マトリックス医学
瘀血から線維化現象への推定仮説
前回に引き続き、マトリックス医学の概略について。いわゆる瘀血の形成から線維化に至る道筋をメモしておきます。
まずは、血管や血球の観察から知れる瘀血の病変について。赤血球の形態変化のしやすさ、連銭の形成状態、プラークの遊離、フィブリンネッツと思われる藻状構造体による血球の捕捉、これらがいわゆる粘性度をあげ、末梢の毛細血管における血流を妨げ、ときに血管外に漏出、もしくはファシアの空胞内部に充填され、瘀血・水滞、ファシア瘀血を形成する。
毛細血管観察像を不明瞭化させるこうした漏出物、おそらくはフィブリンネッツおよびグロブリン・マクロファージと思われる炎症性物質により、微小な線維化(線維の相互の架橋等)を形成すると考えられる。これらの集合により、時に線維化(症)へと発展する、もしくはファシアの重積といった形でエコー下で観察されることになる。これがファシアの病態となり、おそらくミクロには慢性炎症を惹起する物質を排出、慢性炎症の温床となると推測される。
こうした病変がいわゆる経絡学説の経別として内臓と接続し、炎症性物質が伝播、もしくは内臓の線維化からの逆伝播を生じ、体表観察を可能とする。この一部が、上層の皮膚に影響し、皮膚病変として認識されることもあるだろう。近年、デルマトロームとして関心を持たれているものの機序にあたると思われる。
これらの事象は、従来の臨床検査ないしは画像検査ではなかなか捉えにくいものであったが、補完的な検査が適するものと考えられる。つまり末梢における瘀血発生の母地として、毛細血管像・末梢新鮮血観察により概略を捉えることができるし、また微小なファシアレベルでの異常は、経絡現象の応用として良導絡など経絡測定器で推測できるし、脈診・背腹診といった伝統的診察法も応用可能である。また、より大きな重積に関してはエコーにてリアルタイムでの観察もでき、ハイドロリリースとして治療介入にもつながる。
当然、より大きな病変ないしは内臓での検索はMRIにて、全身レベルで行うことができ、さらに大きなエネルギーレベルでの偏りなどは、アーシングの対象にもなりうるし、バイオレゾナンスなどのエネルギー的な検索も可能になるだろう。
以上が、現段階における線維化(症)への流れの推測モデルである。
まずは、血管や血球の観察から知れる瘀血の病変について。赤血球の形態変化のしやすさ、連銭の形成状態、プラークの遊離、フィブリンネッツと思われる藻状構造体による血球の捕捉、これらがいわゆる粘性度をあげ、末梢の毛細血管における血流を妨げ、ときに血管外に漏出、もしくはファシアの空胞内部に充填され、瘀血・水滞、ファシア瘀血を形成する。
毛細血管観察像を不明瞭化させるこうした漏出物、おそらくはフィブリンネッツおよびグロブリン・マクロファージと思われる炎症性物質により、微小な線維化(線維の相互の架橋等)を形成すると考えられる。これらの集合により、時に線維化(症)へと発展する、もしくはファシアの重積といった形でエコー下で観察されることになる。これがファシアの病態となり、おそらくミクロには慢性炎症を惹起する物質を排出、慢性炎症の温床となると推測される。
こうした病変がいわゆる経絡学説の経別として内臓と接続し、炎症性物質が伝播、もしくは内臓の線維化からの逆伝播を生じ、体表観察を可能とする。この一部が、上層の皮膚に影響し、皮膚病変として認識されることもあるだろう。近年、デルマトロームとして関心を持たれているものの機序にあたると思われる。
これらの事象は、従来の臨床検査ないしは画像検査ではなかなか捉えにくいものであったが、補完的な検査が適するものと考えられる。つまり末梢における瘀血発生の母地として、毛細血管像・末梢新鮮血観察により概略を捉えることができるし、また微小なファシアレベルでの異常は、経絡現象の応用として良導絡など経絡測定器で推測できるし、脈診・背腹診といった伝統的診察法も応用可能である。また、より大きな重積に関してはエコーにてリアルタイムでの観察もでき、ハイドロリリースとして治療介入にもつながる。
当然、より大きな病変ないしは内臓での検索はMRIにて、全身レベルで行うことができ、さらに大きなエネルギーレベルでの偏りなどは、アーシングの対象にもなりうるし、バイオレゾナンスなどのエネルギー的な検索も可能になるだろう。
以上が、現段階における線維化(症)への流れの推測モデルである。
tougouiryo at 2023年11月19日10:38|この記事のURL│Comments(0)
統合的研究テーマとしての「マトリックス医学」
最近の臨床と研究での気づきのメモです。ご興味ない方はスルーを。
内科系の学会の基礎的な話題をみていると、かつてはあまり興味を持って語られなかった「線維化」について多く議論されているようです。線維化において重要な細胞外マトリックスなどは、以前から話題になっていましたが、炎症の最終ステージとしての線維化現象が、従来、不可逆と思われていたのが可逆的だということが多くの興味を惹いているようです。
特に、外野からでも面白そうなのは、腸内細菌との関連、さらには血管内皮との関連です。また免疫細胞との関係では、マクロファージのみならず、好酸球・好塩基球も大きな役割を有し、臓器横断的に新たな展開が期待できそうです。ただこうした基礎的な研究方法のみに限定すると、それだけになってしまいますが、このテーマはそれ以上に広がりを持ちそうな分野でもあります。
ここでもたびたび話題に挙げている「ファシア」が、その一つ。広い意味でのコラーゲン線維という共通点もさることながら、ファシアに生じる病態を臓器レベルに展開するときに、線維化の視点はとても重要な気がします。
また、科学論的に見ても、やや代替医療的な視点を有する「ファシア」に対し、基礎医学的な概念である線維化は、両者の橋渡し的な役割にもなりそうです。
この辺りの議論はここでも、ファシア瘀血学、そしてファシア学として解説してきましたが、いわゆる整形内科的な疾患の縛りを超えて、より大きな議論に接続できる可能性を感じます。瘀血の概念からの分析としては、毛細血管像の観察や、その中身としての血液像の観察において、「瘀血」概念を形成する構造物が見つかっており、これらと線維化との関連は、直に生体との接続を可能にするものである気がしています。今のところこの辺りの詳細は、少しぼかさざるを得ないのですが、いずれにせよ基礎的なレベルでの医療の「統合」を可能にする研究領域と言えるでしょう。
科学哲学的な視点で考えると、近年、こうした大きな意味での「統合」傾向が、意識するとしないにかかわらず進行しているように感じます。個々の研究者は、自らの領域の科学的な整合性を強調していくでしょうが、俯瞰した時に、それらの思惑とは違った大きな潮流のようなものを感じざるを得ません。統合医療の概念的な問題(総論構築問題も含む)に関心を持ちながら、ジャングルカンファレンスやオープンダイアローグといった組織体の在り方に興味を持つのも、また同時にファシアや末梢循環環境の研究に惹かれるのも、みな同根といったことなのです。
これまでざっくりとした雰囲気でしか、捉えてこなかった複数の概念の関係が、ここにきて次第に言語化できるようになってきました。おおきな統合の動きを、基礎的な考察においても展開していきたいものです。
こうした考えから、線維化についてもトピックスとして記述しながら考えていこうかと思ったのですが、それよりも大きな概念でまとめたほうがよさそうに思えてきました。そこで考えたのが「マトリックス医学」という概念。かつて縮退現象について考えたていたときに、同様の名前を思いついたのですが、縮退関連ですと「行列」としての意味合いしかなくなるので、今回とは異なります。それを含んだ、より大きな概念とでもいえましょうか。つまり細胞外マトリックスを基礎とした、広く生体の基質全体を視野に入れる医療の考えとでもいえましょうか。実質臓器との関連で言えば、まさに正統と代替の統合、そのものを体現する概念にもなりそうです。
何言っているかわからん、と思った方、ご安心ください。今後、少しずつこの概念の例や解説をしていきたいと思います。今日のところはメモですので…。
内科系の学会の基礎的な話題をみていると、かつてはあまり興味を持って語られなかった「線維化」について多く議論されているようです。線維化において重要な細胞外マトリックスなどは、以前から話題になっていましたが、炎症の最終ステージとしての線維化現象が、従来、不可逆と思われていたのが可逆的だということが多くの興味を惹いているようです。
特に、外野からでも面白そうなのは、腸内細菌との関連、さらには血管内皮との関連です。また免疫細胞との関係では、マクロファージのみならず、好酸球・好塩基球も大きな役割を有し、臓器横断的に新たな展開が期待できそうです。ただこうした基礎的な研究方法のみに限定すると、それだけになってしまいますが、このテーマはそれ以上に広がりを持ちそうな分野でもあります。
ここでもたびたび話題に挙げている「ファシア」が、その一つ。広い意味でのコラーゲン線維という共通点もさることながら、ファシアに生じる病態を臓器レベルに展開するときに、線維化の視点はとても重要な気がします。
また、科学論的に見ても、やや代替医療的な視点を有する「ファシア」に対し、基礎医学的な概念である線維化は、両者の橋渡し的な役割にもなりそうです。
この辺りの議論はここでも、ファシア瘀血学、そしてファシア学として解説してきましたが、いわゆる整形内科的な疾患の縛りを超えて、より大きな議論に接続できる可能性を感じます。瘀血の概念からの分析としては、毛細血管像の観察や、その中身としての血液像の観察において、「瘀血」概念を形成する構造物が見つかっており、これらと線維化との関連は、直に生体との接続を可能にするものである気がしています。今のところこの辺りの詳細は、少しぼかさざるを得ないのですが、いずれにせよ基礎的なレベルでの医療の「統合」を可能にする研究領域と言えるでしょう。
科学哲学的な視点で考えると、近年、こうした大きな意味での「統合」傾向が、意識するとしないにかかわらず進行しているように感じます。個々の研究者は、自らの領域の科学的な整合性を強調していくでしょうが、俯瞰した時に、それらの思惑とは違った大きな潮流のようなものを感じざるを得ません。統合医療の概念的な問題(総論構築問題も含む)に関心を持ちながら、ジャングルカンファレンスやオープンダイアローグといった組織体の在り方に興味を持つのも、また同時にファシアや末梢循環環境の研究に惹かれるのも、みな同根といったことなのです。
これまでざっくりとした雰囲気でしか、捉えてこなかった複数の概念の関係が、ここにきて次第に言語化できるようになってきました。おおきな統合の動きを、基礎的な考察においても展開していきたいものです。
こうした考えから、線維化についてもトピックスとして記述しながら考えていこうかと思ったのですが、それよりも大きな概念でまとめたほうがよさそうに思えてきました。そこで考えたのが「マトリックス医学」という概念。かつて縮退現象について考えたていたときに、同様の名前を思いついたのですが、縮退関連ですと「行列」としての意味合いしかなくなるので、今回とは異なります。それを含んだ、より大きな概念とでもいえましょうか。つまり細胞外マトリックスを基礎とした、広く生体の基質全体を視野に入れる医療の考えとでもいえましょうか。実質臓器との関連で言えば、まさに正統と代替の統合、そのものを体現する概念にもなりそうです。
何言っているかわからん、と思った方、ご安心ください。今後、少しずつこの概念の例や解説をしていきたいと思います。今日のところはメモですので…。
tougouiryo at 2023年11月17日19:52|この記事のURL│Comments(0)