胚葉・内胚葉由来から考える「発生学」の視点、生体内での伝達システムにおける三系統、神経系・血管系・ファッシア系の「信号系」という視点。あえてまとめると3−3−3の視点。
これらが有機的に統合され、オッカムの剃刀的に統合されていくのではなく、あくまでも多元的に少しまとまりを欠きながらも、実際の「人」には有効に働くような、ある種のいい加減さを持つような感じ。
こうした感じが、今のところの「多元的統合」の実臨床でのイメージに最も近いように思います。いわゆる「こちら」側のイメージのメモでした。
経絡内科の紹介
現在、大学で統合医療概論のオンライン講義真っ最中なのですが、そもそも、我が国では統合医療という言葉があまりにも「手垢にまみれた」用語になっているのも事実。ほぼほぼ代替医療の言い換えのような状況になっているわけです。そのために、いかにそうではないか、ということを講義しているわけです。またこうしてブログも書いているわけです。
しかしそれでも実際、「統合」といわれてもピンと来ないと思いますので、なるべく分かり易い名称を、というので「経絡内科」としてみたわけです。当院の実態としては、この「経絡内科」に加えて、糖質制限を考慮した栄養指導と分子栄養学的なサプリメント運用による「栄養内科」、漢方や単味の生薬、さらには極少量の生薬利用ともいえるホメオパシーなどを用いる「漢方内科」(こちらは最近普通に標榜しているクリニックも増えてきましたね)といったところです。
こうした中でも最も珍しく思われるのが「経絡内科」。通常の鍼灸を用いるだけではなく、刺絡療法、エコー下ハイドロリリース、腹部打鍼術や経別・奇経療法、さらには通電療法等々を組み合わせて行っています。この時の基礎概念としているのが、皮膚や筋肉を統括してのファッシア理論で、この辺りの概略は当ブログ内の「臨床ファッシア瘀血学」に展開しています。
いわゆる腰痛・肩こりなど整形外科(内科)的疾患も扱いますが、内科的疾患に幅広く応用している点が特徴です。アトピー性皮膚炎や膠原病などの難治疾患や、悪性腫瘍の補助療法、さらには再発防止策の一環として、内臓疾患に適応している点で「内科」を称しています。
様々な不定愁訴など、どの科に受診していいのかわからないという方も多い中、統合医療相談と合わせて、一つの選択肢を提示しています。
「経絡内科」の構想
従来通りの瘀血症状に対する刺絡も、減ってはいないのですが、どうやら、「経絡」全体に対しての考え方の変化によって、技法の幅が広がってきたように感じています。(こうした変化があると不思議とそれを必要とする症状の患者さんの受診も増加したように思います)
こうした事情を考え、現在の診療実態を思う時、ふと「経絡内科」という用語が浮かびました。まあ整形内科的に「ファッシア内科」あたりが、神経内科との対で適当なように当初考えたのですが、そうするとファッシアを巡る慢性疼痛に限定されるような感じがして、「経絡」の使用がやはり適当かな、といったところです。
経絡内科の概念としては、いわゆる十二経絡のみではなく、それに付随する皮部、経筋、経別、さらには奇経すべてをひとつのシステムとして理解して全身の症状を扱う、というものです。具体的には、従来の鍼灸的な扱いに加えて、皮膚の特殊症状や皮膚科的症状に「皮部」、筋骨格系を中心とした整形的症状に「経筋」、いわゆる内科的な内臓症状に「経別」をあて、それらを接続する経絡をファッシアとして幅広く解釈するという感じです。
いわゆる現代医学的病名が、それらのシステムのどこに病変をもたらすか、そしてそれらを治療法としてどのように活用するか、がこの「経絡内科」のキモとなるでしょう。まさにその複雑さからも「経絡」システムは、「神経内科」の神経に匹敵するものと言えるでしょう(というよりあきらかにそれよりも複雑ですが)。
かつて刺絡やイオンパンピングなどの技法においては、医師の関与が重要な時代がありました。間中先生や工藤先生、浅見先生らの活躍です。また近年ではハイドロリリースにおいても、白石先生など近年の総合診療系の医師の活躍はいうまでもありません。こうした流れの中で、これらを統括する概念としても意義があるように思います。
しばらくはこの概念を活用しながら、診療を再考していくことになりそうです。統合医療の実践としての具体的な展開をすこし考えてみました。
花粉症のアイゾパシー (スギ花粉レメディの効果)
ただ、私の周囲の方を始め、当院に通院している方は、例年よりも症状の軽い方も多く散見され、少し例外のような感じがあります。この違いを生じているのは明らかにホメオパシー(アイゾパシー)ではないかと思います。
単独のケースのみでは、主観だけなのでいわゆる科学的検証ではありませんが、以前に施行された多施設によるダブルブラインド研究でも、自覚症状や抗アレルギー薬の使用量の有意な減少を認めておりました。加えて、当院で花粉症アイゾパシーを開始して5年経過したことも大きいように思います。とりわけ3年前からは積極的に、スギ花粉レメディをおススメしていることから、かなりの割合の関係者が3年目に突入しています。
このアイゾパシー(ホメオパシー)のメリットは、一年中ではなく花粉シーズンのみの服用で良いという便利さにあります。そして1年目より2年目、2年目より3年目、といった効果の蓄積がみられることも特筆されます。つまり早く始めれば、それだけ将来的にも楽になる、ということなのです。
まだまだ花粉症シーズンですので(これからはヒノキ花粉も始まります)、ぜひとも症状の強い方は一度、アイゾパシー(ホメオパシー)を一度試されることをおススメします!
また当院では、レメディに加えて、鼻うがいや「上咽頭洗浄液」による局所療法的なセルフケアも指導しております。また花粉症を悪化させる「脾気虚」の体調を改善する漢方や食事法なども説明しておりますので、ご興味ある方は一度、ご相談ください。
(花粉症レメディの研究に関して知りたい方は、研究リーダーでした朴澤先生の以下の著書がおススメです)
ファッシア瘀血から身体を診る・クリニック診療案内
統合医療をキーワードにこれまで説明してきたのですが、最近はもう少し具体的に「ファッシア瘀血」をキーワードにしています。そのために「臨床ファッシア瘀血学」の記事を連載しています。いわゆる神経痛などと称されて疼痛の原因となっている「ファッシア」の病変と、従来より東洋医学の慢性的な病因として名高い「瘀血」を合わせた概念です。中医学的には「気」と「血」の病変としてもよいでしょう。これを「臓器」の視点とします。つまり身体のあらゆる臓器へ気血が円滑に運ばれないマクロの病態です。
次は、生化学的な回路(とくにエネルギー代謝)において、円滑に必要な反応が生じない状態。つまりミクロの細胞内部において代謝が円滑に行われていない状態を想定しています。これをミクロの「細胞」の視点とします。具体的にはサプリメント等を用いて適切に補充していく方法論です。
そして最後はさらに微細な世界、「量子」の視点です。具体的にはファッシアをはじめとした細胞膜周辺の水分子の状態の量子的な調整です。これは少し難しいのですが、秩序化された水ともいえるレメディによる治療法としてのホメオパシーに代表できます。
ここまでをまとめると(1)量子レベル(2)細胞レベル(3)臓器エベル、という感じです。これらの流れをスムースにすることで機能的ないしは器質的疾病状態を治療していこう、という考えが当院での治療法の中心となります。
一般的には、漢方薬とか、ホメオパシーという治療法の名称によってご案内するほうが理解しやすいのですが、私がいろいろな方法論を渡り歩いてきてしまったため、多彩な方法論を統合的に用いる方針なので説明すると複雑になってしまうという事情があります。
方法論別に記載すると以下のようになります。
(1)ホメオパシー・エネルギー医学的アプローチ
(2)サプリメント・栄養・生化学的アプローチ
(3)鍼灸(刺絡)・ハイドロリリース・漢方薬・整体などの身体アプローチ
(1)〜(3)のあらゆるレベルで、自由電子や代謝過程、さらには血液や体液などの流れがスムースでないと、どこかで「渋滞」が生じてしまいます。渋滞がひどければ、そこに病理産物が生成されてしまうかもしれませんし、さらには、そこをスキップしてしまうかもしれません。これにより血液・栄養の供給がされなくなります(脱毛などがその好例でしょう)。そしてその経路が短絡されることで、「縮退」現象が加速することになります。こうした生体における縮退をいかに回避するかが大きな診療の目的でもあるのです。
従来の「診断名」を超えて、不調そのものを改善していくことを当院は目指しております。
小池統合医療クリニックへのお問い合わせはこちらまで。
花粉症対策でもあり、新型コロナ対策でもある!
通常は、抗ヒスタミン薬が処方されることが多いでしょうが、これはやはり「眠気」がネックとなりあます。こうした副作用なしで、少しでも軽く、といった場合、やはり「ホメオパシー(アイゾパシー)」の出番です。
基本的にはレメディ1粒を毎日、花粉飛散時期のおよそ2か月間、舌下に投与するだけ。当院でも初めに投与してから4,5年経過した方が出てきているので、そうした方はかなり症状は軽快し、抗ヒスタミン薬を使わなくなることがほとんどです。
劇的に効く方ですと、初年度からでもかなりの効果が表れます。毎年、この治療だけを受けに来るというかたもいらっしゃるので、この時期の定番の治療法の一つといえます。
次にポイントなのが、栄養です。特に「ビタミンD」が花粉症に関しては重要です。25ヒドロキシビタミンDの測定を行ってからであれば、より自分の不足度合も分かるので、適切に補充することができます。
当院では栄養チェックの採血検査を、希望の方に実施していますが、その際にはほぼこのビタミンD測定も行っています。
ビタミンDの補充は、花粉症に限らず、特に、話題の新型コロナウイルス感染症の発症や重症化と関連すると言われ、免疫力の一つの指標とも言えます。花粉症対策として、このビタミンD補充を行うことで、そのままCOVID‐19対策となるわけです。この時期、二つの意味で、補給しておきたい栄養素です。
そして最後は、鼻うがい。マスクでガードされているとはいうものの、やはり、花粉は鼻腔から吸入されてしまいます。鼻から吸入された粉塵や花粉が、捕獲されるのが「上咽頭」となります。つまりここで花粉はアレルギー症状を起こすわけです。これは新型コロナウイルスも同様で、多くのウイルスが上咽頭で増殖すると考えられています。つまり上咽頭を清潔にする「鼻うがい」は花粉症にも、ウイルス対策に双方に有用な治療となるわけです。
鼻うがいがうまくできない、というお話はよく伺うのですが、まずは専用の鼻洗浄液を、鼻腔に入れるところから。つまり右(もしくは左)から入れて、反対側から出す。うまくできなくても、入れるだけで、鼻腔はそこそこ洗浄されます。
慣れてきたら、首を後方に反らせて、洗浄液(生理的食塩水)を上咽頭にためます。そこで左右に洗浄液を揺らすことで、上咽頭壁の汚れを洗うような感じにし、(可能なら)口から出します。こうすることで口蓋垂の裏側も洗浄できます。
うまくできなくても、まずは洗浄液(生理的食塩水)を鼻腔にい入れるところから、始めてみましょう。
以上、当院の推奨する花粉症対策(そしてウイルス対策にも)としては、ホメオパシー(スギ花粉レメディ)、ビタミンD補充、鼻うがいの3本立てです。
このほか症状の強さなどに伴って適宜、漢方薬なども追加しています。
鼻うがいの様々な疾患への応用
コロナの付着部としても、注目されている上咽頭ですが、この部位を、簡単に洗浄できるのが「鼻うがい」です。生理的食塩水を作成して洗浄するもよし、もっと簡便に専用の洗浄液を薬局で購入するもよし(ハナノア等)、です。もっと上咽頭局所の治療としてやるのであれば、専用のリノローションなどもあります(こちらは医療用なので医療機関での購入が必要ですが)。
いずれにせよ、上咽頭の清浄化のみではなく、その部位の適度な刺激にもなり、自律神経(とりわけ迷走神経)への刺激や調整機能として捉えることもできます。つまり呼吸法などと並んで、ポリヴェーガル理論でいうところの有髄の迷走神経への介入にもなるのではないでしょうか。
こうした刺激は、安保理論なども考え合わせれば、難病やがんなどの難治性疾患における、免疫の調整や賦活にもつながることが予測されます。いずれにせよ、安全な健康法の一つとして、免疫賦活や調整の手軽な方法になりうるものですから、漢方やホメオパシー、サプリメントなどの従来の方法論と合わせて積極的に用いてみることをおすすめします。
スギ花粉のレメディ 花粉症のホメオパシー
例年のこの時期からおすすめしているのが、花粉症のレメディです。ホメオパシーなので、科学的嗜好が強い方はアレルギーを持つかもしれませんが(笑)、こと花粉症対策としては、是非ともおすすめのアイテムです。(ちなみに当クリニックでは月ごとに、ホワイトボードに健康増進のためのおすすめアイテムを掲示しています!)
薄めたものを用いる、その利用方法は、舌下免疫療法においても発想は同じですが、生成方法や希釈濃度などに若干の差があります、というより法的な差異が最も大きいといえるかもしれません。いずれにせよ、日本のスギ花粉から作られたレメディを、舌下に毎日1粒ずつとるだけですから、負担は極めて少ない療法です。毎日1粒、2か月ほどの継続が通常の方法となります。
このレメディに関しては、仙台の朴沢先生らにより既に研究発表がされています。19施設125名の患者さんを対象にした研究の結果、対照群では半数の患者さんがほぼ毎日抗アレルギー薬を服用せざるをえなかったのに対して、レメディ服用群では42.6%の方が1週間で0〜2錠の抗アレルギー薬服用で症状を抑えることができていたというものです。これが単年の結果なのですが、さらに継続すると結果が良くなります。つまり、2年3年と継続することで有効性が高まり、4年経過時点で、80%の方が抗アレルギー薬を全く服用しなくなったという結果が出ているのです。
この治療はホメオパシーのカテゴリーですので、いわゆる「代替医療」枠の治療法ではありますが、海外の報告もあわせるとかなり良い結果がすでにあるので、ただ漫然と「抗アレルギー薬」に頼っている方にはぜひとも試して頂きたい治療法です。ホメオパシーが嫌いでも、この花粉症レメディは、かなりの方に効果を実感して頂けるのではないかと感じています。
ご興味ある方は、当クリニックまで、お問い合わせ、ご予約下さい。個々の体調に合わせた診察の上、処方可能です。
ちなみにこの方法は、他のアレルギーにも応用可能で、レメディの種類を変えることで、スギやヒノキに限らず、ハウスダストや、犬や猫のアレルギーなどにも効果的です。当院でもアレルギー治療として用いております。スギ以外のアレルギーの方もご相談ください。
グルタチオン、足りてますか?
とりわけアセトン中毒や自家中毒などにも適応症例とされていることから、その解毒作用も注目されています。アルコール摂取後の解毒に関する研究もされており、二日酔い症状の抑制も証明されています。また主観的な疲労度の改善効果や、美肌効果も報告されています。
医薬品としてだけでなく、食品においても豚レバー、アボカド、小麦粉、さらにはお米にも幅広く含有されていますが、Nアセチルシステインが前駆体として知られているので、その形で摂取することも可能です。ちなみに、NアセチルシステインはWHOの必須医薬品のひとつとされ、アセトアミノフェンの過剰摂取への解毒にも使われています。まさに解毒ですね。
グルタチオンは、紫外線照射の影響も減じてくれるので、これからの季節、美肌目的に摂取を気にしたい栄養素ですね。当院ではアンチオキシダントやサンプロテクトなどに含有されています。
発毛サイト出来ました(改訂最新版)
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元々は、あまり知られていない「刺絡療法」の紹介をしようと考えていたのですが、刺絡療法の一環として行っている「発毛」への関心が大きくなってきましたので、「発毛」をメインにしたものにしました。まだ作成途上で、今後、もう少し分量を増やしていく予定ですが、とりあえず現時点での公開をいたしました。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
http://koikeclinic.com/hatsumo/index.html
一連の発毛の治療方法を「発毛刺絡療法」と名付け、刺絡療法の紹介もかねております。多くの病態の根源を「瘀血」と考え、瘀血という「縮退」を取り除く。当院の治療の考え方の一端をご覧いただければ幸いです。
当時も、「縮退」を軸として記事を書いていましたね(笑)
発毛サイトの再確認
肩こり、腰痛などと同様に、局所における血流の改善を鍼灸・刺絡で図り、サプリメントにより強力に補充していくという考え方で、頭皮に栄養をとどけ、自然治癒力を引き出そうとするものです。
ファッシアを介して考えれば、内臓疾患にも応用可能で、自然治癒力(自発的治癒力)の発揮には最適の方法と考えております。頭皮のみではなく、体全体から、健やかにしていこうとする治療法です。
↓ ↓ ↓
http://koikeclinic.com/hatsumo/index.html
発毛刺絡のすすめ 薄毛・円形脱毛へのもう一つの治療法
当院の円形脱毛や薄毛対策は特徴で、あまり他院ではやられていない方式ですが、頭皮からの少量の出血を伴う「刺絡」という方法を用いております。これは瘀血などにより局所的な循環不全が生じた際の改善策なのですが、薄毛の方にはこうした頭皮での循環不全が少なからずあるようです。そこに、サプリにより発毛に必要な栄養素を十分に含んだ血液が灌流されることで、毛根に栄養が行き渡り発毛が促進されるという機序です。
そもそもこの方法は、刺絡をがん対策ないしはがん再発防止として(自律神経免疫療法等の考え方に基づき)施術していた際に、抗がん剤で脱毛していた方が、他の患者さん達とくらべ早めに発毛していたという指摘が続いたことから、がん治療後の方に用いていたものでした。それが、次第に、発毛外来での改善困難な例などで試行するようになり、一定の効果を確認できたので、通常の症例にも拡大してきたという経緯があります。
いずれにせよ、基本的な考えは他の疾患と変わらず、循環不全を改善し、そこに十分な栄養を送り届け、自然治癒力(自発的治癒力)を発動させるというコンセプトです。内臓疾患でも、筋骨格系疾患でも基本的にはこの考え方で治療しております。つまり表面からのアプローチで、内臓等を包むファッシア近辺の血流を改善し、標的となる臓器の改善を図ろうというものです。
それゆえに鍼だけで、サプリだけで、何とかしてくれというご希望には、とりわけ薄毛に対しては基本的には対応しておりません。
私自身が皮膚科医ではなく、内科医の出身なので、局所的な循環の改善という視点を重視した治療になっております。こうした考えに納得いかれた方にのみ、発毛の刺絡治療を行っているというのが現状です。ご興味ある方は、まずは相談のみから受け付けておりますので、ご遠慮なくどうぞ。
慢性上咽頭炎の治療
コロナ禍の前にBスポット療法(EAT)がかなり関心を持たれていたので、急速に普及していきましたが、コロナ感染予防の観点から施行する医療機関もかぎられていたようです。
そうした中、予防設備の充実が追い付かなかったこともあり、当院でもEATによる上咽頭療法は休止しておりましたが、その間、鼻うがいの充実と上咽頭の洗浄、関連する治療点の特殊なパッチでの刺激、刺絡を用いた頭頚部(とくに咽頭の深部)の瘀血治療などによって対応してきました。
これにより、ただ単にEATを施行するよりも症状改善の良好な効果を得られることを多く経験しました。それゆえに、このたびEATの再開に加え、これまでのEAT単独の治療から、刺絡(瘀血除去のための鍼治療)を組み合わせた総合的な慢性上咽頭の治療へ改変することになりました。
患者様には、これまでと少し治療方法の変化が出る方もあるかと思いますが、当院の方式での治療に納得して頂けた方には、新しい形式でのBスポット療法を施術していきたいと考えております。
なお上咽頭洗浄などのセルフケアは引き続き行っておりますので、上咽頭の不快症状のある方は是非一度ご相談ください。
当院の6つの診療の柱
そこで、たまに記載しているインテグラル理論に基づいて、その診療内容をご紹介します。まずはその武器となる方法論は6つ。
(1)栄養・サプリメント
糖質制限やたんぱく摂取などの栄養指導。健康増進のためのサプリメントの活用。分子整合医学(オーソモレキュラー医学の応用)による副腎疲労などの不調の解除、など。
(2)鍼灸・刺絡・ファッシア
通常の鍼灸に加え、体に停滞した瘀血を針とカッピングなどで取り除く刺絡療法。さらには頑固な深い痛みに対して超音波(エコー)により確認しながらファッシア(筋膜)のリリースなど、様々な方法で痛みを取り除きます。
(3)漢方・養生法
エキス剤や煎じ薬や、中医薬なども用いながら、主にがん(各種悪性腫瘍)の再発防止や、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、更年期障害などに対応しています。また東洋医学的な視点をいかした養生指導(温めや食事指導など)も行っています。
(4)ホメオパシー・エネルギー療法
統合医療的なホメオパシーの処方に加え、アイソパシーによる体質改善(花粉症対策など)やその他エネルギー医学的な相談も行っています。ホメオパシーは専門医の資格を活かして、英国直輸入の医師専用レメディを処方しております。
(5)心理・スピリチュアル
各種、心理療法との連携を通じて、メンタル・スピリチュアルの影響を考慮した統合医療を展開しております。インテグラルな視点から幅広く、心理学・哲学・霊学の視点を考慮していきたいと考えています。
(6)内科学・現代医療・臨床検査医学
内科専門医ならびに臨床検査専門医の資格を活かして、現代医療との境界領域のご相談にも幅広く対応しております。また持参された人間ドックなどのデータ説明や、気になる検査項目、現在の栄養状態や健康状態を採血検査(当院で採血できます)により詳細に説明いたします。
この6つの柱を多元的に組み合わせながら診療を行っております。
多元的な方法論をさらに詳しく知りたい方はこちら ↓ ↓ ↓
当院の統合医療の考え方、ならびにジャングルカンファレンスの基本的考え方を、分かり易く解説します。単回の参加も可能です。ご興味ある方は、どなたでも参加できます!
第3回オンライン講座 統合医療入門
『ジャングルカンファレンスと多元主義』
各論:ホメオパシーとその周辺
2020年 6月26日金曜日
18:30〜20:00 (質疑〜20:30頃まで)
お申し込みは ↓ ↓ ↓
第3回統合医療入門@ZOOM講座
【申し込みフォーム】
https://forms.gle/8GbcF8DpMN8AwUXE8
統合医療オンライン相談、始めました
今週から、「統合医療オンライン相談」を開始いたしました。
ZOOMを用いた形式で、ご自宅に居ながら対面の診療を行います。従来通りの電話相談も継続しますので、併用することが可能です。4月23日木曜日から受付を開始します。お問い合わせのみでもご遠慮なくどうぞ。
オンライン診療の流れ
まずは小池統合医療クリニック(03−3357−0105)までお電話をください。ZOOMに慣れていない方も多いことを考え、オンライン相談担当の者から、追ってご連絡差し上げ、接続状況を確認の上、後日、オンライン相談開始となります。(こうしたプロセスのため即日開始できないのですがご了承ください)
このオンライン診療は、コロナウイルス感染拡大防止に加え、遠方や何らかの事情によって来院できなかった方に対して、新たな方法で統合医療を提供しようとする試みです。
これまで統合医療に関心があっても、なかなか遠方で受診する機会がなかった、という方にはぜひご利用して頂きたいです。
「統合医療オンライン相談」はどのような診療内容?
「統合医療オンライン相談」としては、様々な統合医療に対するご相談に加え、この時期に気になる体調不良や、健康増進、免疫力アップの方法論などをアドバイスし、一緒に考えていきます。
具体的な方法としては、セルフケアを基本としながら、まずは栄養指導。体調不良の様子からおすすめできる栄養のアドバイスに加え、適切なサプリメントによる補充を行います。この時期の免疫アップとしては、医療機関専用の安心のマルチビタミンをベースに、ビタミンCの大量摂取に加え、ビタミンD、亜鉛などが感染に対しての抵抗力をつけるのがおすすめです。
それ以外にも、様々な症状に対して統合医療医、内科医の視点から、オーソモレキュラー医療や東洋医学の知見などとあわせて、アドバイスしていきます。
また、サプリメントによる栄養の視点に加え、自らの治る力を引き出す「ホメオパシー」も併せて取り入れることも可能です。ホメオパシーは、ヨーロッパの歴史ある補完医療で、近年ますます注目されている伝統的な診療体系です。心身両面からの問診により、症状に最適の「レメディ」を選択します(当院のレメディはスコットランドの医師専門の歴史あるメーカーから取り寄せております)。アレルギー体質の改善を目指す「アイゾパシー」的アプローチも行っています。
その他、漢方を中心とした東洋医学の視点や、統合医療的なセルフケアやアドバイスをあわせて、健康増進のヒントを提供し、「一緒に治る」という姿勢で、ご相談にのらせて頂きます。
サプリメントによる栄養アプローチと、ホメオパシーによるエネルギー医学的アプローチにより、オンライン相談で免疫アップし、健康増進を実現していきましょう。
統合医療オンライン診療(遠隔診療) 診療内容のご紹介
従来、来院を原則として、鍼や刺絡などの施術と併せて診療を行ってまいりましたが、このたび、これまでの施術に加えて、ZOOMを用いたオンライン診療(遠隔診療)を導入することにしました。
コロナウイルス感染拡大防止に加え、遠方や何らかの事情によって来院できなかった方に対して、新たな方法で統合医療を提供しようとする試みです。
「統合医療オンライン相談」はどのような診療内容?
「統合医療オンライン相談」としては、様々な統合医療に対するご相談に加え、この時期に気になる体調不良や、健康増進、免疫力アップの方法論などをアドバイスし、一緒に考えていきます。
具体的な方法としては、セルフケアを基本としながら、まずは栄養指導。体調不良の様子からおすすめできる栄養のアドバイスに加え、適切なサプリメントによる補充です。この時期の免疫アップとしては、医療機関専用の安心のマルチビタミンをベースに、ビタミンCの大量摂取に加え、ビタミンD、亜鉛などが感染に対しての抵抗力をつけます。
それ以外にも、色々な症状に対して分子整合医療や東洋医学の知見などとあわせて、アドバイスしていきます。
また、サプリメントによる栄養の視点に加え、自らの治る力を引き出す「ホメオパシー」も併せて取り入れることも可能です。ホメオパシーは、ヨーロッパの歴史ある補完医療で、近年ますます注目されている伝統的な診療体系です。心身両面からの問診により、症状に最適の「レメディ」を選択します。アレルギー体質の改善を目指す「アイゾパシー」的アプローチも行っています。
サプリメントによる栄養アプローチと、ホメオパシーによるエネルギー医学的アプローチにより、オンラインで免疫アップし、健康増進を実現していきましょう。
遠方の方や自宅滞在のまま統合医療の相談・診療をご希望の方は、03−3357−0105まで(詳細はお電話にて承っております)。お問い合わせのみでもご遠慮なくどうぞ。
診療内容の4つの柱
前回述べました「統合医療相談」をベースに、まずはどのような症状にお困りなのかをじっくりとお聞きしています。現代医療、代替医療を問わず、各々の診療体系には向き不向きがあるように思います。学生時代など、いわば名人といわれる方々の診療を見学させていただきましたが、その方法論によって(キャラクターによっても)得意とする領域は異なるように思いました。つまり適する疾患と、そうでないものが存在してしまうというわけです。
まず、現代医療として特定の疾患名を有するもので、確実なエビデンスを有するものに関しては、ご本人の意向に反していなければ、最優先されることは言うまでもありません。この姿勢が、「統合医療」と「代替医療」の最大の違いといってもよいかもしれません。
慢性的な咳や胃腸障害、感冒症状から引き続いいての不調、アトピー性皮膚炎やその他慢性症状は、適合するものであれば、「漢方薬」が大きな力を発揮します。私個人としては、中国医学系から勉強をスタートしたのですが、現在では和漢診療系の方法も多く用いますし、古典をベースとしないサイエンス漢方的な考え方も重要であると考えています。とくにアトピー性皮膚炎は、栄養の補助も重要ですが、漢方による「寒熱」の処理が不可欠に思います。
肩こり・腰痛・膝痛など整形的な不調に対しては、「鍼灸」「刺絡」「ハイドロリリース」など「徒手療法」の系統が非常に効果的です。後鼻漏など慢性上咽頭炎関連の不調に対しての「EAT(Bスポット療法)」など特殊な手技も同じ分類で考えています。また自律神経・免疫の関連から、井穴刺絡療法によりがん治療の補完的治療として免疫力の底上げも見逃せません。
不足している栄養素などを血液データから推測して栄養の補給や、メガビタミンでの積極的治療を行う「栄養」「サプリメント」「オーソモレキュラー医療」といった領域も重要です。この分野は、特に診断がつかないような不調やそれ以前のセルフケア領域ともあわせて幅広い日常の不調に対応できます。以前は(今でも?)漢方が、その役割を担っていましたが、冷えなど特定の症状を除くと、分子栄養的な治療の方が汎用性が高いように思います。新たな概念である「副腎疲労」や「機能性低血糖」、「抑うつ」といった精神的症状に極めて効果的なのもこの分野の特徴です。
最後はエネルギー医療の代表格といってもよい「ホメオパシー」です。欧米において一般的であることから、当院では海外から帰国された方々からのリクエストが多い治療法になります。ホメオパシーは日本ではあまり広く知られていないので、全く知らない方に一から説明すると、訝しがられる治療法でもあり、私自身、この療法の専門医でもあるのですが、他のものに比べ処方する機会が少ないものでもあります。それでもこの時期は、スギ花粉症のレメディは大人気ですので、他のアイゾパシー(犬、猫、ハウスダスト等)と合わせお問い合わせをいただいております。希望される方もかつてと比べると随分と増えてきた印象です。ある意味で、心理療法的な面もあり、根本治療としても秀でた治療だと思います。ここでもたまに解説しているように、身体を構成する水分子の容態(クラスター形成)という根底からの回復を意図している治療といえるのです。
以上、大きく4つに分けて当院の治療法の特色と、適応のようなものを説明しました。代替医療に限らず、あらゆる治療法には向き不向きがあります。なんでもそうですが、一つの方法論ですべてが回復するわけではありません。だからこそ、いくつもの要素を多元的に並列させた方法論が必要に思うのです。
当院の方法論でも、さらに不足な方には(とくに徒手療法系)ご希望があれば、隣接する身心工房リボンをご紹介しています。