マトリックス医学
最近の展開、マトリックス医学を中心に
ずいぶんと久しぶりのブログになります。
ファシアからマトリックス医学への展開の理論化が進行中で、なかなかここでのご報告に至りませんでした。
現在、ファシア振動を中心に据えたAWGオリジンの解説書と、そこから導かれるマトリックス医学の射程の理論書の2冊同時進行中です。どちらかは春か夏までには出来そうです。詳細は、ここでもご紹介しますので、お待ちください。
また、メディカルホメオパシー医学会の総論論文として、ファシアとホメオパシーについての接点を論じた論文がもう少しで完成します。こちらは学会会員のみになりますので、皆様の目に触れることもないかと思いますが、探すと意外にどこかでみつかるかもしれません。
3月8日(土)に、今年最初の「マトリックス研究会」開催予定です。AWG(QPA)による治療効果や、マトリックス医学の展開にご興味ある方、クリニックまでご連絡頂けましたら、どなたでもご参加できます。
ファシアをめぐる議論から発展した「マトリックス思考」による医学への新しい視点について、今回はその基本から全体像をお話したいと思っています。
ファシアからマトリックス医学への展開の理論化が進行中で、なかなかここでのご報告に至りませんでした。
現在、ファシア振動を中心に据えたAWGオリジンの解説書と、そこから導かれるマトリックス医学の射程の理論書の2冊同時進行中です。どちらかは春か夏までには出来そうです。詳細は、ここでもご紹介しますので、お待ちください。
また、メディカルホメオパシー医学会の総論論文として、ファシアとホメオパシーについての接点を論じた論文がもう少しで完成します。こちらは学会会員のみになりますので、皆様の目に触れることもないかと思いますが、探すと意外にどこかでみつかるかもしれません。
3月8日(土)に、今年最初の「マトリックス研究会」開催予定です。AWG(QPA)による治療効果や、マトリックス医学の展開にご興味ある方、クリニックまでご連絡頂けましたら、どなたでもご参加できます。
ファシアをめぐる議論から発展した「マトリックス思考」による医学への新しい視点について、今回はその基本から全体像をお話したいと思っています。
tougouiryo at 2025年02月24日23:31|この記事のURL│Comments(0)
医学・生物学における(割と大きな)パラダイムシフト
流し読み以降、ずいぶんと長い間積読になっていた「寄生虫なき病」を読了した。最近のマトリックス医学の体系をつくる中で、どうしても気になって再読したのだが、文字通り「寄生虫なき」状況において自己免疫疾患やアレルギー、果てには悪性腫瘍に至るまでの疾患が増加している不気味な状況に戦慄した。しかし、読了してもっとも印象に残ったのは、こうした状況が、最終部の「ヒト生物学」におけるパラダイムシフトを意味するという指摘の部分だった。
我々は、なにかターゲットになっているものに関して詳細に研究し、科学とりわけ生物学・医学というかたちで記載してきた。しかし、これからはこうしたターゲットに照準を絞るという方法論からシフトしなければならない、という指摘である。
みたい星を見るために、少し視線をずらしてみる方が目的の星を捉えることが出来る、という例である。いわば周辺性をみる、もっといえば、その基盤・母体・背景との関連性をみる、関係性へのまなざしである。
マトリックス医学を強調する際に、最も大切している主張であり、意外にも軽く扱われやすい視点でもある。こう指摘していても、ここが本当に注目されるまでには、あと何度のパラダイムシフト(という言葉の使用)をしなければならないのであろう。
しかし遠い未来においては確実に、この「関係性」へのまなざしが最重要になる時が来る。本書でも、腸内細菌や寄生体は助手席の同乗者ではなく、ハンドルを実際に握る運転者であるという指摘がされている。
疾患への関与を考える際、自らの遺伝子配列よりも10数倍の強い関与がなされるのが、腸内細菌や寄生体の遺伝子である。我々が文字通り基礎として学んできた解剖生理学など基礎医学の大半は、そうした視点のもとでは、将来的に確実に外縁に追いやられる。
パラダイムシフトは静かに確実に進行している。マトリックス(統合)医学は、その前哨に位置するものなのである。統合医療という、いわば外縁が、中心と転倒を起こす日は、そう遠くないのかもしれない。
我々は、なにかターゲットになっているものに関して詳細に研究し、科学とりわけ生物学・医学というかたちで記載してきた。しかし、これからはこうしたターゲットに照準を絞るという方法論からシフトしなければならない、という指摘である。
みたい星を見るために、少し視線をずらしてみる方が目的の星を捉えることが出来る、という例である。いわば周辺性をみる、もっといえば、その基盤・母体・背景との関連性をみる、関係性へのまなざしである。
マトリックス医学を強調する際に、最も大切している主張であり、意外にも軽く扱われやすい視点でもある。こう指摘していても、ここが本当に注目されるまでには、あと何度のパラダイムシフト(という言葉の使用)をしなければならないのであろう。
しかし遠い未来においては確実に、この「関係性」へのまなざしが最重要になる時が来る。本書でも、腸内細菌や寄生体は助手席の同乗者ではなく、ハンドルを実際に握る運転者であるという指摘がされている。
疾患への関与を考える際、自らの遺伝子配列よりも10数倍の強い関与がなされるのが、腸内細菌や寄生体の遺伝子である。我々が文字通り基礎として学んできた解剖生理学など基礎医学の大半は、そうした視点のもとでは、将来的に確実に外縁に追いやられる。
パラダイムシフトは静かに確実に進行している。マトリックス(統合)医学は、その前哨に位置するものなのである。統合医療という、いわば外縁が、中心と転倒を起こす日は、そう遠くないのかもしれない。
tougouiryo at 2024年08月12日01:16|この記事のURL│Comments(0)
ホロンとマトリックスに関してのメモ
マトリックスと層構造に関してのメモ。栗本慎一郎先生の言う、社会も文字通り生命体であるという主張と関連して、ケストラーの言う階層を考えると、それが彼の言うホロンの階層構造であるホラーキーであるならば、我々のレベルでは、そのプログラムにあたるものは実体として理解できないに違いない。
つまりもう一層の上の階層での論理が必要であって、同じ層内のみでは説明不可能となる。これは図としての組織細胞の制御が、地としてのファシア、つまりマトリックスの論理を用いなければ理解できないという事情によく似る。
これは私の言う5つのマトリックスに広く適用しうる考えで、特に微生物マトリックスにおいてがわかりやすい。つまりそこでの細菌や寄生虫による感染症を抑制することが、マトリックス全体としての均衡を崩し、耐性菌の誕生や、自己免疫疾患の増加といったしっぺ返しをくうことになる。
さらに身近な例でいうなら、一人の思惑によってグループ全体が容易には動かないということや、グループの総意が必ずしも個々の意図と一致しないという事にもつながる。これを関係性マトリックスと称している。
我々は背景としての存在するマトリックスの影響を受けないというわけにはいかない。医学のみならず、歴史学や人類学的考察を要する理由の一つでもある。今後もマトリックスについて思いついたものをメモしていこうと思う。
つまりもう一層の上の階層での論理が必要であって、同じ層内のみでは説明不可能となる。これは図としての組織細胞の制御が、地としてのファシア、つまりマトリックスの論理を用いなければ理解できないという事情によく似る。
これは私の言う5つのマトリックスに広く適用しうる考えで、特に微生物マトリックスにおいてがわかりやすい。つまりそこでの細菌や寄生虫による感染症を抑制することが、マトリックス全体としての均衡を崩し、耐性菌の誕生や、自己免疫疾患の増加といったしっぺ返しをくうことになる。
さらに身近な例でいうなら、一人の思惑によってグループ全体が容易には動かないということや、グループの総意が必ずしも個々の意図と一致しないという事にもつながる。これを関係性マトリックスと称している。
我々は背景としての存在するマトリックスの影響を受けないというわけにはいかない。医学のみならず、歴史学や人類学的考察を要する理由の一つでもある。今後もマトリックスについて思いついたものをメモしていこうと思う。
tougouiryo at 2024年07月25日09:35|この記事のURL│Comments(0)
マトリックス統合医学研究会が発足しました!
週末はマトリックス統合医学研究会の第1回が、日本統合医療センター(JIMC)にて開催されました。急な開催予告にも関わらず、ご参加頂いた皆様には深謝いたします。
QPA(AWG)を取り扱うアジアス社の永田社長の多大なるご協力により、第1回が無事開催することができました。ファシアの基本知識の解説から、マトリックス医学におけるQPAの意義などを入門的に解説し、幅広いこの分野の広がりを理解して頂く第一歩になったのではないでしょうか。
今後は、マトリックス医学の諸方面での研究に加え、QPAをはじめとした波動器機の展示や体験など具体的な方法の紹介も行っていきます。
次回第2回の研究会も、9月開催を予定しております。今度はファシアへの具体的な介入方法としてのQPAをはじめ、刺絡、ハイドロリリース、ビタミンC大量点滴などのマトリックスへの介入のメカニズムを解説する予定です。ファシア理論についてもさらに詳しく深堀していきます。
この分野への関心のある方は、是非お越し下さい。このブログにて開催予定を告示しますので、お見逃しなく。
QPA(AWG)を取り扱うアジアス社の永田社長の多大なるご協力により、第1回が無事開催することができました。ファシアの基本知識の解説から、マトリックス医学におけるQPAの意義などを入門的に解説し、幅広いこの分野の広がりを理解して頂く第一歩になったのではないでしょうか。
今後は、マトリックス医学の諸方面での研究に加え、QPAをはじめとした波動器機の展示や体験など具体的な方法の紹介も行っていきます。
次回第2回の研究会も、9月開催を予定しております。今度はファシアへの具体的な介入方法としてのQPAをはじめ、刺絡、ハイドロリリース、ビタミンC大量点滴などのマトリックスへの介入のメカニズムを解説する予定です。ファシア理論についてもさらに詳しく深堀していきます。
この分野への関心のある方は、是非お越し下さい。このブログにて開催予定を告示しますので、お見逃しなく。
tougouiryo at 2024年07月16日06:03|この記事のURL│Comments(0)
マトリックス医学への道(増補改訂版)
以前、分割して載せた記事の検索数が多いので、読みやすいようにまとめ、かつ少し現在の状況に合わせて改訂した原稿を掲載します。
ここで話題にする「マトリックス」という概念は、ファシアという今まさに、ホットなキーワードのおそらく背景となる、大きな枠組みになっていくと思います。近いうちに、マトリックス医学としてのさらに大きな研究の枠組みをご紹介できると思いますので、それに先立って読み返して頂ければ幸いです。
生体マトリックスの理解を、物質的基礎となるコラーゲンから始まって、ファシア、線維化に至る流れを現状の医学だけでなく、エネルギー医学やホメオパシー、経絡や漢方といった東洋医学も含めた補完医療的見地も入れながらストーリー立ててみたいと思う。いわば、水分子の挙動などの量子医学的視点から、マクロにおける漢方・鍼灸・波動器機といったものをまとめて理解するための視点を提供してみたい。
まずはコラーゲンから。コラーゲンに限らずすべてのタンパク質の分子には、水分子が寄り添っている。つまり生体マトリックスを構成する分子にも、その周辺には水分子が常に付随し、そこには当然ながら相互作用が認められる。
コラーゲン周辺の水分子に、ある一定のエネルギーが作用すると、そこには秩序が生じ、水分子がそろってスピンする。これが「コヒーレント」といわれる状態である。コヒーレントの状態は、エネルギーを放出することができ、そこで発生したエネルギーがフローリッヒ波と称される。そしてその結果、比較的無秩序な基底状態へと戻る。が、再度エネルギーを吸収すれば、コヒーレントの状態へ復帰することが出来る。(この過程において組織特異的な振動数を特定し生体へ放射すれば、量子医学として説明されるQPAないしはAWGといった波動治療器の原理説明となりうるであろう)
この時のいわば、コヒーレントな状態というのは、コラーゲンを含めた周辺環境において「健全」な状態にあると仮定される。(『量子医学の誕生』等の書籍においては、このプロセスをエバネッセント光としてウイルス等から生体を防御していると推測している)
こうした振動による状態の改善については、波動治療器の説明に限らず、ホメオパシーなど広義のエネルギー医学的方法においても説明可能である。
つまり簡単にまとめると、ホメオパシーや波動医学などエネルギー医学系統は、主にコラーゲン周辺の水分子の(局所的な)コヒーレント状態を目標にしていることになる。それゆえに、水分子の重要性が生命の基本原理として話題にもされる。(種々の生気論的な議論もここを出発点としているものが多いように感ずる)
裏を返せば、これを妨害するものが、疾患への道筋となり、この段階で直接的に影響するのが「電磁波」であろう。電磁波によりコヒーレントな状態が妨害されれば、コラーゲンを介する生体のエネルギー伝達システムが異常となり、ひいては免疫機序の低下につながることが容易に推測される。これへの具体的対応策が、いわば諸々のアーシングと言ってよいであろう。
健全なコラーゲンの周辺では、コヒーレントな状態に近いと考えられ、それにより成長・損傷修復・防御反応、さらには各組織・臓器の活動を調和させると推測できる。
反対に不協和な状態であれば、慢性炎症のもととなり、その結果である線維化まで進行しうる。特に急性炎症からの遷延化である「慢性炎症」においては、好中球増加などの環境下から、フリーラジカルの発生がしやすく、安定した分子から酸素を奪い「酸化」した、いわば不健康な酸化ストレス状態へと導きやすくなる。
コラーゲンの集積した結合組織においては、直流電流が全身に流れているとされ、その流れのペースメーカー的な役割が「脳波」であると考えられている。
そしてここでさらに想像をたくましくするなら、自律神経たる腸管神経系を司る腸のペースメーカーも関与しているのかもしれない。それはおそらく腸内マイクロバイオ―タと密接に連携しながら、外胚葉由来の脳と、内胚葉由来の腸とで、主に中胚葉由来の結合組織、ファシアに影響を与えていると考えると理解しやすいのではないだろうか。(ここでは微生物学的マトリックスとしての腸内マイクロバイオ―タの機能が小さくないと思わせる)
そしてここから、感情や記憶といったものの起源を、中枢としての脳のみに起因させるのではなく、全身に分散したモデルで考えることも可能になるのではないだろうか。
まずは、ファシアを話題にする前に、その素材であるコラーゲンとその周囲の水分子の状態から、解きほぐしてみた。
このメカニズム理解には、ホメオパシーなど広くエネルギー医学を理解するポイントや、アーシングや環境における電磁波対策、個々の住居の在り方、さらには地球規模におけるシューマン共鳴にまで応用しうるものであることを指摘しておく。これらが生体のマトリックスとして重要なファシアによりまとめられていることが重要な事である。
犠呂任魯灰蕁璽殴鸚維周辺の水分子の状態から、慢性炎症への準備段階へとつながるミクロの環境について述べたが、今度はそれに引き続く、末梢循環のミクロな環境において、どのように循環不全の火種が生じるかを考えていくことにする。病態のモデルとして有用な末梢循環不全のモデルについてである。
末梢循環のモデルとしては、動脈が枝分かれして次第に毛細血管へ移行し、ガス交換の後に、静脈へと合流していくことになる。そこではガス交換に限らず、栄養やホルモンといった物質の移動も行われ、組織外液は一部、盲端となっているリンパ管に吸収され静脈へと環流される。これが通常の教科書的な解剖生理学における末梢循環の説明である。
しかし近年、この細胞外液のエリアにおいて、プレリンパと称される液体を内包する管が生体の直接観察により判明した。いわゆるコラーゲン線維に囲まれ内皮様の細胞の内側に、このプレリンパが存在する。つまり、ただ外液として存在しているのではなく、管様の構造物内を液体が通っていることになる。
またファシア内部にも液体が存在するから、毛細血管周辺には血管内の血液だけでなく、リンパ管のリンパ液、さらにはファシアの内包するプレリンパが大量に存在することになる。とりわけ、血管周辺にはファシアが多く存在するから、「瘀血」と言われるうっ血がある場合には、その周辺もまた液体がうっ滞していることになる。
こうした環境は、うっ滞がひどくなれば、毛細血管観察鏡では不明瞭な毛細血管像として観察される。また、毛細血管のうねりや湾曲などの変形像も、周辺の微細なコラーゲン線維の束により生じた引きつりと考えれば、後天的な血管変化として説明がつく。
ではその像を不明瞭にさせているものは何か。今度は光学顕微鏡や、暗視野顕微鏡にて観察可能な新鮮血で考える。ここでは病的状態として、赤血球の連銭形成がみられ、毛細血管通過困難な状況から血管像の消失(ゴースト血管)を生じたり、またフィブリン網が藻状構造物として観察されることから、それらが血管外で析出して血管不明瞭像を形成すると考えられる。これらはいわゆる従来の「瘀血」といった概念だけでは、明確な説明になっておらず、コラーゲン線維の集合体としてのファシアを念頭に置かないと説明しにくい。
これは実際の刺絡治療において、多くのいわゆる「瘀血」が引かれることや、それらの粘性が極めて高いことなどの説明として不可欠である。つまり従来の瘀血は、その実態としては血管内部の停滞した血液に加え、血管外かつファシア内のプレリンパも大量に混在していることになる。
こうした末梢血液の環境により、「瘀血」が形成される可能性が高いので、むしろ血だけの問題ではなくファシアが大きく絡むことから「ファシア瘀血」と称することが妥当であると考える。(指尖から末梢血を採取することを考えれば、極めて妥当な推測となる)
こうしてファシア瘀血という概念を導入することにより、慢性炎症などからファシア重積などのファシア病変へと連続する筋道が立ったことになる。この末梢循環の理解を基礎として、いよいよファシアの病態、さらには線維化へと解説を進めていくことにする。
珪呂任蓮▲侫.轡△砲ける病態の基礎を形成すると考えられる「ファシア瘀血」の概念を解説し、これにより、ファシア重積など、マクロ的にボディワークによって解消される病態の原因が推測された。それはここでは(本ブログ)「Bファシア」と称してきたものであり、一方で、ミクロ的に、エネルギーワーク的な微細な介入によって改善される病態の基礎を「Eファシア」と称した。
つまり末梢循環における病態を示すファシア瘀血という概念は、このBファシアとEファシアの境界に位置し、双方の説明原理ともなるものだということが示されたことになる。それではまず正常ファシアの解剖から始め、ファシアの病態へと解説を進める。
Steccoらによるファシア関係の基本用語として、人体の水平関係をO-F単位、垂直関係を A-F配列が、4つの分節された腔に配置され、経絡との対置が行われる。この理解に加えて、線状の構造ではないファシアに、経絡のラインが当てはまる理由は、張力によるものである。
張力によってコラーゲン線維が引き伸ばされ、そのライン上を直流電流が走ることによって、情報の伝達がなされるわけである。
こうしてできた流れとしては、アナトミートレイン的な解釈が一番近く、とりわけ「経筋」の流れは、この典型と言える。またエネルギー療法的な視点から発展したものと推測されるのが「経別」であろうと考えられる。その後それらを総合する形でいわゆる「正経」が成立し、別ルートである「奇経」が認識されることになったのであろう。
いずれにせよ、体表から内臓に至るまで全身あらゆる部位と連続性をもつファシアであることが、こうした複数ルートとなりうる理由であろう。
またこうした鍼灸系統のルートとは別に、湯液系統のルートも想定しうる。これは、明かなルートとしては伝承されていないが、傷寒論の条文から帰納的に推測された江部経方医学における説明図(UFO図とも呼ばれる)の気のルートがこれにあたるであろう。
このルートは「隔」を中心として、体内で発生した熱がどのように体外へと放出され、どのように体表を巡り、どこから内部へと環流されるかという流れで、ファシアを通じて伝播される熱のルートとしても解釈することができる。
またこれらの体表部における流れの層は三層構造になっており皮・肌・身として、表皮・真皮・皮下組織(筋肉)と対応していると考えられる。
こうした流れが慢性炎症によって生じた瘀血によって、ファシアの重積などの病態へと変化し、神経・血管を巻き込んで幾多の症状となって発現するわけである。
発現した病態像によって、ファシア瘀血をメインに、コンパートメント症候群的な状態である時には減圧を伴う「刺絡」が著効するし、一方では、血管や神経を巻き込んで絞扼、重積して物理的障害となっている場合は、生理的食塩水を局所注入する「ハイドロリリース」が著効することになる。
これらは局所的効果を発現するだけでなく、ファシアの該当部位からの連続体として、諸々の臓器にまで影響すると考えられる。絞扼された神経・血管が解放されることに加え、ファシアによるプレリンパの流れやコラーゲン線維の微量直流電流の改善がその機序として推測される。
これにより筋・骨格系のみならず、広く内臓全てに好影響を及ぼしうるし、本来の自発的治癒力の発揮へとつながる道筋となるであろう。
がん治療においては、従来の免疫機序の賦活というストーリーにとどまらず、絞扼や圧縮といった物理的圧力からの開放や、電気的に良好な微小環境の形成を通じて、本来の治癒力発現へとつなげる道筋である。(がんは物理的圧力下において増大・転移しやすい)
ファシアの病態は以上のように、異常な局所の病態を改善して正常な「局所性」を取り戻し、それによって病的な連動を断つことで健全な「連動性」を復活させる、という2つの大きな改善を図ることができるのである。
またファシア内の電流のペースメーカーとして「脳波」が想定されているが、それに加えて「腸管」におけるペースメーカーも重要な役割を担うはずで、これには当然、腸内マイクロバイオ―タとのなダイナミックな関係性が大きく影響するはずである。
また腸管それ自体も、腸管膜根からフレアスカート状に大きな腸間膜が一塊として垂れ下がり、この構造と「丹田」との関連も強く示唆される。生体における解剖学的な位置を深く考察した肥田春充による「聖中心」も、このファシアによる考察を加えることで解明へとつながるのではないだろうか。この辺りは非常に多くの可能性が秘められた議論が展開しうるであろう。いわゆる伝統医療・補完代替医療といわれる領域の統合的解釈における「ファシア」という概念の魅力は尽きることはなかろう。
いよいよ慢性炎症の行きつく先、線維化にいたる道筋となる。近年、流行りのテーマでもある線維化へ、ファシアの病態がどのように接続していくか。先端の基礎医学と、補完代替医療系の大きな溝により、ほぼコメントされていない状況だが、丁寧に思考していけば、特に大きな隔たりもなく、連続した概念であることは明白である。
しかし、我が国でのファシア研究とエネルギー医学系との隔絶などを考えると、この二つの概念が同時に語られるには、まだまだ多くの時間が必要にも感ずる。
慢性炎症の果てに、実質細胞が欠落し、間質細胞が増殖しこれが線維化を招く。こうした機序において真っ先に思いつくのが、線維芽細胞の増殖である。フィブリンの蓄積にともなって、張力が働く方向にフィブリンが並ぶのに伴い、同方向に線維芽細胞が増殖し、コラーゲン線維が形成されていく。
また慢性炎症の状態であるから、そこにはマクロファージやリンパ球なども集積して免疫反応も生じる。同時に血管も集まり、その周辺には細胞外マトリックスとしてのコラーゲン線維も増加し、炎症性物質を内包するプレリンパも多く存在することが推測される。
こうした状況の中、組織破壊が進行し、修復のバランスが破綻していけば、微細な環境における恒常性は破綻し、線維化による再構築が生じることになる。つまり、ここでファシア瘀血として述べてきた現象は、この線維化においてその主たる経過に大きく関与することになることが推測される。
そして、ここで期待されるのが、不可逆とされた線維化が可逆的に変化しうるという可能性である。つまり、このマトリックス医学の紹介の中で展開される様々な介入により、線維化への有効な対応策が見出される可能性が高いと言えよう。
言うまでもなく全身に張り巡らされたファシアは、一つのネットワークとして連続している。そしてそこにはプレリンパをはじめとして、多くの線維化に関与するプレーヤーもまたふくまれている。
ある部位に、強いファシア重積が形成されたとすると、その付近と影響する部位における運動が制限されるだけでなく、神経や血管もまた機能不全に陥る可能性が高い。
つまり、ファシア瘀血による慢性炎症の温床が形成されてしまう。それは直流電流によるファシア本来の通電性による機能を不全にさせ、実質細胞に悪影響を及ぼすであろうことが推測される。
またファシアの増殖により局所的な循環不全を招く可能性もある。また近年、慢性腎臓病の進展に対しての三次リンパ組織(TLS)の役割も見逃せない。
これは線維芽細胞が実質細胞に集積するなかで、リンパ球を動員・増殖させ、さらにその周辺へと炎症を拡大させるものである。つまり線維化の病変がさらなる病態の悪化を招くということであり、こうした線維化をどのように解消していくかは、実質臓器の悪化を防ぐうえでも極めて重要な介入となる。
これらは詳細なプロセスは、肝臓や肺、皮膚や脂肪組織など各臓器で異なるものの、概ね同様の方向で進展していくとされる。つまりこれまでのような臓器別、つまりはここの実質細胞への対応策では、有効な対策はとりにくいことになり、ポジ・ネガの反転のような対策が必要とされる。これが、マトリックス医学とした理由である。従来の注目されていたもの「でない方」に視点を変える、ということになる。
我々はこれを、これまで伝統医学や補完代替医療の活用、という表現で理解してきたのであるが(それゆえに統合医療という名称にもなるのであるが)、そこに具体的な現代科学的イメージを重ね合わすことが可能になったということである。
また、マトリックスという時、それはいわゆるファシアよりも大きな概念になることはいうまでもない。これも広い意味でのポジ・ネガである。
こうした考え方の変化には、その時代時代に要請される「まなざし」の変化が根底にあると言わざるを得ない。
このまなざしの変化は、意識に対する無意識であるし、日常に対してのトランスでもあり、ニューロンに対してのグリアでもある。こうした時流の中での実質臓器にたいするそれ以外の部分、つまりはマトリックスということになる。
やや脱線するが、こうした変換はマトリックス内部においても生じる。ファシアの機能的な表現形式として説明した「経絡」概念の変遷がまさにあてはまる。
おそらく歴史的には、はっきりと実感しやすいアナトミートレインのような形で「経筋」として理解されていたものが、内臓との関連へと理論展開し、微細な感覚を伴って「経別」の源流となる概念になっていく。それが湯液など内服薬の充実により、内臓へのアプローチが「裏」へとまわると、さらに洗練された形で、多くの経穴を伴って「経絡(正経)」として成立。その後、進展した別形式としての「奇経」が生れ、再度、以前から存在していた経筋・経別などの概念を取り込みながら、整理してきたものが今日の経絡システムであるとする考えである(『東洋医学と潜在運動系』山田新一郎・佐藤源彦の記述をもとに記載)。つまりここでも、歴史的なまなざしの変化により大きな概念の変遷があったということである。
統合医療はそれ自体が大きな視点の変化を伴うものである。そうした中でも、統合主義的な視点でまとめたマトリックス医学という切り口は、より具体的な形で現代医療への新たな視点を提供しうるものであると確信する。これらの概念は、個の内面から発する「プラグマティックメディスン」と合わせてご理解いただければ幸いである。ケン・ウィルバーの四象限で表現すると「I」の視点がプラグマティックメディスンで、「It」の視点がマトリックス医学という分け方になることも、ここであわせて指摘し、本稿を終えたい。
ここで話題にする「マトリックス」という概念は、ファシアという今まさに、ホットなキーワードのおそらく背景となる、大きな枠組みになっていくと思います。近いうちに、マトリックス医学としてのさらに大きな研究の枠組みをご紹介できると思いますので、それに先立って読み返して頂ければ幸いです。
生体マトリックスの理解を、物質的基礎となるコラーゲンから始まって、ファシア、線維化に至る流れを現状の医学だけでなく、エネルギー医学やホメオパシー、経絡や漢方といった東洋医学も含めた補完医療的見地も入れながらストーリー立ててみたいと思う。いわば、水分子の挙動などの量子医学的視点から、マクロにおける漢方・鍼灸・波動器機といったものをまとめて理解するための視点を提供してみたい。
まずはコラーゲンから。コラーゲンに限らずすべてのタンパク質の分子には、水分子が寄り添っている。つまり生体マトリックスを構成する分子にも、その周辺には水分子が常に付随し、そこには当然ながら相互作用が認められる。
コラーゲン周辺の水分子に、ある一定のエネルギーが作用すると、そこには秩序が生じ、水分子がそろってスピンする。これが「コヒーレント」といわれる状態である。コヒーレントの状態は、エネルギーを放出することができ、そこで発生したエネルギーがフローリッヒ波と称される。そしてその結果、比較的無秩序な基底状態へと戻る。が、再度エネルギーを吸収すれば、コヒーレントの状態へ復帰することが出来る。(この過程において組織特異的な振動数を特定し生体へ放射すれば、量子医学として説明されるQPAないしはAWGといった波動治療器の原理説明となりうるであろう)
この時のいわば、コヒーレントな状態というのは、コラーゲンを含めた周辺環境において「健全」な状態にあると仮定される。(『量子医学の誕生』等の書籍においては、このプロセスをエバネッセント光としてウイルス等から生体を防御していると推測している)
こうした振動による状態の改善については、波動治療器の説明に限らず、ホメオパシーなど広義のエネルギー医学的方法においても説明可能である。
つまり簡単にまとめると、ホメオパシーや波動医学などエネルギー医学系統は、主にコラーゲン周辺の水分子の(局所的な)コヒーレント状態を目標にしていることになる。それゆえに、水分子の重要性が生命の基本原理として話題にもされる。(種々の生気論的な議論もここを出発点としているものが多いように感ずる)
裏を返せば、これを妨害するものが、疾患への道筋となり、この段階で直接的に影響するのが「電磁波」であろう。電磁波によりコヒーレントな状態が妨害されれば、コラーゲンを介する生体のエネルギー伝達システムが異常となり、ひいては免疫機序の低下につながることが容易に推測される。これへの具体的対応策が、いわば諸々のアーシングと言ってよいであろう。
健全なコラーゲンの周辺では、コヒーレントな状態に近いと考えられ、それにより成長・損傷修復・防御反応、さらには各組織・臓器の活動を調和させると推測できる。
反対に不協和な状態であれば、慢性炎症のもととなり、その結果である線維化まで進行しうる。特に急性炎症からの遷延化である「慢性炎症」においては、好中球増加などの環境下から、フリーラジカルの発生がしやすく、安定した分子から酸素を奪い「酸化」した、いわば不健康な酸化ストレス状態へと導きやすくなる。
コラーゲンの集積した結合組織においては、直流電流が全身に流れているとされ、その流れのペースメーカー的な役割が「脳波」であると考えられている。
そしてここでさらに想像をたくましくするなら、自律神経たる腸管神経系を司る腸のペースメーカーも関与しているのかもしれない。それはおそらく腸内マイクロバイオ―タと密接に連携しながら、外胚葉由来の脳と、内胚葉由来の腸とで、主に中胚葉由来の結合組織、ファシアに影響を与えていると考えると理解しやすいのではないだろうか。(ここでは微生物学的マトリックスとしての腸内マイクロバイオ―タの機能が小さくないと思わせる)
そしてここから、感情や記憶といったものの起源を、中枢としての脳のみに起因させるのではなく、全身に分散したモデルで考えることも可能になるのではないだろうか。
まずは、ファシアを話題にする前に、その素材であるコラーゲンとその周囲の水分子の状態から、解きほぐしてみた。
このメカニズム理解には、ホメオパシーなど広くエネルギー医学を理解するポイントや、アーシングや環境における電磁波対策、個々の住居の在り方、さらには地球規模におけるシューマン共鳴にまで応用しうるものであることを指摘しておく。これらが生体のマトリックスとして重要なファシアによりまとめられていることが重要な事である。
犠呂任魯灰蕁璽殴鸚維周辺の水分子の状態から、慢性炎症への準備段階へとつながるミクロの環境について述べたが、今度はそれに引き続く、末梢循環のミクロな環境において、どのように循環不全の火種が生じるかを考えていくことにする。病態のモデルとして有用な末梢循環不全のモデルについてである。
末梢循環のモデルとしては、動脈が枝分かれして次第に毛細血管へ移行し、ガス交換の後に、静脈へと合流していくことになる。そこではガス交換に限らず、栄養やホルモンといった物質の移動も行われ、組織外液は一部、盲端となっているリンパ管に吸収され静脈へと環流される。これが通常の教科書的な解剖生理学における末梢循環の説明である。
しかし近年、この細胞外液のエリアにおいて、プレリンパと称される液体を内包する管が生体の直接観察により判明した。いわゆるコラーゲン線維に囲まれ内皮様の細胞の内側に、このプレリンパが存在する。つまり、ただ外液として存在しているのではなく、管様の構造物内を液体が通っていることになる。
またファシア内部にも液体が存在するから、毛細血管周辺には血管内の血液だけでなく、リンパ管のリンパ液、さらにはファシアの内包するプレリンパが大量に存在することになる。とりわけ、血管周辺にはファシアが多く存在するから、「瘀血」と言われるうっ血がある場合には、その周辺もまた液体がうっ滞していることになる。
こうした環境は、うっ滞がひどくなれば、毛細血管観察鏡では不明瞭な毛細血管像として観察される。また、毛細血管のうねりや湾曲などの変形像も、周辺の微細なコラーゲン線維の束により生じた引きつりと考えれば、後天的な血管変化として説明がつく。
ではその像を不明瞭にさせているものは何か。今度は光学顕微鏡や、暗視野顕微鏡にて観察可能な新鮮血で考える。ここでは病的状態として、赤血球の連銭形成がみられ、毛細血管通過困難な状況から血管像の消失(ゴースト血管)を生じたり、またフィブリン網が藻状構造物として観察されることから、それらが血管外で析出して血管不明瞭像を形成すると考えられる。これらはいわゆる従来の「瘀血」といった概念だけでは、明確な説明になっておらず、コラーゲン線維の集合体としてのファシアを念頭に置かないと説明しにくい。
これは実際の刺絡治療において、多くのいわゆる「瘀血」が引かれることや、それらの粘性が極めて高いことなどの説明として不可欠である。つまり従来の瘀血は、その実態としては血管内部の停滞した血液に加え、血管外かつファシア内のプレリンパも大量に混在していることになる。
こうした末梢血液の環境により、「瘀血」が形成される可能性が高いので、むしろ血だけの問題ではなくファシアが大きく絡むことから「ファシア瘀血」と称することが妥当であると考える。(指尖から末梢血を採取することを考えれば、極めて妥当な推測となる)
こうしてファシア瘀血という概念を導入することにより、慢性炎症などからファシア重積などのファシア病変へと連続する筋道が立ったことになる。この末梢循環の理解を基礎として、いよいよファシアの病態、さらには線維化へと解説を進めていくことにする。
珪呂任蓮▲侫.轡△砲ける病態の基礎を形成すると考えられる「ファシア瘀血」の概念を解説し、これにより、ファシア重積など、マクロ的にボディワークによって解消される病態の原因が推測された。それはここでは(本ブログ)「Bファシア」と称してきたものであり、一方で、ミクロ的に、エネルギーワーク的な微細な介入によって改善される病態の基礎を「Eファシア」と称した。
つまり末梢循環における病態を示すファシア瘀血という概念は、このBファシアとEファシアの境界に位置し、双方の説明原理ともなるものだということが示されたことになる。それではまず正常ファシアの解剖から始め、ファシアの病態へと解説を進める。
Steccoらによるファシア関係の基本用語として、人体の水平関係をO-F単位、垂直関係を A-F配列が、4つの分節された腔に配置され、経絡との対置が行われる。この理解に加えて、線状の構造ではないファシアに、経絡のラインが当てはまる理由は、張力によるものである。
張力によってコラーゲン線維が引き伸ばされ、そのライン上を直流電流が走ることによって、情報の伝達がなされるわけである。
こうしてできた流れとしては、アナトミートレイン的な解釈が一番近く、とりわけ「経筋」の流れは、この典型と言える。またエネルギー療法的な視点から発展したものと推測されるのが「経別」であろうと考えられる。その後それらを総合する形でいわゆる「正経」が成立し、別ルートである「奇経」が認識されることになったのであろう。
いずれにせよ、体表から内臓に至るまで全身あらゆる部位と連続性をもつファシアであることが、こうした複数ルートとなりうる理由であろう。
またこうした鍼灸系統のルートとは別に、湯液系統のルートも想定しうる。これは、明かなルートとしては伝承されていないが、傷寒論の条文から帰納的に推測された江部経方医学における説明図(UFO図とも呼ばれる)の気のルートがこれにあたるであろう。
このルートは「隔」を中心として、体内で発生した熱がどのように体外へと放出され、どのように体表を巡り、どこから内部へと環流されるかという流れで、ファシアを通じて伝播される熱のルートとしても解釈することができる。
またこれらの体表部における流れの層は三層構造になっており皮・肌・身として、表皮・真皮・皮下組織(筋肉)と対応していると考えられる。
こうした流れが慢性炎症によって生じた瘀血によって、ファシアの重積などの病態へと変化し、神経・血管を巻き込んで幾多の症状となって発現するわけである。
発現した病態像によって、ファシア瘀血をメインに、コンパートメント症候群的な状態である時には減圧を伴う「刺絡」が著効するし、一方では、血管や神経を巻き込んで絞扼、重積して物理的障害となっている場合は、生理的食塩水を局所注入する「ハイドロリリース」が著効することになる。
これらは局所的効果を発現するだけでなく、ファシアの該当部位からの連続体として、諸々の臓器にまで影響すると考えられる。絞扼された神経・血管が解放されることに加え、ファシアによるプレリンパの流れやコラーゲン線維の微量直流電流の改善がその機序として推測される。
これにより筋・骨格系のみならず、広く内臓全てに好影響を及ぼしうるし、本来の自発的治癒力の発揮へとつながる道筋となるであろう。
がん治療においては、従来の免疫機序の賦活というストーリーにとどまらず、絞扼や圧縮といった物理的圧力からの開放や、電気的に良好な微小環境の形成を通じて、本来の治癒力発現へとつなげる道筋である。(がんは物理的圧力下において増大・転移しやすい)
ファシアの病態は以上のように、異常な局所の病態を改善して正常な「局所性」を取り戻し、それによって病的な連動を断つことで健全な「連動性」を復活させる、という2つの大きな改善を図ることができるのである。
またファシア内の電流のペースメーカーとして「脳波」が想定されているが、それに加えて「腸管」におけるペースメーカーも重要な役割を担うはずで、これには当然、腸内マイクロバイオ―タとのなダイナミックな関係性が大きく影響するはずである。
また腸管それ自体も、腸管膜根からフレアスカート状に大きな腸間膜が一塊として垂れ下がり、この構造と「丹田」との関連も強く示唆される。生体における解剖学的な位置を深く考察した肥田春充による「聖中心」も、このファシアによる考察を加えることで解明へとつながるのではないだろうか。この辺りは非常に多くの可能性が秘められた議論が展開しうるであろう。いわゆる伝統医療・補完代替医療といわれる領域の統合的解釈における「ファシア」という概念の魅力は尽きることはなかろう。
いよいよ慢性炎症の行きつく先、線維化にいたる道筋となる。近年、流行りのテーマでもある線維化へ、ファシアの病態がどのように接続していくか。先端の基礎医学と、補完代替医療系の大きな溝により、ほぼコメントされていない状況だが、丁寧に思考していけば、特に大きな隔たりもなく、連続した概念であることは明白である。
しかし、我が国でのファシア研究とエネルギー医学系との隔絶などを考えると、この二つの概念が同時に語られるには、まだまだ多くの時間が必要にも感ずる。
慢性炎症の果てに、実質細胞が欠落し、間質細胞が増殖しこれが線維化を招く。こうした機序において真っ先に思いつくのが、線維芽細胞の増殖である。フィブリンの蓄積にともなって、張力が働く方向にフィブリンが並ぶのに伴い、同方向に線維芽細胞が増殖し、コラーゲン線維が形成されていく。
また慢性炎症の状態であるから、そこにはマクロファージやリンパ球なども集積して免疫反応も生じる。同時に血管も集まり、その周辺には細胞外マトリックスとしてのコラーゲン線維も増加し、炎症性物質を内包するプレリンパも多く存在することが推測される。
こうした状況の中、組織破壊が進行し、修復のバランスが破綻していけば、微細な環境における恒常性は破綻し、線維化による再構築が生じることになる。つまり、ここでファシア瘀血として述べてきた現象は、この線維化においてその主たる経過に大きく関与することになることが推測される。
そして、ここで期待されるのが、不可逆とされた線維化が可逆的に変化しうるという可能性である。つまり、このマトリックス医学の紹介の中で展開される様々な介入により、線維化への有効な対応策が見出される可能性が高いと言えよう。
言うまでもなく全身に張り巡らされたファシアは、一つのネットワークとして連続している。そしてそこにはプレリンパをはじめとして、多くの線維化に関与するプレーヤーもまたふくまれている。
ある部位に、強いファシア重積が形成されたとすると、その付近と影響する部位における運動が制限されるだけでなく、神経や血管もまた機能不全に陥る可能性が高い。
つまり、ファシア瘀血による慢性炎症の温床が形成されてしまう。それは直流電流によるファシア本来の通電性による機能を不全にさせ、実質細胞に悪影響を及ぼすであろうことが推測される。
またファシアの増殖により局所的な循環不全を招く可能性もある。また近年、慢性腎臓病の進展に対しての三次リンパ組織(TLS)の役割も見逃せない。
これは線維芽細胞が実質細胞に集積するなかで、リンパ球を動員・増殖させ、さらにその周辺へと炎症を拡大させるものである。つまり線維化の病変がさらなる病態の悪化を招くということであり、こうした線維化をどのように解消していくかは、実質臓器の悪化を防ぐうえでも極めて重要な介入となる。
これらは詳細なプロセスは、肝臓や肺、皮膚や脂肪組織など各臓器で異なるものの、概ね同様の方向で進展していくとされる。つまりこれまでのような臓器別、つまりはここの実質細胞への対応策では、有効な対策はとりにくいことになり、ポジ・ネガの反転のような対策が必要とされる。これが、マトリックス医学とした理由である。従来の注目されていたもの「でない方」に視点を変える、ということになる。
我々はこれを、これまで伝統医学や補完代替医療の活用、という表現で理解してきたのであるが(それゆえに統合医療という名称にもなるのであるが)、そこに具体的な現代科学的イメージを重ね合わすことが可能になったということである。
また、マトリックスという時、それはいわゆるファシアよりも大きな概念になることはいうまでもない。これも広い意味でのポジ・ネガである。
こうした考え方の変化には、その時代時代に要請される「まなざし」の変化が根底にあると言わざるを得ない。
このまなざしの変化は、意識に対する無意識であるし、日常に対してのトランスでもあり、ニューロンに対してのグリアでもある。こうした時流の中での実質臓器にたいするそれ以外の部分、つまりはマトリックスということになる。
やや脱線するが、こうした変換はマトリックス内部においても生じる。ファシアの機能的な表現形式として説明した「経絡」概念の変遷がまさにあてはまる。
おそらく歴史的には、はっきりと実感しやすいアナトミートレインのような形で「経筋」として理解されていたものが、内臓との関連へと理論展開し、微細な感覚を伴って「経別」の源流となる概念になっていく。それが湯液など内服薬の充実により、内臓へのアプローチが「裏」へとまわると、さらに洗練された形で、多くの経穴を伴って「経絡(正経)」として成立。その後、進展した別形式としての「奇経」が生れ、再度、以前から存在していた経筋・経別などの概念を取り込みながら、整理してきたものが今日の経絡システムであるとする考えである(『東洋医学と潜在運動系』山田新一郎・佐藤源彦の記述をもとに記載)。つまりここでも、歴史的なまなざしの変化により大きな概念の変遷があったということである。
統合医療はそれ自体が大きな視点の変化を伴うものである。そうした中でも、統合主義的な視点でまとめたマトリックス医学という切り口は、より具体的な形で現代医療への新たな視点を提供しうるものであると確信する。これらの概念は、個の内面から発する「プラグマティックメディスン」と合わせてご理解いただければ幸いである。ケン・ウィルバーの四象限で表現すると「I」の視点がプラグマティックメディスンで、「It」の視点がマトリックス医学という分け方になることも、ここであわせて指摘し、本稿を終えたい。
tougouiryo at 2024年05月26日20:04|この記事のURL│Comments(0)
5Matrix & 5Fascia 最近の概念のまとめ
やや雑然としていたマトリックスについての概念をもう少しまとめました。様々な階層の概念が入り混じっていたのですが、5つにまとめました。これに伴い、ファシアはこの概念の医学的な中心でもあるので、さらに詳しく5つの概念(トピックス)にまとめてみました。これにより自分のアタマが整理できました(笑)
広くマトリック医学とした時の代表的な5概念。
5Matrix
1)ファシアマトリックス(末梢⇔内臓・双方向性、コラーゲン・ファシア・線維化等)
2)物理・化学マトリックス(温湿度・水分子・電子・波動・生化学・栄養学等)
3)微生物マトリックス(腸内細菌・真菌・寄生虫等)
4)無意識マトリックス(無意識・トランス・生体エネルギー等)
5)関係性マトリックス(雰囲気・ダイアローグ・縮退現象・アフォーダンス等)
これらひとつひとつが、主たるものの背景でもあり、母体でもあると考えるとマトリックスとして捉えることが出来る。本体に作用せず、周辺を作動させる。本体との協調関係、それによる何らかの決着が「統合」の在り方と考えることが出来る。「正しい」ことは決定できないものの、「間違い」は指摘可能であることにも通じる。
このうちファシアに関してさらに詳しく。現実の臨床に便利なようにあくまでも個人的に分類した5概念が以下のもの。あくまでも実用的分類。
5Fascia
1)鍼灸的(経絡・経別・奇経・経筋・皮部等)
2)漢方的(経方図・瘀血・水滞等)
3)コラーゲン的(アナトミートレイン・分子量子的・半導体的・周波数)
4)身体的(M-test・SPAT・良導絡・丹田等)
5)末梢循環的(FBO・CVO・生化学検査)
これらによりファシア、マトリックス等の概念と実臨床とが接続されたように感じています。つまりマトリックスとのプラグマティックな統合が、私にとっての統合医療という事になります。
今週のJCは、アトピー症例の検討から、これらの具体的な概念を用いて、最近の臨床的な体系をまとめてお話してみたいと思います。
こうした説明も久しぶりですので、ずいぶんと変わったと感じるのではないでしょうか。不明な点はカンファレンス当日にでもご質問下さい。
広くマトリック医学とした時の代表的な5概念。
5Matrix
1)ファシアマトリックス(末梢⇔内臓・双方向性、コラーゲン・ファシア・線維化等)
2)物理・化学マトリックス(温湿度・水分子・電子・波動・生化学・栄養学等)
3)微生物マトリックス(腸内細菌・真菌・寄生虫等)
4)無意識マトリックス(無意識・トランス・生体エネルギー等)
5)関係性マトリックス(雰囲気・ダイアローグ・縮退現象・アフォーダンス等)
これらひとつひとつが、主たるものの背景でもあり、母体でもあると考えるとマトリックスとして捉えることが出来る。本体に作用せず、周辺を作動させる。本体との協調関係、それによる何らかの決着が「統合」の在り方と考えることが出来る。「正しい」ことは決定できないものの、「間違い」は指摘可能であることにも通じる。
このうちファシアに関してさらに詳しく。現実の臨床に便利なようにあくまでも個人的に分類した5概念が以下のもの。あくまでも実用的分類。
5Fascia
1)鍼灸的(経絡・経別・奇経・経筋・皮部等)
2)漢方的(経方図・瘀血・水滞等)
3)コラーゲン的(アナトミートレイン・分子量子的・半導体的・周波数)
4)身体的(M-test・SPAT・良導絡・丹田等)
5)末梢循環的(FBO・CVO・生化学検査)
これらによりファシア、マトリックス等の概念と実臨床とが接続されたように感じています。つまりマトリックスとのプラグマティックな統合が、私にとっての統合医療という事になります。
今週のJCは、アトピー症例の検討から、これらの具体的な概念を用いて、最近の臨床的な体系をまとめてお話してみたいと思います。
こうした説明も久しぶりですので、ずいぶんと変わったと感じるのではないでしょうか。不明な点はカンファレンス当日にでもご質問下さい。
tougouiryo at 2024年05月06日14:29|この記事のURL│Comments(0)
マトリックス医学の概略
様々な観点でマトリックス医学を描出してきましたが、ここで現状での概略をまとめてみたいと思います。そもそもマトリックスは生物学的には細胞質などの表現として用いられていますが、一般的な意味での基質、母体、内容物に対しての梱包材など、幅広い意味を持ちます。ここではそうした広い意味でとらえていきたいと思います。梱包材(実体・実内容)といった形で列挙してみます。
1)ファシア<collagen, fascia, fibrosis> ⇔(組織・臓器)
2)物理・化学・環境<温度・気圧・環境因子> ⇔(人間)
3)微生物<ウイルス・細菌・真菌・寄生虫・腸内細菌> ⇔(ヒト)
4)細胞質<栄養・代謝> ⇔(細胞内小器官)
5)水分子
6)無意識<催眠・トランス> ⇔(意識)
7)対話<カンファレンス・組織論・OD・産業医等> ⇔(個人)
8)裏の体育<武術・丹田> ⇔(表の体育・スポーツ・トレーニング)
9)マトリックス性<作用・関係性・縮退論・過剰医療論> ⇔(実体)
他にも多々挙げられそうですが、とりあえずはここまで。背景というよりは、それ自体の実態を生み出す母体的な意味合いをもつマトリックス。これまでほぼ無視されていた存在であるファシアがまさにこの代表で、ファシアを考える中でこの基本構想ができあがりました。一見当たり前ではありますが、医学を超えて多くの分野において、新展開をもたらしうる概念であると思います。
そして、このマトリックスとそこから生じた実態との折り合い、それこそが統合医療のいうところの「統合」であると考えています。
1)ファシア<collagen, fascia, fibrosis> ⇔(組織・臓器)
2)物理・化学・環境<温度・気圧・環境因子> ⇔(人間)
3)微生物<ウイルス・細菌・真菌・寄生虫・腸内細菌> ⇔(ヒト)
4)細胞質<栄養・代謝> ⇔(細胞内小器官)
5)水分子
6)無意識<催眠・トランス> ⇔(意識)
7)対話<カンファレンス・組織論・OD・産業医等> ⇔(個人)
8)裏の体育<武術・丹田> ⇔(表の体育・スポーツ・トレーニング)
9)マトリックス性<作用・関係性・縮退論・過剰医療論> ⇔(実体)
他にも多々挙げられそうですが、とりあえずはここまで。背景というよりは、それ自体の実態を生み出す母体的な意味合いをもつマトリックス。これまでほぼ無視されていた存在であるファシアがまさにこの代表で、ファシアを考える中でこの基本構想ができあがりました。一見当たり前ではありますが、医学を超えて多くの分野において、新展開をもたらしうる概念であると思います。
そして、このマトリックスとそこから生じた実態との折り合い、それこそが統合医療のいうところの「統合」であると考えています。
tougouiryo at 2024年04月22日06:00|この記事のURL│Comments(0)
マトリックスとしての微生物の存在 細菌・真菌・寄生虫
マトリックス医学の展開の一つとして、病態形成におけるマトリックスとしての微生物について、メモ的に考えてみたいと思います。
以前から、外傷のない蜂窩織炎の発症を何度も経験しているのですが、時折テレビなどではブドウ球菌等の細菌が「なぜか」詳細不明で、蜂窩織において炎症を生じるといった説明がされています。またはどこか見つからないところに、小さな傷が出来てそれが原因、といった説明がされることもあります。
ただこれらに関しては、発症の経過を観察していると、血中に存在する細菌が、末梢において目詰まりして、発症しているようにしか思えない例にあたります。つまり、血中は完全な無菌とされていますが、実はそうではなくて、ひっそりと共存するいわば「静菌」状態に近い状態にあるのではないかと思うのです。
ここから考えると、リーキーガット症候群などの発症モデルとして注目される、カンジダなどの「深部真菌症」もこれに似た状態と考えることが出来そうです。
通常、腸管での生息が想定されますが、新鮮血の観察でも時折、カビ状の構造物が見られますので血中の可能性も否定できないのかもしれません。
またこれらの真菌は、消化管細胞の結合部に割り込み、その接合を壊しすき間(穴)をあけ、そこから内部のものを漏出させるきっかけとなります。栄養物の漏出のみならず、白血球のように、細菌などの微生物がファシアへ移行することも出来るはずです。また治療法として、抗真菌薬のみならず生薬の黄ゴンやオリーブの葉などが挙げられますが、これらによる揺り返しとしてダイオフという強い反応を引き起こしやすいことも特徴的です。オウゴンの副作用として挙げられる反応のいくつかには、こうしたダイオフの関与も無関係ではないのかもしれません。
そして新鮮血観察において気づいたこと、というか驚いたことの一つが、寄生虫とりわけ線虫様の構造体が時折観察されてくることです。
糞線虫症として明らかな発症をしていなくても、我が国でも南西部を中心に健常者においても、軽微な症状ながら線虫の存在報告がされてきました。とくにフィラリア症におけるリンパ管の閉塞といった病態は、その虫体自体のファシアでの存在が強く想像されます。また新鮮血観察をされている先生方からも、線虫らしき存在が観察されているようです。さらに学会報告などでも、ファシアほどの内部ではありませんが、膀胱内や膣内での自由生活線虫が観察されています。
また体内での常在性を示唆する傍証としては、近年話題のがんにたいする線虫検査の存在です。確かに機序としては、嗅覚の鋭敏さで説明出来るのでしょうが、あれほどまでに反応するのであればこれまでの遺伝上において、がん細胞との相当の遭遇機会があったと考えても不思議はないのではないでしょうか。また線虫の赤血球内部への侵入を示唆する観察例と合わせると、解糖系に引き寄せられる可能性も否定できないでしょうし、それゆえにワールブルグ効果ともリンクしそうな気もしています。
また、線虫自体のどのような活動がきっかけとなっているのかは不明なのですが、末梢の新鮮血においてフィブリン増多が観察される機会が多いようにも思います。それゆえにネットに細胞が捕捉され、血流悪化などの契機にもなりそうです。つまり好酸球増多ともあいまって、ファシア重積さらには線維化の促進につながる可能性も考えられます。臨床的には根深い瘀血病変のようにも感じています。
これら以外も微生物、とりわけ線虫に関してはいろいろと考えられるのですが、概略としてこの辺にしておきます。つまりヒトの多彩な病態の中には、背景、マトリックスとしての微生物の存在が示唆される例が、意外に多く存在しそうです。従来の医学的常識の枠に大きく抵触することなく、治療に向けたヒントが多く含まれているように思うのです。メモ的なものなので雑駁な内容になりましたが、また改めてまとめてみたいと思っております。
以前から、外傷のない蜂窩織炎の発症を何度も経験しているのですが、時折テレビなどではブドウ球菌等の細菌が「なぜか」詳細不明で、蜂窩織において炎症を生じるといった説明がされています。またはどこか見つからないところに、小さな傷が出来てそれが原因、といった説明がされることもあります。
ただこれらに関しては、発症の経過を観察していると、血中に存在する細菌が、末梢において目詰まりして、発症しているようにしか思えない例にあたります。つまり、血中は完全な無菌とされていますが、実はそうではなくて、ひっそりと共存するいわば「静菌」状態に近い状態にあるのではないかと思うのです。
ここから考えると、リーキーガット症候群などの発症モデルとして注目される、カンジダなどの「深部真菌症」もこれに似た状態と考えることが出来そうです。
通常、腸管での生息が想定されますが、新鮮血の観察でも時折、カビ状の構造物が見られますので血中の可能性も否定できないのかもしれません。
またこれらの真菌は、消化管細胞の結合部に割り込み、その接合を壊しすき間(穴)をあけ、そこから内部のものを漏出させるきっかけとなります。栄養物の漏出のみならず、白血球のように、細菌などの微生物がファシアへ移行することも出来るはずです。また治療法として、抗真菌薬のみならず生薬の黄ゴンやオリーブの葉などが挙げられますが、これらによる揺り返しとしてダイオフという強い反応を引き起こしやすいことも特徴的です。オウゴンの副作用として挙げられる反応のいくつかには、こうしたダイオフの関与も無関係ではないのかもしれません。
そして新鮮血観察において気づいたこと、というか驚いたことの一つが、寄生虫とりわけ線虫様の構造体が時折観察されてくることです。
糞線虫症として明らかな発症をしていなくても、我が国でも南西部を中心に健常者においても、軽微な症状ながら線虫の存在報告がされてきました。とくにフィラリア症におけるリンパ管の閉塞といった病態は、その虫体自体のファシアでの存在が強く想像されます。また新鮮血観察をされている先生方からも、線虫らしき存在が観察されているようです。さらに学会報告などでも、ファシアほどの内部ではありませんが、膀胱内や膣内での自由生活線虫が観察されています。
また体内での常在性を示唆する傍証としては、近年話題のがんにたいする線虫検査の存在です。確かに機序としては、嗅覚の鋭敏さで説明出来るのでしょうが、あれほどまでに反応するのであればこれまでの遺伝上において、がん細胞との相当の遭遇機会があったと考えても不思議はないのではないでしょうか。また線虫の赤血球内部への侵入を示唆する観察例と合わせると、解糖系に引き寄せられる可能性も否定できないでしょうし、それゆえにワールブルグ効果ともリンクしそうな気もしています。
また、線虫自体のどのような活動がきっかけとなっているのかは不明なのですが、末梢の新鮮血においてフィブリン増多が観察される機会が多いようにも思います。それゆえにネットに細胞が捕捉され、血流悪化などの契機にもなりそうです。つまり好酸球増多ともあいまって、ファシア重積さらには線維化の促進につながる可能性も考えられます。臨床的には根深い瘀血病変のようにも感じています。
これら以外も微生物、とりわけ線虫に関してはいろいろと考えられるのですが、概略としてこの辺にしておきます。つまりヒトの多彩な病態の中には、背景、マトリックスとしての微生物の存在が示唆される例が、意外に多く存在しそうです。従来の医学的常識の枠に大きく抵触することなく、治療に向けたヒントが多く含まれているように思うのです。メモ的なものなので雑駁な内容になりましたが、また改めてまとめてみたいと思っております。
tougouiryo at 2024年04月21日08:03|この記事のURL│Comments(0)
ファシアの病態についての考察(神経堤・EMT・関連痛など)
線維化病態を含めたファシアの病態についての考察のメモです。
「コラーゲン➡ファシア➡線維化」といった階層で考察していきます。まずはコラーゲンからの変化についての介入として、ビタミンC点滴や栄養療法などが挙げられます。次いでファシアから線維化への流れは、コラーゲン線維周辺の水分子の状態(これ自体がエバネッセント光など生気論的な生命観とも強く関係)と、その異常が集合した形でのファシアの重積病変もしくは血管病変(ビタミンC欠乏による壊血病も考えられる)、またはフィブリン網(フィブリン増加のメカニズムに関しては後日別稿にて)との連関による重積の増悪が考えられます。
この中で、とりわけ線維化病変は、機能障害をもたらすのみでなく、周辺の神経や血流の障害にもなりうるし、また視点を変えれば、線維化という現象が生じていることから「上皮間葉転換(EMT)」として付近の「がん化」も考えられます。
この際ファシアが神経堤細胞由来でもあることを考えると、周辺の血管との相互関係の中で、リプログラミングにより線維芽細胞へと先祖返りして別物へと転換する、というシステムも想定できそうです。つまりファシアの病変は、これまで想定した重積による神経・血管障害によるものだけではなく、神経堤細胞由来(ファシアすべてがそうだというわけではありません)であるがゆえにEMTにより、がんの悪性化にも関与しうるのではないかと推測されます。
また線維化自体が引き起こした慢性炎症が、ファシアを経由して他の部位に飛び火することも考えられます。これに関してはダニエル・キーオンも、関連痛と従来考えられている痛みも実は、神経弓の反射により体表に投影されるモデルではなく、ファシアによる直接的な連携(おそらく神経線維の流れと関係)により痛み物質が拡散しているモデルを想定しています。液性因子としてのプレリンパの関与が濃厚でしょう。確かに狭心痛などの痛みを、体表の感覚神経だけで考えるよりは、胸壁へと接続したファシア全体の痛みとして捉える方が合理的な気がします。
また、ファシアという概念からだとどうしても整形外科的な領域の考察に留まる傾向がありますが、これも発生における神経堤細胞の重要性を考えれば、あらゆる内臓の調整システムと深い関係があることは容易に推測できます。鍼灸の多彩なメカニズムの説明としても、十分な理由になります。つまりファシアというある種原始的かつ地味な組織は、ありゆる調整系を介して内臓全てに影響しているわけです。経絡・経別の言わんとしていることはここにも立証されているように思います。
「コラーゲン➡ファシア➡線維化」といった階層で考察していきます。まずはコラーゲンからの変化についての介入として、ビタミンC点滴や栄養療法などが挙げられます。次いでファシアから線維化への流れは、コラーゲン線維周辺の水分子の状態(これ自体がエバネッセント光など生気論的な生命観とも強く関係)と、その異常が集合した形でのファシアの重積病変もしくは血管病変(ビタミンC欠乏による壊血病も考えられる)、またはフィブリン網(フィブリン増加のメカニズムに関しては後日別稿にて)との連関による重積の増悪が考えられます。
この中で、とりわけ線維化病変は、機能障害をもたらすのみでなく、周辺の神経や血流の障害にもなりうるし、また視点を変えれば、線維化という現象が生じていることから「上皮間葉転換(EMT)」として付近の「がん化」も考えられます。
この際ファシアが神経堤細胞由来でもあることを考えると、周辺の血管との相互関係の中で、リプログラミングにより線維芽細胞へと先祖返りして別物へと転換する、というシステムも想定できそうです。つまりファシアの病変は、これまで想定した重積による神経・血管障害によるものだけではなく、神経堤細胞由来(ファシアすべてがそうだというわけではありません)であるがゆえにEMTにより、がんの悪性化にも関与しうるのではないかと推測されます。
また線維化自体が引き起こした慢性炎症が、ファシアを経由して他の部位に飛び火することも考えられます。これに関してはダニエル・キーオンも、関連痛と従来考えられている痛みも実は、神経弓の反射により体表に投影されるモデルではなく、ファシアによる直接的な連携(おそらく神経線維の流れと関係)により痛み物質が拡散しているモデルを想定しています。液性因子としてのプレリンパの関与が濃厚でしょう。確かに狭心痛などの痛みを、体表の感覚神経だけで考えるよりは、胸壁へと接続したファシア全体の痛みとして捉える方が合理的な気がします。
また、ファシアという概念からだとどうしても整形外科的な領域の考察に留まる傾向がありますが、これも発生における神経堤細胞の重要性を考えれば、あらゆる内臓の調整システムと深い関係があることは容易に推測できます。鍼灸の多彩なメカニズムの説明としても、十分な理由になります。つまりファシアというある種原始的かつ地味な組織は、ありゆる調整系を介して内臓全てに影響しているわけです。経絡・経別の言わんとしていることはここにも立証されているように思います。
tougouiryo at 2024年04月19日09:54|この記事のURL│Comments(0)
外縁としてのマトリックス医学再考 「外辺医療」を考える
マトリックス医学の概略を考える中で、人類学の新しい見解から大きな示唆を得ましたでの少しメモしておこうと思います。
世界史・人類学に関しては、これまで騎馬民族を起点として全世界史を概説した栗本先生の説が最も納得のいくものだったのですが、これをさらに補強する視点の解説が『反穀物の人類史』(みすず書房)です。
狩猟採集民から発展して農耕民となり、国家の形成へとつながるという従来の定説?とされる常識を覆すようなスリリングな内容です。本文においては、狩猟採集民を野蛮人とし、農耕民を国家形成の民と対比させ、それらを発展のベクトルにおくのではなく、同時に併存していた、という解釈です。
この辺りは最近のNHKの大人のための30分でわかる世界史、などでも同様の視点なので、ある種の流行りなのかもしれません。つまり同時に併存することで、いわば「光と闇」的な関係となるわけです。NHKでは境界領域に文明が発達するとも解説されていました。
そして本文では、闇的な野蛮人の方がいわば有利、お得な立場であるというのです。それゆえにこれらは併存し、確かに世界史においても国名としても隣接して存在します。そしてこの関係が17世紀まで継続し、そこから崩壊していくと解釈しています(ある種17世紀の危機と考えてもよさそうです)。
ここから帝国主義の時代を経て、現代にいたるわけですが、その過程はここでは述べられません。しかし、このあと「国家」なるものが、金融や大資本とでもいえるものに超克されるようになるのは言うまでもありません。つまり非常に大きな視点では、世界史レベルの中心テーマが大きく変化しているということです。もっというと世界史という枠を超えたものなのでしょう。
狩猟採集民の歴史については、文字による資料が無いことから、人類学的な考察の方がピッタリなのかもしれません。また国家を超えた議論の場合、経済学や哲学などの分野の方が適するのかもしれません。
そこで、そもそもの疑問に立ち返ると、人類の国家誕生のストーリーとしては狩猟採集民が、母体つまりマトリックスとして形成されるというわけです。
そしてそこから異物の結晶化のようなかたちで、むしろ初めは異端的に農耕が開始されるのですが、そこから直線的には展開せず、局所的には狩猟採集に再度転換したり、陰陽的に併存していくことになります。
世界史での展開を、人間集団での記載と考えれば、医学における展開にも矛盾することはない、と考えることも自然です。つまり一部、揶揄的に「外辺医療」と称される代替医療ですが、これらは伝統医療など医療としての源流を含むことはいうまでもありません。源流でもありながら、現代医療と併存もしているわけです。
国家というと体系的で、理性的なイメージがありますが、これも現代医療のイメージにどこか同一視されうるのではないでしょうか。それでいて国家は、本書の中では決して発展形態として扱われているわけではなく、むしろ外辺、外縁、周辺としての野蛮人の方が有利であったというのです。17世紀までは。この辺りの事情も、科学革命の開始期と考え合わせると、大いに医学史ともリンクしそうです。
狩猟採集民による野蛮人(あくまでも本書での表現ですので!)の存在と代替医療、さらには光と闇合わせた形での理解としての統合医療の存在は、とても類似したメタファーにあるような気がします。それゆえに、この外縁、周辺といったキーワードは、まさにマトリックス医学として記載しようとしていること、そのものにも感じています。
国家というものは光と闇のどちらか、というわけではなく、双子的にあることによってそれが成立している、という視点はまさに統合医療における現代医療と代替医療の関係性そのものではないでしょうか。
こうした視点からマトリックス医学をさらに拡張して、今後、概略として述べていこうと思います。
世界史・人類学に関しては、これまで騎馬民族を起点として全世界史を概説した栗本先生の説が最も納得のいくものだったのですが、これをさらに補強する視点の解説が『反穀物の人類史』(みすず書房)です。
狩猟採集民から発展して農耕民となり、国家の形成へとつながるという従来の定説?とされる常識を覆すようなスリリングな内容です。本文においては、狩猟採集民を野蛮人とし、農耕民を国家形成の民と対比させ、それらを発展のベクトルにおくのではなく、同時に併存していた、という解釈です。
この辺りは最近のNHKの大人のための30分でわかる世界史、などでも同様の視点なので、ある種の流行りなのかもしれません。つまり同時に併存することで、いわば「光と闇」的な関係となるわけです。NHKでは境界領域に文明が発達するとも解説されていました。
そして本文では、闇的な野蛮人の方がいわば有利、お得な立場であるというのです。それゆえにこれらは併存し、確かに世界史においても国名としても隣接して存在します。そしてこの関係が17世紀まで継続し、そこから崩壊していくと解釈しています(ある種17世紀の危機と考えてもよさそうです)。
ここから帝国主義の時代を経て、現代にいたるわけですが、その過程はここでは述べられません。しかし、このあと「国家」なるものが、金融や大資本とでもいえるものに超克されるようになるのは言うまでもありません。つまり非常に大きな視点では、世界史レベルの中心テーマが大きく変化しているということです。もっというと世界史という枠を超えたものなのでしょう。
狩猟採集民の歴史については、文字による資料が無いことから、人類学的な考察の方がピッタリなのかもしれません。また国家を超えた議論の場合、経済学や哲学などの分野の方が適するのかもしれません。
そこで、そもそもの疑問に立ち返ると、人類の国家誕生のストーリーとしては狩猟採集民が、母体つまりマトリックスとして形成されるというわけです。
そしてそこから異物の結晶化のようなかたちで、むしろ初めは異端的に農耕が開始されるのですが、そこから直線的には展開せず、局所的には狩猟採集に再度転換したり、陰陽的に併存していくことになります。
世界史での展開を、人間集団での記載と考えれば、医学における展開にも矛盾することはない、と考えることも自然です。つまり一部、揶揄的に「外辺医療」と称される代替医療ですが、これらは伝統医療など医療としての源流を含むことはいうまでもありません。源流でもありながら、現代医療と併存もしているわけです。
国家というと体系的で、理性的なイメージがありますが、これも現代医療のイメージにどこか同一視されうるのではないでしょうか。それでいて国家は、本書の中では決して発展形態として扱われているわけではなく、むしろ外辺、外縁、周辺としての野蛮人の方が有利であったというのです。17世紀までは。この辺りの事情も、科学革命の開始期と考え合わせると、大いに医学史ともリンクしそうです。
狩猟採集民による野蛮人(あくまでも本書での表現ですので!)の存在と代替医療、さらには光と闇合わせた形での理解としての統合医療の存在は、とても類似したメタファーにあるような気がします。それゆえに、この外縁、周辺といったキーワードは、まさにマトリックス医学として記載しようとしていること、そのものにも感じています。
国家というものは光と闇のどちらか、というわけではなく、双子的にあることによってそれが成立している、という視点はまさに統合医療における現代医療と代替医療の関係性そのものではないでしょうか。
こうした視点からマトリックス医学をさらに拡張して、今後、概略として述べていこうと思います。
tougouiryo at 2024年04月15日07:29|この記事のURL│Comments(0)
マトリックス医学への道(4)
いよいよ慢性炎症の行きつく先、線維化にいたる道筋です。近年、流行りのテーマでもある線維化へ、ファシアの病態がどのように接続していくか。先端の基礎医学と、補完代替医療系の大きな溝により、ほぼどこもコメントしていない状況ですが、丁寧に思考していけば、特に大きな隔たりもなく、連続した概念であることは明白です。しかし、我が国でのファシア研究とエネルギー医学系との隔絶などを考えると、この二つの概念が同時に語られるには、まだまだ時間がかかりそうです。ここまでの議論と現状を併せて見ていこうと思います。
慢性炎症の果てに、実質細胞が欠落し、間質細胞が増殖しこれが線維化を招く。こうした機序において真っ先に思いつくのが、線維芽細胞の増殖である。フィブリンの蓄積にともなって、張力が働く方向にフィブリンが並ぶのに伴い、同方向に線維芽細胞が増殖し、コラーゲン線維が形成されていく。
また慢性炎症の状態であるから、そこにはマクロファージやリンパ球なども集積して免疫反応も生じる。同時に血管も集まり、その周辺には細胞外マトリックスとしてのコラーゲン線維も増加し、炎症性物質を内包するプレリンパも多く存在することが推測される。
こうした状況の中、組織破壊が進行し、修復のバランスが破綻していけば、微細な環境における恒常性は破綻し、線維化による再構築が生じることになる。つまり、ここでファシア瘀血として述べてきた現象は、この線維化においてその主たる経過に大きく関与することになるのである。
そして、ここで期待されるのが、不可逆とされた線維化が可逆的に変化しうるという可能性である。つまり、このマトリックス医学の紹介の中で展開される様々な介入により、線維化への有効な対応策が見出される可能性が高いと言えよう。
言うまでもなく全身に張り巡らされたファシアは、一つのネットワークとして連続している。そしてそこにはプレリンパをはじめとして、多くの線維化に関与するプレーヤーもまたふくまれている。
ある部位に、強いファシア重積が形成されたとすると、その付近と影響する部位における運動が制限されるだけでなく、神経や血管もまた機能不全に陥る可能性が高い。
つまり、ファシア瘀血による慢性炎症の温床が形成されてしまう。それは直流電流によるファシア本来の通電性による機能を不全にさせ、実質細胞に悪影響を及ぼすであろうことが推測される。
またファシアの増殖により局所的な循環不全を招く可能性もある。また近年、慢性腎臓病の進展に対しての三次リンパ組織(TLS)の役割も見逃せない。これは線維芽細胞が実質細胞に集積するなかで、リンパ球を動員・増殖させ、さらにその周辺へと炎症を拡大させるものである。つまり線維化の病変がさらなる病態の悪化を招くということであり、こうした線維化をどのように解消していくかは、実質臓器の悪化を防ぐうえでも極めて重要な介入となる。
これらは詳細なプロセスは、肝臓や肺、皮膚や脂肪組織など各臓器で異なるものの、概ね同様の方向で進展していくとされる。つまりこれまでのような臓器別、つまりはここの実質細胞への対応策では、有効な対策はとりにくいことになり、ポジ・ネガの反転のような対策が必要とされる。これが、マトリックス医学とした理由である。従来の注目されていたもの「でない方」に視点を変える、ということになる。
我々はこれを、これまで伝統医学や補完代替医療の活用、という表現で理解してきたのであるが(それゆえに統合医療という名称にもなるのであるが)、そこに具体的な現代科学的イメージを重ね合わすことが可能になったということである。
また、マトリックスという時、それはいわゆるファシアよりも大きな概念になることはいうまでもない。これも広い意味でのポジ・ネガである。
こうした考え方の変化には、その時代時代に要請される「まなざし」の変化が根底にあると言わざるを得ない。
このまなざしの変化は、意識に対する無意識であるし、日常に対してのトランスでもあり、ニューロンに対してのグリアでもある。こうした時流の中での実質臓器にたいするそれ以外の部分、つまりはマトリックスということになる。
やや脱線するが、こうした変換はマトリックス内部においても生じる。ファシアの機能的な表現形式として説明した「経絡」概念の変遷がまさにあてはまる。
おそらく歴史的には、はっきりと実感しやすいアナトミートレインのような形で「経筋」として理解されていたものが、内臓との関連へと理論展開し、微細な感覚を伴って「経別」の源流となる概念になっていく。それが湯液など内服薬の充実により、内臓へのアプローチが「裏」へとまわると、さらに洗練された形で、多くの経穴を伴って「経絡(正経)」として成立。その後、進展した別形式としての「奇経」が生れ、再度、以前から存在していた経筋・経別などの概念を取り込みながら、整理してきたものが今日の経絡システムであるとする考えである(『東洋医学と潜在運動系』山田新一郎・佐藤源彦の記述をもとに記載)。つまりここでも、歴史的なまなざしの変化により大きな概念の変遷があったということである。
統合医療はそれ自体が大きな視点の変化を伴うものである。そうした中でも、統合主義的な視点でまとめたマトリックス医学という切り口は、より具体的な形で現代医療への新たな視点を提供しうるものであると確信する。個の内面から発する「プラグマティックメディスン」と合わせてご理解いただければ幸いである。(ケン・ウィルバーの四象限で表現すると「I」の視点がプラグマティックメディスンで、「It」の視点がマトリックス医学という分け方になる)
慢性炎症の果てに、実質細胞が欠落し、間質細胞が増殖しこれが線維化を招く。こうした機序において真っ先に思いつくのが、線維芽細胞の増殖である。フィブリンの蓄積にともなって、張力が働く方向にフィブリンが並ぶのに伴い、同方向に線維芽細胞が増殖し、コラーゲン線維が形成されていく。
また慢性炎症の状態であるから、そこにはマクロファージやリンパ球なども集積して免疫反応も生じる。同時に血管も集まり、その周辺には細胞外マトリックスとしてのコラーゲン線維も増加し、炎症性物質を内包するプレリンパも多く存在することが推測される。
こうした状況の中、組織破壊が進行し、修復のバランスが破綻していけば、微細な環境における恒常性は破綻し、線維化による再構築が生じることになる。つまり、ここでファシア瘀血として述べてきた現象は、この線維化においてその主たる経過に大きく関与することになるのである。
そして、ここで期待されるのが、不可逆とされた線維化が可逆的に変化しうるという可能性である。つまり、このマトリックス医学の紹介の中で展開される様々な介入により、線維化への有効な対応策が見出される可能性が高いと言えよう。
言うまでもなく全身に張り巡らされたファシアは、一つのネットワークとして連続している。そしてそこにはプレリンパをはじめとして、多くの線維化に関与するプレーヤーもまたふくまれている。
ある部位に、強いファシア重積が形成されたとすると、その付近と影響する部位における運動が制限されるだけでなく、神経や血管もまた機能不全に陥る可能性が高い。
つまり、ファシア瘀血による慢性炎症の温床が形成されてしまう。それは直流電流によるファシア本来の通電性による機能を不全にさせ、実質細胞に悪影響を及ぼすであろうことが推測される。
またファシアの増殖により局所的な循環不全を招く可能性もある。また近年、慢性腎臓病の進展に対しての三次リンパ組織(TLS)の役割も見逃せない。これは線維芽細胞が実質細胞に集積するなかで、リンパ球を動員・増殖させ、さらにその周辺へと炎症を拡大させるものである。つまり線維化の病変がさらなる病態の悪化を招くということであり、こうした線維化をどのように解消していくかは、実質臓器の悪化を防ぐうえでも極めて重要な介入となる。
これらは詳細なプロセスは、肝臓や肺、皮膚や脂肪組織など各臓器で異なるものの、概ね同様の方向で進展していくとされる。つまりこれまでのような臓器別、つまりはここの実質細胞への対応策では、有効な対策はとりにくいことになり、ポジ・ネガの反転のような対策が必要とされる。これが、マトリックス医学とした理由である。従来の注目されていたもの「でない方」に視点を変える、ということになる。
我々はこれを、これまで伝統医学や補完代替医療の活用、という表現で理解してきたのであるが(それゆえに統合医療という名称にもなるのであるが)、そこに具体的な現代科学的イメージを重ね合わすことが可能になったということである。
また、マトリックスという時、それはいわゆるファシアよりも大きな概念になることはいうまでもない。これも広い意味でのポジ・ネガである。
こうした考え方の変化には、その時代時代に要請される「まなざし」の変化が根底にあると言わざるを得ない。
このまなざしの変化は、意識に対する無意識であるし、日常に対してのトランスでもあり、ニューロンに対してのグリアでもある。こうした時流の中での実質臓器にたいするそれ以外の部分、つまりはマトリックスということになる。
やや脱線するが、こうした変換はマトリックス内部においても生じる。ファシアの機能的な表現形式として説明した「経絡」概念の変遷がまさにあてはまる。
おそらく歴史的には、はっきりと実感しやすいアナトミートレインのような形で「経筋」として理解されていたものが、内臓との関連へと理論展開し、微細な感覚を伴って「経別」の源流となる概念になっていく。それが湯液など内服薬の充実により、内臓へのアプローチが「裏」へとまわると、さらに洗練された形で、多くの経穴を伴って「経絡(正経)」として成立。その後、進展した別形式としての「奇経」が生れ、再度、以前から存在していた経筋・経別などの概念を取り込みながら、整理してきたものが今日の経絡システムであるとする考えである(『東洋医学と潜在運動系』山田新一郎・佐藤源彦の記述をもとに記載)。つまりここでも、歴史的なまなざしの変化により大きな概念の変遷があったということである。
統合医療はそれ自体が大きな視点の変化を伴うものである。そうした中でも、統合主義的な視点でまとめたマトリックス医学という切り口は、より具体的な形で現代医療への新たな視点を提供しうるものであると確信する。個の内面から発する「プラグマティックメディスン」と合わせてご理解いただければ幸いである。(ケン・ウィルバーの四象限で表現すると「I」の視点がプラグマティックメディスンで、「It」の視点がマトリックス医学という分け方になる)
tougouiryo at 2024年01月03日18:02|この記事のURL│Comments(0)
マトリックス医学への道(3)
前回はファシアにおける病態の基礎を形成すると考えられる「ファシア瘀血」の概念を解説しました。
これにより、ファシア重積など、マクロ的にボディワークによって解消される病態の原因が推測され、それは本ブログにおいては「Bファシア」と称してきました。一方、ミクロ的に、エネルギーワーク的な微細な介入によって改善される病態の基礎を「Eファシア」としました。つまり末梢循環における病態を示すファシア瘀血という概念は、このBファシアとEファシアの境界に位置し、双方の説明原理ともなるものだということが示されたわけです。
それではまず正常ファシアの解剖から始め、ファシアの病態へと進んでいきましょう。
Steccoらによるファシア関係の基本用語として、人体の水平関係をO-F単位、垂直関係を A-F配列が、4つの分節された腔に配置され、経絡との対置が行われる。この理解に加えて、線状の構造ではないファシアに、経絡のラインが当てはまる理由は、張力によるものである。
張力によってコラーゲン線維が引き伸ばされ、そのライン上を直流電流が走ることによって、情報の伝達がなされるわけである。
こうしてできた流れとしては、アナトミートレイン的な解釈が一番近く、とりわけ「経筋」の流れは、この典型と言える。またエネルギー療法的な視点から発展したものと推測されるのが「経別」であろうと考えられる。その後それらを総合する形でいわゆる「正経」が成立し、別ルートである「奇経」が認識されることになったのであろう。
いずれにせよ、体表から内臓に至るまで全身あらゆる部位と連続性をもつファシアであることが、こうした複数ルートとなりうる理由であろう。
またこうした鍼灸系統のルートとは別に、湯液系統のルートも想定しうる。これは、明かなルートとしては伝承されていないが、傷寒論の条文から帰納的に推測された江部経方医学における、UFO図とも呼ばれる気のルートがこれにあたるであろう。
このルートは隔を中心として、体内で発生した熱がどのように体外へと放出され、どのように体表を巡り、どこから内部へと環流されるかという流れで、ファシアを通じて伝播される熱のルートとしても解釈することができる。
またこれらの体表部における流れの層は三層構造になっており皮・肌・身として、表皮・真皮・皮下組織(筋肉)と対応していると考えられる。
こうした流れが慢性炎症によって生じた瘀血によって、ファシアの重積などの病態へと変化し、神経・血管を巻き込んで幾多の症状となって発現するわけである。
発現した病態像によって、ファシア瘀血をメインに、コンパートメント症候群的な状態である時には減圧を伴う「刺絡」が著効するし、一方では、血管や神経を巻き込んで絞扼、重積して物理的障害となっている場合は、生理的食塩水を局所注入する「ハイドロリリース」が著効することになる。
これらは局所的効果を発現するだけでなく、ファシアの該当部位からの連続体として、諸々の臓器にまで影響すると考えられる。絞扼された神経・血管が解放されることに加え、ファシアによるプレリンパの流れやコラーゲン線維の微量直流電流の改善がその機序として推測される。
これにより筋・骨格系のみならず、広く内臓全てに好影響を及ぼしうるし、本来の自発的治癒力の発揮へとつながる道筋となるであろう。がん治療においては、従来の免疫機序の賦活というストーリーにとどまらず、絞扼や圧縮といった物理的圧力からの開放や、電気的に良好な微小環境の形成を通じて、本来の治癒力発現へとつなげる道筋である。(がんは物理的圧力下において増大・転移しやすい)
ファシアの病態は以上のように、異常な局所の病態を改善して正常な「局所性」を取り戻し、それによって病的な連動を断つことで健全な「連動性」を復活させる、という2つの大きな改善を図ることができるのである。
またファシア内の電流のペースメーカーとして「脳波」が想定されているが、それに加えて「腸管」におけるペースメーカーも重要な役割を担うはずで、これには当然、腸内マイクロバイオ―タとのなダイナミックな関係性が大きく影響するはずである。
また腸管それ自体も、腸管膜根からフレアスカート状に大きな腸間膜が一塊として垂れ下がり、この構造と「丹田」との関連も強く示唆される。生体における解剖学的な位置を深く考察した肥田春充による「聖中心」も、このファシアによる考察を加えることで解明へとつながるのではないだろうか。
この辺りは非常に多くの可能性が秘められた議論が展開しうるであろう。いわゆる伝統医療・補完代替医療といわれる領域の統合的解釈における「ファシア」という概念の魅力は尽きることはなかろう。
これにより、ファシア重積など、マクロ的にボディワークによって解消される病態の原因が推測され、それは本ブログにおいては「Bファシア」と称してきました。一方、ミクロ的に、エネルギーワーク的な微細な介入によって改善される病態の基礎を「Eファシア」としました。つまり末梢循環における病態を示すファシア瘀血という概念は、このBファシアとEファシアの境界に位置し、双方の説明原理ともなるものだということが示されたわけです。
それではまず正常ファシアの解剖から始め、ファシアの病態へと進んでいきましょう。
Steccoらによるファシア関係の基本用語として、人体の水平関係をO-F単位、垂直関係を A-F配列が、4つの分節された腔に配置され、経絡との対置が行われる。この理解に加えて、線状の構造ではないファシアに、経絡のラインが当てはまる理由は、張力によるものである。
張力によってコラーゲン線維が引き伸ばされ、そのライン上を直流電流が走ることによって、情報の伝達がなされるわけである。
こうしてできた流れとしては、アナトミートレイン的な解釈が一番近く、とりわけ「経筋」の流れは、この典型と言える。またエネルギー療法的な視点から発展したものと推測されるのが「経別」であろうと考えられる。その後それらを総合する形でいわゆる「正経」が成立し、別ルートである「奇経」が認識されることになったのであろう。
いずれにせよ、体表から内臓に至るまで全身あらゆる部位と連続性をもつファシアであることが、こうした複数ルートとなりうる理由であろう。
またこうした鍼灸系統のルートとは別に、湯液系統のルートも想定しうる。これは、明かなルートとしては伝承されていないが、傷寒論の条文から帰納的に推測された江部経方医学における、UFO図とも呼ばれる気のルートがこれにあたるであろう。
このルートは隔を中心として、体内で発生した熱がどのように体外へと放出され、どのように体表を巡り、どこから内部へと環流されるかという流れで、ファシアを通じて伝播される熱のルートとしても解釈することができる。
またこれらの体表部における流れの層は三層構造になっており皮・肌・身として、表皮・真皮・皮下組織(筋肉)と対応していると考えられる。
こうした流れが慢性炎症によって生じた瘀血によって、ファシアの重積などの病態へと変化し、神経・血管を巻き込んで幾多の症状となって発現するわけである。
発現した病態像によって、ファシア瘀血をメインに、コンパートメント症候群的な状態である時には減圧を伴う「刺絡」が著効するし、一方では、血管や神経を巻き込んで絞扼、重積して物理的障害となっている場合は、生理的食塩水を局所注入する「ハイドロリリース」が著効することになる。
これらは局所的効果を発現するだけでなく、ファシアの該当部位からの連続体として、諸々の臓器にまで影響すると考えられる。絞扼された神経・血管が解放されることに加え、ファシアによるプレリンパの流れやコラーゲン線維の微量直流電流の改善がその機序として推測される。
これにより筋・骨格系のみならず、広く内臓全てに好影響を及ぼしうるし、本来の自発的治癒力の発揮へとつながる道筋となるであろう。がん治療においては、従来の免疫機序の賦活というストーリーにとどまらず、絞扼や圧縮といった物理的圧力からの開放や、電気的に良好な微小環境の形成を通じて、本来の治癒力発現へとつなげる道筋である。(がんは物理的圧力下において増大・転移しやすい)
ファシアの病態は以上のように、異常な局所の病態を改善して正常な「局所性」を取り戻し、それによって病的な連動を断つことで健全な「連動性」を復活させる、という2つの大きな改善を図ることができるのである。
またファシア内の電流のペースメーカーとして「脳波」が想定されているが、それに加えて「腸管」におけるペースメーカーも重要な役割を担うはずで、これには当然、腸内マイクロバイオ―タとのなダイナミックな関係性が大きく影響するはずである。
また腸管それ自体も、腸管膜根からフレアスカート状に大きな腸間膜が一塊として垂れ下がり、この構造と「丹田」との関連も強く示唆される。生体における解剖学的な位置を深く考察した肥田春充による「聖中心」も、このファシアによる考察を加えることで解明へとつながるのではないだろうか。
この辺りは非常に多くの可能性が秘められた議論が展開しうるであろう。いわゆる伝統医療・補完代替医療といわれる領域の統合的解釈における「ファシア」という概念の魅力は尽きることはなかろう。
tougouiryo at 2024年01月02日20:27|この記事のURL│Comments(0)
マトリックス医学への道(2)
コラーゲン線維周辺の水分子の状態から、慢性炎症への準備段階へとつながるミクロの環境について前回は解説しました。今回はそれに引き続く、末梢循環のミクロな環境において、どのように循環不全の火種が生じるかを考えていきます。
末梢循環のモデルとしては動脈が枝分かれして次第に毛細血管へ移行し、ガス交換の後に、静脈へと合流していく。そこではガス交換に限らず、栄養やホルモンといった物質の移動も行われ、組織外液は一部、盲端となっているリンパ管に吸収され静脈へと環流される。これが通常の解剖生理学における末梢循環の説明である。
しかし近年、この細胞外液のエリアにおいて、プレリンパと称される液体を内包する管が生体の直接観察により判明した。いわゆるコラーゲン線維に囲まれ内皮様の細胞の内側に、このプレリンパが存在する。つまり、ただ外液として存在しているのではなく、管様の構造物内を液体が通っていることになる。
またファシア内部にも液体が存在するから、毛細血管周辺には血管内の血液だけでなく、リンパ管のリンパ液、さらにはファシアの内包するプレリンパが大量に存在することになる。とりわけ、血管周辺にはファシアが多く存在するから、「瘀血」と言われるうっ血がある場合には、その周辺もまた液体がうっ滞していることになる。
こうした環境は、うっ滞がひどくなれば、毛細血管観察鏡では不明瞭な毛細血管像として観察される。また、毛細血管のうねりや湾曲などの変形像も、周辺の微細なコラーゲン線維の束により生じた引きつりと考えれば、後天的な変化として説明がつく。
では不明瞭にさせているものは何か。今度は光学顕微鏡や、暗視野顕微鏡にて観察可能な新鮮血で考える。ここでは病的状態として、赤血球の連銭形成がみられ、毛細血管通過困難な状況から血管像の消失(ゴースト血管)を生じたり、またフィブリン網が藻状構造物として観察されることから、それらが血管外で析出して血管不明瞭像を形成すると考えられる。これらはいわゆる従来の「瘀血」といった概念だけでは、明確な説明になっておらず、コラーゲン線維の集合体としてのファシアを念頭に置かないと説明しにくい。
これは実際の刺絡治療において、多くの瘀血が引かれることや、それらの粘性が極めて高いことなどの説明として不可欠である。つまり従来の瘀血は、その実態としては血管内部の停滞した血液に加え、血管外かつファシア内のプレリンパも大量に混在していることになる。
こうした末梢血液の環境により、「瘀血」が形成される可能性が高いので、むしろ血だけの問題ではなくファシアが大きく絡むことから「ファシア瘀血」と称することが妥当であると考える。
こうしてファシア瘀血という概念を導入することにより、慢性炎症などからファシア重積などのファシア病変へと連続する筋道が立ったことになる。この末梢循環の理解を基礎として、いよいよファシアの病態、さらには線維化へと解説を進めていくことにする。
末梢循環のモデルとしては動脈が枝分かれして次第に毛細血管へ移行し、ガス交換の後に、静脈へと合流していく。そこではガス交換に限らず、栄養やホルモンといった物質の移動も行われ、組織外液は一部、盲端となっているリンパ管に吸収され静脈へと環流される。これが通常の解剖生理学における末梢循環の説明である。
しかし近年、この細胞外液のエリアにおいて、プレリンパと称される液体を内包する管が生体の直接観察により判明した。いわゆるコラーゲン線維に囲まれ内皮様の細胞の内側に、このプレリンパが存在する。つまり、ただ外液として存在しているのではなく、管様の構造物内を液体が通っていることになる。
またファシア内部にも液体が存在するから、毛細血管周辺には血管内の血液だけでなく、リンパ管のリンパ液、さらにはファシアの内包するプレリンパが大量に存在することになる。とりわけ、血管周辺にはファシアが多く存在するから、「瘀血」と言われるうっ血がある場合には、その周辺もまた液体がうっ滞していることになる。
こうした環境は、うっ滞がひどくなれば、毛細血管観察鏡では不明瞭な毛細血管像として観察される。また、毛細血管のうねりや湾曲などの変形像も、周辺の微細なコラーゲン線維の束により生じた引きつりと考えれば、後天的な変化として説明がつく。
では不明瞭にさせているものは何か。今度は光学顕微鏡や、暗視野顕微鏡にて観察可能な新鮮血で考える。ここでは病的状態として、赤血球の連銭形成がみられ、毛細血管通過困難な状況から血管像の消失(ゴースト血管)を生じたり、またフィブリン網が藻状構造物として観察されることから、それらが血管外で析出して血管不明瞭像を形成すると考えられる。これらはいわゆる従来の「瘀血」といった概念だけでは、明確な説明になっておらず、コラーゲン線維の集合体としてのファシアを念頭に置かないと説明しにくい。
これは実際の刺絡治療において、多くの瘀血が引かれることや、それらの粘性が極めて高いことなどの説明として不可欠である。つまり従来の瘀血は、その実態としては血管内部の停滞した血液に加え、血管外かつファシア内のプレリンパも大量に混在していることになる。
こうした末梢血液の環境により、「瘀血」が形成される可能性が高いので、むしろ血だけの問題ではなくファシアが大きく絡むことから「ファシア瘀血」と称することが妥当であると考える。
こうしてファシア瘀血という概念を導入することにより、慢性炎症などからファシア重積などのファシア病変へと連続する筋道が立ったことになる。この末梢循環の理解を基礎として、いよいよファシアの病態、さらには線維化へと解説を進めていくことにする。
tougouiryo at 2024年01月01日19:09|この記事のURL│Comments(0)
マトリックス医学への道(1)
生体マトリックスの理解を、物質的基礎となるコラーゲンから始まって、ファシア、線維化に至る流れを現状の医学だけでなく、エネルギー医学やホメオパシー、経絡や漢方といった東洋医学も含めた補完医療的見地も入れながらストーリー立ててみたいと思う。
まずはコラーゲンから。コラーゲンに限らずすべてのタンパク質の分子には、水分子が寄り添っている。つまり生体マトリックスを構成する分子にも、水分子が常に付随し、そこには当然ながら相互作用が認められる。
コラーゲン周辺の水分子に、ある一定のエネルギーが作用するとそこには、秩序が生じ、水分子がそろってスピンする。これが「コヒーレント」といわれる状態である。コヒーレントの状態は、エネルギーを放出することができ、そこで発生したエネルギーをフローリッヒ波と称する。そしてこれにより、比較的無秩序な基底状態へと戻る。が、再度エネルギーを吸収すれば、コヒーレントの状態へ復帰することが出来る。(この過程において組織特異的な振動数を特定し、生体へ放射すれば量子医学として説明されるQPAないしはAWGといった波動治療器の原理説明となる)
この時のコヒーレントな状態というのは、コラーゲンを含めた周辺環境において「健全」な状態にあると仮定される。(量子医学においてはエバネッセント光としてウイルス等から生体を防御していると推測している)こうした振動による状態の改善においては、波動治療器に限らず、ホメオパシーなど広義のエネルギー医学的方法においても説明可能である。
つまり簡単にまとめると、ホメオパシーや波動医学などエネルギー医学系統は、主にコラーゲン周辺の水分子の(局所的な)コヒーレント状態を目標にしていることになる。
裏を返せば、これを妨害するものが、疾患への道筋となり、この段階で直接的に影響するのが「電磁波」であろう。電磁波によりコヒーレントな状態が妨害されれば、コラーゲンを介する生体のエネルギー伝達システムが異常となり、ひいては免疫機序の低下につながることが容易に推測される。これへの対応策がいわばアーシングであろう。
健全なコラーゲンの周辺ではコヒーレントな状態に近いと考えられ、それにより成長・損傷修復・防御反応、さらには各組織・臓器の活動を調和させると推測できる。
反対に不協和な状態であれば、慢性炎症のもととなり、その結果である線維化まで進行しうる。特に急性炎症からの遷延化である「慢性炎症」においては、好中球増加などの環境下から、フリーラジカルの発生がしやすく、安定した分子から酸素を奪い「酸化」した、いわば不健康な酸化ストレス状態へと導きやすくなる。
コラーゲンの集積した結合組織においては、直流電流が全身に流れているとされ、その流れのペースメーカー的な役割が「脳波」であると考えられている。そしてここでさらに想像をたくましくするなら、自律神経たる腸管神経系を司る腸のペースメーカーも関与しているのかもしれない。それはおそらく腸内マイクロバイオ―タと密接に連携しながら、外胚葉由来の脳と、内胚葉由来の腸とで、主に中胚葉由来の結合組織、ファシアに影響を与えていると考えると理解しやすいのではないだろうか。
そしてここから、感情や記憶といったものの起源を、脳のみに起因させるのではなく、全身に分散したモデルで考えることも可能になるのではないだろうか。
まずは、ファシアを話題にする前に、その素材であるコラーゲンとその周囲の水分子の状態から、解きほぐしてみた。このメカニズム理解には、ホメオパシーなど広くエネルギー医学を理解するポイントや、アーシングや環境における電磁波対策、個々の住居の在り方、さらには地球規模におけるシューマン共鳴にまで応用しうるものであることを指摘しておく。
まずはコラーゲンから。コラーゲンに限らずすべてのタンパク質の分子には、水分子が寄り添っている。つまり生体マトリックスを構成する分子にも、水分子が常に付随し、そこには当然ながら相互作用が認められる。
コラーゲン周辺の水分子に、ある一定のエネルギーが作用するとそこには、秩序が生じ、水分子がそろってスピンする。これが「コヒーレント」といわれる状態である。コヒーレントの状態は、エネルギーを放出することができ、そこで発生したエネルギーをフローリッヒ波と称する。そしてこれにより、比較的無秩序な基底状態へと戻る。が、再度エネルギーを吸収すれば、コヒーレントの状態へ復帰することが出来る。(この過程において組織特異的な振動数を特定し、生体へ放射すれば量子医学として説明されるQPAないしはAWGといった波動治療器の原理説明となる)
この時のコヒーレントな状態というのは、コラーゲンを含めた周辺環境において「健全」な状態にあると仮定される。(量子医学においてはエバネッセント光としてウイルス等から生体を防御していると推測している)こうした振動による状態の改善においては、波動治療器に限らず、ホメオパシーなど広義のエネルギー医学的方法においても説明可能である。
つまり簡単にまとめると、ホメオパシーや波動医学などエネルギー医学系統は、主にコラーゲン周辺の水分子の(局所的な)コヒーレント状態を目標にしていることになる。
裏を返せば、これを妨害するものが、疾患への道筋となり、この段階で直接的に影響するのが「電磁波」であろう。電磁波によりコヒーレントな状態が妨害されれば、コラーゲンを介する生体のエネルギー伝達システムが異常となり、ひいては免疫機序の低下につながることが容易に推測される。これへの対応策がいわばアーシングであろう。
健全なコラーゲンの周辺ではコヒーレントな状態に近いと考えられ、それにより成長・損傷修復・防御反応、さらには各組織・臓器の活動を調和させると推測できる。
反対に不協和な状態であれば、慢性炎症のもととなり、その結果である線維化まで進行しうる。特に急性炎症からの遷延化である「慢性炎症」においては、好中球増加などの環境下から、フリーラジカルの発生がしやすく、安定した分子から酸素を奪い「酸化」した、いわば不健康な酸化ストレス状態へと導きやすくなる。
コラーゲンの集積した結合組織においては、直流電流が全身に流れているとされ、その流れのペースメーカー的な役割が「脳波」であると考えられている。そしてここでさらに想像をたくましくするなら、自律神経たる腸管神経系を司る腸のペースメーカーも関与しているのかもしれない。それはおそらく腸内マイクロバイオ―タと密接に連携しながら、外胚葉由来の脳と、内胚葉由来の腸とで、主に中胚葉由来の結合組織、ファシアに影響を与えていると考えると理解しやすいのではないだろうか。
そしてここから、感情や記憶といったものの起源を、脳のみに起因させるのではなく、全身に分散したモデルで考えることも可能になるのではないだろうか。
まずは、ファシアを話題にする前に、その素材であるコラーゲンとその周囲の水分子の状態から、解きほぐしてみた。このメカニズム理解には、ホメオパシーなど広くエネルギー医学を理解するポイントや、アーシングや環境における電磁波対策、個々の住居の在り方、さらには地球規模におけるシューマン共鳴にまで応用しうるものであることを指摘しておく。
tougouiryo at 2023年12月30日20:10|この記事のURL│Comments(0)
瘀血から線維化現象への推定仮説
前回に引き続き、マトリックス医学の概略について。いわゆる瘀血の形成から線維化に至る道筋をメモしておきます。
まずは、血管や血球の観察から知れる瘀血の病変について。赤血球の形態変化のしやすさ、連銭の形成状態、プラークの遊離、フィブリンネッツと思われる藻状構造体による血球の捕捉、これらがいわゆる粘性度をあげ、末梢の毛細血管における血流を妨げ、ときに血管外に漏出、もしくはファシアの空胞内部に充填され、瘀血・水滞、ファシア瘀血を形成する。
毛細血管観察像を不明瞭化させるこうした漏出物、おそらくはフィブリンネッツおよびグロブリン・マクロファージと思われる炎症性物質により、微小な線維化(線維の相互の架橋等)を形成すると考えられる。これらの集合により、時に線維化(症)へと発展する、もしくはファシアの重積といった形でエコー下で観察されることになる。これがファシアの病態となり、おそらくミクロには慢性炎症を惹起する物質を排出、慢性炎症の温床となると推測される。
こうした病変がいわゆる経絡学説の経別として内臓と接続し、炎症性物質が伝播、もしくは内臓の線維化からの逆伝播を生じ、体表観察を可能とする。この一部が、上層の皮膚に影響し、皮膚病変として認識されることもあるだろう。近年、デルマトロームとして関心を持たれているものの機序にあたると思われる。
これらの事象は、従来の臨床検査ないしは画像検査ではなかなか捉えにくいものであったが、補完的な検査が適するものと考えられる。つまり末梢における瘀血発生の母地として、毛細血管像・末梢新鮮血観察により概略を捉えることができるし、また微小なファシアレベルでの異常は、経絡現象の応用として良導絡など経絡測定器で推測できるし、脈診・背腹診といった伝統的診察法も応用可能である。また、より大きな重積に関してはエコーにてリアルタイムでの観察もでき、ハイドロリリースとして治療介入にもつながる。
当然、より大きな病変ないしは内臓での検索はMRIにて、全身レベルで行うことができ、さらに大きなエネルギーレベルでの偏りなどは、アーシングの対象にもなりうるし、バイオレゾナンスなどのエネルギー的な検索も可能になるだろう。
以上が、現段階における線維化(症)への流れの推測モデルである。
まずは、血管や血球の観察から知れる瘀血の病変について。赤血球の形態変化のしやすさ、連銭の形成状態、プラークの遊離、フィブリンネッツと思われる藻状構造体による血球の捕捉、これらがいわゆる粘性度をあげ、末梢の毛細血管における血流を妨げ、ときに血管外に漏出、もしくはファシアの空胞内部に充填され、瘀血・水滞、ファシア瘀血を形成する。
毛細血管観察像を不明瞭化させるこうした漏出物、おそらくはフィブリンネッツおよびグロブリン・マクロファージと思われる炎症性物質により、微小な線維化(線維の相互の架橋等)を形成すると考えられる。これらの集合により、時に線維化(症)へと発展する、もしくはファシアの重積といった形でエコー下で観察されることになる。これがファシアの病態となり、おそらくミクロには慢性炎症を惹起する物質を排出、慢性炎症の温床となると推測される。
こうした病変がいわゆる経絡学説の経別として内臓と接続し、炎症性物質が伝播、もしくは内臓の線維化からの逆伝播を生じ、体表観察を可能とする。この一部が、上層の皮膚に影響し、皮膚病変として認識されることもあるだろう。近年、デルマトロームとして関心を持たれているものの機序にあたると思われる。
これらの事象は、従来の臨床検査ないしは画像検査ではなかなか捉えにくいものであったが、補完的な検査が適するものと考えられる。つまり末梢における瘀血発生の母地として、毛細血管像・末梢新鮮血観察により概略を捉えることができるし、また微小なファシアレベルでの異常は、経絡現象の応用として良導絡など経絡測定器で推測できるし、脈診・背腹診といった伝統的診察法も応用可能である。また、より大きな重積に関してはエコーにてリアルタイムでの観察もでき、ハイドロリリースとして治療介入にもつながる。
当然、より大きな病変ないしは内臓での検索はMRIにて、全身レベルで行うことができ、さらに大きなエネルギーレベルでの偏りなどは、アーシングの対象にもなりうるし、バイオレゾナンスなどのエネルギー的な検索も可能になるだろう。
以上が、現段階における線維化(症)への流れの推測モデルである。
tougouiryo at 2023年11月19日10:38|この記事のURL│Comments(0)
統合的研究テーマとしての「マトリックス医学」
最近の臨床と研究での気づきのメモです。ご興味ない方はスルーを。
内科系の学会の基礎的な話題をみていると、かつてはあまり興味を持って語られなかった「線維化」について多く議論されているようです。線維化において重要な細胞外マトリックスなどは、以前から話題になっていましたが、炎症の最終ステージとしての線維化現象が、従来、不可逆と思われていたのが可逆的だということが多くの興味を惹いているようです。
特に、外野からでも面白そうなのは、腸内細菌との関連、さらには血管内皮との関連です。また免疫細胞との関係では、マクロファージのみならず、好酸球・好塩基球も大きな役割を有し、臓器横断的に新たな展開が期待できそうです。ただこうした基礎的な研究方法のみに限定すると、それだけになってしまいますが、このテーマはそれ以上に広がりを持ちそうな分野でもあります。
ここでもたびたび話題に挙げている「ファシア」が、その一つ。広い意味でのコラーゲン線維という共通点もさることながら、ファシアに生じる病態を臓器レベルに展開するときに、線維化の視点はとても重要な気がします。
また、科学論的に見ても、やや代替医療的な視点を有する「ファシア」に対し、基礎医学的な概念である線維化は、両者の橋渡し的な役割にもなりそうです。
この辺りの議論はここでも、ファシア瘀血学、そしてファシア学として解説してきましたが、いわゆる整形内科的な疾患の縛りを超えて、より大きな議論に接続できる可能性を感じます。瘀血の概念からの分析としては、毛細血管像の観察や、その中身としての血液像の観察において、「瘀血」概念を形成する構造物が見つかっており、これらと線維化との関連は、直に生体との接続を可能にするものである気がしています。今のところこの辺りの詳細は、少しぼかさざるを得ないのですが、いずれにせよ基礎的なレベルでの医療の「統合」を可能にする研究領域と言えるでしょう。
科学哲学的な視点で考えると、近年、こうした大きな意味での「統合」傾向が、意識するとしないにかかわらず進行しているように感じます。個々の研究者は、自らの領域の科学的な整合性を強調していくでしょうが、俯瞰した時に、それらの思惑とは違った大きな潮流のようなものを感じざるを得ません。統合医療の概念的な問題(総論構築問題も含む)に関心を持ちながら、ジャングルカンファレンスやオープンダイアローグといった組織体の在り方に興味を持つのも、また同時にファシアや末梢循環環境の研究に惹かれるのも、みな同根といったことなのです。
これまでざっくりとした雰囲気でしか、捉えてこなかった複数の概念の関係が、ここにきて次第に言語化できるようになってきました。おおきな統合の動きを、基礎的な考察においても展開していきたいものです。
こうした考えから、線維化についてもトピックスとして記述しながら考えていこうかと思ったのですが、それよりも大きな概念でまとめたほうがよさそうに思えてきました。そこで考えたのが「マトリックス医学」という概念。かつて縮退現象について考えたていたときに、同様の名前を思いついたのですが、縮退関連ですと「行列」としての意味合いしかなくなるので、今回とは異なります。それを含んだ、より大きな概念とでもいえましょうか。つまり細胞外マトリックスを基礎とした、広く生体の基質全体を視野に入れる医療の考えとでもいえましょうか。実質臓器との関連で言えば、まさに正統と代替の統合、そのものを体現する概念にもなりそうです。
何言っているかわからん、と思った方、ご安心ください。今後、少しずつこの概念の例や解説をしていきたいと思います。今日のところはメモですので…。
内科系の学会の基礎的な話題をみていると、かつてはあまり興味を持って語られなかった「線維化」について多く議論されているようです。線維化において重要な細胞外マトリックスなどは、以前から話題になっていましたが、炎症の最終ステージとしての線維化現象が、従来、不可逆と思われていたのが可逆的だということが多くの興味を惹いているようです。
特に、外野からでも面白そうなのは、腸内細菌との関連、さらには血管内皮との関連です。また免疫細胞との関係では、マクロファージのみならず、好酸球・好塩基球も大きな役割を有し、臓器横断的に新たな展開が期待できそうです。ただこうした基礎的な研究方法のみに限定すると、それだけになってしまいますが、このテーマはそれ以上に広がりを持ちそうな分野でもあります。
ここでもたびたび話題に挙げている「ファシア」が、その一つ。広い意味でのコラーゲン線維という共通点もさることながら、ファシアに生じる病態を臓器レベルに展開するときに、線維化の視点はとても重要な気がします。
また、科学論的に見ても、やや代替医療的な視点を有する「ファシア」に対し、基礎医学的な概念である線維化は、両者の橋渡し的な役割にもなりそうです。
この辺りの議論はここでも、ファシア瘀血学、そしてファシア学として解説してきましたが、いわゆる整形内科的な疾患の縛りを超えて、より大きな議論に接続できる可能性を感じます。瘀血の概念からの分析としては、毛細血管像の観察や、その中身としての血液像の観察において、「瘀血」概念を形成する構造物が見つかっており、これらと線維化との関連は、直に生体との接続を可能にするものである気がしています。今のところこの辺りの詳細は、少しぼかさざるを得ないのですが、いずれにせよ基礎的なレベルでの医療の「統合」を可能にする研究領域と言えるでしょう。
科学哲学的な視点で考えると、近年、こうした大きな意味での「統合」傾向が、意識するとしないにかかわらず進行しているように感じます。個々の研究者は、自らの領域の科学的な整合性を強調していくでしょうが、俯瞰した時に、それらの思惑とは違った大きな潮流のようなものを感じざるを得ません。統合医療の概念的な問題(総論構築問題も含む)に関心を持ちながら、ジャングルカンファレンスやオープンダイアローグといった組織体の在り方に興味を持つのも、また同時にファシアや末梢循環環境の研究に惹かれるのも、みな同根といったことなのです。
これまでざっくりとした雰囲気でしか、捉えてこなかった複数の概念の関係が、ここにきて次第に言語化できるようになってきました。おおきな統合の動きを、基礎的な考察においても展開していきたいものです。
こうした考えから、線維化についてもトピックスとして記述しながら考えていこうかと思ったのですが、それよりも大きな概念でまとめたほうがよさそうに思えてきました。そこで考えたのが「マトリックス医学」という概念。かつて縮退現象について考えたていたときに、同様の名前を思いついたのですが、縮退関連ですと「行列」としての意味合いしかなくなるので、今回とは異なります。それを含んだ、より大きな概念とでもいえましょうか。つまり細胞外マトリックスを基礎とした、広く生体の基質全体を視野に入れる医療の考えとでもいえましょうか。実質臓器との関連で言えば、まさに正統と代替の統合、そのものを体現する概念にもなりそうです。
何言っているかわからん、と思った方、ご安心ください。今後、少しずつこの概念の例や解説をしていきたいと思います。今日のところはメモですので…。
tougouiryo at 2023年11月17日19:52|この記事のURL│Comments(0)