多元的統合

「多元的統合師」の構想

 週末のオンライン講座で少しお話をしたのですが、統合医療についてその根本を学ぶことは、それだけではない更なる意味があるということ。つまり多彩な要素のものをどのようにとらえて整理するか、という普遍的な問題になるということです。
 そこで、そうした多要素の物事を、ただ合わせるのでなく、さりとてそのまま放置するでもない、その「統合」のしかたについて考える、もしくはヒントを与えるような役割があるとすれば、それは「多元的統合師」とでも呼べる役割ではないかというお話をしました。

 こうしたことは、一般にどうでもいいようなことや、些細なこと、重要でないことのように思われることが多いのですが、それが大きな間違いであると強く感じています。
 統合医療の混乱もここから派生した問題ですし、話題のインテグラル理論でもその「統合」の在り方やその誤解が大きなテーマになっています。またジャングルカンファレンスのような多彩な人たちの集う場での司会、ないしはファシリテーターにとっても不可欠な考え方でもあります。
 またいろいろな知識を入れた場合に、自分の頭が混乱しないための方法論でもあったりします。つまり結構、広い応用がきく思考のいわば「デバイス」といえるものだと思うのです。

 それを統合医療をはじめ、多元主義(主に精神医学や心理学における)やプラグマティズム(とくにその定義の違いや哲学史上の意義)、対話主義や社会構成主義、インテグラル理論などをヒントに手探りで考えていこうという立場が、多元的統合師の立脚するところと考えています。

 詳細はブログ等で公開していきますが、いまのところ、その習得すべきイメージは、オンライン統合医療講座など総論的な講義、ジャングルカンファレンス・カフェの参加、などを主な課題として、「多元的統合」についての考えを深めてもらおうと考えています。

 これは一種の資格ではあっても、ただの資格ではありません。共通する仲間を得ることで、いちいち前提条件を確認せずに、本質的な話題を一気に議論し、様々な問題の本質にいち早く迫ろうということが最終目標になります。それにより我々の健康問題や、それぞれのセラピーにおけるアイデンティティの問題にも通底するものです。

 多元的統合とは、通常の統合とはどう違うのか(さらには通常の統合とはどのようなことなのか)、折衷と多元の本質的な違いは何か、どのようにして選択の基準となりうる「真」に到達できるのだろうか。これらの問題を巡る射程はきわめて深く広いものですが、これにより得られる視点は極めて重要なことであると確信しています。

 そうしたことを、関心のある方たちと一緒に勉強していこう、というイメージを抱いております。そうしたことを次回のオンラインの講座ではご案内していきたいと思いますので(なんだかよくわからないけれども)なんとなく気になった方は是非ご参加下さい。

 前段くらいまで知りたい方は以下をお読みください。↓ ↓ ↓



tougouiryo at 2020年06月29日05:00|この記事のURLComments(0)